ジーザス、エブリワン!キートンです。
今でこそ世界で最も信徒の多く、多大な影響力を持つキリスト教。
しかし、元から現在ほどの地位を獲得していたわけではありません。
そして、聖書の中にはキリスト教を世界的な宗教に押し上げるのに多大な貢献をした人物がいます。
その人物こそ、今回ご紹介する“使徒パウロ”です!
パウロは偉大な伝道者であるばかりか、新約聖書の多くの部分を書くなどキリスト教に大きな影響を与えたすんごい人物。
しかし、実はパウロ、元はクリスチャンを迫害していたかなりのワルでした。
【聖書の人物紹介】
“パウロ”
➡️元はキリスト教徒を迫害していたワルでしたが、神様と出会ってから熱心な伝道者に。
漫画でよくある、強敵が仲間になって胸熱っ!的なあれです💡
新約聖書の多くを書き、キリスト教を世界的な宗教へと押し上げた超重要人物です。https://t.co/fLvfYjaOl2 pic.twitter.com/HpvPzEhzV3
— キートン@クリスチャンブロガー (@keaton1992) January 14, 2020
では、そんな彼が一体なぜ神様を信じるようになったのでしょうか?
そこでこの記事では、
- パウロはどのような人物か
- パウロの生涯
- パウロのキリスト教における功績
などにについて見ていきたいと思います!

Contents
“パウロ”とは?

パウロは、新約聖書の”使徒言行録”に登場するキリスト教史上最も偉大な使徒の1人で、
“異邦人の使徒”とも呼ばれます。
その貢献度は、パウロがいなかったらキリスト教はここまでの世界宗教にはなっていなかったかもしれないと言われるほど。

しかし、元はバリバリのファリサイ派で、律法に従わないキリスト教徒を敵視し迫害していました。
そんな時にイエス様の声を聞いたことがキッカケで、熱心な伝道者へと変えられたのです。
ただし、イエス様が亡くなってから信者になったためいわゆる1
また、パウロは他の使徒たちとは違い、
その結果、新約聖書の多くの書物を書くなど、

パウロの生涯
では、そのドラマチックな生涯を見ていきましょう!
ユダヤ教徒時代

パウロは裕福な家庭で生まれ、
大変恵まれた環境で育ったわけですね。
また、パウロは熱心なユダヤ教徒で、律法を軽んじるキリスト教徒を嫌い、
ですから、キリスト教徒からは恐れられる存在だったのです。
職業は、テント職人だったと言われています。

パウロ、神と出会う

パウロはある日、イエスの弟子たちを捕らえるためダマスコへと向かっていました。
しかし、目的地に近づいた頃に突然天からの光がパウロを照らしました。
そして、倒れたパウロの耳に声が聞こえてきたのです。

パウロは答えました。

その声は答えました。

立ち上がって町に入り、私の命令を待ちなさい。
これを聞いてパウロは何とか立ち上がりましたが、
パウロは周りに助けてもらいながらダマスコに入りますが、
アナニア登場

さて、ダマスコにはアナニアというクリスチャンが住んでおり、

これを聞いて、アナニヤは驚きます。

あの男は、エルサレムのクリスチャンたちをひどい目にあわせている奴ですよ!?
このダマスコにいるクリスチャンも、1人残らず捕まえるつもりなんです!
しかし、主は言われました。

パウロこそ、私の教えを世界中に伝えてくれる人なのだから。
アナニヤはあまり乗り気ではありませんでしたが、渋々出て行ってパウロを見つけました。
そして、パウロに手を置いて言いました。

その神様が、あなたの目が見えるようになって聖霊で満たされるために私を遣(つか)わしたのです。
その瞬間、パウロの目からは鱗(うろこ)のようなものが落ちて、
その後、パウロは洗礼を受け、

パウロ、クリスチャンになる

パウロはそれからというもの、
会堂ではイエスが神の子であるということを語り始めました。
これを聞いて驚いたのは、周りの人々です。

ここへ来たのも、クリスチャンたちを捕まえるためだと聞いていたんだがなあ。。
しかし、
パウロはすっかり生まれ変わったのです。

パウロ、イエスの弟子たちと出会う

しばらく経ったのち、ユダヤ人指導者たちはパウロの寝返りを聞き、パウロを殺すことに決めました。
この情報はパウロの耳にも入り、パウロは町を出るとエルサレムへと向かいました。
そこでパウロは、
しかし、今までのこともあり周りの人間は誰もパウロのことを信用せず、会わせてくれません。

そんなときに現れたのは、バルナバという人物。
彼が弟子たちにこれまでの事情を説明してくれたおかげで、
こうして、パウロは弟子たちと行動を共にし、
パウロは超ハイスペック人間!?

キリスト教において多大な功績を残したパウロですが、実は彼かなりのハイスペック人間です。
まず、パウロは、ユダヤ人が使うヘブル語とローマの共通語であるギリシャ語をどちらも話せました。
いわゆるバイリンガルですね。
当時、ユダヤ人はローマによって支配されており、ローマにとって重要な地であるトルコ地方で育ったパウロは、家庭内と外で言語を使い分ける必要があったからです。
また、青年時代にユダヤ教の有名な学者のもとで旧約聖書を学んだパウロには、高い教養と強い信仰心がありました。
将来は、自身もユダヤ教の学者を目指していたほどです。
さらに、パウロは当時では珍しくユダヤ人なのにローマの市民権を持っていました。
これは親の代から引き継いだもので、ローマ市民権があれば裁判なしで投獄される、鞭で打たれるといった目にあうこともありません。
また、ローマ市民権があればローマ皇帝に上訴することもできました。
ここまでをまとめると、
◎パウロのスペック
- ユダヤ教の学者のもとで培った高い教養や強い信仰を持つ
- ヘブル語とギリシャ語をどちらも話せるバイリンガル
- ユダヤ人でありながらローマの市民権を保持
- お金持ちの家庭で育つ
こんな感じのスーパーマンが出来上がります。

環境に恵まれまくってますよね。
しかし、このような高いスペックがあったからこそ、パウロはキリスト教界において重要な働きができたのかもしれません。
いやー、パウロがあのままキリスト教の敵のままだったらと思うとぞっとしますね。。

パウロは、”手紙大好き人間”!?

新約聖書には“パウロの書簡”と呼ばれる書物があり、ここには13
これらの手紙は、様々な教会に向けて書かれたものでした。
では、なぜこの名前が付いたかというと、これらの手紙は使徒パウロが書いたと言われているから。
しかし、実際にパウロが書いたと言われているのは以下の7通だと言われています。
◎パウロが書いた手紙一覧
- ローマ信徒への手紙
- コリント信徒への手紙1
- コリント信徒への手紙2
- ガラテヤ信徒への手紙
- フィリピの信徒への手紙
- テサロニケへの手紙1
- フィレモンへの手紙
いかにパウロが多くの手紙を書いていたかが分かりますね。

そして、これらの手紙に書かれている内容が後のキリスト教神学にも大きな影響を与えたんですね!

聖書に書かれているパウロの名言
それでは、パウロが書いた手紙の中から特に有名な御言葉や名言をご紹介していきましょう!
あまりにも名言が多いので、厳選してお届けします。

律法は実行する者が正しい

「なぜなら、律法を聞く者が、神の前に義なるものではなく、律法を行う者が、義とされるからである。」
(ローマの信徒への手紙2章13節)
これは、元ファリサイ派のパウロが言うからこそめちゃくちゃ説得力のある言葉です。
なぜなら、ファリサイ派の人たちはまさに律法を聞くだけで実行しない人たちだったからです。
彼らは表面的にしか律法を守っていませんでした。
しかし、ここでパウロは律法は聞くだけなく実行してこそ神様に良しと認められるのだ、と語っています。
パウロがクリスチャンに完全に生まれ変わっていることが分かる箇所ですね!
神様によって全てが益になる

「神は、神を愛する者たち、すなわち、ご計画に従って召された者たちと共に働いて、万事を益となるようにして下さることを、わたしたちは知っている。」
(ローマの信徒への手紙8章28節)
神様は全てを益、つまりプラスに変えてくださるお方です。
どんな苦しみも悲しみも辛かったことも全て例外ではありません。
何か壁にぶつかった時に励ましを与えてくれる名言ですね!
誰もキリストの愛から引き離せない

「だれが、キリストの愛からわたしたちを離れさせるのか。患難か、苦悩か、迫害か、飢えか、裸か、危難か、剣か。」
(ローマの信徒への手紙8章35節)
これは、めちゃくちゃかっこよく力強い御言葉です。
イエス・キリストの私たちへの大きく力強い愛が語られています。
この世の何ものもイエスキリストの愛から私たちを引き離すことはできないのです!
愛は人を造り上げる

「偶像への供え物について答えると、「わたしたちはみな知識を持っている」ことは、わかっている。しかし、知識は人を誇らせ、愛は人の徳を高める。」
(コリントの信徒への手紙一 8章1節)
パウロは元ファリサイ派だけあって、知識も豊富で教養のある人でした。
しかし、知識も持ちすぎると人は傲慢(ごうまん)になってしまう。
その一方で、愛は人を造り上げることができます。
例えば、人を励ましたり慰めたり癒したり平安や喜びを与えたり。
もしかしたら、パウロ自身の過去の反省がこの御言葉には込められているのかもしれませんね!
愛は忍耐強い

「愛は寛容であり、愛は情深い。また、ねたむことをしない。愛は高ぶらない、誇らない、」
(コリントの信徒への手紙一 13章4節)
こちらは愛の素晴らしさが語られている箇所。
私たちは愛さえあれば、忍耐強く、情け深く、謙虚な人間になれるのです。
まさにキリストの教えの根幹となる部分でしょう。
キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造された者

「だれでもキリストにあるならば、その人は新しく造られた者である。古いものは過ぎ去った、見よ、すべてが新しくなったのである。 」
(コリントの信徒への手紙二 5章17節)
これは、キリスト教における“洗礼”や”バプテスマ”のことが語られている非常に有名な御言葉ですね。
実際、洗礼式で読まれることもあります。
洗礼というのは、キリスト教徒になるための正式な儀式のこと。
洗礼を受けた者は過去の古い自分を脱ぎ捨て、キリストと共に歩む者へと新しく生まれ変わることができるのです。

9つの御霊の実

「しかし、御霊の実は、愛、喜び、平和、寛容、慈愛、善意、忠実、 23柔和、自制であって、これらを否定する律法はない。 」
(ガラテヤの信徒への手紙5章22節、23節)
ここでは、“御霊(みたま)の実”と呼ばれている9つの性質が書かれています。
クリスチャンは、その信仰生活の中で少しずつこれらの性質を身に着けていくようにと教えられているのです。
どれも身に付けるのは簡単じゃないですけどね!
神様がいるからすべてが可能

「わたしを強くして下さるかたによって、何事でもすることができる。 」
(フィリピの信徒への手紙4章13節)
希望が内側から湧き上がってくるような超ポジティブな名言です。
私たち人間は弱い存在で、できることなどたかが知れています。
しかし、神様はそうではありません。
なんでもできる神様を信頼して歩んでいけば、私たちに不可能なことなどないのです!
辛い時に励まされる僕も大好きな御言葉です。
いつも喜んでいなさい

「いつも喜んでいなさい。 17絶えず祈りなさい。 18すべての事について、感謝しなさい。これが、キリスト・イエスにあって、神があなたがたに求めておられることである。」
(テサロニケの信徒への手紙5章16節〜18節)
これまた超有名な御言葉。
模範的なクリスチャンの心構えが書かれています。
当たり前なようで実践するのは結構難しいんですよね。。
パウロの宣教旅行は、超ハード!?

パウロはその生涯で3度
しかし、特筆すべきは回数ではなくその距離です。
パウロの宣教旅行の合計距離はなんと2万キロ(!)で、
うん、控えめに言っても頭おかしいですよね。
また、パウロはこう語っています。
「彼らはキリストの僕なのか。わたしは気が狂ったようになって言う、わたしは彼ら以上にそうである。苦労したことはもっと多く、投獄されたことももっと多く、むち打たれたことは、はるかにおびただしく、死に面したこともしばしばあった。 24ユダヤ人から四十に一つ足りないむちを受けたことが五度、 25ローマ人にむちで打たれたことが三度、石で打たれたことが一度、難船したことが三度、そして、一昼夜、海の上を漂ったこともある。 26幾たびも旅をし、川の難、盗賊の難、同国民の難、異邦人の難、都会の難、荒野の難、海上の難、にせ兄弟の難に会い、 27労し苦しみ、たびたび眠られぬ夜を過ごし、飢えかわき、しばしば食物がなく、寒さに凍え、裸でいたこともあった。」
(コリント人への手紙Ⅱ 11:23-27)
パウロの宣教旅行は距離だけでなく、内容も超ハード。
何度も拷問を受け、いつ命を落としてもおかしくないような目にあっています。

しかし、これだけの苦難に遭いながらも、パウロは決して挫けず神様のことを伝え続けました。
この不屈の精神があったからこそ、パウロはこれだけの偉業を成し遂げることができたのでしょう。
ちなみに、3度の宣教旅行を終えた後パウロはローマにて殉死(じゅんし)したと言われています。

パウロは元々、”サウロ”という名前だった!?

上記のお話では最初からパウロと書きましたが、実は元々パウロは“サウロ”という名前でした。
しかし、クリスチャンへと生まれ変わってからは、パウロという名で呼ばれるようになったのです。
「サウロ、またの名はパウロ、は聖霊に満たされ、彼をにらみつけて 10言った、」
(使徒行伝13章9、10節)
迫害者から使徒へと生まれ変わった感があっていいですよね!
ちなみに、聖書で名前が変わった例は他にもあり、
- アブラム➡アブラハム
- サライ ➡サラ
- シモン ➡ペテロ
などが名前を変えられています。


パウロのお話が、”目から鱗”の由来!?

皆さんは普段、何か新たな発見をした時などに、

なんていう表現を使ったことがありませんか?
テレビ番組なんかでも、”目から鱗の驚きレシピ””目から鱗の新常識!”みたいな使われ方をすることがあります。
でも実はこの”目から鱗が落ちる”という表現、パウロのエピソードが由来だって知ってましたか??
そう、パウロの目から鱗のようなものが落ちて目が見えるようになるシーンです!
「するとたちどころに、サウロの目から、うろこのようなものが落ちて、元どおり見えるようになった。」
(使徒行伝9章18節)
いやー、意外なところに身近な言葉の由来が隠れているものですね。
この事実こそまさに目から鱗!!(やかましい)

パウロが由来となっている人名一覧

パウロという名前は、様々な人名の由来にもなっています。
例えば、
- ポール(英語、フランス語)
- パブロ(スペイン語)
- パウル(オランダ語、スウェーデン語など) など
ポールは定番の名前だし、パブロに関しては画家のパブロ・ピカソが有名です。
パウロは意外なところにも影響を与えていますね!

パウロを描いた映画【パウロ 愛と赦しの物語】
実は、パウロの生涯を描いた映画が近年制作されています。
その作品の名前は『パウロ 愛と赦しの物語』。
これは、2018年にアメリカで上映された作品で、これを観ればパウロがどのような人物なのかがおおよそ分かります。
パウロが迫害者だった過去に苦しむシーンなども描かれており、胸に迫りますよ。

興味のある方はご覧あれ!

まとめ:パウロはキリスト教界の超重要人物!

いかがでしたか?
パウロの偉大さが伝わりましたでしょうか?
パウロがいなければ、キリスト教の歴史は大きく変わっていたでしょう。
それに、クリスチャン迫害者から神様と出会って熱心なクリスチャンになるというドラマチックな体験をしているのがいいですよね。
生まれたときからクリスチャンだった僕からしたら、少しうらやましい部分もあります。
よし、今からクリスチャン迫害しようかな。(逆パターン)
ではまた!
