ジーザス、エブリワン!キートンです。
今回は旧約聖書に登場する、“エサウとヤコブ”という双子の兄弟のお話をご紹介した
旧約聖書には他にも、カインとアベルという兄弟がいましたね。
カインとアベル間には人類初の殺人が起きてしまいましたが、エサウとヤコブは何十年にも及ぶ大ゲンカをしてしまいます。

では、彼らは一体なぜケンカになってしまったのでしょうか?
この記事では、”エサウとヤコブ”のストーリーなどについて見ていきましょう!

Contents
“エサウとヤコブ”とは?

“エサウとヤコブ”とは、旧約聖書の創世記に登場する人類初の双子のことです。
父にイサク、母にリベカを持ち、エサウが兄で、ヤコブが弟にあたります。
ただし、双子と言っても2人の見た目も性格も正反対ですが。。
エサウとヤコブは、ヤコブがエサウから長子の権利を奪い取ったことから、大ゲンカに発展。
しかし、最終的には神様のお導きにより、感動の再会を果たし和解します。


聖書箇所
創世記25章27節〜
“エサウとヤコブ”の登場人物
兄弟ゲンカに巻き込まれる登場人物たちはこちらです。(言い方)
イサク

アブラハムの息子で、エサウとヤコブの父。
ヤコブよりエサウを愛します。
リベカ

エサウとヤコブの母。
エサウよりヤコブを愛します。
エサウ

イサクとリベカの間に産まれた長男で、ヤコブの兄。
ワイルドで、狩りをするのが仕事。(この画像、完全に原○人)
ヤコブ

イサクとリベカの間に産まれた次男で、エサウの弟。
兄と違い、控えめで大人しい性格。
天幕(テント)の周りで働くのが仕事。
ラバン

リベカの兄で、エサウとヤコブからすると叔父(おじ)にあたる。
善人に見えるが、何度かヤコブをだまそうとする。
神様

天地を造られた創造主。
今回は出番が少なめです。

神の御使い

いわゆる天使のこと。
ヤコブに大事な情報を知らせます。

“エサウとヤコブ”のストーリー
では、ストーリーに参りましょう!
エサウ、長子の権利を売る

ある日、イサクとリベカの間には双子の赤ちゃんが生まれました。
兄のエサウと弟のヤコブです。
2人はすくすくと成長し、エサウはたくましい狩人(かりうど)に、
父イサクは兄エサウのことを愛し、
ある日、ヤコブが煮物を煮ているときのこと。
エサウが疲れ切った顔で野原から帰ってくると、

その煮物を俺に分けてくれないか?もうヘトヘトなんだ。
ヤコブは答えました。

お兄さんの長男の権利を、私に譲ってください。
エサウは答えました。

飢え死にするくらいなら、長男の権利なんてどうでもいいさ。
こうして、
ヤコブがエサウにパンとレンズ豆の煮物をあげると、

ヤコブ、イサクの祝福をだまし取る

さて、父イサクは高齢のせいか、
そこで、息子のエサウを呼び寄せて言いました。

死ぬ前にそれを食べて、お前に私の祝福を授(さず)けたいのだ。
父イサクは自分の死が近いことを悟っていたのです。
さて、この会話をこっそり聞いている人物がいました。
母のリベカです。
リベカは、エサウが獲物を取りに行っている間にヤコブにこれらのことを話すと、言いました。

そうすれば、お父さんはお前を祝福してくださるでしょう。
リベカはヤコブを強く愛していたため、ヤコブに祝福を受けさせようとしたのです。
ヤコブはリベカに言いました。

お父さんが私に触れれば、だましていることがバレてしまうでしょう。
リベカは答えました。

だから、今は私の言う通りにしなさい。
その後、ヤコブが子ヤギを持ってくると、
そして、エサウの服をヤコブに着せ、
ヤコブは、父イサクのところへ行くと言いました。

イサクは答えました。

どれ、こっちへ来なさい。お前が本当に私の息子エサウなのかを確かめたい。
そして、イサクはヤコブの腕に触りましたが、
こうして、イサクは料理を食べると、

エサウ、怒り狂う

さて、ヤコブが祝福を受けて父の元を去ると、
エサウが父イサクに祝福を欲しいと言うと、

では、さっき私が祝福を与えたのは誰だったのだ。
エサウはこれを聞くと大声を上げて泣き、

しかし、
エサウはこれを機に、弟ヤコブのことを激しく憎み、
そして、つぶやきました。

父の死はそう遠くない。その時になったら、絶対にお前を殺してやる!
さて、これをこっそり聞いていた人物がいました。
そう、母のリベカです。(盗み聞きのプロ)
リベカは、ヤコブを呼び寄せると言いました。

そして、エサウの怒りが収まるまで泊めてもらうのです。
こうして、ヤコブはラバンの元へ旅立つことになりました。
ヤコブ、夢を見る

ヤコブは旅の途中、ある場所で一夜を過ごすことにしました。
ヤコブが近くにあった石を枕にして横になると、
地上から天まで届くような階段を、
すると、神様が側に現れて言われました。

あなたの子孫は、大地の砂つぶのように多くなり、世界中に広がっていくだろう。
私はいつでもあなたと共にいて、どこに行っても守り、この土地に連れ帰る。
私はあなたを決して見捨てないだろう。
これは、神様からヤコブへの祝福の約束でした。
ヤコブは目を覚ますと、その場所を“ペテル”と名付け、
そして、後にこの神様の言葉は実現し、ヤコブからたくさんの子孫が生まれていくことになります。
ヤコブ、結婚する

やがて、ヤコブがラバンの家に着くと、
さて、ヤコブが来てから1ヶ月ほどが経ったある日、

どんな報酬が欲しいのか言ってみなさい。
ヤコブは答えました。

こうして、ヤコブは愛するラケルのために7年間働きました。
しかし、約束を果たしたヤコブのところに送られてきたのは、
ヤコブはラバンに騙されたのです。
これに抗議したヤコブにラバンは言いました。

先に姉のレアと結婚してくれ。そうすれば妹のラケルも嫁にやろう。
ただし、もう7年間働いてもらうがな。
こうして、ヤコブはラケルを妻にし、その後も7年間ラバンの元で
そして、ヨセフと、レア・ラケルの女奴隷(ビルハ)・レアの女奴隷(ジルパ)・ラケルとの間に、
最終的に12人の息子と1人の娘が生まれることとなります。
まとめると、以下の通りです。
- レア ➡ルベン、シメオン、レビ、ユダ、イッサカル、ゼブルン、ディナ(女)
- ラケルの女奴隷(ビルハ)➡ダン、ナフタリ
- レアの女奴隷(ジルパ) ➡ガド、アシェル
- ラケル ➡ヨセフ、ベニヤミン


ヤコブとエサウの再会

ヤコブがついにラバンの元を去り旅を続けていると、

これを聞いたヤコブは恐くなり、神様に祈りました。

兄は、私も妻子も皆殺しにしてしまうかもしれません。
その夜、

そして、これらの家畜が兄への贈り物であることと、私が後から来ることを伝えるんだ。
これで、兄の怒りを先に鎮(しず)めようと思ったのです。
こうして、贈り物を先に行かせて、
朝になりヤコブが目をあげると、エサウが400人のお供を連れ
そこで、ヤコブは先頭に出て、7度地面にひれ伏すと、
すると、エサウは走ってヤコブを抱きしめ、エサウとヤコブはお互いに大粒の涙を流しました。


こうして2人は、感動の再会を果たしたのでした。
“長子の権利”ってそんなにすごいの!?

さて、この兄弟げんかの発端となった”長子の権利”。
現代の皆さんにはあまりピンとこないかもしれませんが、
例えば、
◎長子の特権
- 兄弟たちの主人的な立ち位置にいられる
- 遺産の相続を2人
分もらえる - 家族を祝福できる権利がある
など長子ならではの特権がいくつかあったのです。
ヤコブはこれを知っていたから、
「エサウは言った、「わたしは死にそうだ。長子の特権などわたしに何になろう」。 33ヤコブはまた言った、「まずわたしに誓いなさい」。彼は誓って長子の特権をヤコブに売った。」
(創世記25章32、33節)
逆に、兄弟の末っ子のほうになればなるほど軽んじられました。
今の時代では考えにくいですが、当時は兄弟の上下関係が明確に存在したんですね。
なぜエサウはあんなに悔しがった!?

このお話を読んで、

と思うかもしれません。
しかし、当時、神様からの祝福というのは、
そして、この祝福を受けられるのが長子の特権だったのです。
ヤコブはそのことを知っていて、煮物との交換条件を出しました。
一方で、エサウはこの長子の特権を軽くみていたのでしょう。
その大切な権利を、たった一杯の煮物と交換してしまったのです。
「そこでヤコブはパンとレンズ豆のあつものとをエサウに与えたので、彼は飲み食いして、立ち去った。このようにしてエサウは長子の特権を軽んじた。」
(創世記25章34節)

祝福を受けることがどれだけ大きなことかは、
神様の祝福のバトンを受け取るという大切な役目を失ったエサウが、
ちなみに、こうなることは、エサウとヤコブが生まれる前から神様が予告しておられました。
「主は彼女に言われた、「二つの国民があなたの胎内にあり、二つの民があなたの腹から別れて出る。一つの民は他の民よりも強く、兄は弟に仕えるであろう」。」
(創世記25章23節)
ヤコブからイスラエル12部族が生まれた!?

さて、このお話だけ見ると、ヤコブは兄から祝福を奪い取ったズルい奴というイメージしか残らないかもしれません。
しかし、実はヤコブは聖書の歴史上外すことのできない超重要人物なんです。
なぜなら、ヤコブからイスラエル12部族が誕生していくからです。
イスラエル12部族とは、後に預言者モーセに連れられて神様から“十戒”を与えられる民族のこと。
しかも、後に出てくる
- モーセ
- ダビデ
- ソロモン
- イエス・キリスト
などの偉大な人物たちは、全てこのイスラエル12部族の子孫なのです!

こうして、神様が夢の中でヤコブに語られていたことが、実現していくわけですね。
「そして主は彼のそばに立って言われた、「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが伏している地を、あなたと子孫とに与えよう。 14あなたの子孫は地のちりのように多くなって、西、東、北、南にひろがり、地の諸族はあなたと子孫とによって祝福をうけるであろう。」
(創世記28章13、14節)
まあこれも、兄のエサウの代わりに祝福を受けたおかげなんですが。。
イスラエル12部族は以下の通り。
◎イスラエル12部族
- ルベン族
- シメオン族
- レビ族
- ユダ族
- ダン族
- ナフタリ族
- ガド族
- アシェル族
- イッサカル族
- ゼブルン族
- ヨセフ族
- ベニヤミン族
彼らを軸にして、この後の聖書の歴史は進んでいきます。
ちなみに、“イスラエル”というのは兄弟ゲンカ後に、ヤコブが天使と格闘して勝ったことから与えられた名前のことです。
「その人は言った、「あなたはもはや名をヤコブと言わず、イスラエルと言いなさい。あなたが神と人とに、力を争って勝ったからです」。」
(創世記32章28節)
☟聖書の人物たちの系図についてはこちらの記事にまとめています

まとめ:”エサウとヤコブ”のケンカはどっちもどっち

結果的にはハッピーエンドで良かったですが、このケンカってどっちもどっちなところありますよね。
兄の祝福をだまし取ったヤコブはもちろんですが、安易に長子の権利をあげてしまうエサウにも問題はあります。
それにしても、彼らは双子なのにルックスも性格も真逆なのが面白いですよね。
兄エサウは、ワイルドで体毛が濃い。
弟ヤコブは、大人しくて肌がツルツル。
こうして見ると。。
絵に描いたような肉食系と草食系の兄弟ですね。(現代人思考)
ではまた!

なかなか良かったです。
楽しく語られているので解りやすいし、興味持てます。
ありがとうございます!!そう言っていただけると嬉しいです!!