ジーザス、エブリワン!キートンです。
正直読むのは大変そうだし、分かりやすくまとめて欲しいなあ。
こういった疑問にお答えします。
以前、旧約聖書のまとめ記事を書きましたが、今回は新約聖書についてもまとめていきます。
新約聖書に入ると、いよいよイエスキリストが登場してきますね。
そのため、キリスト教にとって非常に重要な書物といえます。
ただ、皆さん、言いたいことは分かってますよ。
聖書を読むのが面倒くさいんでしょ?(ドストレート)
そんなあなたのために、今回も僕が新約聖書の全書物をざっくりとまとめていきます!
いやー、愛に溢れすぎちゃってすみません!
この記事では、クリスチャンの僕が、
- 新約聖書とは?
- 新約聖書の内容をわかりやすくざっくりとまとめてみた【全書物解説】
といった内容で解説していきますね!
全体で2万字近い網羅性の高い記事なので、ぜひ聖書通読のお供にどうぞ!
旧約聖書のまとめ記事は、旧約聖書とは?その内容をわかりやすく簡単にまとめてみた【全書物解説】をどうぞ
目次
新約聖書とは?
新約聖書とは、キリスト教の聖典のことです。
全27巻から成り、イエスキリストが地上に来られた以降のことが書かれています。
そのため、イエスを救い主だと信じていないユダヤ教は、旧約聖書とは違い新約聖書を聖典として認めていません。
(【徹底比較】ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の違い10選まとめも参照)
新約聖書を構成する書物の多くは1世紀後半~2世紀半ばに書かれ、当時国際的な標準語だったギリシャ語で記されました。
旧約聖書では神とイスラエル(ユダヤ)人との旧(ふる)い契約が書かれていましたが、
新約聖書には、神とイエスを信仰する人々との新しい契約が書かれています。
つまり、イスラエル(ユダヤ)人だけでなく、イエスを信じた者は誰でも救われると新約聖書に書かれているのです。
旧約聖書と新約聖書の違いについては、旧約聖書と新約聖書の4つの違いをクリスチャンが解説【比較表あり】をどうぞ
新約聖書の内容をわかりやすくざっくりとまとめてみた【全書物解説】
新約聖書を大きく分けると、以下の5つに分けられます。
- 福音書(4巻)
- 歴史書(1巻)
- パウロ書簡(13巻)
- 公同書簡(8巻)
- 預言書(1巻)
👇図にすると、こんな感じ。
福音書(4巻)
福音というのは、”良い知らせ”という意味。
福音書には、イエスが救い主として地上に来てくださったという良い知らせが書かれているのです。
イエスの生涯や教えなどが書かれており、キリスト教にとって特に重要な書と言えます。
全4巻のうち、”ヨハネによる福音書”以外の3巻は内容や構成がそっくりなので、まとめて“共観福音書”と呼ばれています。
同じような内容の書なんて何度も読みたくないよ!
と思うかもしれませんが、福音書によって特徴も異なり、
各著者が様々な視点からイエスを描いているのです。
例えば、イエスの描き方を福音書ごとにまとめると、
- マタイによる福音書
➡”王”としてのイエス
- マルコによる福音書
➡”しもべ”としてのイエス
- ルカによる福音書
➡”人間”としてのイエス
- ヨハネによる福音書
➡”神の子”としてのイエス
という感じになり、全ての福音書を読むことでより鮮明なイエスの姿が浮かび上がってきます。
福音書の構成は、以下の通りです。
◎共観福音書
- マタイによる福音書(28章)
- マルコによる福音書(16章)
- ルカによる福音書(24章)
◎第四福音書
- ヨハネによる福音書(21章)
マタイによる福音書(28章)
◎構成
- イエスの誕生と少年時代(1、2章)
- イエスの教えと奇跡(3~20章)
- エルサレム入城(21章~)
- イエスの十字架での死と復活(26~28節)
マタイによる福音書は、イエスの12弟子の1人であるマタイによって書かれたと言われています。
マタイは、元々ユダヤ人から税を取り立てる嫌われ者の取税人でしたが、イエスと出会い従うことになった人物ですね。
本書は新約聖書の1番最初の書物なので、気合を入れて読み始めたいところですが、多くの人はいきなり壁にぶち当たります。
なぜなら、マタイによる福音書は、旧約聖書の登場人物の系図から始まるからです。
つまり、旧約聖書ではなく新約聖書から読み始めた人は、急に謎のカタカナ人名リストとご対面することになります。
とブーイングをしたくなるところですが、この系図にももちろん意味があります。
旧約聖書で預言されていたキリスト(救い主)であることを示しているのです。
このことを示すのが、マタイによる福音書の目的なんですね。
他にも、マタイによる福音書には以下の聖句のように、旧約聖書からの預言引用が多く、その引用箇所は65にも及びます。
「さて、イエスはヨハネが捕えられたと聞いて、ガリラヤへ退かれた。 13そしてナザレを去り、ゼブルンとナフタリとの地方にある海べの町カペナウムに行って住まわれた。 14これは預言者イザヤによって言われた言が、成就するためである。 15「ゼブルンの地、ナフタリの地、海に沿う地方、ヨルダンの向こうの地、異邦人のガリラヤ、 16暗黒の中に住んでいる民は大いなる光を見、死の地、死の陰に住んでいる人々に、光がのぼった」。」
(マタイによる福音書4章12~16節)
こうした引用によって、
旧約聖書の預言は実現しているんだぜ?
と伝えているわけですね。
とはいえ、まだ旧約聖書を読んでない方にはチンプンカンプンだと思うので、さらっと読み流していただいて大丈夫です。
その後、イエス誕生と生涯に関するお話が書かれていきます。
イエスは、大工の父ヨセフと母マリアの間に生まれたユダヤ教徒(ユダヤ人)です。
ただし、神の子であるイエスの誕生は普通ではなく、母マリアが聖霊の力を受けることで生まれました。
イエスが生まれた当時は大ローマ帝国の時代であり、
その大帝国の中で、日本でいう四国くらいの小さな場所、通称ユダヤ地方にイエスは生まれたのです。
当時、ユダヤ人はローマ帝国に支配されていましたが、ユダヤ人はこれに反発を抱き、いつも独立運動の機会を狙っていました。
時間はいきなり飛び、イエスは30歳になると突然、神が人になったような活動をし始めます。
ここから約3年半のイエスの生涯を“公生涯(こうしょうがい)”といい、その活動記録が福音書には記されているのです。
そのため、30歳までのイエスの幼少期や青年期のことは、聖書にはほとんど書かれていません。
洗礼者ヨハネから洗礼を受け、荒野で悪魔(サタン)の誘惑に勝利した後、イエスは、
- 病人を癒す
- 悪霊を追い出す
- パンと魚を増やす
- 湖の上を歩く
など様々な奇跡を起こしました。
そして、奇跡に驚いた人々が集まると、彼らに対して様々な教えを語るようになります。
その説教の中には多くのたとえ話があり、神について深く考えさせるものでした。
こうして、イエスは民衆の人気を集めるようになりますが、その教えや活動に反発を抱く者たちがいました。
ユダヤ教の指導者たちです。
彼らは今でいう神父や牧師のような人たちで、人々から”先生”と呼ばれて尊敬されていました。
しかし、彼らの中には旧約聖書の※律法を厳格に守ろうとする人たちがいて、イエスと対立したのです。
律法(りっぽう):旧約聖書に書かれた神の教えと戒め。代表的なものに十戒があり、ユダヤ教全体の教えになっている。
そのため、ユダヤ教の指導者たちは、イエスを殺そうと考えるようになります。
最初は田舎であるガリラヤ地方を中心に活動していたイエスでしたが、その後エルサレムへ。
エルサレムの都で苦難にあわなければならないのだと、イエスは弟子たちに告げます。
その言葉通り、イスカリオテのユダの裏切りによってイエスは捕らえられ、
ローマ総督ピラトから十字架刑の判決を受けました。
しかし、十字架による死から3日目の朝、イエスはなんと死から復活します。
そして、弟子たちに姿を現しました。
このイエスの復活を信じているのが、キリスト教徒なんですね。
イエスは弟子たちに、
と命じ、昇天されました。
(イエスのより詳しい生涯については、【完全版】イエス・キリストとはどんな人?その生涯を簡単にまとめてみたをどうぞ。)
以上の流れは、福音書、特に最初の3つの福音書に共通しており、そのためこれらは共観福音書と呼ばれます。
マタイによる福音書の特徴をまとめると、以下の通りです。
- イエスが旧約聖書で預言されていたキリスト(救い主)だと示すために書かれた。
- ユダヤ人クリスチャンを対象に書かれた。
- “王”としてのイエスを描いている。
- 旧約聖書の預言引用が多い。
マルコによる福音書(16章)
◎構成
- 人々に仕えるイエスの姿(1~10章)
- エルサレム入城(11章~)
- イエスの十字架での死と復活(14~16章)
マルコによる福音書は、1番最初に書かれた福音書で、使徒ペテロの助手であるマルコによって書かれたとされています。
福音書の中では最も短く、内容の展開がかなり速いです。
また、“しもべ”としてのイエスが描かれており、神でありながら人々に仕えている様子が分かります。
実際、イエスは助けが必要な人々を愛し仕え、最後は全人類の救いのために自分の命すら捨てられました。
イエスご自身も、このように語っておられます。
「人の子がきたのも、仕えられるためではなく、仕えるためであり、また多くの人のあがないとして、自分の命を与えるためである」。」
(マルコによる福音書10章45節)
内容の説明は、”マタイによる福音書”あるいは”ルカによる福音書”と9割以上かぶっているので省略しますね。
マルコによる福音書の特徴としては、以下が挙げられます。
ルカによる福音書(24章)
◎構成
- 人の子として成長するイエス(1~4章)
- 人々への癒しや教え(4~9章)
- 弟子たちや人々にたとえも使って様々な教えを語る(10~19章)
- エルサレム入城(19章~)
- イエスの十字架での死と復活(22~24章)
ルカによる福音書は、聖書の書き手の中で唯一の異邦人(ユダヤ人でない人)とされているルカによって書かれました。
この福音書自体も異邦人に向けて書かれており、そのため私たちにとっても分かりやすい書になっています。
ルカは使徒パウロの宣教旅行に同行した人で、教養のある医者でした。
そのため、本書では病人の症状や癒しの描写が具体的かつ多いという特徴がありますね。
イエスや洗礼者ヨハネの誕生から始まり、その文章は美しくて洗練されています。
後半に入ると、本書特有の有名なたとえ話がいくつも出てきます。
特に、
といったたとえ話は有名で、”ルカによる福音書”にしか出てきません。
他にも、
など”ルカによる福音書”ならではのお話がいくつもあります。
“ルカによる福音書”の特徴をまとめると、以下の通りです。
- 歴史が順序立てて書かれている。
- 他の福音書で省略されていることも詳しく書かれている。
- 情緒豊かな”人間”としてのイエスを描いている。
- 女性・子供・貧しい人といった立場の弱い人々に関心が向けられている。
- ルカ自身が医者のため、病人の症状や癒しの描写が具体的かつ多い。
- 本書にしかない有名なたとえ話が多い。
【聖書】ルカってどんな人?福音書と使徒行伝を書いた医者?もご参照ください。
ヨハネによる福音書(21章)
◎構成
- イエスの奇跡と教え(1~12章)
- エルサレム入城(12章~)
- 最後の晩餐と弟子たちへの教え(13章~16章)
- イエスの祈り(17章)
- イエスの十字架での死と復活(18~21章)
“ヨハネによる福音書”は、12弟子のヨハネが著者だと言われており(諸説あり)、福音書の中で最後に書かれました。
文中ではヨハネという名前ではなく、“イエスの愛しておられた弟子”という表記で出てきます。
いやー、なんという自己肯定感の高さ!!
“ヨハネによる福音書”といえば、
「初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。」
(ヨハネによる福音書1章1節)
という書き出しが非常に有名です。
言葉とはイエスキリストを指しており、イエスは神であり、永久の昔から存在していたことが分かります。
キリスト教って一神教じゃなかったっけ?
と不思議に思うかもしれませんが、
その辺りのことは【徹底解説】三位一体とは?わかりやすくクリスチャンが解説をご参照ください。
本書では、“神の子”としてのイエスが描かれており、イエスは神の子として教えを語り、様々な奇跡を起こされました。
実際、本書でも様々な人がイエスは神、あるいは神の子だと言っています。
「わたしはそれを見たので、このかたこそ神の子であると、あかしをしたのである」。」
(ヨハネによる福音書1章34節)
「ナタナエルは答えた、「先生、あなたは神の子です。あなたはイスラエルの王です」。」
(ヨハネによる福音書1章49節)
「マルタはイエスに言った、「主よ、信じます。あなたがこの世にきたるべきキリスト、神の御子であると信じております」。」
(ヨハネによる福音書11章27節)
「しかし、これらのことを書いたのは、あなたがたがイエスは神の子キリストであると信じるためであり、また、そう信じて、イエスの名によって命を得るためである。」
(ヨハネによる福音書20章31節)
“ヨハネによる福音書”は、共観福音書に含まれていないことからも分かる通り、他の3つの福音書とはかなり毛色が違います。
実際、内容的にも他の福音書とかぶっている部分が少ないですね。
また、
「神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。」
(ヨハネによる福音書3章16節)
「イエスは彼に言われた、「わたしは道であり、真理であり、命である。だれでもわたしによらないでは、父のみもとに行くことはできない。」
(ヨハネによる福音書14章6節)
など”ヨハネによる福音書”ならではの名聖句も多いです。
特に3章16節の聖句は聖書全体の要約ともされる重要な箇所で、”ミニバイブル”と呼ばれることもあります。
“ヨハネによる福音書”の特徴をまとめると、以下の通りです。
- イエスの誕生物語が描かれていない。
- 年代順にイエスの生涯を描いておらず、イエスの言葉が多い。
- イエスと父なる神との関わりに焦点を当てている。
- “神の子”としてのイエスを描いている。
- 終末の預言や山上の説教などが書かれていない。
- “カナの婚礼”や”ラザロの蘇生”など本書にしか書かれていない奇跡が多い。
【12弟子】使徒ヨハネとはどんな人?その生涯をまとめてみたもご参照ください。
歴史書(1巻)
歴史書は、使徒行伝(しとぎょうでん)の1巻しかありません。
使徒行伝は、使徒の働き、使徒言行録(げんこうろく)などとも呼ばれますね。
- 使徒行伝(28章)
使徒行伝(28章)
◎構成
- エルサレムで教会が始まる(1~5章)
- ステパノの殉教(6、7章)
- パウロの迫害と回心(8章~)
- パウロの宣教旅行とローマへの旅(13~28章)
使徒行伝は、”ルカによる福音書”の続編的な内容で、同じくルカによって書かれました。
そのため、”ルカによる福音書”と”使徒行伝”を合わせて、”ルカ文書”と呼ぶこともあります。
使徒行伝に書かれているのは、最初期のキリスト教についてです。
つまり、イエスの昇天後、どのように教会が生まれ、キリスト教が広まっていったかなどが書かれているんですね。
また、イエスの弟子たちを通した、神の霊である聖霊の働きにも焦点が当たっています。
(聖霊については、聖霊とは?10の働きを簡単にクリスチャンが解説【神の位格】を参照)
本書のお話の中心となるのは、使徒ペテロ、宣教師パウロという2人の人物であり、
- 前半:ペテロの活躍(1章~12章)
- 後半:パウロの活躍(13章~28章)
と全体を大きく2つに分けることができます。
復活後のイエスが昇天した10日後、神の霊である聖霊が弟子たちに降りました。
すると、彼らは知らない他国の言語でイエスのことを語り始めました。(ペンテコステ)
こうして、彼らによる宣教活動が始まり、キリストを信じるユダヤ人が爆発的に増えていきます。
そして、キリスト教徒は自分たちだけの組織を作り始め、やがてそれが教会になっていくのです。
しかし、当然キリスト教に反対する人たちもおり、ユダヤ教の人たちからの迫害も強まっていきました。
その結果、ステパノという弟子が最初の殉教(じゅんきょう)者になってしまいます。
殉教(じゅんきょう):信仰のために命を捨てること。
しかし、その後キリスト教を迫害していたパウロが回心し、初代教会を代表する偉大な宣教師になっていくのです。
13章以降は、そんなパウロの3回にわたる宣教旅行や捕まってローマに護送される旅の記録などが書かれています。
パウロの旅を大きく分けると、以下の4つです。
- 第1次宣教旅行(13章11節~14章28節)
- 第2次宣教旅行(15章36節~18章22節)
- 第3次宣教旅行(18章23節~21章26節)
- ローマへの旅(21章27節~28章31節)
こうしてキリスト教はエルサレムから始まり、世界帝国の中心ローマにまで広がっていくのです。
パウロ書簡(13巻)
使徒行伝で大活躍だったパウロですが、彼は多くの手紙も書いています。
そのうちの13巻が、パウロ書簡として聖書に収められているのです。
その文章量は、”ルカによる福音書”と”使徒行伝”を合わせた量とほぼ同じで、
いかに新約聖書の大きなウェイトを占めているかが分かりますね。
クリスチャンたち(教会)宛の手紙が9通、個人宛の手紙が4通あります。
まとめると、以下の通りです。
◎パウロ書簡
- ローマ人への手紙(16章)
- コリント人への第一の手紙(16章)
- コリント人への第二の手紙(13章)
- ガラテヤ人への手紙(6章)
- エペソ人への手紙(6章)
- ピリピ人への手紙(4章)
- コロサイ人への手紙(4章)
- テサロニケ人への第一の手紙(5章)
- テサロニケ人への第二の手紙(3章)
- テモテへの第一の手紙(6章)
- テモテへの第二の手紙(4章)
- テトスへの手紙(3章)
- ピレモンへの手紙(1章)
ローマ人への手紙(16章)
◎主な内容
- 福音は最初ユダヤ(イスラエル)人だけに伝えられていたが、今は全ての人が招かれている。
- 異邦人もユダヤ人も全ての人は罪人で、神の救いを必要としている。
- 神はご自分の子であるイエスを、私たちの罪の救いのために地上に送られた。
- 律法や善を行うことによってではなく、キリストを救い主と信じることで罪がゆるされ救われる。
- 罪は死をもたらすが、神からの贈り物はキリストによる永遠の命である。
- イスラエル人(ユダヤ人)はイエスに背を向けたが、神は将来イスラエルを回復される。
- 神を信じる者なら、神を喜ばせる生活をすべきだ。
ローマ人への手紙には、キリスト教信仰のベースとなる教えが書かれており、歴史上に大きな影響を与えています。
宗教改革でおなじみのマルティン・ルターも、本書のことを、
と絶賛していますね。
手紙形式にはなっていますが、内容的には”キリスト教信仰の論文”というようなものですね。
そのため、やや堅くて難しい表現が多いです。
本書のテーマを一言で言うと、キリストを信じることで得られる救いです。
つまり、救いは人の行いによるのではなく、キリストの福音を信じることで与えられる神の一方的な恵みだと語られています。
しかも、その救いの道はユダヤ人だけでなく、全ての人に開かれているというんですね。
(福音については、【キリスト教】福音の意味とは?クリスチャンが簡単に解説しますをどうぞ)
また、本書では“義(ぎ)”というのが重要なキーワードです。
これは”神と人間の正しい関係”を意味する言葉ですが、最初の人間アダムが罪を犯したことで義は壊れてしまいました。
しかし、十字架で死なれたキリストを信じることで、義は回復されて私たちは救われるのです。
コリント人への第一の手紙(16章)
◎主な内容
- 仲間同士の争いは止めて、人間にではなくもっとキリストに思いを向けなさい。
- 結婚の重大さや夫婦生活について。
- 自分の行動が他の人々を傷つけないかを考えなさい。
- キリストを信じた人は聖霊を受けて、霊的な賜物(信仰、癒し、預言など)をいただける。
- ただし、重要なのは全て愛を持って行うことだ。
- 私たちは死を恐れる必要はない。キリストを信じたのなら、永遠の命を与えられているからだ。
コリントは、パウロが最も力を入れて宣教したギリシャの商業都市です。
しかし、パウロが去った後、コリントの教会では
- 教会内の分裂
- 結婚した人々の問題
- 食べ物の問題
- 礼拝の問題
- キリストの復活に関する信仰の問題
など様々な問題が生じていました。
こうした問題や疑問に答えるために書かれたのが、コリント人への第一の手紙です。
そして、パウロは信仰によって一致して欲しいとコリントの人々に語っています。
特に、13章はキリストの愛(アガペー)について語られている有名な箇所で、“愛の章”とも呼ばれていますね。
「愛は寛容であり、愛は情深い。また、ねたむことをしない。愛は高ぶらない、誇らない、 5不作法をしない、自分の利益を求めない、いらだたない、恨みをいだかない。 6不義を喜ばないで真理を喜ぶ。 7そして、すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを耐える。 8愛はいつまでも絶えることがない。」
(コリント人への第一の手紙13章4~8節)
(【真理】聖書が語る愛の定義とは?7つの性質をご紹介します!も参照)
また、15章はキリストの復活と私たち人間の復活について書かれており、“復活の章”と呼ばれています。
「しかし事実、キリストは眠っている者の初穂として、死人の中からよみがえったのである。 21それは、死がひとりの人によってきたのだから、死人の復活もまた、ひとりの人によってこなければならない。」
(コリント人への第一の手紙15章20、21節)
コリント人への第二の手紙(13章)
◎主な内容
- 自分(パウロ)にキリストのことを語る使命を与えられたのは神である。
- 自分が持っているものを喜んで分け与えて、貧しい人たちを助けなさい。
- パウロが今まで通って来た数々の困難について。
- 私は弱い時にこそ強い。弱さの中にキリストの力が働かれるのだから。
- 人々をキリストから引き離す偽りの教師に気をつけろ。
第一の手紙に続いて、さらにコリント教会が正しい方向に進むようにと書かれたのが”コリント人への第二の手紙”です。
なぜなら、第一の手紙を書いた後、教会に間違った教えが入り込んだからですね。
偽りの教師たちも現れ、人々がパウロと敵対するように仕向けました。
そこでパウロは、コリントの人々に助言をしたのです。
パウロの個人的な心情が最もよく表れている書だとされていますね。
パウロは悔い改めたコリントの人を喜ぶ一方、悔い改めない少数の人を厳しく戒めています。
ガラテヤ人への手紙(6章)
◎主な内容
- 私たちは神の律法に従うことによってではなく、ただキリストを信じることで救われる。
- キリストを信じて救われると、聖霊がその人の内に住んで罪を犯し続けないように助けてくださる。
- クリスチャンが善を行うとき、他の人々はそこに神の愛を見る。
- クリスチャンは神を喜ばせる行動ができるように、お互いに助け合うべきだ。
ガラテヤ人への手紙は、パウロ書簡の中でも最も初期に書かれたと言われており、
“ローマの信徒への手紙”と並んでパウロの神学がよく表れてる書です。
本書では、キリスト教徒と律法の関係について書かれています。
当時の教会において、異邦人クリスチャンがユダヤ教の律法をどう考えればいいのかというのは重要な問題でした。
なぜなら、当時、ユダヤ教徒やユダヤ教出身のクリスチャンには、律法を守らなければ人は救われないという考え方があったからです。
例えば、ガリラヤ地方の教会には、※割礼を守らなければ救われないという間違った教えがあり、その教えを訂正していますね。
割礼(かつれい):神に選ばれた民のしるしとして、ユダヤ(イスラエル)人が男児の性器に手術を行うこと。
つまり、人の救いは律法などの行いによらず、
ただキリストを信じることで与えられる恵みだとパウロはこの手紙で語っているのです。
また、キリストを信じる者は聖霊が与えられ、律法の束縛から解放されるとも書かれています。
(聖霊については、聖霊とは?10の働きを簡単にクリスチャンが解説【神の位格】をどうぞ)
エペソ人への手紙(6章)
◎主な内容
- 全てのクリスチャンは、キリストの救いによって新しい命と罪に打ち勝つ力が与えられている。
- 全てのクリスチャンは、キリストの体である教会の一部分である。
- 神がしてくださったことのゆえに、私たちは神を愛する。
- 私たちは神を愛するからこそ神に従い、神を喜ばせるように生きようと願う。
- クリスチャンはお互いに親切にして、ゆるし合いなさい。
- 悪魔(サタン)の策略に立ち向かえるように、神の武具で身をかためよ。
ここからエペソ人への手紙ですが、新約聖書の
- エペソ人への手紙
- ピリピ人への手紙
- コロサイ人への手紙
- ピレモンへの手紙
という4つの手紙は、獄中書簡と呼ばれます。
なぜなら、これらはパウロがローマで捕まって囚人だったときに書かれた手紙だからです。
エペソ人への手紙は、エペソを中心に小アジア(トルコ西部)の諸教会で回し読みするように送られたとされています。
パウロは、約3年間エペソで聖書の言葉を伝えました。
本書は、ある特定の問題解決のために書かれたというよりも、
パウロがエペソの教会への愛を示すために書かれたとされています。
本書は、パウロの教えのまとめ的な内容になっており、救いと教会の関係について書かれていますね。
ピリピ人への手紙(4章)
◎主な内容
- 自分に何が起きても、満ち足りることができる。
- キリストのようになることは、自分が何者か、何を成し遂げたかよりも重要だ。
- キリストの真理を教えない偽教師たちに気をつけなさい。
- キリストを信頼するなら、どんなことでもできる。
- 強い信仰を持ってキリストに従い、善を行いなさい。
- 喜び、祈り、神に感謝しなさい。
- 神を喜ばせることを考えて行いなさい。
ピリピ人への手紙は、パウロにお金や励ましを送ってくれたピリピのクリスチャンたちに感謝を込めて書かれた手紙です。
ピリピの人たちは他の教会と比べても、パウロを物質面・精神面どちらにおいても全面的に支援していたんですね。
パウロはこのとき囚人でしたが、クリスチャンとしての喜びが本書には溢れています。
実際、本書には”喜び”という言葉が多く、“喜びの手紙”と呼ばれています。
本書では、パウロは自身も苦難の中で神をたたえつつ、同じく周りからの迫害や対立に苦しむピリピの人たちを励ましています。
そして、キリストが再び来られること(再臨)を待ち望むように語っているんですね。
コロサイ人への手紙(4章)
◎主な内容
- あなたたちは、キリストがどのような方でどのような権威を持っているかを知る必要がある。
- 悪から離れて、神を喜ばせる清い生活を送りなさい。
- キリストを信じて、謙遜(けんそん)で慈愛に満ちた生き方をしなさい。
- 自分の欲望のままに生きてはいけない。
- 何をするにも神のささげ物として、ベストを尽くして行動しなくてはならない。
- 夫は妻を愛し、父親は子供が怒るような厳しすぎる教育はするな。
コロサイ人への手紙は、小アジア内陸の町コロサイの教会に宛てたものですが、内容は”エペソ人への手紙”に似ています。
特に、後半にあるクリスチャンの生活に関する教えは共通点が多いですね。
この頃、コロサイの教会には偽りの教師たちが入り込んでいました。
彼らは、
- 天使を礼拝すること
- ユダヤ人の儀式を厳守すること
などの間違ったことを教えていたのです。
そこでパウロはそういった教えの間違いを指摘し、愛の実践に励めと本書を書いたんですね。
テサロニケ人への第一の手紙(5章)
◎主な内容
- あなたたちの信仰生活、奉仕、喜びは他のクリスチャンの模範だ。
- キリストが再び天から来られる。
- そのとき、既に亡くなったクリスチャンも生きているクリスチャンも、天で神と共に住める。
- キリストの再臨は突然やってくるが、クリスチャンはそれが起こると確信できる。
- キリストの再臨を待っている間、喜び祈り、全てのことを神に感謝すべきだ。
テサロニケ人への手紙は、パウロが第2回目の宣教旅行で訪れたマケドニアの都市テサロニケの教会に宛てたものです。
テサロニケの教会はパウロの宣教によって始まりましたが、彼らはパウロの教えを間違ってとらえていました。
そこでパウロは、この手紙を書いたんですね。
テサロニケの手紙は第一も第二も※キリストの再臨に焦点が当たっており、再臨について何度も触れられています。
キリストの再臨:昇天されたキリストが世界の終わりに、この世を裁くために再び地上に戻って来られること。
本書では、以下の聖句が有名ですね。
「いつも喜んでいなさい。 17絶えず祈りなさい。 18すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって、神があなたがたに求めておられることである。」
(テサロニケ人への第一の手紙5章16節)
テサロニケ人への第二の手紙(3章)
◎主な内容
- 信仰生活が困難なときでも、キリストにあって成長し続けなさい
- “不法の人”が現れて自分が神だと主張するまでは、キリストの再臨は起こらない。
- キリストの再臨に備えつつも、自分自身の生活のために落ち着いて働きなさい。
- 善を行うことに疲れてはならない。
テサロニケ人への第二の手紙は、第一の手紙のおよそ半年後にコリントで書かれました。
こちらも、キリストの再臨がテーマになっています。
テサロニケの教会でもキリストの再臨が話題になっていましたが、その影響で、
- キリストは既にもう来たのだという者
- 仕事もせず毎日遊んでいるだけの者
などが現れました。
つまり、彼らはキリストの再臨について誤った理解をしていたのです。
そこでパウロは本書で、キリストが再臨される際のプロセスを語り、
間違った終末論に流されず、落ち着いて日々の労働をしなさい。
と呼びかけています。
ちなみに、“働かざるもの食うべからず”という言葉の語源となった、
「また、あなたがたの所にいた時に、「働こうとしない者は、食べることもしてはならない」と命じておいた。」
(テサロニケの信徒への手紙二 3章10節)
という聖句も本書に書かれていますね。
テモテへの第一の手紙(6章)
◎主な内容
- 神の働きをする者として、キリストが罪人を救うためにこの世に来られたということを教えなければならない。
- 教会の指導者は、賢くて自制心があり、尊敬できる人を選ぶべきだ。
- 人々の良い模範となりなさい。
- 間違ったことから離れて、正しいことを行いなさい。
ここから以下の
- テモテへの第一の手紙
- テモテへの第二の手紙
- テトスへの手紙
という3つの手紙は、
パウロの弟子であるテモテやテトスに教会のあり方について具体的な指示をしていることから、牧会書簡と呼ばれます。
テモテは、第二回目の宣教旅行の途中からパウロに従い始めた若い宣教者で、パウロの助手のような人でした。
パウロはテモテを愛を持って育て、彼はやがてエペソの教会で牧師の働きをするようになるんですね。
テモテへの第一の手紙では、そんなテモテに向けて、
- エペソの教会で背教者が現れたこと
- 教会の役員の資格について
- 教会での儀式のやり方
- 教会との関係について
- 金銭について
などの問題について指示を与えています。
また、正しい信仰を保つことや偽教師への警告も書かれていますね。
この手紙はいわば、先輩牧師から後輩牧師にあてた牧師の心得が書かれた手紙だと言えるでしょう。
テモテへの第二の手紙(4章)
◎主な内容
- キリストの正しい教えに従いなさい。
- ベストを尽くして他の人々に真理を教える、良い働き人になりなさい。
- 困難なときでも、キリストに忠実でありなさい。
- 人々に福音を伝え、真の神のしもべとなりなさい。
- マルコとともに自分のところに来てほしい。
テモテへの第二の手紙は、パウロが最後に逮捕されたときに書かれた手紙であり、パウロの人生最後の手紙です。
第一の手紙よりも個人的な内容になっており、注意や励まし、要件の依頼などが書かれています。
具体的には、
- 誤った教えに立ち向かうこと
- 過去に受けた教えに立ち戻ること
- 迫害の中でも忍耐すること
- 裁きのときに備えること
といったことが書かれていますね。
テトスへの手紙(3章)
◎主な内容
- 正しい行いをし、他の人を助けたいと願っている者を教会の指導者に選びなさい。
- 指導者は真理を教えなくてはならない。
- 年寄りや若い人、婦人たちに正しい行いをするように教えなさい。
- 人々が神の親切や愛を知ったなら、言い争いや憎み合いはやめなさい。
テトスは、パウロの宣教旅行に同行し、助手として働いた宣教者です。
パウロがローマでの最初の投獄から解放された後、パウロとテトスはクレテ島という島で働きました。
その後、パウロは神の働きと教会の指導者の任命をさせるために、クレタ島にテトスを残したのです。
そして、パウロはテトスにやるべきことを教えるためにこの手紙を書きました。
手紙の内容としては、”テモテへの第一の手紙”と共通点が多いですね。
ピレモン(フィレモン)への手紙(1章)
◎主な内容
- 逃亡奴隷オネシモをゆるしてあげて欲しい。
- オネシモとピレモンは今や2人ともクリスチャンなのだから、犯罪人としてではなく、兄弟として受け入れて欲しい。
- オネシモがピレモンから借りたものや盗んだものがあるなら、私(パウロ)がそれを支払う。
ピレモンへの手紙は、コロサイ教会のリーダーであったピレモンに向けて書かれた手紙で、パウロ書簡の中では最も短い書です。
パウロはこの手紙で、ピレモンの逃亡奴隷であるオネシモについて書いています。
オネシモは、主人であるピレモンから逃亡した人物で、その中でパウロと出会いクリスチャンとなりました。
しかし、パウロは、オネシモを説得して主人であるピレモンのところに帰るように言います。
そして、パウロは、
とピレモンにお願いしているのです。
公同書簡(8巻)
新約聖書の手紙のうち、パウロの名によるもの以外は“公同書簡”と呼ばれます。
特定の教会に宛てられたものではなく、広く教会全体に向けて書かれました。
ただし、ペテロやヨハネなどの名前が付いていますが、これらが12弟子によって書かれたかどうかは定かではありません。
構成は、以下の通りです。
◎公同書簡
- ヘブル人への手紙(13章)
- ヤコブの手紙(5章)
- ペテロ第一の手紙(5章)
- ペテロ第二の手紙(3章)
- ヨハネ第一の手紙(5章)
- ヨハネ第二の手紙(1章)
- ヨハネ第三の手紙(1章)
- ユダの手紙(1章)
ヘブル人への手紙(13章)
◎主な内容
ヘブル人への手紙は、パウロ書簡に含まれていたこともありますが、
文体や教えがパウロとは違うことから現在では作者不明になっています。
本書は、ユダヤ教徒からキリスト教徒になった人たちを対象に書かれたとされています。
当時のユダヤ人クリスチャンは、キリストに対する信仰を疑い始め、ユダヤ人としての生活に戻ることを望むようになっていました。
そこでこの手紙では、キリストを信じることはユダヤの伝統や慣習にはるかに勝っていると語られています。
11章までは、イエスキリストがどれだけ偉大な人物だったのかが書かれており、
最後の12、13章には、イエスを信じてイエスと同じように生きろと語られていますね。
ヤコブの手紙(5章)
◎主な内容
- 聖書の言葉は聞くだけでなく、実行しなさい。
- 神は信じる者を強め、困難なとき助けてくださる。
- 行いが伴わない信仰は死んだ信仰である。
- 舌を用いて悪口を言うのではなく、その舌でキリストを語り賛美しなさい。
- 困難なときでも忍耐しなさい。
ヤコブの手紙は、各地に散らばっているユダヤ人クリスチャンに向けて書かれたもので、内容は山上の垂訓と共通点が多いです。
当時のユダヤ人クリスチャンの多くは、キリストを信じないユダヤ人に迫害されていました。
そのためヤコブは本書で、どのように困難に立ち向かい、クリスチャン生活を送るべきかを書いているのです。
また、この手紙で強調されているのは、クリスチャン生活における行動の大切さで、
行いが伴わない信仰は死んでいると語っています。
例えば、キリストを信じていると言いながら、全く愛のない破壊的な生き方をしていたら、
それは信仰があるとは言えないということです。
ペテロ第一の手紙(5章)
◎主な内容
- クリスチャンはキリストによって新しい命を受けている。
- クリスチャンは困難なときでも神の祝福があり、キリストの再臨を待ち望める。
- クリスチャンはあらゆることで清い生活を送るべきだ。
- クリスチャンは神に属しているので、この世の悪に属してはならない。ただし、権威を持つ者には従いなさい。
- クリスチャンでない人たち中心の社会でも、誠実に生きなさい。
- 迫害の苦しみの中でも、聖霊に満たされた喜びの生活を送りなさい。
- 私たちの救いのために苦難を受けたキリストをお手本に生きなさい。
- キリストへの信仰を持ち、お互いに愛し合いなさい。
ペテロ第一の手紙は、迫害や困難に苦しむクリスチャンを励ますために書かれました。
ペテロは、神をおそれて互いに愛し合い、クリスチャンでない人中心の社会でも誠実に生きるようにすすめます。
また、キリストは私たちの模範であり、クリスチャンの希望はキリストの再臨だと語っていますね。
ペテロ第二の手紙(3章)
◎主な内容
- クリスチャンは愛と親切に満ちた行いで、真の信仰を示すべきだ。
- 教会内の偽教師たちに気をつけろ。だが、キリストの再臨の際に、神が彼らを裁かれるだろう。
- 清く信心深い生活をすることで、キリストの再臨は早まる。
- クリスチャンは今日キリストが再臨されると思って生活すべきだ。他の人々の模範となりなさい。
ペテロ第二の手紙は、ペテロが死の直前に書かれたとされています。
ただ、この著者が使徒のペテロかどうかは不明で、むしろペテロの名前を借りた別人が書いたという説が有力です。
本書は、キリストの再臨の馬鹿にする人たちを批判し、信仰を守って正しく生きることを伝えるために書かれたとされます。
実際、ペテロは本書で、キリストの再臨について間違った教えを語る人のことを警告し、キリストの再臨は必ずあると語りました。
ヨハネ第一の手紙(5章)
◎主な内容
- 神は清いお方なので罪人と交わることはできないが、クリスチャンは罪がゆるされ清められたので神と交われる。
- 神との交わりは、クリスチャンが神の家族(神の子)であること意味する。
- 神が私たちを愛してくださっているのだから、私たちも互いに愛を示すべきである。
- 愛し合う方法の1つは、お互いに祈り合うことである。
ここから3つ続く手紙は、異端に対処することを目的に書かれました。
第一の手紙で書かれている異端は、
- イエスがキリストであることを否定する
- イエスが人として肉体を持って生きたことを否定する
などの考え方を持った偽教師たちです。
このような人たちをのことを、ヨハネは本書で反キリストと呼んでいます。
ヨハネ第二の手紙(1章)
◎主な内容
- あなたたちが神の命令に従ってると聞いて、とても喜んでいる。
- 神を愛することには、他の人々を愛することも含まれている。
- 真理を教えない偽教師たちに気をつけなさい。彼らに食べ物や宿を提供して、力づけてはならない。
ヨハネ第二の手紙は、聖書の中でも最も短い書の1つです。
この手紙が書かれた頃、直接イエスから教えを聞いた教師たちはほとんど残っていませんでした。
そのため、偽教師たちが教会に来て、間違った教えを語ることもあったようです。
そこでヨハネはこの手紙で、偽教師に警戒するようにと書きました。
ヨハネ第三の手紙(1章)
◎主な内容
- ガイオがキリストの真理に忠実であると聞いて喜んでいる。
- ガイオが教会で宣教をしていたクリスチャンたちに親切であることを感謝している。
- 一方で、デオテレぺスはそのようなクリスチャンたちを受け入れようとしない。
- 善を行う人だけを見習い、デオテレぺスのようなわがままな人を見習ってはいけない。
第三の手紙は、ガイオという個人に宛てて書かれた手紙で、第二の手紙同様とても短い書です。
ガイオは、教会を回って宣教をしていたクリスチャンたちを家に泊めたり、必要なものを与えたりして助けていた人物でした。
そんなガイオをヨハネは本書で称賛し、引き続き支援をするように求めました。
一方で、教会を仕切り、上記のようなクリスチャンたちを拒絶しているデオテレぺスという人物を非難し、
彼のような人を見習ってはいけないと語っています。
ユダの手紙(1章)
◎主な内容
- キリストについて偽りを教える全ての人に、恐ろしい罰が用意されている。
- キリストについての真の教えを守りなさい。
- 偽教師に惑わされている人を助けてあげなさい。
ユダの手紙は、ペテロ第二の手紙と内容が似ており、異端や偽りの教師たちについて警告するために書かれました。
実際、本書には異端に対する厳しい批判が書かれており、キリストの真理のみを信じるべきだと語られています。
旧約聖書の例も出し、異端の末路についても書かれていますね。
預言書(1巻)
新約聖書の最後にあるのは、1巻だけの預言書です。
預言書というのは、かの有名な”ヨハネの黙示録”です。
- ヨハネの黙示録(22章)
ヨハネの黙示録(22章)
◎主な内容
ヨハネの黙示録は、ローマ帝国による迫害に苦しんでいた教会に励ましを与えるために書かれた書で、
未来や終末のことが預言的に書かれています。
著者のヨハネは、迫害を受けてパトモスという島に流され、そこで神に幻を見せられます。
その内容は、
- 今は苦しくても必ず報われるときが来る
- 死も悲しみもない新天新地がやがて来る
などの慰めや励ましに満ちたものでした。
ヨハネは神様に導かれて、このことを迫害されているクリスチャンたちに知らせようと本書を書いたのです。
このように、黙示録は、恐ろしい内容が書かれた不気味な書物だと思われがちですが、神を信じる者にとっては希望に満ちたものです。
なぜなら、最終的には神が悪を滅ぼし、救いを完成させる未来が書かれているからですね。
そのため、内容の解釈は意見が分かれ、この部分を都合よく解釈することで悪徳宗教に利用する人もいますね。(オ〇ム真理教とか)
ちなみに、かつて世間を震撼(しんかん)させた“ノストラダムスの大予言”も、この黙示録をもとにしていたと言われています。
詳しくは、【終末】ヨハネの黙示録の意味とは?わかりやすくクリスチャンが解説をどうぞ
まとめ:新約聖書の内容をざっくりと理解しよう!
かなりのボリュームの記事になってしまいましたが、新約聖書の内容はざっくりとご理解いただけましたか??
新約聖書には、イエスキリストの生涯や教えなどが書かれており、キリスト教にとって重要な聖典です。
いきなり頭から全部読むのは大変なので、まずはざっくりと全体像を押さえましょう!
それから少しずつ読み進めていけば理解が進み、キリスト教のみならず全人類にとって重要な真理が見えてくるはずです。
ぜひ本記事をブックマークして、聖書のガイドブック的な感じで使ってみてください!
共に聖書を読んで学んでいきましょう!
キートンでした。
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