聖書物語シリーズ

ヤコブの夢(梯子)のお話とは?どんな意味がある?【聖書物語】

ヤコブの夢(梯子)

ジーザス、エブリワン!キートンです。

聖書にヤコブの夢(梯子)のお話が出てくるみたいなんだけど、どういう内容なの?

込められたメッセージ性についても知りたいなあ。。

こういった疑問にお答えします。

 

旧約聖書には、ヤコブという有名な人物が出てきます。

 

彼は兄のエサウと長子権を巡って争いを巻き起こすのですが、

ヤコブのお話の中でヤコブの夢(梯子)という有名なエピソードが出てくるのです。

 

このシーンはそれほど長い描写ではないのですが、とても印象的なシーンであり絵画のモチーフとしてもよく使われます。

また、ヤコブが神様と出会う重要な場面でもありますね。

 

しかし、ヤコブは知っていても、このエピソードを知らない方もいるでしょう。

そこでこの記事では、クリスチャンの僕が、

  • ヤコブの夢(梯子)のあらすじ
  • ヤコブの夢(梯子)に込められたメッセージとは?
  • ヤコブの夢(梯子)を描いた絵画

などについてご紹介していきたいと思います!

ヤコブの夢(梯子)のあらすじ

それでは、聖書をもとにヤコブの夢(梯子)の内容を見ていきましょう!

エサウとヤコブの長子争い

エサウとヤコブの長子争い

「31ヤコブは言った、「まずあなたの長子の特権をわたしに売りなさい」。 32エサウは言った、「わたしは死にそうだ。長子の特権などわたしに何になろう」。 33ヤコブはまた言った、「まずわたしに誓いなさい」。彼は誓って長子の特権をヤコブに売った。

(創世記25章31~33節)

まずは、ヤコブが夢を見るまでのあらすじをざっくりと振り返っておきましょう。

ヤコブには、見た目も性格も正反対のエサウという双子の兄がいました。

 

しかし、ヤコブはあるときに豆の煮物と長子の権利を交換しようと空腹のエサウに持ち掛け、

まんまと長子の権利を奪ってしまいます。

 

当時、長子というのは優遇された立場にあり、神様の祝福をも受け取ることができる立場でした。

そんな大切な権利をエサウは、食べ物と交換してしまったのです。

なんてことを。。!

 

その後、ヤコブは長子として父のイサクから神の祝福を受け取ってしまいました。

さて、このことを知ったエサウは激怒。

 

ヤコブを殺そうとしますが、これを知った母のリベカはエサウの怒りが収まるまで、

自分の実家へ避難するようにとヤコブを促します。

 

母リベカの実家には、リベカの兄であるラバンが住んでいました。

こうして、リベカの実家に向かうヤコブの一人旅が始まったのです。

 

詳しくは、【聖書】”エサウとヤコブ”のお話とは?壮絶な兄弟ゲンカ開始!?をどうぞ

ヤコブの夢(梯子)

ヤコブの夢(梯子)

「さてヤコブはベエルシバを立って、ハランへ向かったが、 11一つの所に着いた時、日が暮れたので、そこに一夜を過ごし、その所の石を取ってまくらとし、そこに伏して寝た。 12時に彼は夢をみた。一つのはしごが地の上に立っていて、その頂は天に達し、神の使たちがそれを上り下りしているのを見た。 13そして主は彼のそばに立って言われた、「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが伏している地を、あなたと子孫とに与えよう。 14あなたの子孫は地のちりのように多くなって、西、東、北、南にひろがり、地の諸族はあなたと子孫とによって祝福をうけるであろう。 15わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう」。」

(創世記28章10~15節)

さて、こうして不安な一人旅が始まったヤコブでしたが、

あるとき一夜を明かそうと石を枕にして寝たときに夢を見ました。

 

それは地上から天にまで達する長いはしごの上を神の使いたちが上り下りしているという不思議な夢でした。

すると、神様がヤコブの近くに立って言われました。

神様
神様
私はあなたの父であるアブラハムの神、イサクの神だ。

私はあなたが今いる地を、あなたと子孫とに与えよう。

あなたの子孫は地のちりのように多くなって増え広がり、世界中の国はあなたと子孫とによって祝福をうけるだろう。

あなたがどこへ行くときも私は共にいてあなたを守り、無事にこの地に連れ帰る。

私は決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うだろう。

なんとヤコブは、夢の中で神様と出会いその声を聞いたのです。

 

しかも、その内容は驚くべき祝福の約束でした。

エサウから奪った長子の権利でしたが、神の祝福は確かにヤコブに受け継がれていたのです。

ヤコブの誓い

ヤコブの誓い

16ヤコブは眠りからさめて言った、「まことに主がこの所におられるのに、わたしは知らなかった」。 17そして彼は恐れて言った、「これはなんという恐るべき所だろう。これは神の家である。これは天の門だ」。 18ヤコブは朝はやく起きて、まくらとしていた石を取り、それを立てて柱とし、その頂に油を注いで、 19その所の名をベテルと名づけた。その町の名は初めはルズといった。 20ヤコブは誓いを立てて言った、「神がわたしと共にいまし、わたしの行くこの道でわたしを守り、食べるパンと着る着物を賜い、 21安らかに父の家に帰らせてくださるなら、主をわたしの神といたしましょう。 22またわたしが柱に立てたこの石を神の家といたしましょう。そしてあなたがくださるすべての物の十分の一を、わたしは必ずあなたにささげます」。

(創世記28章16章22節)

ヤコブは眠りから覚めると、聖なる神様に出会ってしまった驚きと恐怖が湧いてきて言いました。

ヤコブ
ヤコブ
神様がこの場所におられることを私は知らなかった。

ここは神の家であり、天の門だったのだ。

ヤコブは朝早く起きると、自分が枕にしていた石を立てて記念の柱とし、その石の上からオリーブ油を注ぎました。

 

そして、ヤコブはその場所の名前をべテル、つまり”神の家”と名付けたのです。

ヤコブは、以下のような誓いを立てました。

ヤコブ
ヤコブ
もし神様がこの旅で私と共にいて私を守り、パンや服を与え、無事に神の家に帰らせてくださるならあなたを私の神とします。

また、この記念の柱を神の家とし、あなたがくださるすべての物の十分の一を必ずおささげしましょう。

こうして、神との出会いを果たしたヤコブは、ラバンの家に向けて旅を再開したのです。

ヤコブの夢(梯子)に込められたメッセージとは?

さて、ざっくりとヤコブの夢(梯子)の内容を見てきましたが、

このお話にはどのようなメッセージが込められているのでしょうか?

 

いくつかご紹介したいと思います!

  1. いつも神様はそばにいる
  2. 救いへの道は開かれている

①いつも神様はそばにいる

いつも神様はそばにいる

ヤコブは夢の中で神様と出会いました。

しかし、神様はそれまではヤコブのもとにはいなかったのでしょうか?別の場所にいたのでしょうか?

 

いいえ、そうではありません。

ヤコブが気づいていなかっただけで、神様はずっとヤコブのそばにいてくださったのです。

 

このことは、エサウから逃げ出して孤独な一人旅をしていたヤコブにとってどれほどの励ましだったでしょうか。

私たちにとっても同じです。

 

神様は、いつも私たちのそばにいて私たちを見守ってくれています。

そして、

神様
神様
私はあなたを決して見捨てず、どこに行くにもあなたのそばにいて守る。

と言ってくださっているのです。

 

他の聖書箇所でも、神様はこのように言ってくださっています。

恐れてはならない、わたしはあなたと共にいる。驚いてはならない、わたしはあなたの神である。わたしはあなたを強くし、あなたを助け、わが勝利の右の手をもって、あなたをささえる。

(イザヤ書41章10節)

なんと心強い言葉でしょうか!

 

生きていれば、孤独を感じてしまうことは必ずあります。

しかし、私たちにはいつもそばにいて強めてくださる神様がおられます。

 

ですから、私たちが本当の意味で一人ぼっちになることはないのです!

孤独の対処法は、孤独で辛い!その原因と対処法をクリスチャンが伝授【神がそばにいる】をどうぞ

②救いへの道は開かれている

ヤコブが見た地上から天にまで伸びる長い梯子は、地上にいる人間と天にいる神様を繋ぐものです。

つまり、この梯子は神様への救いの道ととらえることもできます。

 

アダムとエバが罪を犯して以来、私たち人間と神様の関係は断たれてしまっていました。

しかし、イエスキリストを信じるとき、私たちは神様と再び繋がり関係を持つことができます。

 

これこそがキリスト教でいう”救い”です。

(詳しくは、【キリスト教用語】”福音”の意味とは?キリストの良い知らせ?を参照)

 

イエスはこう言われました。

「イエスは彼に言われた、「わたしは道であり、真理であり、命である。だれでもわたしによらないでは、父のみもとに行くことはできない。

(ヨハネによる福音書14章6節)

つまり、私たちはイエスキリストを通さなくては、神様と繋がることはできないということです。

神様のところへ、天国へと行くことはできないということです。

 

その意味で、ヤコブが見た梯子の役割をして下さったのがイエスキリストだといえますね。

この梯子のように、救いへの道はいつも開かれているのです!

希望のはしごですね!

ヤコブの夢(梯子)を描いた絵画

では、最後にヤコブの夢(梯子)を描いた絵画をいくつかご紹介しておきましょう。

絵で見るとこの場面がよりイメージしやすいですね!

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「ヤコブの夢」(フェルディナント・ボル)

とても幻想的な雰囲気を感じさせる一枚。

天使の姿に焦点を当てて描かれているのが、大きな特徴ですね。

 

天使がヤコブに祝福を与えようとしています。

「ヤコブの夢」(ウィリアム・ブレイク)

とてもきらびやかな色合いで描かれている一枚。

天の輝かしさや美しさがとてもよく表現されています。

 

にしても、ヤコブの寝かたがかなり独特ですね。。

「ヤコブの夢」(ホセ・デ・リベーラ)

『ヤコブの夢』(フェルディナント・ボル)

こちらは、寝ているヤコブの姿に焦点が当たっている一枚です。

ヤコブの風貌も含めて、上記の2枚よりもリアルな感じがしますね。

まとめ:ヤコブの夢(梯子)は、神様との出会いのお話!

ヤコブの夢(梯子)

ヤコブの夢(梯子)、どんなお話がお分かりいただけましたか??

ヤコブが神様と出会う非常に印象的なシーンでしたね!

 

ちなみに、ヤコブは最終的にエサウと和解を果たすことになり、神様の約束通り彼の子孫は増え広がっていきます。

神様は絶対に約束を守られるお方なんですね!

 

興味のある方は、ぜひ聖書も読んでみてくださいね。

キートンでした。

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月間15万PVを達成! 信仰生活28年のプロテスタントクリスチャンで、愛称は"キートン"(本名:辻 勇輝)。 キリスト教の面白さを伝えるために、分かりやす~く情報を発信中。 所属教会は”ひばりが丘バイブルチャーチ”です。 趣味は、曲作り、映画鑑賞、読書、筋トレ、散歩など。

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