聖書を学ぶ

旧約聖書と新約聖書の4つの違いを簡単に解説【比較表あり】

まとめ:旧約聖書と新約聖書の違いを理解しよう!

ジーザス、エブリワン!キートンです。

聖書には旧約聖書と新約聖書があるって聞いたんだけど、一体何が違うの?

その違いを分かりやすく教えて!

こういった疑問にお答えします。

 

キリスト教の聖典として知られている”聖書”。

しかし、聖書と一言に言っても、実は旧約聖書と新約聖書に分けられます。

 

あなたはこの2冊の違いが分かるでしょうか?

それは単に、古い書物か新しい書物かということではありません!

 

また、旧約聖書が旧教と呼ばれるカトリックの聖書で、新約聖書が新教と呼ばれるプロテスタントの聖書というのもよくある誤解です。

カトリックもプロテスタントも、旧約・新約両方が収められたものを聖書と呼び、使用しています。

 

では、旧約聖書と新約聖書にはどのような違いがあるのでしょうか?

そこで今回は、クリスチャンの僕が、

  • 旧約聖書と新約聖書の違い
  • 旧約聖書と新約聖書どちらから読めばいい?

などについて解説していきます!

キートン
キートン
この記事を読めば、旧約聖書と新約聖書の違いがざっくりと分かりますよ!

 

👇動画で見たい方はこちら

✅旧約聖書については、旧約聖書とは?その内容をわかりやすく簡単にまとめてみた【全書物解説】をどうぞ

✅新約聖書については、新約聖書とは?その内容をわかりやすくざっくりとまとめてみた【全書物解説】をどうぞ

旧約聖書と新約聖書の4つの違いを簡単に解説【比較表あり】

まずは、こちらの比較表をご覧ください。

旧約聖書 新約聖書
書物数 39巻 27巻
言語 ヘブライ語(一部アラム語) ギリシャ語
契約 神とイスラエル(ユダヤ)人の契約 イエス以後の神と人間の契約
内容 神とイスラエル(ユダヤ)人の歴史 イエスの生涯と弟子たちの活動
メモメモ。。

 

それでは、それぞれ詳しく見てみましょう!

書物数

書物数
  • 旧約聖書➡39巻
  • 新約聖書➡27巻

聖書は全部で66巻の書物から成り、旧約聖書は39巻、新約聖書は27巻あります。

3×9=27と覚えると、覚えやすいですね!

 

まず、旧約聖書はもともと、ユダヤ教の聖典として読み継がれてきたもので、大きく以下の4つに分けることができます。

  • 律法(全5巻)        

➡トーラー、五書(モーセ五書)とも呼ばれ、ユダヤ教では最も基本的な聖典。特に創世記には、天地創造アダムとイブノアの方舟など有名なお話が多い。

  • 歴史書(全12巻)       

➡イスラエル人の歴史などについて書かれている。サムソンダビデソロモンなど有名人が多く登場。歴史資料としての評価も高い。

  • 文学書(全5巻)     

➡人生のアドバイスや生きるために役立つ教えを集めた”箴言”や、”コへレトの言葉”などがある。”詩編”など文学的な書物も多い。

  • 預言書(全17巻)       

預言者が神から受け取った言葉などが書かれている。文章量によってさらに”大預言書”と”小預言書”に分けられる。

旧約聖書は、約2000年前のイエスキリストの時代には既に存在しており、ユダヤ人が聖書といえばこの旧約聖書を指します。

実際、1世紀にはユダヤ人はもちろん、初代教会においても神の言葉として受け入れられ使用されていました。

キートン
キートン
かなりの歴史がありますね!

 

ちなみに、カトリックでは上記39巻に加えて、第2聖典として

  • トビト書
  • ユデト書
  • ソロモンの知恵
  • ベン・シラの知恵
  • バルク書
  • 第1・第2マカベア書

の7書も加えています。

 

一方で、ユダヤ教の一派だったキリスト教は、イエスの死後に別の宗教としての歩みを始めます。

そして、2世紀頃から自分たちの聖典を確立し、キリスト教独自の書物である新約聖書が誕生していきました。

 

新約聖書は、大きく以下の4つに分けられます。

  • 福音書(全4巻)

福音とは”良い知らせ”のこと。イエスの誕生から復活までの生涯や、イエスの言葉や教えなどが書かれている。

  • 歴史書(1巻) 

➡福音書の続編ともいえ、イエス昇天後の弟子たちの働きや初期キリスト教会を取り巻く困難などについて書かれている。

  • 書簡(21巻) 

使徒パウロ弟子たちが各地の信徒や教会に向けて書いた手紙。信徒を励ましたり福音を伝えたりするために書かれたとされている。

  • 預言書(全1巻)

➡新約聖書唯一の預言書である“ヨハネの黙示録”が収められている。世界の終末やキリストの再臨、最後の審判などが書かれており、幻想的な内容でかなり難解。

この中でも特に重要なのが、福音書ですね。

 

なぜなら、イエスの十字架刑や復活といったキリスト教の根幹となる出来事が書かれているからです。

福音、つまり”良い知らせ”とは、こうした出来事によりキリストによる救いが全ての人に開かれたということなんですね。

 

ただし、ユダヤ教の人たちはイエスを救い主とは信じておらず、新約聖書を認めません。

キートン
キートン
旧約聖書というのは、あくまでもキリスト教側からの呼び方なのです!

✅聖書についてより詳しく知りたい方は、【最強の書物】キリスト教の”聖書”とは?未だに売れ続ける永遠のベストセラー!?をどうぞ

言語

言語
  • 旧約聖書➡ヘブライ語(一部アラム語)
  • 新約聖書➡ギリシャ語

旧約聖書のほとんどはヘブライ語で、一部(エズラ記、ダニエル書の一部など)はアラム語で書かれています。

ヘブライ語は儀式や研究などで使われる言語で、イスラエル王国やユダ王国でも日常語として使われていました。

 

その後は徐々に衰退し、長い間日常語としては使われなくなっていたヘブライ語ですが、現在は復活し、イスラエルの公用語になっていますね。

アラム語は、新バビロニア帝国やペルシア帝国の公用語だった言語で、イエスや弟子たちの日常語もアラム語だったと言われています。

 

バビロン捕囚以降は、ヘブライ語と並んで徐々にユダヤ人の言葉としての地位を確立していきました。

キートン
キートン
現在でも、欧米やオーストラリアなどの中近東移民社会で使われていますね!

 

一方、新約聖書はギリシャ語で書かれています。

このギリシャ語は”コイネ-”と呼ばれるギリシャ語で、聖書が書かれた当時、現在で言う英語のような立ち位置で、国際的な言語でした。

 

だからこそ、新約聖書はギリシャ語で書かれ、結果的に多くの人に福音が伝わることになったのです。

ちなみに、聖書に書かれているイエスの言葉も、アラム語をギリシャ語に翻訳したものだと言われています。

✅詳しくは【言語】旧約・新約聖書は何語で書かれた?3つの言語をご紹介をどうぞ

✅イエスについては、【完全版】イエス・キリストとはどんな人物?その生涯をまとめてみた【5分で分かる】をどうぞ

契約

契約
  • 旧約聖書➡神とイスラエル(ユダヤ)人の契約
  • 新約聖書➡イエス以後の神と人間の契約

そもそも、旧約や新約聖書の約というのは、神と人との”契約”のことを表しています。

そして、その契約内容はそれぞれ異なり、だからこそ旧約・新約と分かれているのです。

 

まず、旧約というのは、神とイスラエル(ユダヤ)人の間に結ばれた旧(ふる)い契約のことです。

旧約聖書の中では、イスラエル人が神に従って神の律法を守れば、神の愛が注がれ、繁栄が与えられると繰り返し語られています。

「それで、もしあなたがたが、まことにわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るならば、あなたがたはすべての民にまさって、わたしの宝となるであろう。全地はわたしの所有だからである。」

(出エジプト記19章5節)

しかし、イスラエル人は神との約束を破り、何度もを犯して神に背いてしまいます。

その度に神は警告をしたり罰を与えたりしますが、イスラエル人は過ちを犯し続けました。

キートン
キートン
旧約聖書を読むと、人間の罪深さや弱さがよく分かります。。!

 

そこで神は人間を罪から救うために、イエスキリストを地上に送り、彼を通して新しい契約を結ばれました。

これが新約であり、イエス以後に神と人間の間で結ばれた新しい契約ですね。

 

旧い契約は、あくまでも神とイスラエル人の間の契約であり、救いの対象はイスラエル人だけでした。

しかし、イエスが私たち人類のために十字架で死に復活されたことで、その契約は更新されました。

 

つまり、キリストを信じる者なら誰でも救われるようになったのです!

より具体的に言うなら、キリストを信じれば、罪がゆるされ天国で神と共に永遠に生きられるようになったということですね。

 

これは凄いことですよ!

だって、古い契約と違って、新しい契約は、

  • キリストを信じるだけでいい
  • 契約対象は人類全員

なのですから。

 

聖書にもこう書かれています。

「しかし今や、神の義が、律法とは別に、しかも律法と預言者とによってあかしされて、現された。 22それは、イエス・キリストを信じる信仰による神の義であって、すべて信じる人に与えられるものである。そこにはなんらの差別もない。

(ローマ人への手紙3章21、22節)

✅キリスト教の救いに関しては、【キリスト教用語】”福音(ふくいん)”の意味とは?キリストの良い知らせ!?をどうぞ

内容

聖書
  • 旧約聖書➡神とイスラエル(ユダヤ)人の歴史
  • 新約聖書➡イエスの生涯と弟子たちの活動

旧約聖書に書かれているのは、簡単に言うと、神とイスラエル(ユダヤ)人の歴史です。

神は人間を含むこの世の全てを造られましたが、人は神に背き罪を犯しました。

 

しかし、神は人を見捨てず、アブラハムという人物を選んで彼と契約を結びます。

神はアブラハムに”あなたを大いなる国民にしよう”と語られ、世界中の人がアブラハムの子孫を通して祝福されることを約束したのです。

「時に主はアブラムに言われた、「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。 2わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。

(創世記12章1、2節)

キートン
キートン
このアブラハムの子孫がイスラエル(ユダヤ)人なんですね!

 

その後は、モーセが神から十戒を授けられる、イスラエル王国の王様ダビデが活躍するなど

ユダヤ人の歴史が神と人との交流と共に描かれていきます。

 

一方で、新約聖書には主に、イエスの生涯と弟子たちの活動について書かれています。

救世主が現れることは旧約聖書に何度も預言されていましたが、それが新約聖書の時代、イエスの登場により成就したのです。

「それゆえ、主はみずから一つのしるしをあなたがたに与えられる。見よ、おとめがみごもって男の子を産む。その名はインマヌエルととなえられる。

(イザヤ書7章14節)

イエスは神の子でありながら人間として地上に来られ、私たち人間の罪のために十字架で死なれ、3日目に復活されました。

このイエスを信じることで、私たち人間は旧約の頃から背負ってきた罪から解放され、天国で永遠に生きられるようになったのです。

 

こうした内容が新約聖書のメインテーマであり、一言でまとめると、

新約聖書はイエスが唯一の救い主であることを示す書物だといえますね。

旧約聖書と新約聖書どちらから読めばいいの?

旧約聖書と新約聖書どちらから読めばいいの?

ここまで見てきて、

旧約聖書と新約聖書の違いは分かったけど、どっちから読めばいいの?

こんな疑問が湧いてくる方もいそうなので、ここでお答えしておきます。

 

読み方に絶対的な正解は無いですが、初めて聖書を読むなら、新約聖書から読み始めるのが一般的す。

なぜなら、既にご紹介したように、新約聖書にはイエスの生涯や教えなど、キリスト教の核となる内容が書かれているからですね。

 

特に、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネという4つの福音書にキリスト教のエッセンスが詰まっているので、この辺りから読み始めるといいでしょう。

キートン
キートン
個人的には”マルコによる福音書”が短くて読みやすいのでおすすめです!

 

ただ、どうしても旧約聖書から読み始めたいという方がいたら、1番最初の“創世記”から読んでみましょう。

なぜなら、創世記には、

  • この世界や人間の成り立ち
  • 人間の罪による堕落
  • 全人類を救うために神に選ばれたイスラエル人

など、キリスト教の大切な世界観や前提が書かれているからです。

 

アダムとイブやノアの箱舟など有名なお話も多くて、比較的読みやすいですし!

そうすれば、新約聖書の内容も、よりすんなり入ってくるはずですよ。

 

✅創世記については、【要約】旧約聖書の”創世記”とは?内容を分かりやすくまとめてみたで詳しくまとめています。

まとめ:旧約聖書と新約聖書の違いを理解しよう!

まとめ:旧約聖書と新約聖書の違いを理解しよう!
旧約聖書 新約聖書
書物数 39巻 27巻
言語 ヘブライ語(一部アラム語) ギリシャ語
契約 神とイスラエル(ユダヤ)人の契約 イエス以後の神と人間の契約
内容 神とイスラエル(ユダヤ)人の歴史 イエスの生涯と弟子たちの活動

旧約聖書と新約聖書の違い、ばっちり頭に入りましたか??

どちらにせよ、キリスト教にとって重要な書物です。

イエスについて書かれている新約聖書だけ読めばいいのでは?

と思うかもしれませんが、聖書は旧約聖書の”天地創造”から始まり、新約聖書の世界の終末までが1つのお話であり、旧約聖書あっての新約聖書です。

 

また、基本的に旧約聖書の知識があることを前提で、新約聖書は書かれています。

新約聖書だけ読むのは、シリーズ物の漫画を途中から読み始めて満足するようなもの。

 

あくまでも、旧約・新約合わせて聖書ですから、ぜひどちらも読んでみてくださいね!

キートンでした。

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キートン
月間15万PVを達成! 信仰生活28年のプロテスタントクリスチャンで、愛称は"キートン"(本名:辻 勇輝)。 キリスト教の面白さを伝えるために、分かりやす~く情報を発信中。 所属教会は”ひばりが丘バイブルチャーチ”です。 趣味は、曲作り、映画鑑賞、読書、筋トレ、散歩など。

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