ジーザス、エブリワン!クリスチャンブロガーのキートンです。
表とかも使って分かりやすく教えて欲しいなあ。。
こういった疑問にお答えします。
キリスト教にはいくつかの宗派がありますが、その中でも代表的なのがカトリックとプロテスタントでしょう。
実際、キリスト教の中でも特に信徒の数が多いのが、この2つの宗派です。
正教会もキリスト教の代表的な宗派ですが、日本ではあまりなじみがないですね。
あなたも世界史の授業なんかで、カトリックとプロテスタントの歴史について学んだことがあるのではないでしょうか。
ルターの宗教改革によって、カトリックからプロテスタントが誕生したみたいな感じですね。
とは言え、「カトリックとプロテスタントはどう違うか?」と聞かれたら、言葉に詰まってしまう方もいるでしょう。
もちろん、同じキリスト教であるカトリックとプロテスタントには、
などの共通点もあります。
しかし、実はカトリックとプロテスタントには様々な明確な違いもあるのです。
そこでこの記事では、クリスチャンの僕が
- カトリックとプロテスタントとは?
- 【表あり】カトリックとプロテスタントの違い10選をクリスチャンが解説
- 【歴史】カトリックとプロテスタントが分かれた理由
について解説します。
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目次
カトリックとプロテスタントとは?
そもそも、カトリックとプロテスタントはどのような宗派なのでしょうか?
具体的な違いを見る前に、それぞれの概要について見ていきましょう。
- カトリック
- プロテスタント
カトリック
カトリック教会は、キリスト教の中でも最も歴史が古い宗派の一つであり、イエスの弟子たちが築いた初代教会を起源としています。
初代教会が誕生したのが紀元1世紀頃ですから、カトリック教会には約2000年の歴史があることになりますね。
カトリック教会とは、ギリシャ語の「カトリコス(普遍的)」に由来し、「普遍的な教会」を意味する言葉です。
その始まりは、イエスキリストが昇天された後に、弟子たちに聖霊が降った聖霊降臨(ペンテコステ)の日だとされています。
「五旬祭の日が来て、一同が一つになって集まっていると、突然、激しい風が吹いて来るような音が天から聞こえ、彼らが座っていた家中に響いた。そして、炎のような舌が分かれ分かれに現れ、一人一人の上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、“霊”が語らせるままに、ほかの国々の言葉で話しだした。」
(使徒言行録2章1~4節)
聖霊を受けたことで強くされた弟子たちは、キリストのことを人々に語り、クリスチャンの集まりである教会が誕生していくのです。
ただ、カトリック教会が組織として確立されたのは、ローマ帝国でキリスト教が認められた4世紀以降だと言われていますね。
また、カトリックはキリスト教最大の宗派でもあり、
2022年の『教会統計年鑑』によれば、世界のカトリック信者数は約13億9,000万人(全人口の約17.1%)もいます。
特に、
- 南アメリカ(ブラジル、メキシコ、コロンビアなど)
- ヨーロッパ(イタリア、スペイン、フランスなど)
- アフリカ(コンゴ民主共和国、ナイジェリアなど)
- アジア(フィリピン、東ティモールなど)
などの地域で広く信仰されています。
ちなみに、『カトリック教会現勢2023』によると、日本のカトリック信者数は約41万8,101人(日本人口の約0.33%)です。
✅️カトリック教会の詳細は、【解説】カトリック教会とは?12の特徴を簡単にわかりやすくご紹介をどうぞ
プロテスタント
プロテスタント教会は、16世紀の宗教改革をきっかけにカトリック教会から分離したキリスト教の一派です。
プロテスタントは「抗議する人」という意味であり、カトリック教会の教えや制度に対する抗議から始まりました。
プロテスタントには、以下の3つの基本原則があるのが特徴です。
- 聖書のみ:聖書のみを信仰や教えの唯一の基準とする
- 信仰のみ:人は信仰によってのみ救われる
- 恵みのみ:救いは人間の努力や行いではなく、神の恵みによるものである
ただし、三つ目に”恵みのみ”ではなく、”万人祭司主義”が挙げられる場合もあります。
万人祭司主義とは、”全ての信徒は神の前で平等である”という考え方で、カトリックにおける聖職者の特権を否定したもの。
これもルターが非常に重視した教えですね。
「JMR調査レポート(2018年版)」によると、世界全体で約5.5億人のプロテスタント信者がいるとされています。
特に世界の地域で見ると、
- アフリカ(ナイジェリア、ケニア、南アフリカなど)
- 北アメリカ(アメリカ合衆国、カナダなど)
- ヨーロッパ(ドイツ、スウェーデン、イギリスなど)
などにプロテスタント信徒が多いですね。
ちなみに、 『キリスト教年鑑2019』によると、日本のプロテスタント信者数は約55万5,167人です。
✅️プロテスタント教会の詳細は、【キリスト教】プロテスタント教会の7つの特徴とは?総本山はない?をどうぞ
【表あり】カトリックとプロテスタントの違い10選をクリスチャンが解説
では、ここから具体的なカトリックとプロテスタントの違い10選を見ていきましょう。
まず全体の表がこちらです。
カトリック | プロテスタント | |
---|---|---|
聖書の扱い | 聖書+聖伝が信仰の基盤 | 聖書のみが信仰の基盤 |
教会の外観 | 豪華 | 質素 |
礼拝のスタイル | 儀式や祈りがメイン。厳かな雰囲気 | 聖書の説教がメイン。カジュアルな雰囲気 |
サクラメント(儀式)の数 | 7 | 2 |
救いの条件 | 信仰+善い行い | 信仰のみ |
マリアや聖人への崇敬 | あり | なし |
神父or牧師 | 神父 | 牧師 |
組織体制 | 教皇がトップのピラミッド型 | 統一の組織なし |
死後の世界 | 天国、地獄、煉獄 | 天国、地獄 |
離婚の考え方 | 認めない | 認める |
- 聖書の扱い
- 教会の外観
- 礼拝のスタイル
- サクラメント(儀式)の数
- 救いの条件
- マリアや聖人への崇敬
- 神父or牧師
- 組織体制
- 死後の世界
- 離婚の考え方
ただし、プロテスタントには様々な教派があり、それぞれ教えや特徴が異なります。
以下でご紹介するプロテスタントの特徴は、あくまでも全体的な傾向なのでご了承ください。
①聖書の扱い
カトリックとプロテスタントの違い一つ目は、聖書の扱いです。
カトリックでは、聖書以外に”聖伝”(伝承)も信仰や教えの基盤としています。
聖伝とは、イエスの12弟子(使徒)たちが口頭で伝えたとされる、キリストの教えや出来事のこと。
そのため、聖書だけではなく、聖伝に基づいた教会の教えも同じくらい重要とみなされます。
例えば、後でご紹介する多くの儀式やマリア・聖人への崇敬なども、聖書に書かれたものではなく、聖伝に基づいたものですね。
また、聖書の内容にも違いがあり、カトリックの旧約聖書の正典には第二正典が含まれます。
第二正典には、
- トビト記
- ユディト記
- 第一・第二マカバイ記
- 知恵の書
- シラ書(ベン・シラの知恵)
- バルク書
- エステル記の追加部分
- ダニエル書の追加部分
があり、カトリック教会では旧約聖書の正典と認められていますね。
一方で、プロテスタントには、”聖書のみ”という基本原則があり、聖書は信仰や教えの唯一の基盤とされます。
そのため、神の言葉である聖書以外の聖伝や教会の伝統は、”人間によるもの”として信仰の基盤としては認めません。
実際、プロテスタントはカトリックの聖伝に基づいた教えを、「聖書に書かれていない!」として批判することがあります。
また、プロテスタントではカトリックの第二正典を“外典”と呼び、旧約聖書の正典には含みません。
②教会の外観
カトリックとプロテスタントの違い二つ目は、教会の外観です。
カトリックの教会は、豪華で装飾も多い傾向があります。
なぜなら、カトリックにおいて目に見える教会はキリストによって造られたものであり、救いは教会を通して得られると考えられているから。
カトリックにとって教会は、神の栄光を表す信仰生活の中心。
そのため、教会の建築も豪華になっていったんですね。
恐らく、
- 華やかで壮大な外観
- パイプオルガン
- ステンドグラス
- マリア像やキリスト像
など、多くの方が持っているであろう教会のイメージは、カトリック教会によるものではないでしょうか。
一方で、プロテスタントの教会は、質素で装飾が少ないことが多いです。
普通の家っぽい教会も少なくないですし、教会の内部も十字架くらいしかないシンプルなものであることが多いですね。
なぜなら、プロテスタントにとって信仰の中心は聖書であり、教会の外観は信仰生活の本質ではないと考えているから。
むしろ、個人的な信仰や神との関係のほうが大切であり、教会の見た目をカトリックほど重視しないのです。
僕の教会も見た目だけでは、教会って分からないレベルですし。。(小声)
👇️僕が通っている教会
✅️教会の詳細は、教会って何をする場所?自由に入れるの?【キリスト教徒が回答】をどうぞ
③礼拝のスタイル
カトリックとプロテスタントの違い三つ目は、礼拝のスタイルです。
カトリックの礼拝は、儀式や祈りが多く、厳かな雰囲気が特徴です。
なぜなら、カトリック教会の礼拝では、神秘的な体験を通じて神に近づくことを目指しているから。
特にパンとぶどう酒を用いた※”聖体”という儀式が重要であり、礼拝の中心になっています。
※聖体:最後の晩餐が由来のキリストの体と血を受け取り、神との交わりを深める儀式。
使われるパンとぶどう酒が、実際にキリストの体と血になると信じられている。
また、礼拝での音楽も厳かで、伝統的な聖歌が多いですね。
一方で、プロテスタントの礼拝は、聖書の説教が中心であり、比較的カジュアルな雰囲気の教会も多いです。
なぜなら、プロテスタント教会の礼拝では、聖書を学び、神の言葉を生活に適用することが主な目的だから。
そのため、カトリックに比べても、礼拝中に聖書を開く機会は多いです。
また、礼拝での音楽は教会によって様々であり、伝統的な聖歌が中心の教会もあれば、現代的なバンド形式の賛美歌が中心の教会もあります。
ちなみに、僕の教会では若者が多いこともあり、
- アコースティックギター
- エレキギター
- ベース
- ドラム
- キーボード
などを使った、現代的なバンドスタイルの賛美歌が多いですね。
✅️おすすめの賛美歌については、おすすめの賛美歌一覧まとめ12選!有名なあの曲も?【動画あり】をどうぞ
④サクラメント(儀式)の数
カトリックとプロテスタントの違い四つ目は、サクラメント(儀式)の数です。
サクラメントとは、目に見えない神の恵みを目に見える形で表した儀式のことですね。
カトリックでサクラメントは”秘蹟(ひせき)”と呼ばれ、神の恵みを直接受ける手段として救いにおいて重要な役割を果たします。
そのため、サクラメントの数も多く、以下の7つありますね。
特に聖体は礼拝の中心として非常に重要であり、日曜日だけでなく平日にも行われます。
カトリックでは、サクラメントが信仰生活の中心なのです。
一方で、プロテスタントでサクラメントは”礼典”と呼ばれ、神の恵みの象徴的な儀式ではあるものの、救いに直接必要なものではありません。
なぜなら、救いはあくまでも、信仰によってのみ得られるものだと考えるから。
また、サクラメントは、聖書に明確な根拠がある以下の2つだけとしており、他のサクラメントは認めません。
- 洗礼
- 聖餐
「それゆえに、あなたがたは行って、すべての国民を弟子として、父と子と聖霊との名によって、彼らにバプテスマを施し、 20あなたがたに命じておいたいっさいのことを守るように教えよ。」
(マタイによる福音書28:19,20)
「またパンを取り、感謝してこれをさき、弟子たちに与えて言われた、「これは、あなたがたのために与えるわたしのからだである。わたしを記念するため、このように行いなさい」。」
(ルカによる福音書 22:19)
しかも、洗礼はクリスチャンが一度だけ受けるものなので、プロテスタントの信徒が定期的に受けるのは聖餐だけですね。
僕の教会では、月に一回聖餐式が行われています。
✅️サクラメントの詳細は、サクラメントの意味とは?クリスチャンがご紹介【宗派ごとの比較表付き】をどうぞ
⑤救いの条件
カトリックとプロテスタントの違い五つ目は、救いの条件です。
キリスト教における救いとは簡単に言うと、死後に天国で神と永遠に生きられることを指します。
まずカトリックでは、救いは信仰+善い行いによって得られると考えます。
つまり、救われるには神を信じるだけでなく、人間側の行い(サクラメントの実践や隣人愛など)も必要だという考えですね。
根拠とされている聖書箇所は、以下のようなものがあります。
「わたしの兄弟たちよ。ある人が自分には信仰があると称していても、もし行いがなかったら、なんの役に立つか。その信仰は彼を救うことができるか。(中略)信仰も、それと同様に、行いを伴わなければ、それだけでは死んだものである。」
(ヤコブの手紙 2:14-17)
一方で、プロテスタントには”信仰のみ”という原則があり、救いは人間の努力や行いによってではなく、信仰によってのみ得られると考えます。
なぜなら、救いは神による一方的な恵みであり、人間の行いは救いに貢献できないから。
こちらの根拠とされている聖書箇所は、以下のようなものがあります。
「あなたがたの救われたのは、実に、恵みにより、信仰によるのである。それは、あなたがた自身から出たものではなく、神の賜物である。 9決して行いによるのではない。それは、だれも誇ることがないためなのである。」
(エペソ人への手紙2:8,9)
⑥マリアや聖人への崇敬
カトリックとプロテスタントの違い六つ目は、マリアや聖人への崇敬(深い尊敬)です。
カトリックでは、イエスの母マリアや聖人に対しての崇敬があります。
まず、マリアは”神の母”として特別な地位を持っており、最も神に近い人間とされています。
そのため、マリアは、
- 聖母と呼ばれる
- 罪を持たずに生まれた(無原罪の御宿り)
- 人生の終わりに肉体も魂も天に引き上げられた(聖母の被昇天)
- 祈りを捧げられる
など特別な扱いを受けているんですね。
また、カトリックでは、神に忠実に生きた模範的な信仰者を”聖人”として崇敬の対象としています。
例えば、
などがおり、中でも最も偉大な聖人が聖母マリアなんですね。
それぞれの聖人には記念日や祝日があり、一年365日のほとんどが誰かしらの聖人の記念日になっています。
マリアとか聖人を拝むのはアウトじゃないの?
と思うかもしれませんが、カトリックはこれはあくまでも崇敬(深い尊敬)だとし、神への崇拝とは区別しています。
一方で、プロテスタントでは、マリアのことも聖人のことも尊敬はしますが、特別視することはありません。
マリアもイエスの母以上の存在ではありませんし、聖人という概念自体があまりないですね。
なぜなら、聖書に明確な根拠がなく、信仰すべきなのは神(イエスキリスト)だけだから。
「神は唯一であり、神と人との間の仲保者もただひとりであって、それは人なるキリスト・イエスである。」
(テモテヘの第一の手紙 2:5)
むしろ、マリアや聖人を特別視し過ぎると、偶像崇拝に陥る危険性があると考えるんですね。
こうした考え方の違いは教会の内部にも表れており、カトリック教会には
- イエスキリスト像
- マリア像
- 聖人の像
などがあったりしますが、プロテスタントではシンプルに十字架しかなかったりします。
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⑦神父or牧師
カトリックとプロテスタントの違い七つ目は、神父or牧師です。
教会=神父のイメージがあるかもしれませんが、神父がいるのはカトリック教会ですね。
神父は神と人間の仲介者として、特別な役割を持った聖職者です。
そのため、一般の信徒よりも立場は上で、サクラメントを行う権限も持っています。
また、神父には、
- 男性しかなれない
- 生涯独身
- 服装の決まりがある
などのルールがありますね。
一方で、プロテスタントの教会にいるのは牧師です。
牧師は霊的な指導者や教師としての役割がありますが、特別な地位や階級はなく、信徒と同じ立場にあります。
このように、全ての人が神の前では平等で、神と直接交わることができるとする考え方を”万人祭司主義”といいます。
また、多くの教派で牧師は、
- 男女を問わずなれることが多い
- 結婚できる
- 服装の決まりはない
など神父に比べると自由度が高いです。
ちなみに、「神父」は尊敬を込めた呼び名であり、正式な職業名は「司祭」です。
一方で、「牧師」は職業名そのものであり、「先生」と呼ばれることもあります。
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⑧組織体制
カトリックとプロテスタントの違い八つ目は、組織体制です。
カトリックはローマ教皇をトップとする、世界統一のピラミッド型組織になっています。
具体的な階層は、上から偉い順に並べると以下の通りですね。
- ローマ教皇: イエスの代理人とされるカトリック教会の最高指導者
- 枢機卿(すうききょう): 教皇を補佐する教皇の最高顧問
- 司教: 特定の地域(教区)を担当し、教会全体を統括する
- 司祭(神父): 教会で礼拝を仕切り、信徒を導いたりサクラメントを行ったりする
- 助祭: 司祭を補佐し、奉仕活動や礼拝の補助を行う
- 一般信徒:聖職者ではないが、教会の活動に参加する
そのため、カトリック教会には統一性があり、全世界のカトリック教会が同じ教えや礼拝スタイルを持っています。
ちなみに、ローマ教皇はカトリック教会の総本山であるバチカン市国におり、
カトリック教会全体の最高権威者として、その発言は絶対的なものとされます。
一方で、プロテスタントには統一の組織はなく、各教派や教会が独立して運営しています。
ローマ教皇のような絶対的な指導者もいなければ、地位による上下関係もありません。
だからこそ、プロテスタントには
- バプテスト派
- ルター派
- 改革派
- ペンテコステ派
など様々な教派が存在し、それぞれ教えも礼拝のスタイルもバラバラなわけです。
✅️プロテスタントの主な教派は、【派閥?】プロテスタントの宗派って?主なものを信徒がまとめてみたをどうぞ
⑨死後の世界
カトリックとプロテスタントの違い九つ目は、死後の世界です。
カトリックでは、死後に人間の魂は以下の3つのいずれかに行くとされます。
煉獄はカトリック独特の教えであり、天国と地獄の間にある場所のことです。
キリストを信じて天国に行けることは確定しているものの、死後まだ浄化が必要な者が一時的に行くんですね。
そして、生きている信徒は、煉獄にいる魂が早く天国に行けるように祈ることがすすめられています。
一方で、プロテスタントでも天国と地獄の存在は認めますが、煉獄の存在は認めません。
なぜなら、聖書に明確な根拠がないから。
また、そもそも救いはキリストの十字架によって完成していると考えているため、死後の浄化は不要なのです。
✅️死後の世界については、【永遠の謎】死後の世界はあるのか?クリスチャンが答えますをどうぞ
⑩離婚の考え方
カトリックとプロテスタントの違い十個目は、離婚の考え方です。
カトリックは離婚に厳しいことで有名で、一度成立した結婚は原則として解消することは認められません。
なぜなら、結婚は神聖な秘跡(サクラメント)であり、一生続く永続的なものと考えているから。
その根拠としては以下のような聖句があり、結婚式でも神父によって読まれることがあります。
「そして言われた、それゆえに、人は父母を離れ、その妻と結ばれ、ふたりの者は一体となるべきである』。 6彼らはもはや、ふたりではなく一体である。だから、神が合わせられたものを、人は離してはならない」。」
(マタイによる福音書19章5、6節)
離婚をすることは、サクラメントの一つ”婚姻の秘跡”に対する重大な罪なんですね。
同じように、再婚も基本的には認められません。
ただし、カトリックには”婚姻無効”という制度があります。
これは「結婚がそもそも有効ではなかった」と判断される場合に、結婚自体を無効とするものです。まあこれもかなり稀なケースですが。
一方でプロテスタントでも、結婚は重要で神聖な契約とされますが、サクラメントとはみなされません。
そのため、離婚に対してはカトリックほど厳格ではなく、正当な理由があれば認められます。
教派によっても異なりますが、正当な理由とは例えば、
- 結婚相手の不倫
- 家庭内暴力や虐待
- 信仰上の不一致
などの場合ですね。
また、正当に離婚が成立した場合は、再婚も許されることが多いです。
✅️キリスト教の離婚については、【Q&A】キリスト教で離婚は禁止なの?宗派ごとに答えてみたをどうぞ
【歴史】カトリックとプロテスタントが分かれた理由
世界史で学んだことがあるかもしれませんが、最後に、
カトリックとプロテスタントが分かれた理由について解説していきます。
- カトリックの腐敗
- 宗教改革の開始
カトリックの腐敗
最初のほうでも語ったように、カトリックとプロテスタントが分かれたのは、カトリック教会に対する改革運動(宗教改革)によってですが、
その発端となったのは、教皇レオ10世による贖宥状(免罪符)の販売でした。
贖宥状(免罪符)とは、罪の罰を軽減するための証明書で、
「贖宥状を買えば、煉獄で苦しまずに天国に行けまっせー!」と大々的に宣伝されていたのです。
と思うかもしれませんが、当時の聖書は主にラテン語で書かれており、一般の人々は読むことができませんでした。
そのため、教会の教えを信じるしかなく、多くの人が贖宥状を購入していたのです。
また、当時のカトリック教会の権威は絶大で、教会の言葉に疑問を持つことが難しかったという背景もあります。
しかし、贖宥状が売られていたその実態は、 サン・ピエトロ大聖堂の建設資金を集めるためでした。
まさに当時のカトリック教会は、腐敗しきっていたのです。
宗教改革の開始
しかし、そんな中で現れたのが、ドイツの修道士で神学教授でもあったマルティン・ルターです。
ルターは、
人の魂を救うのは信仰のみだ!!
とカトリック教会の贖宥状販売に強く抗議。
1517年には、ヴィッテンベルク城教会の壁に、贖宥状を非難する“95か条の論題”を貼り付けました。
ただ、このときルターは「カトリック教会を倒そう」とか「新しい宗派を作ろう」とか思っていたわけではなく、キリスト教を正そうとしただけでした。
しかし、この論題はあっという間にヨーロッパ中に知れ渡り、宗教改革へと繋がっていくのです。
1521年に教皇はルターを破門にしますが、教皇に苦しめられていた多くの民衆たちがルターを支持します。
1526年にシュパイエルの帝国議会でルター派はある程度容認されますが、1529年にはその容認が取り消し。
ルター派はこれに激しく抗議しますが、このときカトリック側から「抗議する人々(プロテスタント)」と呼ばれたことが
プロテスタントという名前の由来になりました。
✅️宗教改革の詳細は、ルターの宗教改革とは?分かりやすく主な内容や流れを解説【歴史】をどうぞ
まとめ:カトリックとプロテスタントには様々な違いがある!
カトリックとプロテスタント、こうして見ると、結構色々な違いがありますよね。
まあでも歴史を見れば、違いがあるのは当然です。
全く同じ考えや教えなら宗教改革など起きていないでしょうし、カトリックからプロテスタントが生まれることもなかったでしょう。
色々と説明をしましたが、カトリックとプロテスタントの違いを知るには、
それぞれの教会に行ってみるのが一番早いと思います。
百聞は一見にしかず。
気になる方はぜひ、一度教会に足を運んでみてくださいね!
キートンでした。
👇️参考文献
とても 勉強になります。
今後もよろしくお願い致します。
なよなよさん、嬉しいコメントありがとうございます!
こちらこそ今後もよろしくお願いいたします。