ジーザス、エブリワン!キートンです。
どこを切るの?何のために行われるの??
こういった疑問にお答えします。
ユダヤ教などで行われる大切な儀式に、割礼(かつれい)というものがあります。
一言でこの儀式を説明すると、こうです。
“性器の一部を切除する”
。。。はい、今引きましたよね?
完全にやばい儀式だと思いましたよね??ね???
まあ、確かに僕のまとめ方にも悪意がありましたが。。
しかし、見くびるなかれ、割礼は伝統のあるちゃんとした儀式なんです!
とはいえ、日本で普通に生きていたら割礼について知る機会は、ほとんどないでしょう。
そこでこの記事では、クリスチャンの僕が、
- 割礼とは?どこを切る?何のために行われる?
- 割礼の主な流れ
- キリスト教では割礼はしない?
について解説していきます!
目次
割礼とは?どこを切る?何のために行われる?
割礼とは、生後8日目に男児の性器の前の皮(包皮)を切除する外科手術や祝いの儀式のことです。
割礼の儀式は、現代のユダヤ教徒にとって重要な儀式の1つであり、他にも、
- イスラム教徒
- アフリカの諸民族
などが現在も割礼を行っています。
聖書で最初に割礼が出てくるのは、アブラハムが神と契約を結ぶシーンです。
契約内容は、
- アブラハムは多くの国民の父となる
- アブラハムとその子孫にカナンという土地を与える
といったものでしたが、この契約のしるしとして全ての男子は生まれて8日目に割礼を受けるように命じられました。
「神はまたアブラハムに言われた、「あなたと後の子孫とは共に代々わたしの契約を守らなければならない。あなたがたのうち 10男子はみな割礼をうけなければならない。これはわたしとあなたがた及び後の子孫との間のわたしの契約であって、あなたがたの守るべきものである。 11あなたがたは前の皮に割礼を受けなければならない。それがわたしとあなたがたとの間の契約のしるしとなるであろう。 12あなたがたのうちの男子はみな代々、家に生れた者も、また異邦人から銀で買い取った、あなたの子孫でない者も、生れて八日目に割礼を受けなければならない。 13あなたの家に生れた者も、あなたが銀で買い取った者も必ず割礼を受けなければならない。こうしてわたしの契約はあなたがたの身にあって永遠の契約となるであろう。 14割礼を受けない男子、すなわち前の皮を切らない者はわたしの契約を破るゆえ、その人は民のうちから断たれるであろう」。」
(創世記17章9~14節)
つまり、割礼によって神との契約関係に入ることができ、イスラエル(ユダヤ)共同体の一員になれるということですね。
この契約のゆえに、ユダヤ教徒はいまだに伝統として割礼を行っているんですね。
割礼は本人も記憶のない頃に受けますが、
その体のしるしによって自分がユダヤ人であることを自覚するのです。
ちなみに、ユダヤ人であったイエスキリストも割礼を受けています。
「八日が過ぎ、割礼をほどこす時となったので、受胎のまえに御使が告げたとおり、幼な子をイエスと名づけた。」
(ルカによる福音書2章21節)
割礼の主な流れ
続いては、割礼の主な流れを見てみましょう。
手順としては以下の通りです。
- “サンダック”と呼ばれる男性が選ばれ、男児の足を押さえる
- “モヘール”という専門家が手術を行い、男性器の包皮を切除
- 家族と客人が祝いの食事をする
①”サンダック”と呼ばれる男性が選ばれ、男児の足を押さえる
割礼は、
- 家族
- 親戚
- 親しい友人
などを招いて行われますが、この中からサンダックと呼ばれる男性が選ばれます。
サンダックとは、割礼を行っている間に男児を抱える男性のことで、彼が男児の足をしっかり押さえるのです。
ちなみに、男児は割礼のときに初めて正式に名前を付けてもらうのですが、サンダックはその名付け親でもあります。
聖書にも、割礼時になって初めて名前が付けられている様子が書かれています。
「八日目になったので、幼な子に割礼をするために人々がきて、父の名にちなんでザカリヤという名にしようとした。 60ところが、母親は、「いいえ、ヨハネという名にしなくてはいけません」と言った。」
(ルカによる福音書1章59、60節)
②”モヘール”という専門家が手術を行い、男性器の包皮を切除
続いて、モヘールという専門家が割礼用のメスを使って手術を行います。
その際には、包皮を挟み、性器本体を危険から守る特殊な用具を使いますね。
また、恐ろしいことに、手術中は麻酔などの痛み止めは使用しません。(ひえっ)
ただし、現代の医学的手術として行われる場合には、麻酔が使用されるのが一般的です。
そのため、包皮を切除したばかりの男児は、大きな泣き声をあげます。(そりゃそうだ)
聖書にも、割礼から3日経っても痛みに苦しんでいる人たちが出てきており、その痛みの強さが分かります。
「そこで町の門に出入りする者はみなハモルとその子シケムとに聞き従って、町の門に出入りするすべての男子は割礼を受けた。 25三日目になって彼らが痛みを覚えている時、ヤコブのふたりの子、すなわちデナの兄弟シメオンとレビとは、おのおのつるぎを取って、不意に町を襲い、男子をことごとく殺し、 26またつるぎの刃にかけてハモルとその子シケムとを殺し、シケムの家からデナを連れ出した。」
(創世記34章24~26節)
この残酷な儀式を直視できない人たちもいますが、男児の泣き声によって手術が終わったことを知るんだとか。
手術後、モヘールは血止めの粉を傷口に付け、
脱脂綿(だっしめん)に祝福のワインを含ませて泣く子供の唇を湿らせます。
③家族と客人が祝いの食事をする
無事に手術が終わったら、家族と客人が集まって祝いの食事をします。
なにしろ、割礼によって男児は “アブラハム契約” に加わり、 晴れてイスラエル(ユダヤ人)の一員になれたのですから。
ちなみに、異教徒の男性がユダヤ教徒に改宗する場合も、正統派なら割礼を受けることになります。
大人になってから受ける割礼。。いやー、想像したくないですね。(白目)
キリスト教では割礼はしない?
ユダヤ教では伝統的に割礼が行われていますが、ユダヤ教から分かれて誕生したキリスト教においてはどうなのでしょうか?
結論から言うと、一部の宗派を除いてキリスト教では割礼を行いません。
なぜなら、ユダヤ人以外の人たち(異邦人)にキリスト教を広める際に、割礼の習慣は邪魔だったからです。
そりゃあ、こんなに痛くて危険な割礼ですから、
という人たちがいても不思議ではありません。
イエスキリストがこの世を去った後、宣教師パウロたちによって割礼の習慣が無い地域にもキリスト教が伝わりました。
しかし、その際に、“ユダヤ人以外の異邦人がキリスト教に改宗した場合に割礼を行うべきか”というのが大きな問題になったのです。
そして、
- ユダヤ人以外の異邦人も割礼を受けるべきだ!
- キリスト教を広めるためにも割礼の強制はやめるべきだ!
という2つのグループで論争が起きたんですね。
このテーマについてエルサレムでも会議が行われましたが、最終的に割礼は必須ではないという主張を教会が承認。
割礼は廃止されていき、結果的にキリスト教は世界中に広がっていきました。
聖書でも、キリスト教において割礼を受けたかどうかは問題ではないとはっきり書かれています。
「見よ、このパウロがあなたがたに言う。もし割礼を受けるなら、キリストはあなたがたに用のないものになろう。 3割礼を受けようとするすべての人たちに、もう一度言っておく。そういう人たちは、律法の全部を行う義務がある。 4律法によって義とされようとするあなたがたは、キリストから離れてしまっている。恵みから落ちている。 5わたしたちは、御霊の助けにより、信仰によって義とされる望みを強くいだいている。 6キリスト・イエスにあっては、割礼があってもなくても、問題ではない。尊いのは、愛によって働く信仰だけである。」
(ガラテヤ人への手紙5章2~6節)
人は割礼によって救われるわけではありません。
本当に大切なのは割礼ではなく、イエスキリストへの信仰なのです!
✅救いについては、【キリスト教】福音の意味とは?クリスチャンが簡単に解説しますをどうぞ
まとめ:割礼はユダヤ教において大切な儀式!
割礼が歴史のある伝統的な儀式だということ、お分かりいただけましたか??
割礼はユダヤ教にとって重要な儀式です。
一方、キリスト教において割礼を受けたかどうかは重要ではありません。
なぜなら、本当に重要なのは、イエスキリストを信じているかどうかだから。
キリストを信じること以外に、救いへの道はないんですね!
それにしても、割礼について調べていて思ったのですが、
切り取るのは他の部位じゃだめだったんでしょうか。。?(純粋な疑問)
キートンでした。
👇参考文献