キリスト教用語集

【キリスト教】赦(ゆる)すとは?許すとの違いや大切な理由を解説

ジーザス、エブリワン!キートンです。

赦(ゆる)しってどんな意味があるの?許しとの違いは?

人を赦したほうがいい理由や方法も知りたいなあー!

こういった疑問にお答えします。

 

キリスト教の大切な概念に、赦(ゆる)しというものがあります。

ゆるしという言葉自体は日常でもよく使われますが、この漢字にはあまりなじみのない人が多いでしょう。

 

しかし、許しという言葉とは、明確な違いがあります。

そこで今回は、信仰歴28年のクリスチャンである僕が、

  • 赦しの意味とは?
  • 許すと赦すの違い
  • なぜ人を赦す必要があるのか
  • 人を赦す方法

などについて解説していきたいと思います!

赦(ゆる)しとは?

赦(ゆる)しとは、相手の罪などを免除してなかったことにすることです。

昔、姉貴に楽しみに取っておいたシュークリームを勝手に食べられて恨んでたんだけど、もう全部赦すことにしたよ。

みたいな感じで使いますね。(例えがくだらない)

 

キリスト教において最も重要な概念の1つです。

なぜなら、イエスキリストが私たちの罪のために十字架で死なれ、罪を赦してくださったからです。

 

また、イエスご自身も、赦しについての教えを説いておられます。

「そのとき、ペテロがイエスのもとにきて言った、「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯した場合、幾たびゆるさねばなりませんか。七たびまでですか」。イエスは彼に言われた、「わたしは七たびまでとは言わない。七たびを七十倍するまでにしなさい。」

(マタイによる福音書18章21、22節)

キートン
キートン
そのため、キリスト教は”赦しの宗教”と呼ばれることがありますね!

 

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許すと赦すの違い

一般的には、”赦す”よりも”許す”という言葉を使うことが多いでしょう。

では、この2語に違いはあるのでしょうか。

 

それぞれの違いをまとめると、こんな感じになります。

  • 許す➡相手の希望や要求などを受け入れて、許可する。
  • 赦す➡相手のミスや罪などを責めずに、なかったことにする。

こうして見ると、漢字だけでなく意味もかなり違うことが分かりますね。

英語で言うと、許すは”permission”、赦すは”forgiveness”になります。

 

日常では、より意味が軽い”許す”を使うことが多いですが、

キリスト教では、“罪”という概念がとても重要なので、”赦す”のほうを使うことがほとんどなのです!

赦すのほうが重い感じがする。。!

 

逆に、普段から”赦す”という単語を使いまくっている人は、何やら闇が深い感じがしますね。。

どんな人生送ってんねん。。

 

☟罪については、こちらの記事をどうぞ

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人を赦すことが大切な3つの理由

皆さんは、どうしても赦せない相手がいますか?

いるいる!あのにっくき上司め。。いつもこき使いやがって。。!
学生時代に自分をいじめていた奴らが赦せない!

などなど1人くらいは、そういう相手がいるかもしれませんね。

 

しかし、人を赦すというのは、私たちの人生を豊かにするために必要なことです。

というわけで、ここからは人を赦すことが大切な3つの理由を見ていきましょう!

◎人を赦すことが大切な3つの理由

  1. 神様に赦されているから
  2. 心が解放されるから
  3. 感動を与えるから

①神様に赦されているから

神様は、2000年ほど前に独り子であるイエスキリストを地上に送られました。

そして、これはアダムとエバ以降、罪に苦しむ私たちを救うためでした。

 

つまり、イエスキリストの死をもって神様は私たちの罪をゆるされたのです。

神様でさえも、私たち人間の罪をゆるしてくださった。

 

それならば、私たち人間も他の人の罪をゆるしてあげるのは自然なことではないでしょうか。

聖書にもこうあります。

「互に情深く、あわれみ深い者となり、神がキリストにあってあなたがたをゆるして下さったように、あなたがたも互にゆるし合いなさい。」

(エペソ人への手紙4章32節)

自分の罪がゆるされているのに、他人の罪をゆるさないというのがどれくらい酷いことか分かりますか?

それは、人の弁当のおかずだけもらって自分のおかずはあげないくらい酷いことなのです!!

いや、たとえ下手くそか。。!

 

。。。はい、これに関してはイエス様がもっと分かりやすいたとえを語られているので、そちらを見てみましょう。(最初からそうしろ)

それは、仲間をゆるさない悪い家来のたとえです。

「それだから、天国は王が僕たちと決算をするようなものだ。決算が始まると、一万タラントの負債のある者が、王のところに連れられてきた。しかし、返せなかったので、主人は、その人自身とその妻子と持ち物全部とを売って返すように命じた。」

(マタイによる福音書18章23~25節)

あるとき、1万タラント(約6000億円)もの借金を背負ったしもべがいました。

もちろん、こんな大金を返せるはずもなく、しもべは主人にひれ伏してお願いしました。

しもべ
しもべ
どうぞお待ちください!全部お返ししますから!

すると、そんなしもべをかわいそうに思った主人は、彼の借金を帳消しにしてあげました。

 

ところが、そのしもべは外に出るなり、自分が100デナリ(約80万円)を貸している仲間を見つけると、首を絞めてこう言いました。

借金を返さんかいコラッ!!

それに対して、仲間は答えました。

仲間
仲間
どうか待ってくれ!返すから!

しかし、しもべはこれを聞き入れず、その仲間を借金を返せるまで牢屋にぶち込んでしまいました。

 

このことを知った主人は、しもべを呼びつけると言いました。

主人
主人
何という悪いしもべだ!

私がお前をゆるしたように、お前も仲間をゆるすべきではなかったか!!

こうして、ぶち切れた主人は、借金が返せるまでしもべを牢屋にぶち込んでしまいました。

 

さて、このお話を聞いてどう思いましたか?

自分が6000億もの借金を帳消しにされているのに、

たった80万円の仲間の借金を大目に見てあげないなんて、このしもべありえない!!

と思いますよね。

 

でも、私たちが他人の罪をゆるさないというのは、このしもべと同じことをしているということなんです。

私たちが人から受ける罪は、神様がゆるしてくださった罪に比べたら微々たるもの。

 

だから、私たちが人をゆるしてあげるのは、当然のことなのです!

このたとえ話の後に、イエスキリストはこう語られています。

「あなたがためいめいも、もし心から兄弟をゆるさないならば、わたしの天の父もまたあなたがたに対して、そのようになさるであろう」。」

(マタイによる福音書18章35節)

②心が解放されるから

ゆるすというと、どうしても相手のためにしてあげることというイメージがあります。

しかし、人をゆるすことは自分のためでもあるのです。

 

なぜなら、人をゆるすということは怒りや憎しみから解放されるということだからです。

だって、考えてもみてください。

 

ずっと相手に対して怒りや憎しみを抱き続けるって、めちゃくちゃ苦しくないですか?

それで相手も苦しむならまだしも、相手には何のダメージもありません。

 

つまり、相手をゆるさないのは、ただただ自分を苦しめるだけの自滅行為なんです!

メリットがない。。

 

聖書には、こう書かれています。

「26怒ることがあっても、罪を犯してはならない。憤ったままで、日が暮れるようであってはならない。」

(エペソ人への手紙4章26節)

人をゆるすと怒りや憎しみは過去のものとなり、心は自由になります。

精神衛生的にも、人の罪は早くゆるしてしまったほうがいいんですね!

③感動を与えるから

人が人をゆるす姿というのは美しく、ゆるされた人はもちろん、他の人にも大きな感動を与えます。

なぜなら、ゆるすという行為には強い愛のパワーがあるからです。

 

僕がとっても好きな聖書のお話に、“ヨセフ物語”があります。

ヨセフはあるとき、お兄さんたちに奴隷としてエジプトに売られてしまいます。

 

しかし、エジプトで成功をしたヨセフは、王様の次に偉い宰相(さいしょう)の位にまで上りつめることができました。

そして、あるとき、お兄さんたちと再会する場面がやって来るのですが、皆さんならどうしますか?

ここで会ったが100年目!!積年の恨みをはらしたるわ~!!

とばかり、自分の地位を使って復讐を果たしますか?

確かに、ヨセフはそれくらいの酷い仕打ちをお兄さんたちから受けています。

 

しかし、ヨセフはお兄さんたちのことをゆるしたのです。

「ヨセフは兄弟たちに言った、「わたしに近寄ってください」。彼らが近寄ったので彼は言った、「わたしはあなたがたの弟ヨセフです。あなたがたがエジプトに売った者です。しかしわたしをここに売ったのを嘆くことも、悔むこともいりません。神は命を救うために、あなたがたよりさきにわたしをつかわされたのです。」

(創世記45章4、5節)

すごく感動的なシーンだと思いませんか??

 

僕はこの箇所を読むたびに、思わずうるっと涙ぐんでしまいます。

人をゆるすということは、こんなにも感動を与えてくれるものなのですね!

 

☟ヨセフ物語については、こちらの記事をどうぞ

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人を赦すためにはどうしたらいい?【相手のためにお祈りしましょう】

とは言え、やはり人を赦すというのは、そう簡単なものではありません。

人への怒りや憎しみというのは、中々消えてくれませんからね。

 

では、人を赦すためにどうしたらいいのでしょうか?

それは、相手のためにお祈りすることです。

 

イエスキリストは、こう語られました。

「43『隣り人を愛し、敵を憎め』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。 44しかし、わたしはあなたがたに言う。敵を愛し、迫害する者のために祈れ。」

(マタイによる福音書5章43、44節)

キートン
キートン
有名な聖書の言葉ですね!

 

そうです、自分が憎しみを抱いている相手、赦せない相手のために愛を持って祈るのです。

これこそが人を赦すための、最も効果的な方法なんですね。

 

もちろん、最初は抵抗があるでしょう。

しかし、その人のために祈っていると、段々と赦しの気持ちが芽生えてくるはずです。

 

ですから、まずはこのように祈ってみましょう。

神様、どうか今私が赦せない○○さんのことを愛し、赦すことができるようになりますように。

そして、私を縛っている怒りや憎しみから解放させてください。

と。

継続してお祈りすることで神様の力が働き、必ずや相手のことを赦すことができるようになるでしょう!

 

☟お祈りの仕方については、こちらの記事をどうぞ

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まとめ:人を赦すことは人生を豊かにする!

赦しという言葉の意味、理解していただけましたか?

人を赦すことは難しいですが、成功したときに大きな喜びがあります。

 

ぜひ、神様にお祈りしつつ、自分のにっくき相手を赦せるように前進していきましょう!

キートンでした。

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月間15万PVを達成! 信仰生活28年のプロテスタントクリスチャンで、愛称は"キートン"(本名:辻 勇輝)。 キリスト教の面白さを伝えるために、分かりやす~く情報を発信中。 所属教会は”ひばりが丘バイブルチャーチ”です。 趣味は、曲作り、映画鑑賞、読書、筋トレ、散歩など。

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