ジーザス、エブリワン!キートンです。
キリスト教としばしば比較される、ユダヤ教とイスラム教。
なぜ比較されるかというと、
- 1人の神を信じる一神教である
- 聖典の一部が”聖書”である
- エルサレムという同じ聖地を持っている
など共通点が多いからです。
それもそのはず。
ユダヤ教から派生して、

どれも1つの神を信じる一神教であることから、”世界三大一神教”とも呼ばれるこれらの宗教。
しかし、そうは言っても、これらの3つは別の宗教です。
やはり、そこには色々な違いがあります。
そこで今回は、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の違いについてまとめていきたいと思います!
この記事を読めば、各宗教の違いがざっくと分かりますよ!


Contents
ユダヤ教とは?

ユダヤ教は、紀元前1280年ごろ成立した唯一神”ヤハウェ”を信じるユダヤ人の民族宗教のことです。
モーセがユダヤ人を連れて出エジプトを果たし、シナイ山で神様と契約を結んだことで生まれたと言われています。
断食や安息日の厳守など、厳格な行動の規定がいくつも定められているのが特徴です。
ユダヤ教は他の一神教に比べて信者数は少ないものの、
後に成立するキリスト教やイスラム教にも多大な影響を与えました。
今回ご紹介する3宗教の中では、”一神教の元祖”的存在ですね。


キリスト教とは?

キリスト教は、1世紀頃にユダヤ教から派生して生まれた“イエス”を救い主と信じる宗教です。
イエスとは2000年以上前に実在したユダヤ人で、キリスト教ではこのイエスが人類の罪のために死なれ、その3日後に復活されたと信じます。
ユダヤ教のような厳格な行動のルールはほとんどなく、”愛”や”ゆるし”の教えを重視するのが特徴です。
信徒数は23億人を超え、世界最大の宗教となっています。

イスラム教とは?

イスラム教は、7世紀頃にユダヤ教やキリスト教の影響を受けて成立した唯一神”アッラー”を信じる一神教です。
アッラーから啓示を受けたとされる、預言者ムハンマドによって誕生しました。
ユダヤ教と同じく、断食や聖地巡礼、1日5回の礼拝など日常生活のルールが細かく定められているのが特徴です。
信徒の数は18億人を超え、キリスト教に次いで世界で2番目に信徒の多い宗教となります。

【比較表】ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の違いとは?
さて、これから比較していきますが、まずは分かりやすいように3宗教の比較表を作ってみみました!
☟それが以下の通りです。
ユダヤ教 | キリスト教 | イスラム教 | |
成り立ち | 前13世紀頃、預言者モーセがシナイ山で神と契約を結び成立。 | 1世紀頃、イエスを救い主と信じる弟子たちによって成立。 | 7世紀頃、神の啓示を受けた預言者ムハンマドによって成立。 |
神の呼び方 | ヤハウェ | 神、イエス・キリスト、聖霊 | アッラー |
信徒数 | 約1400万人 | 約22億人 | 約16億人 |
聖地 | エルサレム、ヘブロン、ティベリア、ツファットなど | エルサレム、ローマ、コンスタンティノープルなど | エルサレム、メッカ、メディナ |
聖典 | タナハ(旧約聖書) | 旧約聖書、新約聖書 | 旧約聖書(一部)、新約聖書(一部)、コーラン |
宗派 | 正統派、改革派、保守派など | カトリック、正教会、プロテスタントなど | スンナ派、シーア派など |
教え | 律法を守ることを重視。選民思想があり、救世主(メシア)の到来を信じる。 | 愛やゆるしを重視。イエス・キリストの復活を信じる。 | 六信五行(五信十行)などの善行を重視。 |
生活ルール | 豚やイカなどは食べられない。安息日には一切の労働禁止。 | 特になし。ただし、宗派によっては断食を行うことがある。 | 豚肉やアルコールは禁止。断食や巡礼などが義務。 |
入信の方法 | 基本的にユダヤ人のみ。他民族からの入信は困難。 | キリストの救いを受け入れ、洗礼の儀式を受ける。 | 信仰告白(シャハーダ)をする。 |
死後の考え方 | 基本的に天国や地獄の概念は無い。この世の終わりに最後の審判が行われ、”エルサレム”が実現する。 | 死後に天国とよみに分けられる。この世の終わりに最後の審判が行われ、新天新地か地獄に分けられる。 | 死後に全員冥界”バルザフ”に送られる。この世の終わりに最後の審判によって、天国と地獄に分けられる。 |
イエスの扱い | ユダヤ教の信者・指導者 | 人間として来られた神の子であり救い主 | 偉大な預言者の1人 |
安息日 | 土曜日 | 日曜日 | 金曜日 |
では、それぞれ深堀りしていきましょう!
成り立ち

◎成り立ち
- ユダヤ教 ➡前1280年頃、預言者モーセがシナイ山で神と契約を結び成立。
- キリスト教➡1世紀頃、イエスを救い主と信じる弟子たちによって成立。
- イスラム教➡7世紀頃、神の啓示を受けた預言者ムハンマドによって成立。
キリスト教やイスラム教は、ユダヤ教の影響を受けていますから、当然ユダヤ教の成立が最も早いです。
ユダヤ教は、預言者モーセがエジプトの奴隷だったユダヤ人たちを連れ出し、シナイ山で神との契約をすることで成立しました。
このときにユダヤ人が神様から与えられたのが“十戒“を始めとする律法であり、
ユダヤ教ではこれらの律法に従うことが重要視されます。

しかし、やがてこうしたユダヤの律法主義に異を唱える人物が現れました。
その人物こそが“イエス”です。
イエスは、律法を守ることばかりを重視するユダヤ教の律法学者たちを批判し、愛の教えを説きました。
「13偽善な律法学者、パリサイ人たちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたは、天国を閉ざして人々をはいらせない。自分もはいらないし、はいろうとする人をはいらせもしない。〔 14偽善な律法学者、パリサイ人たちよ。あなたがたは、わざわいである。あなたがたは、やもめたちの家を食い倒し、見えのために長い祈をする。だから、もっときびしいさばきを受けるに違いない。〕」
(マタイによる福音書23章13、14節)
このように、弱者にも寄り添うイエスの教えは次第に人々の人気を集めていきますが、
彼を憎むユダヤ教の祭司長たちによって十字架に架けられてしまいます。
しかし、十字架での死後に、イエスは蘇ったと信じる12弟子たちによってキリスト教が成立し、世界に広がっていきました。
そして、最後のイスラム教は、ある日、預言者であるムハンマドが神の啓示を受けたことで成立しました。
その後、彼の教えに共感した人々から徐々にイスラム教が広がっていったのです。



神の呼び方

◎神の呼び方
- ユダヤ教 ➡ヤハウェ
- キリスト教➡神、イエス・キリスト、聖霊
- イスラム教➡アッラー
さて、これらの3宗教は神様の呼び方がそれぞれ異なっています。
そのため誤解されやすいのですが、実は彼らが信じている神様は全て同じです。

それぞれ、聖書の影響を受けているという点では共通していますからね。
ただ、キリスト教は3つも呼び方があるし、分かりずらいですよね。。
キリスト教だけ神の呼び名が3つあるのは、”三位一体”という考え方を持っているからです。
これは、神様は1人なんだけど、3つの位格(人間でいう人格)を持っているんだよという考えのこと。
「19それゆえに、あなたがたは行って、すべての国民を弟子として、父と子と聖霊との名によって、彼らにバプテスマを施し、」
(マタイによる福音書28章19節)
だから、一神教とも矛盾しないんですね!
☟ただ、これはキリスト教でも非常に難しい概念なので、詳しくは以下の記事をご参照ください。

信徒数

◎信徒数
- ユダヤ教 ➡約1400万人
- キリスト教➡約22億人
- イスラム教➡約16億人
信徒数は、キリスト教、イスラム教が世界の宗教人口2トップで群を抜いています。
この2宗教を合わせると40億人近くで、地球の人口の半分以上を占めていると考えると恐ろしいですね。。

それに比べると、ユダヤ教の人口がやたらと少ないのはなぜでしょうか?
それは、この中でユダヤ教だけは”民族宗教”だからです。
つまり、基本的にユダヤ教というのはユダヤ人のみに信仰されている宗教なんですね。
ですから、必然的に人数が少なくなるんです。
もちろん、別の民族がユダヤ教に改宗してユダヤ人になる場合もありますが、かなりハードルは高いです。(後述)

聖地

◎聖地
- ユダヤ教 ➡エルサレム、ヘブロン、ティベリア、ツファットなど
- キリスト教➡エルサレム、ローマ、コンスタンティノープルなど
- イスラム教➡エルサレム、メッカ、メディナ
聖地に関しては、各宗教の宗派によっても異なるのですが、代表的なものを挙げてみました。
それにしても、皆さんはこれらの聖地を見て何か気づくことはありませんか?
そう、聖地にエルサレムが被ってるんです。
これが3宗教が争う大きな原因になっているんですね。
ちなみに、それぞれがエルサレムを聖地としている理由は以下の通りです。
- ユダヤ教 ➡かつてのユダ王国の首都であり、ユダヤ教で最も神聖な建物であるエルサレム神殿があった場所だから
- キリスト教➡イエスキリストが処刑され、復活した場所だから
- イスラム教➡ムハンマドが昇天する旅を体験した場所だから

現在でも、このエルサレムを巡る問題は解決していません。

聖典

◎聖典
- ユダヤ教 ➡タナハ(旧約聖書)
- キリスト教➡旧約聖書、新約聖書
- イスラム教➡旧約聖書(一部)、新約聖書(一部)、コーラン
聖典についてですが、どれも聖書を重要視するという意味では共通しています。
ただし、ユダヤ教は新約聖書を認めていないので、キリスト教でいう旧約聖書しか信じていません。
ユダヤ教では旧約聖書のことを“タナハ”と呼びます。

一方、キリスト教では旧約聖書に加え、イエスキリストの教えや生涯が記されている新約聖書も大切な聖典です。
また、イスラム教でも旧約・新約聖書の一部の書物を重要視しており、
神から預言者に伝えられたと言われている以下の4つの書物を正典としています。
- モーセに下された『タウラート』(旧約聖書のモーセ五書に該当)
- ダビデに下された『ザブール』(旧約聖書の詩編に該当)
- イエスに下された『インジール』(新約聖書の福音書に該当)
- ムハンマドに下された『コーラン』
そして、この中でも、最も重要と言われているのは“コーラン”です。
なぜなら、最も偉大な預言者ムハンマドによって書かれたのがこのコーランだと言われているから。
ちなみに、ユダヤ教やイスラム教には、他にも様々な書物があるので中々ややこしいですね。。

宗派

◎宗派
- ユダヤ教 ➡正統派、改革派、保守派など
- キリスト教➡カトリック、正教会、プロテスタントなど
- イスラム教➡スンナ派、シーア派など
細かく分ければもっとありますが、主な宗派はそれぞれこんなイメージです。
各宗教のほとんどの信徒は、このどれかに所属していますね。
ただ、キリスト教のプロテスタントのように、その中でさらに宗派が分かれているなんてこともありますが。。

教え

◎教え
- ユダヤ教 ➡律法を守ることを重視。選民思想があり、救世主(メシア)の到来を信じる。
- キリスト教➡愛やゆるしを重視。イエス・キリストの復活を信じる。
- イスラム教➡六信五行(五信十行)などの善行を重視。
主な教えでいうと、ユダヤ教では、
- 選民思想(排他主義)
- 形式主義(律法主義)
などが挙げられます。
選民思想というのは、
ユダヤ人だけが神に選ばれた民族で、神は必ず救世主(メシア)を送ってくださるという考え方のことです。
これは、ユダヤ人が国を失い、迫害にあう中で生まれていった思想だと言われています。
また、ユダヤ教では、モーセが神様から受け取った“十戒”を始めとする律法を守ることを重視します。
これが、形式主義(律法主義)です。
だから、日常でも色々としなければならないルールが多いんですね。

その結果、後にイエスとバトルを繰り広げることになるんですが。。
一方でキリスト教では律法でなく、イエスが説いた愛やゆるしの教えを重視します。
特に、以下の御言葉はキリスト教の教えをシンプルに表しています。
「29イエスは答えられた、「第一のいましめはこれである、『イスラエルよ、聞け。主なるわたしたちの神は、ただひとりの主である。 30心をつくし、精神をつくし、思いをつくし、力をつくして、主なるあなたの神を愛せよ』。 31第二はこれである、『自分を愛するようにあなたの隣り人を愛せよ』。これより大事ないましめは、ほかにない」。」
(マルコによる福音書12章29~31節)
また、キリスト教で絶対に外せないのは、イエスの死と復活です。
キリスト教は、イエスキリストが人類の罪を背負って死に、3日後に復活したということを信じています。
そして、このことを信じる者は救われて、天国に行けるというのがキリストの教えなのです。
「16神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。」
(ヨハネによる福音書3章16節)
最後に、イスラム教には、六信五行(シーア派では五信十行)という教えがあり、
いくつかの守るべき信仰箇条と信仰行為があります。
それが以下の通りです。
◎六信
◎五行
- 信仰告白(シャハーダ)➡「アッラーの他に神は無い。ムハンマドは神の使徒である。」と唱える。
- 礼拝(サラート) ➡1日5回、メッカの方向に向かって祈る。
- 喜捨(ザカート) ➡収入の一部を貧しい人に分け与える。
- 断食(サウム) ➡イスラム暦の9月(ラマダーン)には飲食や性行為をしない。
- 巡礼(ハッジ) ➡一生に1度、聖地メッカに巡礼する。


生活ルール

◎生活ルール
- ユダヤ教 ➡豚やイカなどは食べられない。安息日には一切の労働禁止。
- キリスト教➡特になし。ただし、宗派によっては断食を行うことがある。
- イスラム教➡豚肉やアルコールは禁止。断食や巡礼などが義務。
生活のルールに関しては律法を重視するユダヤ教が最も厳しく、食のルールも細かく定められています。
その食事規定を”カシュルート”といい、豚やイカ、タコ、エビ、カニ、貝類などは全てNGです。

また、安息日とされる土曜日には仕事はもちろん、料理をすることさえ労働とみなされ許されません。
一方で、イスラム教も六信五行を守らなくてはいけないので、日常のルールがいくつかあります。
例えば、上記でも挙げたように、
- 1日に5回の礼拝
- アッラーへの信仰告白
- 特定期間の断食
などです。
では、キリスト教はどうかというと。。基本的に厳格な生活ルールはありません。
もちろん、偶像礼拝はダメなどの教えはありますが、イスラム教やユダヤ教ほどの強制力はありません。
ただ、カトリックや正教会では”四旬節(しじゅんせつ)”と呼ばれる、


入信の方法

◎入信の方法
- ユダヤ教 ➡基本的にユダヤ人のみ。他民族からの入信は困難。
- キリスト教➡キリストの救いを受け入れ、洗礼の儀式を受ける。
- イスラム教➡信仰告白(シャハーダ)をする。
前述したように、ユダヤ教は民族宗教であり、ユダヤ人でなくてはユダヤ教には入れません。
他の民族がユダヤ教に改宗することも不可能ではないですが、そのハードルは非常に高いです。
超難関な試験をクリアしないといけないし、厳しいルールや他民族からの迫害にも耐えうるだけの覚悟も必要となります。
日本人がユダヤ教の試験に受かるのは10年に1人いるかどうかであり、ユダヤ教の人口が少ない理由が分かりますね。

それに比べると、キリスト教やイスラム教の入信方法はシンプルです。
まず、キリスト教では、イエスキリストの救いを受け入れて“洗礼(バプテスマ)“という儀式を受ける必要があります。
「3それとも、あなたがたは知らないのか。キリスト・イエスにあずかるバプテスマを受けたわたしたちは、彼の死にあずかるバプテスマを受けたのである。」
(ローマ人への手紙6章3節)
主に、水に全身をつける”浸礼(しんれい)”によって行われ、これによってキリスト教徒として生まれ変われるのです。
そして、イスラム教はさらにシンプルです。
イスラム教徒になるには、以下の言葉を唱えて信仰告白(シャハーダ)をするだけです。
「アシュハド アッラーイラーハ イッラッラーフ ワ アシュハド アンナ ムハンマダン ラスールッラー。」
(訳:アッラーのほかに神はなく、ムハンマドはアッラーの使徒だということを私は証言します。)
これを1人で唱えるだけでも、イスラム教徒になれるみたいですよ!(簡単すぎる)
ただ、正式な信仰告白をするには、
モスクなどのイスラム機関で、2人以上のイスラム教徒の前で行う必要があるんだとか。
こうして見ると、
キリスト教やイスラム教が世界宗教になれたのは、入信のしやすさも関係しているのかもしれませんね!

死後の考え方

◎死後の考え方
- ユダヤ教 ➡基本的に天国や地獄の概念は無い。この世の終わりに最後の審判が行われ、”エルサレム”が実現する。
- キリスト教➡死後に天国とよみに分けられる。この世の終わりに最後の審判が行われ、新天新地か地獄に分けられる。
- イスラム教➡死後に全員冥界”バルザフ”に送られる。この世の終わりに最後の審判によって、天国と地獄に分けられる。
死生観はそれぞれの宗派によっても異なりますが、全体的な考え方は上記の通りです。
ユダヤ教には基本的に天国や地獄という概念がなく、人は死ぬと土にかえるだけ。
ただし、この世の終わりに最後の審判の際には、死者は蘇り、
ユダヤ教の人々は他民族が滅んだ楽園“エルサレム”に入ることができます。
ここにも、明らかな選民思想が出ていますね。。
強いて言うなら、このエルサレムが他の宗教でいうと天国にあたるかもしれません。

キリスト教では死後、
- キリストを信じる者 ➡”天国”
- キリストを信じない者➡”よみ(ハデス)”
にそれぞれ分けられると考えられています。
よみ(ハデス)というのは、最後の審判が行われるまで未信者が一時的に行く場所のことです。
そして、この世の終わりの最後の審判によって、
最終的には、
- キリストを信じる者 ➡”新天新地”
- キリストを信じない者➡”地獄(ゲヘナ)”
にそれぞれ送られるのです。
「13海はその中にいる死人を出し、死も黄泉もその中にいる死人を出し、そして、おのおのそのしわざに応じて、さばきを受けた。 14それから、死も黄泉も火の池に投げ込まれた。この火の池が第二の死である。 15このいのちの書に名がしるされていない者はみな、火の池に投げ込まれた。」
(ヨハネの黙示録20章13~15節)
新天新地というのが、最終的に行き着く天国のことですね。
まあ、ここら辺も宗派によっても色んな考え方があるので、一概には言えませんが。。
イスラム教では、死後に一旦全員”バルザフ”と呼ばれる冥界に送られます。
そして、最後の審判の際には死者も蘇り、天国”ジャンナ”と地獄”ジャハンナム “に分けられるのです。
ただし、アッラーは慈悲深い存在なので、極悪人を除いて地獄に送られる人はほとんどいないんだとか。



イエスの扱い

◎イエスの扱い
- ユダヤ教 ➡ユダヤ教の信者・指導者
- キリスト教➡人間として来られた神の子であり救い主
- イスラム教➡偉大な預言者の1人
当然ですが、イエスを神の子であり救い主だと信じているのはキリスト教のみです。
それこそが、キリスト教がキリスト教である所以(ゆえん)ですからね。

では、他の宗教ではどうかというと、ユダヤ教ではイエスは神の子でも救い主でもない
“ユダヤ教の信者・指導者”だと考えます。
だからこそ、ユダヤ教ではイエスの教えや生涯が書かれた新約聖書を認めないわけですね。
そして、彼らは今でも、旧約聖書に書かれているイエスではない”救世主”の到来を待ち続けているのです。
一方で、イスラム教ではイエスを神の子としては見ないものの、重要な預言者(五大預言者)の1人と考えられているようです。
“イーサー”という名前で呼ばれ、アッラーがイーサーを通して書かれた『インジール』という書物も重要な啓典とされています。
ただし、預言者ムハンマド(マホメット)より下という扱いのようです。


安息日

◎安息日
- ユダヤ教 ➡土曜日
- キリスト教➡日曜日
- イスラム教➡金曜日
安息日とは、労働をせずに神様に礼拝を捧げる日のことで、天地創造の7日目に神様が休まれたのが由来となっています。
「神は第七日にその作業を終えられた。すなわち、そのすべての作業を終って第七日に休まれた。神はその第七日を祝福して、これを聖別された。神がこの日に、そのすべての創造のわざを終って休まれたからである。」
(創世記2章2、3節)
そして、3宗教とも安息日はあるのですが、実はこの安息日も各宗教によって異なるのです。
キリスト教が日曜日に教会に行くのは何となく知っているかもしれませんが、ユダヤ教は土曜日、イスラム教は金曜日が安息日。
では、なぜそれぞれ安息日が違うかというと、
- ユダヤ教 ➡聖書の記述(天地創造)に従うと、土曜日が安息日になるから。
- キリスト教➡イエスキリストが復活されたのが日曜日だから。
- イスラム教➡ムハンマドがメッカを脱出したのが金曜日だから。
という各事情があります。
また、安息日の厳格さもそれぞれ異なり、ユダヤ教では仕事はおろか料理もできず、
イスラエル国内ではお店は全て閉店、交通機関もほぼ休止になるなど超ストイック。

一方で、キリスト教やイスラム教ではそこまでの厳格さはありません。
普通に仕事をしている人もいますし。(本当は良くないけど)
ただ、安息日に神様に礼拝を捧げるという習慣はどの宗教も共通していますね。


まとめ:同じ一神教でも違いは結構ある!

ユダヤ教 | キリスト教 | イスラム教 | |
成り立ち | 前13世紀頃、預言者モーセがシナイ山で神と契約を結び成立。 | 1世紀頃、イエスを救い主と信じる弟子たちによって成立。 | 7世紀頃、神の啓示を受けた預言者ムハンマドによって成立。 |
神の呼び方 | ヤハウェ | 神、イエス・キリスト、聖霊 | アッラー |
信徒数 | 約1400万人 | 約22億人 | 約16億人 |
聖地 | エルサレム、ヘブロン、ティベリア、ツファットなど | エルサレム、ローマ、コンスタンティノープルなど | エルサレム、メッカ、メディナ |
聖典 | タナハ(旧約聖書) | 旧約聖書、新約聖書 | 旧約聖書(一部)、新約聖書(一部)、コーラン |
宗派 | 正統派、改革派、保守派など | カトリック、正教会、プロテスタントなど | スンナ派、シーア派など |
教え | 律法を守ることを重視。選民思想があり、救世主(メシア)の到来を信じる。 | 愛やゆるしを重視。イエス・キリストの復活を信じる。 | 六信五行(五信十行)などの善行を重視。 |
生活ルール | 豚やイカなどは食べられない。安息日には一切の労働禁止。 | 特になし。ただし、宗派によっては断食を行うことがある。 | 豚肉やアルコールは禁止。断食や巡礼などが義務。 |
入信の方法 | 基本的にユダヤ人のみ。他民族からの入信は困難。 | キリストの救いを受け入れ、洗礼の儀式を受ける。 | 信仰告白(シャハーダ)をする。 |
死後の考え方 | 基本的に天国や地獄の概念は無い。この世の終わりに最後の審判が行われ、”エルサレム”が実現する。 | 死後に天国とよみに分けられる。この世の終わりに最後の審判が行われ、新天新地か地獄に分けられる。 | 死後に全員冥界”バルザフ”に送られる。この世の終わりに最後の審判によって、天国と地獄に分けられる。 |
イエスの扱い | ユダヤ教の信者・指導者 | 人間として来られた神の子であり救い主 | 偉大な預言者の1人 |
安息日 | 土曜日 | 日曜日 | 金曜日 |
いかがでしたか?
同じ一神教と言えど、細かく見ると違う部分もたくさんあることが分かりましたね!
とは言え、今回ご紹介したのはあくまでも概要。
深堀りするともっと色んな違いがあると思うので、皆さんも調べてみてくださいね!
まあでも、今回調べてて、何となくこの3宗教が争うルーツが見えたような気がしたなあ。。(小声)
キートンでした。

