ジーザス、エブリワン!キートンです。

分かりやすく教えて!
こういった疑問にお答えします。
皆さんは、“三位一体説”という言葉を聞いたことはありますか?
学校の授業で、ワードだけは聞き覚えがあるかもしれません。
政治でも三位一体の改革なんてものもありましたし!
まあ、使い方は間違っているんですけどね。。
しかし、この言葉の意味を説明してくださいと言われたら、

と頭を抱えてしまう方がほとんどだと思います。
それもそのはず。
三位一体説というのはキリスト教の中でも最も理解が難しい概念の1つだからです。
そこで今回は、クリスチャンの僕が
- 三位一体説の意味
- 三位一体説が誕生した経緯
などについて、なるべく分かりやすくご紹介したいと思います!
目次
“三位一体説”とは?

三位一体というのは、神様は3つの位格を持っておられるという考え方のことです。
位格というのは、人間で言うと人格のようなものですね。
そして、その3つの位格というのが
です。
そして、それぞれの位格に上下関係はありませんが、役割分担があるということですね。
これはキリスト教において非常に重要な考え方で、三位一体説を認めない教派は異端とされているほど。
実際、三大宗派を含めたキリスト教の多くの宗派がこの教えを受け入れています

ちなみに、カトリックでは、ミサなどの際に
“父と子と聖霊の名によって”と神父が唱えますが、これも三位一体に基づいています。
つまり、”三位一体の神様の御心(思し召し)によって”という意味ですね。
キリスト教の主な宗派については、【解説】キリスト教の主な宗派は?3つをわかりやすくまとめてみたをどうぞ
3つの位格紹介
それでは、神様のそれぞれの位格を見てみましょう。
- 父なる神(創造主)
- 子なる神(イエス・キリスト)
- 御霊なる神(聖霊)
①父なる神(創造主)

この世界や生物たちを造られた、全知全能の神。
旧約聖書の創世記には、創造主による“天地創造”の様子が描かれていますね。
「1こうして天と地と、その万象とが完成した。 2神は第七日にその作業を終えられた。すなわち、そのすべての作業を終って第七日に休まれた。 3神はその第七日を祝福して、これを聖別された。神がこの日に、そのすべての創造のわざを終って休まれたからである。 4これが天地創造の由来である。」
(創世記2章1~4節)
まあ、皆さんが一般的に思い浮かべる神様のイメージだと思ってもらっていいでしょう!
旧約聖書に登場するのは、基本的にこの創造主です。
絵画などでは老人の姿で描かれることが多いですね。
神様がどんなお方なのかは、【キリスト教】神とは誰か?何者か?聖書から7つの性質を挙げてみた書いています。
②子なる神(イエス・キリスト)

人間の姿で地上に来られた救い主で、創造主の子供にあたります。
キリスト教の象徴的存在ですね。
創造主は私たち人間を愛するがゆえに、ご自分の独り子であるイエスを地上に送られ、十字架に架けられました。
そして、それは私たち人間がアダムとエバの頃から背負っていた罪をゆるすためです。
「16神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。」
(ヨハネによる福音書3章16節)
ところが、イエスは十字架の死から3日目に復活。
弟子たちにこのことを多くの人に伝えるようにと語り、天に昇って行かれました。
新約聖書には、イエスの生涯や教えがたくさん書かれていますよ!
詳しくは、【完全版】イエス・キリストとは?その生涯を簡単にまとめてみたをどうぞ
③御霊なる神(聖霊)

イエスキリストを信じた者に宿る神の霊。
イエスが昇天された後に聖書に多く登場し、私たち人間に語りかけたり力を与えたりしてくださる存在です。
イエスは、聖霊についてこう語っておられます。
「26しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってつかわされる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、またわたしが話しておいたことを、ことごとく思い起させるであろう。」
(ヨハネによる福音書14章26節)

彼がこのことを思いめぐらしていたとき、主の使が夢に現れて言った、「ダビデの子ヨセフよ、心配しないでマリヤを妻として迎えるがよい。その胎内に宿っているものは聖霊によるのである。 21彼女は男の子を産むであろう。その名をイエスと名づけなさい。彼は、おのれの民をそのもろもろの罪から救う者となるからである」。
(マタイによる福音書1章20、21節)
五旬節の日がきて、みんなの者が一緒に集まっていると、 2突然、激しい風が吹いてきたような音が天から起ってきて、一同がすわっていた家いっぱいに響きわたった。 3また、舌のようなものが、炎のように分れて現れ、ひとりびとりの上にとどまった。 4すると、一同は聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、いろいろの他国の言葉で語り出した。
(使徒言行録2章1~4節)
詳しくは、【神の位格】聖霊とは?その10の働き・役割をクリスチャンが解説!をどうぞ
“三位一体”は一神教と矛盾しないの!?【しません】

ここまで読んできて、もしかしたらこんな疑問を持たれた方がいるかもしれません。

三位一体説って一神教と矛盾しないの??
と。
いやー、良い質問ですね!
確かに、創造主とイエスキリストと聖霊だと神様が3人おるやん!と考えてしまうのも無理はありません。
しかし、それは三位一体をきちんと理解できていません。
三位一体説というのは神様が3つ合わさって1つなのではなく、1つの神様の中に3つの位格があるという考え方です。
つまり、神様はあくまでも1人だけ。
父と子、聖霊が合体して神が完成するというわけではありません。
三位一体説は3つで1つと誤解されがちですが、正確には1つで3つなのです!

なぜ三位一体は難しい!?【神は人間の理解を超えた方】

三位一体は、キリスト教の中でも特に難しい概念だというお話をしましたが、なぜでしょうか?
それは、私たちの身近に当てはまる例がないからです。
3つのものが合体して1つになるという分かりやすいものではないし、ただの多重人格というわけでもない。
それぞれ別の位格があるのに、それぞれが独立して別々の場所に存在することができる。
つまりは、三位一体は私たち人間の理解をはるかに超えてしまっているんです。
そもそも、宇宙すら造られた偉大な神様が、私たちの常識や理解に収まるはずがありません。
三位一体のような理解不能な概念があっても、全然不思議じゃないのです!

“三位一体”について書かれている聖書のシーン
三位一体という言葉自体は、聖書に書かれていませんが、
三位一体について書かれているシーンをピックアップしてみましょう
イエスが洗礼を受けるシーン

「16イエスはバプテスマを受けるとすぐ、水から上がられた。すると、見よ、天が開け、神の御霊がはとのように自分の上に下ってくるのを、ごらんになった。 17また天から声があって言った、「これはわたしの愛する子、わたしの心にかなう者である」。」
(マタイによる福音書3章16、17節)
これは、イエスが洗礼者ヨハネから洗礼を授かった直後のシーンです。
三位一体の神が勢ぞろいしている貴重な場面ですね。
神の御霊というのが聖霊、天から声を出しているのが創造主です。
そして、ここで創造主はイエスのことを”わたしの愛する子”と語っておられます。
ここからも、イエスは神の子なんだということが分かりますね!
聖霊=助け主

「16わたしは父にお願いしよう。そうすれば、父は別に助け主を送って、いつまでもあなたがたと共におらせて下さるであろう。 17それは真理の御霊である。」
(ヨハネによる福音書14章16、17節)
これはイエスが十字架にかかる前日の夜に、弟子たちに語られたメッセージです。
助け主という表現がされているのが、聖霊のことですね。
また、ここで”別に”と訳されている日本語は、ギリシャ語では”アロス”で、”全く同質のもう1人”という意味があります。
つまり、イエスと同質のもう1人が聖霊、したがって、聖霊=神ということになるんですね!
この御言葉通り、イエスの昇天後、弟子たちは聖霊の力を受けてたくさんの人々にキリストを伝えるようになります。
弟子たちも以前は頼りなかったのですが、これ以降生まれ変わっていくのです!
イエスが昇天前に語られたメッセージ

「19それゆえに、あなたがたは行って、すべての国民を弟子として、父と子と聖霊との名によって、彼らにバプテスマを施し、 20あなたがたに命じておいたいっさいのことを守るように教えよ。見よ、わたしは世の終りまで、いつもあなたがたと共にいるのである」。」
(マタイによる福音書28章19節)
これは、イエスが昇天前に弟子たちに語られたメッセージです。
クリスチャンが洗礼式を受ける際にも使われる、有名な箇所ですね。
父、子、聖霊と、三位一体の神の名が並んで語られています。
使徒パウロが語る三位一体

「主イエス・キリストの恵みと、神の愛と、聖霊の交わりとが、あなたがた一同と共にあるように。」
(IIコリント 13章13節)
使徒パウロの言葉です。
この箇所は、礼拝の最後に牧師さんが唱えることでもおなじみになっています。
ここでも、三位一体の神が並んで語られていますね!
このように、素直に聖書を読んでいくと、三位一体という概念にたどり着くのです。
“三位一体説”はどのようにして生まれた!?【2つの会議で成立】
では、三位一体説というのは、どのようにして生まれたのでしょうか。
これには、主に2つの会議が関わってきます。
- ニカイア公会議
- コンスタンティノープル公会議
①ニカイア公会議

ローマ皇帝のコンスタンティヌス帝が、325年に開いた会議。
この会議では、主に2つの派閥が対立することになります。
◎ニカイア公会議での2つの派閥
- アリウス派 ➡イエス・キリストが神であることを否定
- アタナシウス派➡イエス・キリストは子ではあるものの、父と同じ神であることを肯定
結果的に、この会議によって、イエス・キリストが神の性質を持っているということが認められ、
アタナシウス派は正統、アリウス派は異端とされました。
ただし、この会議により“聖霊は神の性質を持っているのか”という新たなテーマが浮上してきます。
そして、この議論は続いてのコンスタンティノープル公会議に持ち越されることに。
②コンスタンティノープル公会議

テオドシウス帝が、381年に開いた公会議。
この会議で聖霊が神の性質を持っていることが認められ、ついに三位一体の教えが確立されます。
その後、三位一体説はキリスト教における主流の教えとなり、教会の権威は大きく高まりました。
なぜなら、
つまり、

ローマ帝国とキリスト教については、【世界史】ローマ帝国でのキリスト教の歴史をざっくりまとめてみたをどうぞ
“三位一体”を否定する教派もある!?

キリスト教の主な宗派は、ほとんどが三位一体説を受け入れているというお話をしました。
しかし、いわゆるキリスト教の“新宗教”と言われる教派は、この教えに否定的な傾向があります。
例えば、
◎三位一体説を否定する教派
- ユニテリアン
- エホバの証人
- モルモン教
- 統一教会
- キリストの幕屋
などがそうです。
しかし、三位一体を否定するということは、イエスの神性も否定するということ。
そのため、三位一体説に異を唱える教派は異端扱いされています。
“三位一体”を描いた絵画
ここまで文字だけで説明してきましたが、実際の絵もあったほうが分かりやすいですよね??
というわけで、ここからは少し三位一体を描いた絵画を見てみましょう!

「聖ヨセフとアッシジのフランチェスコのいる聖母戴冠」(ジュリオ・チェーザレ・プロカッチーニ)

これは、非常に分かりやすい三位一体の絵画ですね。
中央にいる聖母マリアを囲んで、神様の3つの位格が描かれています。
配置はそれぞれ、
- 左➡イエス
- 上➡聖霊
- 右➡創造主
となっています。

マリアを支えている天使たちも描かれており、役者が勢ぞろいという感じですね!
「聖三位一体を崇める教皇クレメンス」(ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ)

イタリアの巨匠ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロが描いた、有名な絵画。
教皇クレメンスが三位一体の幻を見て、崇(あが)めている場面ですね。
こちらは、
- 左 ➡イエス
- 右 ➡創造主
- 中央➡聖霊
という配置になっています。

まとめ:三位一体説を理解するのは難しい!

少し難しかったですかね?
神様は私たち想像をはるかに超えたお方です。
ですから、皆さんがすぐに理解できなくても当然なのです!
まあ、
全ては、神のみぞ知るってことですな。(雑なまとめ)
キートンでした。
