ジーザス、エブリワン!キートンです。
旧約聖書と新約聖書でそれぞれ知りたいなあ。。
こういった疑問にお答えします。
聖書にはたくさんのお話が書かれており、その中で様々な人物が登場します。
そして、彼らは現代の私たちと同じように何かに悩み、困難にぶつかり、それでも神を信じて前に進むのです。
とはいえ、「聖書に出てくる人物なんて、イエスキリストくらいしか知らない!」という方もいるのではないでしょうか。
かと言って、聖書は分厚いですし、どんな人物がいるのかを確認するのも大変ですよね。
聖書の人物たちはみなユニークで、その生き方から学べることも多いのですが、これを知らない方も多いです。
そこでこの記事では、クリスチャンの僕が
- 【旧約編】聖書の主な登場人物
- 【新約編】聖書の主な登場人物
について解説します。
✅️聖書については、【最強の書物】キリスト教の”聖書”とは?未だに売れ続ける永遠のベストセラー!?をどうぞ
目次
【旧約編】聖書の主な登場人物
まずは旧約聖書の主な登場人物から見ていきましょう。
たくさんの人物がいるので全員はご紹介できませんが、厳選してご紹介します。
- アダムとイブ(エバ)
- アブラハム
- イサク
- イザヤ
- エゼキエル
- エレミヤ
- ソロモン
- ダニエル
- ダビデ
- ノア
- モーセ
- ヤコブ
- ヨシュア
- ヨセフ
- ルツ
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アダムとイブ(エバ)
旧約聖書の“創世記”に登場する、神が造られた初の人間であり男女。
神は最初に土のちりからアダムを形作り、その鼻に命の息を吹き込みました。
また、神はその後、アダムのあばら骨からイブを造られました。
「主なる神は土のちりで人を造り、命の息をその鼻に吹きいれられた。そこで人は生きた者となった。(中略) 22主なる神は人から取ったあばら骨でひとりの女を造り、人のところへ連れてこられた。」
(創世記2:7-22)
アダムとイブは神によって”エデンの園”に置かれ、あらゆる実を食べることができましたが、
園の中央にある”善悪を知る木の実”だけは食べちゃダメだ、と言われていました。
しかし、イブはずる賢いヘビの誘惑によって、神に禁じられていた木の実をパクリ。
アダムにも渡したのでアダムも食べてしまい、2人とも神に逆らう罪を犯してしまいます。
これが人類初の罪(原罪)となり、アダムとイブはエデンの園を追放されてしまいました。
しかも、アダムとイブ以降、人間は神から離れた罪の性質を持つ存在になり、
- 男は働かなくては食べていけない
- 女は苦しんで子供を産まなくてはいけない
- 人はいずれ必ず死ぬ
という重たい運命まで背負うことに。
ちなみに、後にそんな私たちを罪から救うために来られたのが、イエス・キリストです。
✅️詳しくは、アダムとイブ(エバ)のあらすじを簡単に解説【人間の始まり】をどうぞ
アブラハム
旧約聖書の”創世記”に登場する、神に選ばれた民族であるイスラエル人(ユダヤ人)の始祖。
聖書、特に旧約聖書のお話は基本的に、イスラエル人が中心となって進んでいくので、アブラハムがいかに重要な存在かが分かるでしょう。
アブラハムはキリスト教だけでなく、ユダヤ教やイスラム教においても共通の祖先として尊敬されており、”信仰の父”とも呼ばれています。
アブラハムは元々ウルという地の出身でしたが、神の命令によって故郷を離れ、神が指し示すカナンの地(現在のイスラエルやパレスチナ)へ。
神はアブラハムに、以下のことを約束されました。
- 多くの子孫を与え、アブラハムを大いなる国民(イスラエル民族)の祖とすること
- カナンの地をアブラハムとその子孫に永遠に与えること
- アブラハムの子孫を通して全地の民族(全ての人々)に祝福が及ぶこと
「わたしは大いにあなたを祝福し、大いにあなたの子孫をふやして、天の星のように、浜べの砂のようにする。あなたの子孫は敵の門を打ち取り、 18また地のもろもろの国民はあなたの子孫によって祝福を得るであろう。あなたがわたしの言葉に従ったからである』」。」
(創世記22:17-18)
アブラハムの信仰は様々な神の試練によって試されますが、最も有名な試練は、神が彼に息子イサクを捧げよと命じた事件です。
イサクはアブラハムが年老いてから神に与えられた最愛の息子であり、その子を捧げるなど、普通なら到底受け入れられないですよね。
しかし、アブラハムはなんとこの命令に従ったのです。
最終的に神は彼の信仰を認め、イサクを実際に犠牲にすることはありませんでしたが、アブラハムの信仰の強さが分かるエピソードですね。
✅️詳しくは、【聖書】アブラハムとはどんな人で何をした?その生涯を簡単に解説をどうぞ
イサク
旧約聖書の”創世記”に登場する、アブラハムとその妻サラの息子。
神はアブラハムの子孫が星の数のようになると約束しましたが、アブラハムの妻サラには子どもができないまま年をとっていました。
しかし、なんとアブラハムが100歳、サラが90歳の頃にイサクが誕生したのです。
まさに神の奇跡ですね。
「アブラハムはその子イサクが生れた時百歳であった。」
(創世記21:5)
このイサクこそ、アブラハムから神との契約を受け継ぎ、イスラエル人の系譜を繋ぐ役割を果たす人物です。
イサクはリベカという女性と結婚し、2人の間には、エサウとヤコブという双子が誕生しました。
✅️詳しくは、【聖書人物】イサクとは?その生涯を簡単にまとめてみたをどうぞ
イザヤ
旧約聖書の”イザヤ書”に登場する、紀元前8世紀頃に南ユダ王国で活躍した預言者。
イザヤは、ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤという4代の王様の治世で活躍するなど、その影響力はとても大きいものでした。
「アモツの子イザヤがユダの王ウジヤ、ヨタム、アハズ、ヒゼキヤの世にユダとエルサレムについて見た幻。」
(イザヤ書1:1)
前722年には北イスラエル王国がアッシリヤ帝国によって滅ぼされており、その脅威が南ユダ王国にもやって来ている。
イザヤが活躍したのは、そんな不安定な時代でした。
イザヤの預言には、以下のような内容が含まれています。
- 神への忠実な信仰の呼びかけ
- 不信仰や偶像崇拝の罪で、南ユダ王国はバビロンに滅ぼされて捕囚となる
- しかし、後に捕囚から解放され、エルサレムが回復する
- 将来メシア(救世主)が現れて平和と正義をもたらす
また、文学的にも、イザヤ書は詩的で象徴的な言葉遣いが特徴で、ヘブライ語文学の傑作の一つとされています。
そのため、イザヤ書はキリスト教だけでなく、ユダヤ教や他の宗教でも引用されることがありますね。
ちなみに、イザヤ書は、新約聖書でもその内容がしばしば引用されています。
✅️詳しくは、【解説】イザヤ書のイザヤってどんな人?わかりやすくまとめてみたをどうぞ
エゼキエル
旧約聖書の”エゼキエル書”に登場する、紀元前6世紀頃に南ユダ王国で活躍した預言者。
エゼキエルが活動したのは、イザヤの預言が成就して南ユダ王国が滅亡し、イスラエル人がバビロンに捕囚されている頃の苦難の時期でした。
「これはエホヤキン王の捕え移された第五年であって、その月の五日に、 3主の言葉がケバル川のほとり、カルデヤびとの地でブジの子祭司エゼキエルに臨み、主の手がその所で彼の上にあった。」
(エゼキエル書1:2、3)
エゼキエル自身も捕囚民の中におり、捕囚の地バビロンで預言者としての使命を受けたのです。
エゼキエルは、以下のような預言を語りました。
- 南ユダ王国の首都エルサレムや神殿が破壊される
- イスラエル人がバビロンに捕囚されて、様々な国に散らされる
- しかし、将来イスラエル人が再び集められて故郷に帰れる
- イスラエル人と神との新しい契約が結ばれ、エルサレムに新しい神殿が建設される
エゼキエルの預言は、幻やビジョンを使った象徴的な預言表現が多いのが特徴です。
特に有名なのが“谷間の干からびた骨”と呼ばれる幻ですね。
この幻では、エゼキエルが見た白骨に肉と皮膚がつき、神の霊によって生きた人間になる様子が描かれています。
これは捕虜になって死んだ状態のイスラエル人が生き返り、故郷であるユダヤ地方に再び帰れることを表していますね。
こうしたエゼキエルの預言は、捕囚に苦しむイスラエル人に大きな影響と希望を与えました。
エレミヤ
旧約聖書の”エレミヤ書”に登場する、紀元前7世紀から6世紀に南ユダ王国で活躍した預言者。
エレミヤもエゼキエルと同じく、南ユダ王国の滅亡とバビロン捕囚の時代に生きた人物です。
「アモンの子、ユダの王ヨシヤの時、すなわちその治世の十三年に、主の言葉がエレミヤに臨んだ。 3その言葉はまたヨシヤの子、ユダの王エホヤキムの時にも臨んで、ヨシヤの子、ユダの王ゼデキヤの十一年の終り、すなわちその年の五月にエルサレムの民が捕え移された時にまで及んだ。」
(エレミヤ書1:2、3)
エレミヤはヨシヤ王の頃に預言者の使命を受け、最初は若さを理由に断ろうとしますが、神の励ましによって受け入れます。
エレミヤの預言の主な内容は、以下のようなものです。
- 不信仰や偶像崇拝などに対する神の裁きで、南ユダ王国は滅亡する
- 新バビロニア帝国への無駄な抵抗はやめて、捕囚の身になれ
- 国が滅んでも希望はあり、神はイスラエル人を平安のうちに帰国させる
- 将来的に神とイスラエル人との間に新しい契約が結ばれる
とはいえ、このような預言内容を、南ユダ王国の人たちは素直に受け入れることはできませんでした。
なぜなら、当時は、自分たちにとって都合の良い楽観的な預言ばかりを語る”偽預言者”が受け入れられていたからです。
結果的に、エレミヤが”偽預言者”呼ばわりされ、以下のような様々な迫害を受けます。
- 南ユダ王国の人々に預言を語るも、無視され馬鹿にされる
- 王様から牢獄にぶち込まれ、泥の穴に沈められるという拷問を受ける
- 同郷の人々からエレミヤ暗殺計画を企てられる
エレミヤは、自分の民族の運命を深く悲しみ、エレミヤ書には彼の涙と苦悩が表現されています。
そのため、エレミヤは“涙の預言者”とも呼ばれますね。
✅️詳しくは、【聖書】エレミヤってどんな人?”涙の預言者”の生涯をまとめてみたをどうぞ
ソロモン
旧約聖書の”列王記”に登場する人物で、古代イスラエル王国3代目の王様。
ソロモンはダビデ王の息子で、ダビデの跡を継いで紀元前10世紀頃にイスラエル王になります。
「このようにしてソロモンは父ダビデの位に座し、国は堅く定まった。」
(列王記上2:12)
ソロモンは卓越した知恵によってイスラエル王国の黄金時代を築き、経済的にも文化的にも国は大きく繁栄しました。
その象徴とも言えるのが、神殿や宮殿の建設であり、完成するまでに神殿には7年、宮殿には13年の年月が費やされました。
また、ソロモンの高い知恵を表すエピソードとして、子どものことで争う女性2人を見事に裁いた”ソロモンの裁判”が有名です。
しかし、晩年になると、ソロモンは多くの外国の妻たちから異教の神々の影響を受け、真の神から離れるように。
これが神の怒りに触れ、ソロモンの死後にイスラエルは北のイスラエル王国と南のユダ王国に分裂してしまいました。
ちなみに、ソロモンの知恵は、旧約聖書の”箴言”や”伝道者の書”という書にまとめられています。
✅️詳しくは、【聖書人物】ソロモン王とは?その生涯をわかりやすく解説してみたをどうぞ
ダニエル
旧約聖書の”ダニエル書”に登場する、紀元前6世紀頃に活躍した預言者。
ダニエルはバビロン捕囚の時代に活躍し、自身も若いときにバビロンに連れて行かれ、バビロニア帝国の王ネブカドネザルに仕えました。
「ダニエルはクロス王の元年まで仕えていた。」
(ダニエル書1:21)
ネブカドネザルは、捕囚民の中から優秀な少年だけを集めて教育したうえで、宮廷で仕えさせていたんですね。
ダニエルは、高度な夢分析をすることができ、ネブカドネザル王の夢を解き明かすなどで出世していきます。
また、幻を見ることで未来の出来事を預言しました。
ダニエルは異教の国においても真の神を信仰し続けますが、彼の信仰の強さを象徴するのが、ライオンの穴のエピソードです。
このお話では、ダニエルが他の高官たちの陰謀により、ライオンがいる穴に投げ込まれます。
しかし、ダニエルはその信仰によって神に守られ、無傷で生還するのです。
ちなみに、ダニエルは優秀さで選ばれたただけあり、聖書でも屈指のハイスペックヒューマンで、以下のような性能を持っています。
- 健康的
- イケメン
- 才能に溢れている
- 知恵・知識があり頭がいい
- 神への信仰が強い
- 高度な夢の解き明かしができる
✅️詳しくは、【聖書】ダニエルってどんな人?スペックが高すぎる預言者?をどうぞ
ダビデ
旧約聖書の”サムエル記”と”列王記”に登場する、イスラエル王国2代目の王様。
初代サウル王の後を継いで王様になり、イスラエルで最も偉大な王と呼ばれるようになります。
「ダビデは王となったとき三十歳で、四十年の間、世を治めた。 5すなわちヘブロンで七年六か月ユダを治め、またエルサレムで三十三年、全イスラエルとユダを治めた。」
(サムエル記下5:4、5)
ダビデは、当時地位の低かった羊飼いから、偉大な王様になるというサクセスストーリーもあり、人気の高い人物です。
特に、巨人ゴリアテを石投げでぶっ倒してしまうというエピソードは有名ですね。
ダビデのリーダーシップの下でイスラエルは繁栄し、多くの戦争で勝利を収めました。
ただ、このダビデの人気を妬んだサウル王により、何度も命を狙われるという辛い体験もしています。
また、ダビデは詩人としても有名で、旧約聖書の”詩篇”には彼が書いた詩が収められています。
一見完璧に見えるダビデですが、彼もやはり人間。
バト・シェバという女性と不倫したうえにその夫を戦場で死なせるというとんでもない失敗もしでかしています。
結果的に、神の罰としてバト・シェバとの間に生まれた最初の子どもは生まれてすぐ亡くなってしまいました。
ただ、その後、ダビデとバト・シェバの間には、ダビデの後継者となるソロモンが生まれます。
✅️詳しくは、【聖書人物】ダビデ王とは?その生涯をわかりやすくまとめてみたをどうぞ
ノア
旧約聖書の”創世記”に登場する、“ノアの方舟”という超有名なお話の主人公。
ノアは神が天地を造られてしばらく経った時代に生きた人物で、当時の世の中は罪と悪で満ちていました。
そのため、神は心を痛め、大洪水を起こして地上の全ての生き物を滅ぼすことに決めます。
しかし、ノアだけは神に従う正しい生き方をしていたため、神はノアに方舟を作るように命じました。
「主はノアに言われた、「あなたと家族とはみな箱舟にはいりなさい。あなたがこの時代の人々の中で、わたしの前に正しい人であるとわたしは認めたからである。」
(創世記7:1)
大洪水は40日40夜続きましたが、ノアとその家族や一部の動物たちは方舟に乗ることで、無事に生き延びることができたのです。
洪水の後、神は二度と人間を洪水で滅ぼさないと約束し、そのしるしとして空に虹をかけました。
ちなみに、ノアは洪水の後に農夫になりますが、ぶどう酒に酔っ払って裸で寝てしまい、
それを息子に見られるという中々に恥ずかしい失敗もしています。
✅️詳しくは、ノアの方舟(箱舟)のあらすじとは?簡単にご紹介【聖書物語】をどうぞ
モーセ
旧約聖書の“出エジプト記”に登場する、キリスト教だけでなく、ユダヤ教、イスラム教においても重要な預言者。
モーセはイスラエル人をエジプトの奴隷状態から解放し、約束の地カナンへと導いた指導者として知られています。
あるときモーセは神から命じられ、エジプト王ファラオのところへ行き、イスラエル人を解放するように言いました。
「さて主はモーセに言われた、 11「エジプトの王パロのところに行って、彼がイスラエルの人々をその国から去らせるように話しなさい」。」
(出エジプト記6:10、11)
しかし、ファラオが拒否したため、モーセは神の力を借りて十の災いをもたらし、最終的にイスラエル人を解放することに成功します。
「出エジプトが成功してハッピーエンド!」かと思いきや、ここから苦しい荒れ野の旅が始まります。
イスラエル人たちは水や食べ物のことでしばしば文句を言い、その度にモーセは、水や食べ物を与えて神の力を示すのでした。
やがてシナイ山にたどり着くと、モーセは神から“十戒”を授かります。
十戒とは、神がモーセを通してイスラエル人に与えた10の掟(おきて)であり、十戒が与えられる際に彼らは神と契約を結びました。
つまり、イスラエル人が神の法を守り、神に信じ従うなら
- イスラエル人を神の民とする
- 約束の地カナンを与え、そこで豊かに生活させる
- イスラエル人を守り導く
- イスラエル人を祝福する
と約束されたのです。
モーセは40年もの間イスラエル人を導きましたが、自身が神に対して犯した罪もあり、約束の地を目前にして亡くなってしまいます。
✅️詳しくは、【聖書人物】モーセとはどんな人?海を割った偉大な預言者!?をどうぞ
ヤコブ
旧約聖書の”創世記”に登場する人物で、アブラハムの孫であり、イサクの息子。
あるときヤコブは、双子の兄であるエサウから煮物と交換で、長子の権利と祝福を巧みに手に入れます。
「ヤコブはまた言った、「まずわたしに誓いなさい」。彼は誓って長子の特権をヤコブに売った。 34そこでヤコブはパンとレンズ豆のあつものとをエサウに与えたので、彼は飲み食いして、立ち去った。このようにしてエサウは長子の特権を軽んじた。」
(創世記25:33、34)
今だとあまりピンとこないかもしれませんが、当時、長子の権利というのはとても重要なものでした。
なぜなら、長子の権利には、以下のようなものが含まれていたからです。
- 父親の死後に一族のリーダー的立場を引き継げる
- 他の兄弟の2倍の財産を相続できる
- 父親から祝福を受けられる。この祝福は、神の恵みや成功を象徴した。
軽はずみに長子の権利を売ったエサウも悪いですが、ヤコブの行為にエサウはブチ切れ。
命を狙われたヤコブは家を離れて、おじであるラバンのもとへ逃げることになってしまいました。
ラバンのもとに向かう途中で一夜を明かしたヤコブは、ある夢を見ます。
それは、天国へ続く階段が現れ、神がヤコブに「今いる土地をあなたとその子孫に与える」と語られる夢でした。
ラバンのもとでヤコブはラバンの二人の娘、レアとラケルと結婚し、多くの子どもをもうけ、富と家畜を増やしていきます。
また、ヤコブの外せないエピソードといえば、神と格闘をし、イスラエルという名前を与えられるシーンです。
そう、ヤコブの子孫であるイスラエル人のイスラエルというのは、このヤコブの名前から来ているんですね。
彼の12人の息子たちは後に、イスラエルの12部族の祖となります。
✅️詳しくは、【聖書】エサウとヤコブのお話とは?あらすじを簡単にまとめてみたをどうぞ
ヨシュア
旧約聖書の”民数記”や”ヨシュア記”に登場する、モーセの後を継いでイスラエルの指導者になった人物。
あと一歩のところで約束の地カナンに入れなかったモーセに代わって、イスラエル人たちを約束の地へ導きました。
「主のしもべモーセが死んだ後、主はモーセの従者、ヌンの子ヨシュアに言われた、 2「わたしのしもべモーセは死んだ。それゆえ、今あなたと、このすべての民とは、共に立って、このヨルダンを渡り、わたしがイスラエルの人々に与える地に行きなさい。」
(ヨシュア記1:1、2)
ヨシュアは元々、モーセの従者として忠実に仕え、戦いにおいても活躍していました。
ヨシュアは神の力によって戦いに勝ちまくり、約束の地の大部分を手に入れます。
ヨシュアの戦いの中でも特に有名なのは、エリコの戦いです。
当時エリコは、頑丈な城壁に囲まれていました。
しかし、ヨシュアたちは神の指示に従い、黙ってエリコの周りを1日1周し、7日目には7周してから大声を上げました。
すると、鉄壁のように思える城壁があっけなく崩れ落ちたのです。
カナンを征服した後、ヨシュアはイスラエル人の各部族に土地を分配しました。
✅️詳しくは、【聖書】ヨシュアってどんな人?ほぼ負けなしの天才指導者?をどうぞ
ヨセフ
旧約聖書の”創世記”に登場する、ヤコブの12人の息子の1人。
ヨセフは父ヤコブに特別愛されていましたが、このことが他の兄弟たちの嫉妬を買い、奴隷として売られてしまいます。
「ヨセフは年寄り子であったから、イスラエルは他のどの子よりも彼を愛して、彼のために長そでの着物をつくった。」
(創世記37:3)
エジプトに連れて行かれたヨセフは、ポティファルという男の家で働き、全財産を任されるほど信頼されるようになりました。
ところが、ポティファルの妻の性的誘惑を拒否したヨセフは逆恨みされ、濡れ衣によって投獄されてしまいます。
しかし、ヨセフには夢を読み解く力があり、投獄中にエジプト王ファラオの夢を読み解いたことで大出世。
なんと奴隷から国のナンバー2(首相)の位にまで上り詰めました。
その後、ヨセフは食料を求めてエジプトにやって来た兄弟と再会。
ヨセフは彼らをゆるし、家族をエジプトに招くのでした。
ヨセフと兄弟の和解のシーンは、聖書でも屈指の感動シーンです!
✅️詳しくは、【聖書】ヨセフ物語のあらすじとは?わかりやすく簡単にまとめてみたをどうぞ
ルツ
旧約聖書“ルツ記”の主人公。
聖書でも数少ない女性主人公で、イスラエルの隣国モアブ出身の人物です。
ルツは若い頃にイスラエル人の夫を亡くしますが、義理の母ナオミにつき従い、モアブからナオミの故郷ベツレヘムに移ります。
「こうしてナオミは、モアブの地から帰った嫁、モアブの女ルツと一緒に帰ってきて、大麦刈の初めにベツレヘムに着いた。」
(ルツ記 1:22)
嫁と姑というと、なんだかドロドロした関係をイメージしてしまいがちですが、彼女たちは強い絆で結ばれたとても良い関係です。
ベツレヘムでルツは畑で”落ち穂拾い”をして生計を立てますが、その姿が畑の所有者であるボアズの目にとまります。
姑思いのルツの評判を聞いていたボアズは感動し、ルツがたくさん落ち穂を拾えるようにしてくれました。
最終的には、ルツとボアズは結婚し、彼らの子孫からは後に、ダビデ王やイエスキリストが生まれていくのです。
つまり、ルツはモアブ人でありながら、イスラエル人の、それもイエスキリストの系図に繋がる重要な存在になったということですね。
ルツ記は、聖書有数の感動ストーリーなので、とても心が温まりますよ!
✅️詳しくは、【聖書】ルツ記のあらすじをわかりやすく解説!嫁と姑の感動物語?をどうぞ
【新約編】聖書の主な登場人物
続いては、新約聖書の主な登場人物です。
- イエスキリスト
- イエスの母マリア
- 12使徒(12弟子)
- 洗礼者ヨハネ
- パウロ
- マグダラのマリア
- ルカ
イエスキリスト
新約聖書の福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)などに登場する、キリスト教における最重要人物。
キリスト教では、イエスが人間として地上に来られた神の子であり、人間を罪から救う救世主だと信じられています。
実際、イエスキリストのキリストというのは名前ではなく、”救い主”という意味ですね。
また、キリスト教だけでなく、
など、人類史上最も有名な人物と言えます。
イエスは現在のイスラエルにあるユダヤのベツレヘムに生まれ、30歳頃から宣教活動を開始。
ガリラヤ地方を中心に愛や赦(ゆる)しなどの教えを説きました。
特に有名なのは、イエスが大群衆の前で行った山上の説教(垂訓)ですね。
「『隣り人を愛し、敵を憎め』と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。 44しかし、わたしはあなたがたに言う。敵を愛し、迫害する者のために祈れ。」
(マタイによる福音書5:43、44)
また、自分自身も貧しい人々や社会的に差別されている人々に愛を持って接し、
- 病人を癒やす
- 死者を生き返らせる
- 悪霊を追い出す
- 食べ物を増やす
といった様々な奇跡を起こされました。
こうして、少しずつ人々の人気を集め、弟子も増やしていくイエスでしたが、イエスをよく思わない人たちもいたのです。
その筆頭がユダヤ教の指導者たちであり、彼らは自分たちの教えを批判し、人々の支持を集めていくイエスを危険視していました。
そのため、イエスは罪を犯してもいないのに有罪とされ、エルサレムで逮捕。
当時最も残酷な死刑方法であった十字架刑に処せられてしまいました。
ところが、イエスはなんと死から3日目に復活。
しばらく弟子たちと共に過ごした後、天に昇って行かれました。
その後、イエスの復活を信じる弟子たちがイエスの教えや生涯を広め、キリスト教が成立していくんですね。
イエスが地上に人間として来られ、十字架で死なれたのは、私たち人間がアダムとイブの時代から背負ってきた罪の身代わりになるためです。
✅️詳しくは、【完全版】イエス・キリストとはどんな人?その生涯を簡単にまとめてみたをどうぞ
イエスの母マリア
新約聖書の福音書に登場する、イエスキリストの母親。
カトリックでは”聖母”、正教会では”生神女(しょうしんじょ)”と呼ばれ、特に尊
カトリック教会などにあるマリア像は、あなたもなじみがあるのではないでしょうか。
マリアはナザレの町に住む若い処女でしたが、あるとき天使ガブリエルから「あなたは聖霊によって神の子を身ごもる」と告げられます。
「すると御使が言った、「恐れるな、マリヤよ、あなたは神から恵みをいただいているのです。 31見よ、あなたはみごもって男の子を産むでしょう。その子をイエスと名づけなさい。」
(ルカによる福音書1章30、31節)
当然ビックリ仰天のマリアでしたが、なんとこの信じがたい予告を謙虚に受け止めたのです。
これは“受胎告知
マリアが尊敬されるのは、ただ単にイエスの母であるというだけでなく、こうした神への敬虔な信仰を持っていたからなんですね。
✅️詳しくは、聖母マリアとはどんな人?その生涯をご紹介します【イエスの母】をどうぞ
12使徒(12弟子)
新約聖書の福音書や”使徒行伝”などに登場する、イエスキリストに選ばれた12人の弟子たちのこと。
使徒というのは、キリストのことを伝えるために遣わされた者のことです。
実際、12使徒はイエスの教えを直接受け、イエスの死後はその教えを広める重要な役割を果たしています。
「そこで、イエスは十二弟子を呼び寄せて、汚れた霊を追い出し、あらゆる病気、あらゆるわずらいをいやす権威をお授けになった。 2十二使徒の名は、次のとおりである。まずペテロと呼ばれたシモンとその兄弟アンデレ、それからゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネ、 3ピリポとバルトロマイ、トマスと取税人マタイ、アルパヨの子ヤコブとタダイ、 4熱心党のシモンとイスカリオテのユダ。このユダはイエスを裏切った者である。」
(マタイによる福音書10章1~4節)
12使徒のメンバーは以下の通りです。
- ペトロ(シモン)
- アンデレ
- ヤコブ(ゼベダイの子)
- ヨハネ
- トマス
- マタイ
- 熱心党のシモン
- ヤコブ(アルファイの子)
- バルトロマイ(ナタナエル)
- イスカリオテのユダ
- タダイ
- フィリポ
イエスの弟子で使徒と聞くと、何やらすごい人たちを想像しますが、元々は漁師や取税人など一般的な職業の人たちでした。
また、教養があるわけでもなく、イエスの言動を疑ったり裏切ったりと様々な失敗もしています。
しかし、イエスの昇天後に神の霊である聖霊を受けてからは、見違えるようにたくましくなり、イエスのことを多くの人に伝えるようになりました。
こうしてキリスト教が誕生していくんですね。
ちなみに、12使徒のイスカリオテのユダはイエスを裏切った後、首をつって自殺。
その後、マティアという人物が、代わりに新しい12使徒メンバーに加わりました。
✅️詳しくは、【完全版】イエスの12使徒とは?殺され方が残酷だった?をどうぞ
洗礼者ヨハネ
新約聖書の福音書に登場する、イエスキリストに洗礼を授けた預言者。
“イエスキリストの先駆者”とされる偉大な人物で、”バプテスマのヨハネ”とも呼ばれます。
洗礼者ヨハネは、母エリサベトと父ザカリアとの間に生まれ、
- らくだの毛衣を着ている
- 腰に革の帯を締めている
- いなごと野蜜を食べて生活している
という非常にヤバ。。ごほんごほん、ストイックな生活をしていた人物で、荒野で神の声を聞いていました。
そして、ユダヤ地方のヨルダン川周辺で人々に
悔い改めて洗礼を受ければ、罪がゆるされる!
と説いて、水で洗礼を授けていました。
「そのころ、バプテスマのヨハネが現れ、ユダヤの荒野で教を宣べて言った、 2「悔い改めよ、天国は近づいた」。」
(マタイによる福音書3:1、2)
洗礼は、今だとキリスト教入信の儀式のことですが、当時では、罪のゆるしと悔い改めが目的のユダヤ教における浄化の儀式でした。
また、この洗礼はメシア(救世主)が来られる準備的な意味もあったのです。
人々は、彼こそ待望のメシア(救い主)ではないかと期待しますが、洗礼者ヨハネは否定。
自分の後から来る方は、自分よりもずっと優れた方だと語り、イエスの出現を予告するのでした。
するとその後、予告通り救い主であるイエスが登場。
洗礼を授けて欲しいと頼まれた洗礼者ヨハネは、イエスに洗礼を授けます。
洗礼を受けたイエスは、メシア(救い主)としての自覚を深め、本格的な宣教活動を始めていくのです。
しかし、後に洗礼者ヨハネはヘロデ王に捕まり、首をはねられてしまいました。
✅️詳しくは、洗礼者ヨハネとは?イエスとの関係や生涯についてご紹介【聖書人物】をどうぞ
パウロ
新約聖書の”使徒行伝”などに登場する、キリスト教を世界に広めるのに多大な貢献をした使徒。
パウロは元々、教養のある熱心なユダヤ教徒で、キリスト教徒を迫害していました。
しかし、ダマスコに向かう途中でイエスの声を聞いたことで回心し、キリスト教徒へ。
「しかし、サウロはますます力が加わり、このイエスがキリストであることを論証して、ダマスコに住むユダヤ人たちを言い伏せた。」
(使徒行伝9:22)
生まれ変わったパウロは、改宗前の熱心さをキリスト教の伝道に注ぎ、
- 小アジア
- ギリシア
- ローマ
などへ宣教旅行を行いました。
パウロの宣教旅行は非常にハードなものでしたが、結果的に異邦人(非ユダヤ人)にもキリストの教えが広まったのです。
そのため、パウロは”異邦人への使徒”とも呼ばれます。
また、新約聖書にある多くの手紙を書いたことでも知られており、それらは“パウロの書簡”と呼ばれています。
パウロが書いた手紙は、現在のキリスト教の教えや神学にも大きな影響を与えました。
このように、パウロのキリスト教における功績は半端じゃないですが、生前のイエスとは出会っておらず、12使徒には含まれていません。
✅️詳しくは、【聖書】使徒パウロとはどんな人?その生涯をまとめてみたをどうぞ
マグダラのマリア
新約聖書の福音書に登場する、イエスに従った女性の1人。
マグダラというのは、彼女の出身地がガリラヤ地方のマグダラであったことからきています。
当時は、現在の日本のように名字がなかったですからね。
マグダラのマリアは、イエスに7つの悪霊を追い出してもらったことがきっかけで、イエスに従うように。
「また悪霊を追い出され病気をいやされた数名の婦人たち、すなわち、七つの悪霊を追い出してもらったマグダラと呼ばれるマリヤ、 3ヘロデの家令クーザの妻ヨハンナ、スザンナ、そのほか多くの婦人たちも一緒にいて、自分たちの持ち物をもって一行に奉仕した。」
(ルカによる福音書8:2、3)
イエスが十字架に架かられた際にも、他の女性信者たちと共に十字架のそばに立ち続け、お墓に葬られるまで見届けました。
また、イエスの復活を最初に目撃した人物の一人であり、復活したイエスが最初に現れたのもマグダラのマリアです。
そして、弟子たちにイエスの復活を伝えるという重要な役割を果たしました。
このように、マグダラのマリアはイエスの生涯の重要なシーンに立ち会っており、最後までイエスに付き添った人物だと言えます。
ちなみに、マグダラのマリアはイエスと結婚していたという説もありますが、聖書や歴史的な根拠はありません。
✅️詳しくは、【聖書】マグダラのマリアとはどんな人?イエスと結婚していた娼婦?をどうぞ
ルカ
新約聖書の”使徒行伝”などに登場する、
新約聖書の”ルカによる福音書”と”使徒行伝”の著者であり、使徒パウロの宣教旅行の同行者。
聖書にルカ自身の登場シーンはほとんどありませんが、高い教養を持った異邦人(非ユダヤ人)で、医者だったと言われています。
「愛する医者ルカとデマスとが、あなたがたによろしく。」
(コロサイ人への手紙4章14節)
ルカによって書かれたとされる”ルカによる福音書”は、他の福音書に比べて以下のような特徴がありますね。
また、ルカは当時の歴史に詳しい歴史家的な面もあり、その記述は緻密かつ正確。
イエスの人間性や教えを丁寧に伝えた”良き記録者”としても、高く評価されていますね。
一方で、”使徒行伝”では、イエス昇天後に誕生する初代教会の歩みと、パウロの宣教旅行について詳しく書かれています。
冒頭でも言ったように、ルカ自身も宣教旅行の同行者の一人。
だからこそ、パウロがどのようにキリスト教を世界各地に広めていったかを、詳しく書くことができたんですね。
ただ、ルカについての情報は聖書にあまり書かれていないため、謎が多い人物だと言えます
✅️詳しくは、【聖書】ルカってどんな人?使徒行伝を書いた医者?をどうぞ
まとめ:聖書には個性的な登場人物がいっぱい!
聖書に登場する人物たちは、今からずっと昔の時代を生きた人たちです。
もちろん、時代背景も環境も今とは全然違いますが、彼らの生き方から学べることはたくさんあります。
彼らがどのように考え、どのように困難を乗り越え、どのように失敗したのか。
そして、何よりも、神にどのように導かれたのか。
ぜひ実際に聖書を読んで、登場するキャラクターたちの生き様を見てみましょう。
人物というのはやはり、実際にお話の中で動いている姿を見るのが一番ですからね!
キートンでした。
👇️参考文献