ジーザス、エブリワン!キートンです。

そんなに魅力的な場所なのかなあ。。?
こういった疑問にお答えします。
エルサレムについて、皆さんはどのようなイメージを持っているでしょうか?
紛争、物騒、対立、血みどろ。。
いずれにせよ、何やらいつも争いが起きている危険な場所だというイメージの方が多いのではないでしょうか。
国際ニュースなどでもよく出てきますからね。
実際、そのイメージは間違っておらず、エルサレムでは争いや問題が絶えません。
その大きな原因の1つが、エルサレムがユダヤ教、キリスト教、イスラム教共通の聖地だということです。
実はこの3宗教は同じ神様を信じていたり、聖書を聖典にしていたりと共通点が多いのですが、聖地も例外ではありません。
では、なぜこれほどエルサレムに聖地が集中することになったのでしょうか?
実は、各宗教でその理由や背景はバラバラなのです。
そこでこの記事では、クリスチャンの僕が、
- エルサレムとは?
- 【疑問】エルサレムに聖地が集中しているのはなぜ?宗教ごとに解説
という内容を解説していきます!
各宗教の違いは、【徹底比較】ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の違い10選まとめをどうぞ
目次
エルサレムとは?
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(画像引用:wikipedia エルサレム旧市街)
エルサレムは、イスラエルにある都市であり、世界最古の都市の一つです。
イスラエルは、エルサレムを自分たちの国の首都だと主張していますが、国際的には認められていません。
ただ、2017年にトランプ大統領がエルサレムはイスラエルの首都だと明言し、話題になりました。
また、エルサレムは、
- ユダヤ教
- キリスト教
- イスラム教
という3つの宗教の共通の聖地でもあり、そのことが多くの問題や争いを産んでいます。
実際、過去にはエルサレムを巡る十字軍遠征など、血みどろの歴史があったりしますね。
ちなみに、エルサレムの中でも旧市街と呼ばれるエリアは現在、
- ムスリム街区
- キリスト教徒街区
- ユダヤ人街区
- アルメニア人街区
の4つに分けられています。(上記画像参照)

【疑問】エルサレムに聖地が集中しているのはなぜ?宗教ごとに解説
では、エルサレムに聖地が集中している理由を宗教ごとに解説していきたいと思います。
- ユダヤ教
➡ダビデ王が首都とし、ソロモン王がエルサレム神殿を置いた場所だから。”嘆きの壁”がある。
- キリスト教
➡イエスが十字架に架けられて復活した場所だから。”聖墳墓教会”がある。
- イスラム教
➡ムハンマドが昇天し、アッラーの啓示を受けて帰ってきた場所だから。”岩のドーム”がある。
それぞれ詳しく見ていきましょう!
ユダヤ教
↑”嘆きの壁”の前で祈るユダヤ人たち
ユダヤ教がエルサレムを聖地としているのは、
ダビデ王が首都とし、ソロモン王がエルサレム神殿を置いた場所だからです。
ユダヤ教では、旧約聖書(タナハ)が聖典とされていますが、そこにはエルサレムの歴史について書かれています。
最初にエルサレムの記述が出てくるのは、旧約聖書最初の書物“創世記”での以下の記述です。
「その時、サレムの王メルキゼデクはパンとぶどう酒とを持ってきた。彼はいと高き神の祭司である。」
(創世記14章18節)
“サレムの王”というのがエルサレムの王のことで、この時点で既にエルサレムは都市国家として存在していたことが分かります。
そして、エルサレムがユダヤ教にとって重要な場所になったのは、
英雄ダビデ王がエルサレムをイスラエル王国の首都に定めてからです。
イスラエル王国というのはつまりユダヤ人たちの国のことで、ダビデ王はその2代目の王様ですね。
「ダビデは王となったとき三十歳で、四十年の間、世を治めた。 5すなわちヘブロンで七年六か月ユダを治め、またエルサレムで三十三年、全イスラエルとユダを治めた。」
(サムエル記下5章4、5節)
こうして、エルサレムは政治的な首都というだけでなく、ユダヤの宗教的な意味でも中心地となりました。
また、ダビデの後を継いだソロモン王の頃にイスラエルは全盛期を迎えますが、この頃にエルサレムに神殿が建てられます。
「第四年のジフの月に主の宮の基をすえ、 38第十一年のブルの月すなわち八月に、宮のすべての部分が設計どおりに完成した。ソロモンはこれを建てるのに七年を要した。」
(列王記上6章37、38節)
このエルサレム神殿はユダヤ教の唯一神ヤハウェのために建てられ、ユダヤ教の礼拝の中心地となっていったのです。
その後、
- バビロン捕囚の際に神殿が破壊される
- バビロン捕囚から解放後に第二神殿を再建
- ローマ帝国とユダヤ人の戦争(ユダヤ戦争)で第二神殿が破壊される
といった歴史を経て、現在はエルサレム神殿は再建されていません。
ただし、外壁の西側の部分は“嘆きの壁”として現在も残されており、現在もユダヤ教徒はこの壁の前で祈りをささげます。

バビロン捕囚については、【聖書】バビロン捕囚とは?わかりやすくその歴史をまとめてみたをどうぞ
キリスト教

↑キリストの墓とされる場所に建てられた”聖墳墓教会”
キリスト教がエルサレムを聖地としているのは、イエスが十字架に架けられ、復活した場所だからです。
イエスの十字架での死と復活は、キリスト教にとっては信仰の中心となる最も重要な出来事。
なぜなら、これらの出来事によって人間の罪はゆるされ、救われたと信じられているからですね。
「キリストは罪を犯さず、その口には偽りがなかった。 23ののしられても、ののしりかえさず、苦しめられても、おびやかすことをせず、正しいさばきをするかたに、いっさいをゆだねておられた。 24さらに、わたしたちが罪に死に、義に生きるために、十字架にかかって、わたしたちの罪をご自分の身に負われた。その傷によって、あなたがたは、いやされたのである。」
(ペテロの第一の手紙2章22~24節)
「わたしたちが信じているように、イエスが死んで復活されたからには、同様に神はイエスにあって眠っている人々をも、イエスと一緒に導き出して下さるであろう。」
(テサロニケ人への第一の手紙4章14節)
ですから、エルサレムがキリスト教にとって聖地になるのは自然なことなのでしょう。

イエスは自身もユダヤ人でありながら、戒律を重視するユダヤ教を批判し、愛の教えを説きました。
そして、キリストを信じる者は、弱い者も貧しい者も救われると説いたのです。
「イエスは答えて言われた、「健康な人には医者はいらない。いるのは病人である。 32わたしがきたのは、義人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためである」。」
(ルカによる福音書5章31、32節)
しかし、このことがユダヤ教の指導者たちの反感を買い、処刑されてしまったんですね。
ただ、その後イエスが復活したと信じる弟子たちによって教えが広まり、キリスト教が誕生していきます。
ちなみに、イエスの墓とされる場所には聖墳墓教会という教会堂が建てられ、神聖視されています。
他にも、エルサレムには、
などイエスに関する場所がたくさん残されています。
このように、エルサレムはクリスチャンにとっては、一生に一度は行ってみたい場所なのです!
イエスの生涯については、【完全版】イエス・キリストとはどんな人?その生涯を簡単にまとめてみたをどうぞ
イスラム教
↑ムハンマドが昇天したとされる場所に建つ”岩のドーム”
イスラム教がエルサレムを聖地としているのは
ムハンマドが昇天し、アッラーの啓示を受けて帰ってきた場所だからです。
イスラム教の開祖であるムハンマドは、いつものようにヒラ―山の洞窟で瞑想をしているときに
天使ジブリ―ル(ガブリエル)が現れ、唯一神アッラーの啓示を受けます。
この出来事以降、ジブリ―ルを通して神の言葉が語られるようになり、自分が預言者だと自覚したムハンマドは布教を開始しました。
しかし、当時のアラブ社会は伝統的な多神教であり、ムハンマドの説く一神教はすぐには受け入れられなかったのです。

こうしてムハンマドに対する迫害が強まっていく中で起こったのが、ムハンマドの昇天です。
つまり、ムハンマドは天使ジブリ―ルにメッカからエルサレムへと連れて行かれ、”第一の天”から”第七の天”にまで昇り、
といった預言者に会い、アッラーとも言葉を交わしたというのです。
内容が神秘的過ぎてピンときませんが、ムハンマドがこの体験をした場所がエルサレムなんですね!
そのため、イスラム教ではエルサレムは、
- メッカ
- メディナ
に次ぐ、第三の聖地とされています。
ちなみに、ムハンマドが昇天したとされる場所には、“岩のドーム”という神殿が建てられていますね。
まとめ:歴史的な理由でエルサレムを聖地にしている宗教が多い!

◎エルサレムを聖地としている理由
- ユダヤ教
➡ダビデ王が首都とし、ソロモン王がエルサレム神殿を置いた場所だから。”嘆きの壁”がある。
- キリスト教
➡イエスが十字架に架けられて復活した場所だから。”聖墳墓教会”がある。
- イスラム教
➡ムハンマドが昇天し、アッラーの啓示を受けて帰ってきた場所だから。”岩のドーム”がある。
エルサレムに聖地が集中している理由、お分かりいただけましたか??
エルサレムはユダヤ教にとっても、キリスト教にとっても、イスラム教にとっても
歴史的にとても重要な場所なんですね!
そりゃあ争いにもなるわなあ、という感じですよね。。
実際、現在もエルサレムを巡る問題は続いています。
この問題が一刻も早く解決するようにお祈りしていきたいですね!
ちなみに、
僕にとっての聖地は家の近くの銭湯です。(庶民的)
キートンでした。


☟参考文献