ジーザス、エブリワン!キートンです。
さて、今回はイエス・キリストの時代に存在したユダヤ教の主な宗派をご紹介します。
ユダヤ教の宗派は律法を重視する傾向にあり、人々に大きな影響力を持っていました。
しかし、そんな中で彼らの考え方に異を唱え、愛を説くイエスキリストが現れ、対立していくことになります。
この記事では、
- ユダヤ教とは
- ユダヤ教の主な宗派
などについてご紹介していきます!

Contents
“ユダヤ教”とは?

ユダヤ教は、唯一神ヤハウェを神とするユダヤ人の民族宗教です。
キリスト教、イスラム教と並んで“世界三大一神教“の1つで、名前は違えどそれぞれが信じている神様は同じと言われています。
ユダヤ教のほうが先に成立していたため、キリスト教やイスラム教はユダヤ教の大きな影響を受けていますね。
- 安息日を厳守する
- 1日3回の礼拝をする
- 食のルールを徹底して守る
など、厳格な行動の決まりがあるのが特徴です。

聖書に登場する、ユダヤ教の主な宗派とは?
今回ご紹介するのは、主に4つの宗派です。
- サドカイ派
- ファリサイ派
- エッセネ派
- 熱心党
それぞれ詳しく見ていきましょう!
サドカイ派

祭司や貴族など教養があり、
ユダヤ教派閥の中では少数派のほうですが、
「27復活ということはないと言い張っていたサドカイ人のある者たちが、イエスに近寄ってきて質問した、」
(ルカによる福音書20章27節)
伝統的な律法を重視するのが特徴で、政治的な色も強め。
ただし、外国からの思想には比較的寛容です。
ローマ軍によってエルサレム神殿が破壊されると、
そのため、彼らに関する資料はほとんど残されていません。

ファリサイ派

ユダヤ教最大の宗派であり、
聖書での登場回数も、他の宗派に比べて圧倒的に多いです。
「32群衆がイエスについてこのようなうわさをしているのを、パリサイ人たちは耳にした。そこで、祭司長たちやパリサイ人たちは、イエスを捕えようとして、下役どもをつかわした。」
(ヨハネによる福音書7章32節)
“パリサイ派”とも呼ばれ、現代のユダヤ教派の多くが影響を受けているという重要な派閥ですね。
職人や農民などの中産階級の信者が多く、貧困者からの支持も多かったんだとか。
日常の細かい部分にも律法を広げていき、

“先生”と呼ばれ尊敬されている人も多かったですが、
外国の思想や文化にも、反対の姿勢をとっています。
ちなみに、後に偉大な使徒の1人となるパウロも、
現在では、ファリサイ派という名称ではなく、“ラビ的ユダヤ教”

エッセネ派

世間から離れて、禁欲的な生活を送ることで神の教えを見いだそうとしていた派閥。
そのため、一生独身を貫き、自給自足の共同生活を送っていたと言われています。

元はファリサイ派から生まれたと言われており、水での洗礼を行ない律法をきっちり守るのが特徴です。
エッセネ派の名前は聖書には登場しませんが、
イエスや洗礼者ヨハネがこの宗派に属していたのではないかという説もあります。

熱心党

ユダヤ教の過激派にあたる宗派。
政治に無関心なファリサイ派から離れ、当時ユダヤ人たちを支配していたローマに対する武装蜂起を目指しました。
イエスが生まれたのは、そんな反ローマ感情が特に高まっていた時代だったんですね。
そして、イエスの死後はその反ローマ感情がピークに達し、”ユダヤ独立戦争”が起こっていくのです。
ちなみに、イエスの弟子の中には、この熱心党に属していたと言われる熱心党のシモンという人物がいました。
「13夜が明けると、弟子たちを呼び寄せ、その中から十二人を選び出し、これに使徒という名をお与えになった。 14すなわち、ペテロとも呼ばれたシモンとその兄弟アンデレ、ヤコブとヨハネ、ピリポとバルトロマイ、 15マタイとトマス、アルパヨの子ヤコブと、熱心党と呼ばれたシモン、」
(ルカによる福音書6章13~15節)

その他のユダヤ教関係者
宗派ではないですが、他の
律法学者

律法学者は律法の専門家で、律法の意味を研究したり、
ファリサイ派とサドカイ派の律法学者がいましたが、
「38そのとき、律法学者、パリサイ人のうちのある人々がイエスにむかって言った、「先生、わたしたちはあなたから、しるしを見せていただきとうございます」。」
(マタイによる福音書12章38節)
人々からは”ラビ(先生)”と呼ばれていたようです。

大祭司

“祭司長”とも言います。
神様に仕える仕事をする人たちで、
ちなみに、イエスの時代には“カイアファ”という人物が大祭司でした。
「3そのとき、祭司長たちや民の長老たちが、カヤパという大祭司の中庭に集まり、 4策略をもってイエスを捕えて殺そうと相談した。」
(マタイによる福音書26章3、4節)
そして、カイアファは、イエスが人気を得ることで、ユダヤ人たちの
ちなみに、70年にエルサレム神殿が破壊されると、大祭司の地位は消滅しました。
ファリサイ派とサドカイ派は仲が悪かった!?

ユダヤ教の宗派をご紹介しましたが、彼らが全員仲良しというわけではありません。
同じユダヤ教でも、
その理由には、以下のようなものがあります。
◎ファリサイ派とサドカイ派の対立の原因
- 支持者の層の違い(ファリサイ派には貧しい人、
サドカイ派にはお金持ちな人が多かった) - 律法の解釈の違い
- 文化的な違い
聖書にも、彼らが言い争いをしている場面が描かれています。
「7彼がこう言ったところ、パリサイ人とサドカイ人との間に争論が生じ、会衆が相分れた。 8元来、サドカイ人は、復活とか天使とか霊とかは、いっさい存在しないと言い、パリサイ人は、それらは、みな存在すると主張している。」
(使徒行伝23章7、8節)
しかし、後にサドカイ派が消滅すると、
会堂で聖書を読んでお祈りをするというファリサイ派のスタイルが

ユダヤ教は民衆に厳しい!?

イエスの時代のユダヤ教というのは、
貧しい民衆にとっては、身近なものではありませんでした。
特にファリサイ派の人たちは、
「地の民(アム・ハ・アレツ)」と呼んで見下していたのです。
しかし、そんなときに現れたのがイエス・キリストでした。
イエスは彼らを偽善者と批判し、

イエスは、律法学者たちについてこう語られています。
「律法学者に気をつけなさい。彼らは長い衣を着て歩くのを好み、広場での敬礼や会堂の上席や宴会の上座をよろこび、 47やもめたちの家を食い倒し、見えのために長い祈をする。彼らはもっときびしいさばきを受けるであろう」
(ルカによる福音書20章46節、47節)
イエスの教えを聞いて、それまで律法に縛られて苦しんでいた人々はさぞ解放された気持ちになったことでしょう。
しかし、ユダヤ教の人々は、
自分たちに刃向かい、民衆の人気を得ていくイエスを恐れ、

まとめ:ユダヤ教にも派閥があった!

◎ユダヤ教の主な宗派
- サドカイ派
- ファリサイ派
- エッセネ派
- 熱心党
ユダヤ教とひと言にいっても、当時はこれだけの宗派がありました。
しかし、イエスは彼らに1人で立ち向かっていったのですからすごいですよね。
ちなみに、新約聖書ではユダヤ教の人たちが、しょっちゅうイエスに口論を吹っかけるのですが、
- イエスを言い負かしてやろうと、意地悪な質問をする
- イエスが見事な回答をして、それを論破
- 律法学者たちは退散し、憎しみを募らせる
大体いつもこのパターンですね。
律法学者さん、ファリサイ派さん、これに関して一言言わせてもらうと、何というかあれですよ。
相手が悪すぎるわ。(ど正論)
ではまた!

