ジーザス、エブリワン!キートンです。

分かりやすく教えて!
こういった疑問にお答えします。
皆さんは、人類初の兄弟が誰だか知っていますか??
はい、ライト兄弟ではありません。(分かっとるわ)
その兄弟の名は、“カインとアベル”。
初の人類アダムとエバの間に生まれた人類初の兄弟です。
このお話をモチーフにした「エデンの東」
そこで、この記事では
- カインとアベルのあらすじ
- 内容の解釈
- カインとアベルをモチーフにした作品
などについてご紹介したいと思います!

目次
“カインとアベル”とは?

“カインとアベル”は、旧約聖書の創世記に登場する人類初の兄弟のことで、初の人類アダムとエバの子供です。
カインが兄、アベルが弟になります。
大まかな内容は、自分のささげ物だけ神様に受け入れられなかったことに腹を立てた兄のカインが、弟のアベルを殺してしまうというもの。
人類初の殺人が描かれていることで知られていますね。
アダムとエバについては、【聖書物語】人間の始まり!?”アダムとエバ(イヴ)”のお話とは?をどうぞ
“カインとアベル”の登場人物
まずは、登場人物のご紹介!
神様

天地を造られた創造主。
カインとアベルからささげものをささげられますが。。
天地創造については、【聖書】”天地創造”の意味とは?この世界は6日間で造られた!?をどうぞ
カイン

アベルの兄で、ヘブライ語で”鍛冶屋(かじや)”。
土を耕(たがや)す農夫ですが、大きな罪を犯してしまいます。
アベル

カインの弟。
羊飼いで、神様に肥えた初子(ういご)をささげます。
“カインとアベル”のあらすじ
さあ、麗しくない兄弟のお話を見ていきましょう!(言い方)
カインとアベルの誕生

「人はその妻エバを知った。彼女はみごもり、カインを産んで言った、「わたしは主によって、ひとりの人を得た」。 2彼女はまた、その弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。」
(創世記4章1、2節)
これは、アダムとエバがエデンの園を追い出された後のお話。
エバは身ごもり、2人の男の子を産みました。
兄のカインと弟のアベルです。
2人はすくすくと育ち、それぞれ、
カイン➡土を耕して穀物や野菜を作る農夫 - アベル➡羊のお世話をする羊飼い
になり、立派に働き始めました。
カイン、ささげものを拒否される

「日がたって、カインは地の産物を持ってきて、主に供え物とした。 4アベルもまた、その群れのういごと肥えたものとを持ってきた。主はアベルとその供え物とを顧みられた。 5しかしカインとその供え物とは顧みられなかったので、カインは大いに憤って、顔を伏せた。」
(創世記4章3~5節)
さて、ある日、カインは畑でとれた収穫物を神様にささげました。
弟のアベルもまた、羊の中から1番良く肥えた初子を選んで神様に
しかし、神様はカインのささげ物を喜ばれず、
カインはこれに対してブチ切れます。

やってられるか!!
納得できないカインは、顔を伏せてしまいました。
そんなカインに神様は言われました。

もしお前が正しいのなら、顔を上げられるはずではないか。
カイン、アベルを殺す

「カインは弟アベルに言った、「さあ、野原へ行こう」。彼らが野にいたとき、カインは弟アベルに立ちかかって、これを殺した。」
(創世記4章8節)
さて、カインはその後、恐ろしい考えを頭に思い巡らせていました。
カインはアベルに言いました。

たまには、野原に行って散歩でもしようや!
こうしてカインはアベルを野原に連れ出すと、
すると、そこに神様が現れてカインに言われました。

カインは答えました。

私はあいつの番人じゃありませんから!!
神様は言われました。

アベルの血の叫び声が、土の中から聞こえるぞ!
お前は呪われる者となった。
お前がどんなに土を耕(たがや)してももう実は結ばないだろう。
そして、これから地上をさまようことになる。
すると、カインは急に慌てて神様に言いました。

でも、そんな罪は私には重すぎて背負いきれません!
あなたが私をこの地から追い出し、地上をさまよう者となれば、今度は私が誰かに殺されるでしょう。
神様は言われました。

お前を殺した者は、7倍の報(むく)いを受けるだろう。
そして、
こうして、カインは神のもとから去り、
【解釈】なぜ神様はカインのささげ物を受け取らなかった?
恐らく、このカインとアベルのお話を読んだ方はこんな疑問を抱いているのではないでしょうか。

と。
これはしばしば持ち上がる疑問ですが、実はその主な理由については聖書に書かれていません。
「しかしカインとその供え物とは顧みられなかったので、カインは大いに憤って、顔を伏せた。」
(創世記4章5節)
そのため、現在でも様々な解釈がありますが、ここではいくつかの解釈を取り上げてみましょう。
解釈①カインのいけにえのささげ方が正しくなかったから

旧約聖書の時代、人間の罪を一時的にゆるしてもらうために、神様にいけにえをささげるという習慣がありました。
そして、そのいけにえは、牛や羊などの動物である必要がありました。
なぜなら、罪のない動物の血を流すことで、神様の罪のゆるしがあったからです。
罪深い人間の身代わりということですね。
聖書にはこう書かれています。
「こうして、ほとんどすべての物が、律法に従い、血によってきよめられたのである。血を流すことなしには、罪のゆるしはあり得ない。」
(ヘブライ人への手紙9章22節)
しかし、カインは動物ではなく穀物を神様にささげてしまいました。
つまりは、ルール違反ということですね。
そのために、カインのささげものは受け取られなかったという解釈です。

恐らく、カインは以前からこのルールを知っていたでしょうからね。
ちなみに、現代では神様にいけにえをささげる必要はなくなりました。
なぜなら、イエスキリストが自らいけにえとなって血を流されたからです。
「罪の支払う報酬は死である。しかし神の賜物は、わたしたちの主キリスト・イエスにおける永遠のいのちである。」
(ローマ人への手紙6章23節)
神の子の血によって、私たち人間の罪は完全にゆるされたんですね!
イエス・キリストについては、【完全版】イエス・キリストとはどんな人物?その生涯をまとめてみた【5分で分かる】をどうぞ
解釈②カインのささげる姿勢に問題があったから

これは、カインが心を込めてささげなかったからという解釈です。
確かに、聖書を読むと、弟のアベルは羊の中でも、
特に上等な初子(ういご)の肥えた羊を神様にささげているのが分かります。
「日がたって、カインは地の産物を持ってきて、主に供え物とした。 4アベルもまた、その群れのういごと肥えたものとを持ってきた。主はアベルとその供え物とを顧みられた。」
(創世記4章3、4節)
また、新約聖書にも、信仰によってアベルはカインに勝るいけにえを神にささげたと書かれています。
「信仰によって、アベルはカインよりもまさったいけにえを神にささげ、信仰によって義なる者と認められた。神が、彼の供え物をよしとされたからである。彼は死んだが、信仰によって今もなお語っている。」
(へブル人への手紙11章4節)
一方で、もしかしたらカインのほうは適当に穀物を選んでささげたのかもしれません。
あるいは、ある種の義務感からささげてしまったのかもしれません。
神様はささげものをする人の心をご覧になるお方です。
「しかし主はサムエルに言われた、「顔かたちや身のたけを見てはならない。わたしはすでにその人を捨てた。わたしが見るところは人とは異なる。人は外の顔かたちを見、主は心を見る」。」
(サムエル記上16章7節)
カインのささげる際の姿勢が、神様には正しく映らなかったのかもしれませんね。。!
カインとアベルのお話は、人類初のオンパレード!?
“カインとアベル”のお話は、まだ人類第2世代のお話だけあって人類初の〇〇
- 人類初の殺人
- 人類初の兄弟
- 人類初の嘘
- 人類初の殉教(じゅんきょう)
それぞれご紹介していきましょう。
人類初の殺人

最も代表的なのはやはり、人類初の殺人です。
初代のアダムとエバも罪を犯しましたが、2代目にしてもう殺人が起きてしまいました。
「彼らが野にいたとき、カインは弟アベルに立ちかかって、これを殺した。」
(創世記4章8節)
カインが加害者、アベルが被害者ですね。
ああ、何という親子でしょうか。。
人類初の兄弟

また、カインとアベルは人類初の兄弟です。
ですから、現在でもカインとアベルは兄弟の代名詞として使われます。
「人はその妻エバを知った。彼女はみごもり、カインを産んで言った、「わたしは主によって、ひとりの人を得た」。 2彼女はまた、その弟アベルを産んだ。」
(創世記4章1、2節)
ちなみに、この2人には後にセトという弟も誕生します。

人類初の嘘

さらに、カインは人類初の嘘もついています。

それが、神様から弟アベルの居場所を聞かれたシーンです。
「主はカインに言われた、「弟アベルは、どこにいますか」。カインは答えた、「知りません。わたしが弟の番人でしょうか」。」
(創世記4章9節)
カインはアベルを殺したにも関わらず、知らないフリをして嘘をついたんですね。
しかし、当然神様には全てお見通しでした。
にも関わらず神様があえてカインに尋ねたのは、なぜでしょうか?
それは、カインのことを試すためです。
まあ、結局カインは嘘を付いてしまったわけですが。。
人類初の殉教(じゅんきょう)

さらに、アベルは人類初の殉教(じゅんきょう)者とも言われています。
殉教というのは、神への信仰のために命を捨てることです。
アベルは神への信仰を持っていましたが、その信仰ゆえにカインに殺されてしまったんですね。
「8カインは弟アベルに言った、「さあ、野原へ行こう」。彼らが野にいたとき、カインは弟アベルに立ちかかって、これを殺した。」
(創世記4章8節)

カインとアベルは、”カインコンプレックス”の由来!?

聞きなれないかもしれませんが、兄弟間にある心の葛藤や、競争心、
“カインコンプレックス”と言います。
これは元々、心理学者ユングが提唱した概念ですね。

カインとアベルをモチーフにした映画がある!?【エデンの東】
カインとアベルをモチーフにした作品はいくつかありますが、その中でも特に有名なのが『エデンの東』です。
この作品は、アメリカの作家ジョン・スタインベックの同名小説が原作の映画で、歴史的な名作として知られています。
あらすじは、以下の通りです。
第一次世界大戦下のカリフォルニア州サーリナス。
24歳のキャルは農場を営む父アダムが、兄のアロンばかりを可愛がっていると感じ、反抗的な問題児扱いされていた。
落ちこぼれで愛に飢えたキャルを、恋人のアブラは何かと気にかけていた。 ある日、キャルは死んだと聞かされていた母ケートが実は生きていて、
モントレーで酒場を経営していることを知る。アダムが野菜の輸送中の事故で無一文になった時、キャルは父親を助けようと、ケートに資金を借りに行くが…。
孤独を抱えたナイーブな青年の青春と家族との確執を描き、ジェームス・ディーンを一躍伝説のスターにした名作。(Amazonの商品説明より引用)
つまり、この人物関係をカインとアベルのお話に当てはめると、こんな感じになります。
- 父アダム➡神様
- 兄アロン➡アベル
- 弟キャル➡カイン
兄と弟が逆転しているので少しややこしいですが、主人公のキャルはカインと同じように、
兄ばかりが父(神様)から愛されていると感じて、反抗的な態度をとるわけです。
本作では、そういった主人公の父に対する複雑な心の葛藤が見事に描かれています。
興味ある方はぜひご覧あれ!

“カインとアベル”を描いた絵画
では、ここからは“カインとアベル”をテーマにした絵画をいくつかご紹介しましょう。

「カインとアベル」(ティントレット)
ティントレット作『カインとアベル』
揉み合いになる2人の様子から緊張感を感じるこの絵には、どのような謎が隠されているのでしょうか?この絵に登場する2人の人物:カインとアベルはアダムとイヴの息子で、この絵は人類最初の殺人を描いた場面です
兄弟は神へささげ物をしましたが、
(続く) pic.twitter.com/SmjhjWRPZk— リベラルアーツ研究所 (@LiberalArtsLabo) September 29, 2020
ルネサンス期の画家ティントレットによって描かれた作品。
カインがアベルを殺す瞬間を描いており、まさに殺人現場をとらえたおぞましい1枚になっています。
アベルの表情は見えませんが、助けてくれというように手を伸ばしていますね。
カインの顔も鮮明になっていない分、かえって怖いような。。

「アベルの死に対する嘆き」(ウィリアム・アドルフ・ブグロー)

こちらは、殺されたアベルの遺体を親のアダムとエバが発見したシーン。
嘆き悲しむアダムとエバと、無残に横たわるアベルの姿がなんとも悲壮感を誘います。

よく見ると、アベルの頭からは血がしたたり落ちているのが分かります。
テーマ上仕方がないとはいえ、カインとアベルの絵画は暗いものが多いですね。。
まとめ:カインとアベルは人類初の兄弟!

人類初の兄弟と聞くと何やらおめでたい感じがしますが、カインとアベルの内容はドロドロした殺人事件です。
まあ、現代でも普通に起こりそうな事件なので、人間の本質というのは案外変わっていないのかもしれません。
いやー、それにしてもアダム家はもう滅茶苦茶ですね。
アダムとエバはエデンの園を追い出されているし、生まれた待望の兄弟間でも殺人が起きるし。。
しかも、アベルは死んでしまい、カインはその地を出ていってしまっていますからね。
もしかしたら、人類初の家庭崩壊はアダム家なのかも。。(人類初しつこい)
キートンでした。

