ジーザス、エブリワン!キートンです。
今回は、マグダラのマリアという人物をご紹介したいと思います。
マグダラのマリアは、聖母マリアほどではありませんが、有名なマリアの1人です。
とはいえ、どんな人かと聞かれたら困ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、
- マグダラのマリアとは?
- マグダラのマリアの生涯
などについてご紹介していきたいと思います!


Contents
マグダラのマリアとは?

マグダラのマリアは、新約聖書に登場するイエスに仕えた女性の1人です。
イエスには女性の弟子たちも何人かおり、仕えた女性の中でも特に有名な人物だといえます。
また、
- イエスの十字架刑を見守る
- 復活されたイエスと最初に会話をする
など非常においしい。。ごほんごほん。。重要な場面に登場します。

一方で、カトリックでは聖書に登場する“罪深い女”と同一視され、娼婦(売春婦)だったとされます。(後述)
また、カトリックや正教会などでは、聖人として扱われていますね。


マグダラのマリアの生涯
聖書の登場回数は多くないですが、マグダラのマリアの生涯を追ってみましょう!
イエスとの出会い

マグダラのマリアの最初の登場シーンは、イエスに7つの悪霊を追い出していただくところから始まります。
「また悪霊を追い出され病気をいやされた数名の婦人たち、すなわち、七つの悪霊を追い出してもらったマグダラと呼ばれるマリヤ、」
(ルカによる福音書8章2節)
そして、これがきっかけでマグダラのマリアは、イエスにお仕えするようになるのです。
イエスの十字架を見守る

続いて、マグダラのマリアが登場するのは、イエスが十字架に架けられるという重要なシーン。
マグダラのマリアは、他の女性たちとイエスの十字架刑を見守っていたのでした。
「同時に、ふたりの強盗がイエスと一緒に、ひとりは右に、ひとりは左に、十字架につけられた。(中略)また、そこには遠くの方から見ている女たちも多くいた。彼らはイエスに仕えて、ガリラヤから従ってきた人たちであった。その中には、マグダラのマリヤ、ヤコブとヨセフとの母マリヤ、またゼベダイの子たちの母がいた。」
(マタイによる福音書27章38節、55・56節)
そして、イエスが亡くなって埋葬されるところもしっかりと見届けました。
「マグダラのマリヤとヨセの母マリヤとは、イエスが納められた場所を見とどけた。」
(マタイによる福音書27章61節)
マグダラのマリアが、イエスに最後までお仕えしていたのがよく分かりますね!

イエスの復活に立ち会う

さて、イエスが亡くなってから3日目の早朝、マグダラのマリアはイエスのお墓を訪れました。
それは、イエスの遺体に香油を塗って、埋葬の準備をするためでした。
すると、なんとお墓の入り口にあった石が取り除けてあるのが見えます。
「さて、一週の初めの日に、朝早くまだ暗いうちに、マグダラのマリヤが墓に行くと、墓から石がとりのけてあるのを見た。」
(ヨハネによる福音書20章1節)
マグダラのマリアは、このことを12弟子のヨハネに知らせましたが、自分はお墓の外に立って泣き始めました。
なぜなら、イエスの遺体を何者かがお墓から盗み出したと思ったからです。
そして、マグダラのマリアが泣きながらお墓をのぞくと、そこに白い衣を着た2人の天使が見えます。
天使たちは、マグダラのマリアに尋ねました。

マグダラのマリアは答えました。

どこに持って行ったのかも分からないのです。
そして、マグダラのマリアが振り向くと、なんとそこには亡くなられたはずのイエスが立っておられました。
しかし、マグダラのマリアはその人物がイエスだとは気づいていません。
イエスはマグダラのマリアにお尋ねになりました。

誰をさがしているのか。
マグダラのマリアは答えました。

私が引き取ります。
すると、イエスはマグダラのマリアに呼びかけられました。

そこで初めてマグダラのマリアは、その人物がイエスだと気づき、

と言いました。
イエスは、マグダラのマリアに言われました。

私はまだ、父のもとに昇っていないのだから。
ただ、あなたにして欲しいことがある。
私の兄弟たちのところへ行って、私が私たちの父である神のもとへ昇っていくということを伝えなさい。
その後、マグダラのマリアは、すぐにイエスの弟子たちのところに行き、
イエスにお会いしたこと、イエスが言われたことを話しました。
※福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)によって内容が異なりますが、今回は”ヨハネによる福音書”をもとにしています。


マグダラのマリアは、罪深い女!?

前述しましたが、マグダラのマリアはカトリックにおいては“罪深い女”だと言われることがあります。
これは、ルカによる福音書に登場する”罪深い女”という人物がマグダラのマリアと同一視されることがあるからです。
罪深い女はあるとき、パリサイ人シモンの家におられるイエスのところにやって来て、
泣きながらイエスの足に涙を流し、髪の毛でぬぐった後、その足に口づけをして香油を塗りました。
「するとそのとき、その町で罪の女であったものが、パリサイ人の家で食卓に着いておられることを聞いて、香油が入れてある石膏のつぼを持ってきて、泣きながら、イエスのうしろでその足もとに寄り、まず涙でイエスの足をぬらし、自分の髪の毛でぬぐい、そして、その足に接吻して、香油を塗った。」
(ルカによる福音書7章37、38節)
シモンはこれを見て、イエスが預言者ならこの女が罪深い女だということが分かるはずだと思いましたが、
イエスはこの女性を褒められました。
そして、罪深い女にイエスが、

と語られたというお話です。
ちなみに、この女性の罪は性的なものだとされており、
そのため、伝統的にマグダラのマリアは娼婦(売春婦)だと説明されます。
つまり、マグダラのマリアは罪深い女性だったが、イエスと出会い改心して、聖女になったということですね。
実際、キリスト系の映画では、マグダラのマリアは娼婦として登場することが多いです。
ただし、これはあくまでもカトリックなどの解釈なので、歴史的な根拠はありません。

マグダラのマリアはイエスと結婚していた!?

イエスにお仕えしていたマグダラのマリアですが、実はイエスと結婚していたのではないかという説があります。
特に有名なのが、1982年にイギリスで出版されたノンフィクション『レンヌ=ル=シャトーの謎』の内容です。
この本には、イエスとマグダラのマリアは結婚し、子供までもうけたという仮説が書かれており、
後の作品たちにも大きな影響を与えました。
その作品の1つが、2003年の小説『ダ・ヴィンチ・コード』であり、
イエスとマグダラのマリアが結婚していたという仮説をストーリーに盛り込み、世界で大ヒットを記録しました。
ただし、これもあくまで仮説であり、真相は明らかになっていません。

マドレーヌはマグダラのマリアが由来!?

フランス語の女性名として知られる、”マドレーヌ”という名前。
実はこれ、マグダラのマリアを意味する言葉なんです。
フランスの寺院に”マドレーヌ寺院”という建造物がありますが、これもマグダラのマリアが由来の名称なんですね!
実際、内部にはマグダラのマリアの像が飾られているんだとか。
ちなみに、フランス発祥の焼き菓子として有名な“マドレーヌ”というお菓子もありますね。(上記画像)


マグダラのマリアを描いた絵画
マグダラのマリアは、多くの画家によって絵画のモチーフになっていますので、
それらの作品を一部見てみましょう!
『我に触れるな』(レンブラント・ファン・レイン )

オランダの巨匠レンブラントによる作品。
これは、イエスが復活し、マグダラのマリアの前に現れる印象的なシーンです。
マリアが驚いている様子が見て取れます。
右側には、天使もいますね。
なんとなくイエスが、田舎にいるおっちゃんに見えなくもないですが。。

それにしても、タイトルに少し悪意を感じるのは僕だけでしょうか?

『ゆれる炎のあるマグダラのマリア』(ジョルジュ・ド・ラ・トゥール)

作者のジョルジュは、カトリック教会の要望で何点もマグダラのマリアの作品を描いていますが、これはその中の1つです。
シンプルに、マグダラのマリアの人物画を描いたもののようです。
とはいえ、ドクロを持っているのもあり、非常におどろおどろしい雰囲気の作品ですね。


“マグダラのマリア”を描いた映画もある?
また、マグダラのマリアをメインに描いた映画も近年制作されたので、ご紹介しておきますね。
その名も、『マグダラのマリア』。

これは、2018年に上映されたアメリカとイギリスによる作品です。
マグダラのマリアを主人公とした長編映画は本作が初のようですね。
主なあらすじは、以下の通りです。
男性原理に支配された社会で、家族に結婚を強要され、苦しい想いをして生きるマリア。イエス・キリストに出会い、家族から離れ、使徒らと共にイエスに仕え、教えを伝えるため旅をする。死者を蘇らせたイエス・キリストは、やがて救世主として民衆から崇められるも…。(Amazonより)
マグダラのマリアをもっと知りたいという方は、ご覧あれ!

まとめ:マグダラのマリアは謎の多い人物!

今回の説明でも分かる通り、マグダラのマリアは知名度のわりには謎の多い人物です。
娼婦という情報も、イエスと結婚していたという情報も仮説の域を出ないですからね。
ただまあ、もしイエスと結婚していることが判明したら、色々と大騒ぎになりそうですよね。。
もしかすると、
イエスの女性人気が落ちちゃうかも。(アイドルか)
キートンでした。

