ジーザス、エブリワン!キートンです。
皆さんは、“十戒(じっかい)”という言葉を聞いたことがありますか?
有名な言葉なので、聞いたことはある人も多いでしょう。
しかし、十戒が一体どんな内容なのかを知らない方も多いのでは?
“十の戒め”と聞くと、何やら凄くおごそかな感じがしますが。。
そこで、今回はクリスチャンの僕が、
- 十戒とは何か
- 十戒の内容
などについて詳しく解説していきたいと思います!

Contents
“十戒(じっかい)”とは?

十戒とは、
“モーセの十戒”、”シナイ契約”などと呼ばれることもあり、十戒は石版2枚に記されています。
「18主はシナイ山でモーセに語り終えられたとき、あかしの板二枚、すなわち神が指をもって書かれた石の板をモーセに授けられた。」
(出エジプト記31章18節)
十戒は、モーセが率いていたイスラエル人たちに向けて神様が造られた決まりです。
そのため、モーセはあくまで神から決まりを授かったに過ぎず、
ちなみに、“十戒”という言葉自体は聖書には出てきませんよ!


聖書箇所
出エジプト記20章3節〜17節、申命記5章7節〜21節
十戒の内容は?【それぞれ解説します】
では、十戒にはどのような決まりが書かれているのでしょうか。
十戒の内容は、以下の通りです。
◎十戒のまとめ
- あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。
- あなたはいかなる像も造ってはならない。
- あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。
- 安息日を心に留め、これを聖別せよ。
- あなたの父母を敬(うやま)え。
- 殺してはならない。
- 姦淫(かんいん)してはならない。
- 盗んではならない。
- 隣人に関して偽証(ぎしょう)してはならない。
- 隣人の家を欲してはならない。
十戒は大きく2つに分けることができ、
- 1番〜4番 ➡神と人との関係
- 5番〜10番➡人と人との
関係
についてそれぞれ記されています。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
①あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。

これは、唯一である神様以外の神を信じることを禁じています。
だからこそ、キリスト教は一神教なんですね。
“八百万(やおよろず)の神”といって、

ただし、これは必ずしも、仏様とかお地蔵様とかの分かりやすい神様だけとは限らず、
- お金
- 音楽
- アイドル
- ギャンブル
- お酒
- 仕事
など、神様以上に大切にしてしまっているものがあればそれもアウトです。
何だか1つ目から非常に耳の痛い内容ですね。。(汗)

②あなたはいかなる像も造ってはならない。

これは、木や石、
偶像礼拝の分かりやすい例は、日本のお地蔵様ですね。
ああやって神を目に見える形にしたのが偶像で、
なぜなら、偶像は所詮人間が作ったものであり、何の力もないからです。
真実の神様がおられるのに、人の手で造られた偽物の神様を拝むのは失礼極まりないんですね!
ちなみに、聖書には他にも、偶像崇拝を戒める箇所がたくさん登場します。
「17刻んだ偶像に頼み、鋳た偶像にむかって「あなたがたは、われわれの神である」と言う者は退けられて、大いに恥をかく。」
(イザヤ書42章17節)
それくらい、この世の中には偶像が多く、人はそれを崇拝してしまいやすいということなのでしょう。

③あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。

この戒めを聞いて、

と思った方もいるかもしれません。
しかし、問題は神様を呼ぶときの態度です。
みだりにというのは、”むやみやたらに”ということであり、つまりは、
神様の名前を敬意もなく軽々しく呼んだらだめよということなんですね。
ほら、もし皆さんが会社の社長だとして、部下から、

という感じで、いつもなれなれしく呼ばれたらどう思うでしょうか?
恐らく、不快な気持になり、怒りすら湧いてくることでしょう。
ましてや、神様は社長なんかよりもはるかに偉大なお方です。
神様の名を呼ぶときには、いつも真摯(しんし)かつ敬虔(けいけん)な姿勢でいる必要があるんですね!
④安息日を心に留め、これを聖別せよ。

安息日というのは、仕事などをしてはならないと定められている日のことで、これは、
神様が天地創造の際に7日目で休まれたこ
「1こうして天と地と、その万象とが完成した。 2神は第七日にその作業を終えられた。すなわち、そのすべての作業を終って第七日に休まれた。 3神はその第七日を祝福して、これを聖別された。神がこの日に、そのすべての創造のわざを終って休まれたからである。 4これが天地創造の由来である。」
(創世記2章1~4節)
この安息日を聖別せよというのはつまり、
1週間に1度の安息日を守って神を賛美しなさいということですね。
キリスト教の安息日は日曜日ですから、この日は神様に心を向け、礼拝などをおささげする必要があるのです。
ただし、この安息日のルールは時代を追うごとに厳しくなり、イエスの時代には形式的にしか守られなくなっていきます。


⑤あなたの父母を敬(うやま)え。

さて、ここからは人と人の関係に関する決まりになります。
この決まりは読んで字のごとく、自分の両親を尊敬しなさいということです。
もちろん、中には、

という方もいるでしょう。
特に、反抗期の方は受け入れがたいかもしれません。
しかし、親との関係は、人生に多大な影響を及ぼします。
親を尊敬できるかできないかで、その後の明暗が大きく分かれるのです。
完璧な親など、この世に存在しません。
まずは、親の良いところを探してみるといいかもしれませんね!
⑥殺してはならない。

この内容を見て、

と思いましたか??
しかし、これは単なる物理的な人殺しのことだけを言っているわけではありません。
イエスは、山上の説教でこう語られました。
「昔の人々に『殺すな。殺す者は裁判を受けねばならない』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。 22しかし、わたしはあなたがたに言う。兄弟に対して怒る者は、だれでも裁判を受けねばならない。兄弟にむかって愚か者と言う者は、議会に引きわたされるであろう。また、ばか者と言う者は、地獄の火に投げ込まれるであろう。」
(マタイ5章21節、22節)
つまり、兄弟に対して怒ったり、罵ったりすることも人を殺すことと同罪だと語られているのです。
厳しすぎると思うかもしれませんが、殺人というのはこうした怒りや罵りから始まるもの。
怒りなどを兄弟に抱いた時点で、殺人は始まっていると警告されているんですね。
その意味で、誰でも殺人の種は持っているということになります。

⑦姦淫(かんいん)してはならない。

姦淫(かんいん)というのは、既に結婚している人が結婚相手以外と性的な関係を持ってしまうことです。
つまり、浮気や不倫はダメよってことですね。
テレビでも毎日のように芸能人のスキャンダルが報じられていますから、身近な内容ですよね。
ただし、この姦淫の基準はかなーり厳しいです。
イエスは、同じく山上の説教でこう語っておられます。
「『姦淫するな』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。 28しかし、わたしはあなたがたに言う。だれでも、情欲をいだいて女を見る者は、心の中ですでに姦淫をしたのである。 」
(マタイ5章27節、28節)
何と、異性に対して性的な目を向けただけで姦淫になってしまうと
これも、殺人と同じで、異性をヤラシイ目で見ることから姦淫は始まっていくからですね。
日頃から頭の中が異性でいっぱいの性欲魔獣の皆さん、


⑧盗んではならない。

これも当たり前な内容に思えますが、盗んではならないというのはお金や物だけではありません。
なぜなら、当時最も盗まれていたのは”人”だったからです。
今では考えにくいですが、

だから、
旧約聖書に登場するヨセフも、お兄さんたちに奴隷として売られてしまうという悲しい体験をしています。
とはいえ、現在だと人を盗むことなんてまずないと思うので、
そのまま物やお金を盗んではいけないと考えて問題ないでしょう。

⑨隣人に関して偽証(ぎしょう)してはならない。

偽証というのはあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、つまり周りの人を偽ってはいけないということです。
例えば、
- 嘘を付く
- 誰かをだます
- 人の悪い噂を流す
などがこれにあたります。
つまり、

ということですね。
誠実さが大切!
⑩隣人の家を欲してはならない。

これは家に限らず、誰かが持っているものを

と思ってはいけないということです。
なぜなら、うらやましいという欲望が大きくなりすぎると盗みにも繋がってし
すっごく身近な例でいうと、
美味しそうと思うだけならまだいいでしょう。
しかし、うらやましく思って奪いたいという気持ちが出てくるのはよろしくありません。
ましてや、許可も得ずに勝手にその人のものを食べてしまうのは言語道断!
冷蔵庫に入っている家族のデザートを勝手に食べるのももちろんダメです!!(☜経験者)
私たちには既に神様から素晴らしいものをたくさん頂いています。
人の物をうらやまず、今与えられているものに満足して感謝する必要があるんですね。
十戒は命令ばかりで息苦しい!?【それは神様の愛です】

ここまで十戒を見てくると、

あれはダメこれはダメって堅苦しくない!?
と思うかもしれません。
確かに、十戒を見てみると全部が命令口調になっています。
ですから、人によっては十戒が息苦しく感じる人もいるかもしれませんね。
しかし、十戒というのは単なる命令でも支配でもなく、神様の愛なのです。
だって、考えても見てください!
十戒を守らなかったところで、神様には何の害もありません。
守らなくて損をするのは、人間自身なんです。
例えば、もし皆さんの子供が道路に飛び出したら何と言いますか?

分かったか?
と子供に教えるのではないでしょうか?
これは、子供を都合よく支配したいから言ったのでしょうか?
いいえ、ここにあるのは子供に今後危険な目にあって欲しくないという”愛”です。
どうでもいい相手ならこんなことはわざわざ言いません。
つまり、十戒は私たち人間を不幸から守るために神様が語られた幸せのルールブックなのです
ですから、十戒というのは

十戒守らなかったら天罰を下しまっせー!!覚悟しときやー!!
ということではなく、

このルールを守ったほうが幸せに生きられますよ!
と神様が教えて下さっているんですね!
なので、

ビクビクビクビク。。アーメンアーメン。。
という風に重くとらえる必要はありません!

あー、感謝感謝!
そんな気持ちで受け止めればいいのではないでしょうか。

“十戒”という映画がある!?【不朽の名作です】
かなり古い作品ですが、“十戒”というタイトルの映画が存在します。
これは主に、旧約聖書の”出エジプト記”を描いた作品で、モーセが十戒を受け取るシーンも出てきます。
1956年の映画ですが、聖書に忠実で、今見ても非常に完成度が高いです。
特に、モーセが海を割るシーンは、映画史に残る名シーンなので興味ある方はご覧あれ!


おまけ:仏教にも”十戒”がある!?

キリスト教とは関係のないお話ですが、実は仏教にも十戒というものがあります。
これは、見習いの僧侶や小僧が日常的に守るべき戒律のことで、内容は以下の通りです。
◎仏教の十戒
- 不殺生(ふせっしょう):生き物を殺してはならない。
- 不盗(ふとう) :盗んではならない。
- 不婬(ふいん) :性交渉をしてはならない 。
- 不妄語(ふもうご) :嘘をついてはならない。
- 不飲酒(ふおんじゅ) :酒を飲んではならない。
- 不著香華鬘不香塗身(ふじゃくこうげまんふこうずしん):化粧をしたり装飾類を身に付けてはならない。
- 不歌舞倡妓不往観聴(ふかぶしょうぎふおうかんちょう):歌や音楽、踊りを鑑賞してはならない。
- 不坐高広大床(ふざこうこうだいしょう):大きく立派なベッドに寝てはいけない。
- 不非時食(ふひじじき):正午以降に食べ物を摂ってはならない。
- 不捉持生像金銀宝物(ふそくじしょうぞうこんごんほうもつ):お金や金銀・宝石類を含めて、個人の資産となる物を所有してはならない。
(“新纂浄土宗大辞典”より引用)

ちなみに、昔の漢語訳ではキリスト教・ユダヤ教と仏教の十戒を区別するために、
- 仏教 ➡十戒
- ユダヤ教・キリスト教➡十誡
と表記を分けていたんだとか。
現在は、どちらも”十戒”で統一されているようです!

まとめ:十戒には人が幸せに生きるヒントが書かれている!

◎十戒のまとめ
- あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない。
- あなたはいかなる像も造ってはならない。
- あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。
- 安息日を心に留め、これを聖別せよ。
- あなたの父母を敬(うやま)え。
- 殺してはならない。
- 姦淫(かんいん)してはならない。
- 盗んではならない。
- 隣人に関して偽証してはならない。
- 隣人の家を欲してはならない。
いかがでしたか?
簡単なことを言っているようで、十戒はどれも奥が深いです。
そして、これらを守ることは私たちの幸せにも繋がっていきます。
ぜひ神様からの愛が込められた十戒をしっかりと受け取っていきましょう!
これらが守れたら、きっと今よりも豊かな人生になるはずですよ!
ではまた!
