ジーザス、エブリワン!キートンです。
分かりやすく教えて欲しい!
こういった疑問にお答えします。
キリスト教にはいくつかの宗派がありますが、中でも有名なのがカトリックとプロテスタントです。
(正教会も主な宗派ですが、日本ではあまりなじみがありません。)
しかし、その違いをきちんと把握している人はあまり多くないのではないでしょうか。
実は同じキリスト教でも、様々な違いがあるのです。
そこで今回は、信仰歴28年のクリスチャンである僕が、
カトリックとプロテスタントの違いについて分かりやすく解説していきたいと思います!
☟カトリックとプロテスタントの個別記事は、こちらから
【徹底解説】”カトリック教会”とは?その13の特徴をご紹介します
【キリスト教】”プロテスタント教会”とは?その8つの特徴を信徒がご紹介
目次
【表あり】カトリックとプロテスタントの違いをわかりやすくご紹介
それでは、いよいよカトリックプロテスタントの違いを見ていきます!
まずは、以下の比較表をご覧ください。
宗派 | ローマ・カトリック | プロテスタント |
①人口 | 約12億人 | 約5億人 |
②歴史 | 1世紀頃~ | 16世紀~ |
③教会の外観 | 豪華 | 質素 |
④儀式 | 7つの秘跡 | 洗礼と聖餐のみ |
⑤聖人信仰 | あり | なし |
⑥聖書以外の外典 | あり | なし |
⑦組織体制 | 教皇がトップのピラミッド型体制 | 統一の組織なし |
⑧聖職者の呼び方 | 神父 | 牧師 |
⑨手で十字を切る? | 切る | 切らないのが一般的 |
⑩マリアの扱い | “聖母”として崇敬される | イエス・キリストの母親 |
⑪修道院・修道会 | あり | ないのが一般的 |
⑫救いの条件 | 信仰と善い行い | 信仰のみ |
こうして見ると、やはり様々な違いがありますね。
それぞれの項目を詳しく見てみましょう!
①人口
◎人口
- カトリック ➡約12億人
- プロテスタント➡約5億人
世界の人口をみるとやはりというべきか、カトリックのほうが多いです。
なにしろ、カトリックはキリスト教のみならず、全ての宗派の中で世界最大の人口を誇りますからね。
そう考えると、キリスト教=カトリックというイメージがあるのも、無理はない気がします。
マリア像とかステンドグラスとか神父とか、全部カトリックによるイメージですからね。
ただ、歴史の浅さを考えると、プロテスタントにもこれだけの信者がいるって普通に凄いですよね。
②歴史
◎歴史
- カトリック ➡1世紀頃~
- プロテスタント➡16世紀~
カトリックは、イエス・キリストが昇天された後の1世紀頃に教会が建てられたと言われていますが、正確な時期は分かっていません。
そして、教会設立のきっかけとなったのが、“ペンテコステ”という出来事。
「五旬節の日がきて、みんなの者が一緒に集まっていると、突然、激しい風が吹いてきたような音が天から起ってきて、一同がすわっていた家いっぱいに響きわたった。また、舌のようなものが、炎のように分れて現れ、ひとりびとりの上にとどまった。すると、一同は聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、いろいろの他国の言葉で語り出した。」
(使徒言行録2章1~4節)
これは、イエスキリストの昇天後、弟子たちの上に聖霊が降ったという出来事のことです。
その後、弟子たちが世界中にキリスト教を伝えて教会が生まれたので、
ペンテコステの日は“教会の誕生日”と言われています。
一方で、プロテスタントが誕生したのはルターが宗教改革を行った16世紀頃。
この頃のカトリックは、買えば罪が赦されるという免罪符を売りまくるなど堕落し切っていました。
そこでルターはカトリックに反発する形で宗教改革を起こし、プロテスタントを成立させたのです。
こうして見ると、プロテスタントがいかに新しい宗派かが分かりますね。
それでも現在までかなりの勢いで信徒を増やしており、新進気鋭のエースといったところでしょうか!
そのため、カトリックは旧教、プロテスタントは新教と呼ばれることもあります。
宗教改革については、【歴史】ルターの宗教改革とは?主な内容や流れを分かりやすく解説をどうぞ
③教会の外観
◎教会の外観
- カトリック ➡豪華
- プロテスタント➡質素
教会の外観は宗派によって明らかな差があり、カトリックは豪華でプロテスタントは質素です。
これは別にプロテスタントだけが貧乏なわけでも、
とカトリックにいじめられているわけでもありません。(当り前)
教会をどれだけ重視しているかという考え方の違いなのです。
それぞれの優先順位を見てみると、こんな感じ。
カトリック | プロテスタント |
教会>聖書 | 教会<聖書 |
この考え方の差が、教会自体に表れているんですね。
カトリックが教会を重視するのは、目に見える教会はキリストによって造られたと信じているから。
もちろん、目に見える教会を重視していないだけで、
プロテスタントにおいてもクリスチャンの集まりという意味での教会は重要ですが!
☟僕が通っているプロテスタント教会も、見た目では教会とは分からない外観をしています。(小声)
ちなみに、プロテスタントは内装もシンプルで十字架くらいしかなかったりしますよ。
☟一方で、カトリック教会
津和野カトリック教会#PENTAX #津和野町 pic.twitter.com/hdagp9LgEl
— たっと (@ftatf2) October 21, 2021
。。。だ、大事なのは見た目じゃないんだい!!中身なんだい!!!
④儀式
◎儀式
- カトリック ➡7つの秘跡
- プロテスタント➡洗礼と聖餐のみ
キリスト教における儀式は専門用語でサクラメントといい、これは神様の恵みを目に見える形で表した儀式のこと。
“聖餐(せいさん)式”や“洗礼式”が特に有名です。
こちらも考え方の違いで数が異なり、サクラメントを重視しているカトリックは7つですが、
聖書に書かれていることしか信じないプロテスタントには2つ(洗礼式と聖餐式)しかありません。
なぜこのような差が生じているかというと、
プロテスタントはこの2つ以外は人間が作ったものに過ぎないと考えているから。
一方、カトリックでは他の5つも含めてキリストが制定したものだと信じています。
まとめると、こんな感じ!
ローマ・カトリック “秘跡(ひせき)” |
プロテスタント “礼典(れいてん)” |
儀式の内容 |
洗礼 | 洗礼 | キリスト教入信の儀式 |
聖体 | 聖餐(せいさん) | パンとぶどう酒を食する儀式 |
堅信(けんしん) | 洗礼の後に聖霊の恵みや力を受ける儀式 | |
ゆるしの秘跡 | 神との和解の儀式 | |
叙階(じょかい) | 主教や司祭などの聖職者を任命する儀式 | |
婚姻(結婚)の秘跡 | 信徒同士の結婚の際に行われる儀式 | |
病者の塗油(びょうしゃのとゆ) | 病人の癒しのために聖なる油を塗る儀式 |
※ただし、堅信については一部のプロテスタント(ルター派など)で行われることがあります。
サクラメントの呼び方も、カトリックは”秘跡”、プロテスタントは”礼典”とそれぞれ違うのが分かりますね。
ちなみに、どちらも重視している洗礼式ですが、カトリックにおいては洗礼名というものがあります。
つまり、洗礼を受けると新しい名前が与えられるんですね。
この名前は聖人や天使から取られるのが一般的ですが、聖人崇敬がないプロテスタントには洗礼名はありません。
☟詳しくは、“サクラメント”の意味とは?神の恵みを表す儀式!?【宗派ごとの比較表付き】をどうぞ
⑤聖人信仰
◎聖人信仰
- カトリック ➡あり
- プロテスタント➡なし
聖人というのは、信徒の崇敬の対象となっている人たちのこと。
そして、カトリックには、それぞれが定めた聖人がおり彼らを崇敬します。
例えば、以下の通りです。
◎カトリックの有名な聖人
このように、聖人と言っても聖書の中の人物に限らないんですね。
彼らは、信徒の模範となる人物として教会に認められた人たちです。
そのため、カトリック教会にはキリストやマリアを含めた聖人の像が置いてあったりします。
また、聖人を祝う数多くの祭日や祝日、記念日などもあります。
一方で、プロテスタントには聖人信仰はありません。
なぜなら、信仰するのはあくまでもイエスキリストのみだと信じているから。
そのため、プロテスタントからは聖人信仰に対する非難の声もあります。
⑥聖書以外の外典
◎聖書以外の外典
- カトリック ➡あり
- プロテスタント➡なし
聖書の正典のみを信仰するプロテスタントに対して、カトリックには正典以外に外典というものが存在します。
この外典をカトリックは”第二正典”と呼びますが、プロテスタントでは正典と認められていません。
ですから、カトリックの聖書はプロテスタントの聖書よりも分厚いのです。
例えば、
- トビト記
- ユディト記
- マカバイ記1・2
- 知恵の書
- シラ書
などがプロテスタントでいう外典にあたり、その数はかなりのものです。
ただし、新約聖書の書物についてはカトリックとプロテスタントで違いはありません。
ちなみに、カトリック出版の聖書には注釈がついていることが多いです。
聖書に関しては、【最強の書物】キリスト教の”聖書”とは?未だに売れ続ける永遠のベストセラー!?をどうぞ
⑦組織体制
◎組織体制
- カトリック ➡教皇がトップのピラミッド型体制
- プロテスタント➡統一の組織なし
カトリックにはきちんとした組織体制があり、位階の制度があります。
例えば、カトリックは教皇をトップとした以下のような組織体制です。
◎ローマ・カトリック教会の位階(偉い順)
- 教皇 ➡︎イエス・キリストの代理人と言われる、ローマ・
カトリック教会のトップ - 司教 ➡︎全世界で2500に分けられた教区を管理。司祭や長老以下の聖職者の叙階(聖職者の任命)を行える。
- 司祭 ➡︎教区内の教会を管理。いわゆる”神父”のことで、ミサや洗礼などを行える。
- 助祭 ➡︎司祭を援助。
- 副助祭➡︎助祭を補助。
そのため、カトリック内に宗派というものはなく、
世界中のカトリック信徒は同じ教えを信じ、同じローマ教皇の指導の下に置かれています。
すごい統一感ですよね!
一方で、プロテスタントには統一の組織が存在せず、位階制度のような上下関係もありません。
なぜなら、神の下では皆平等という”万人祭司”なる考え方があるからです。
プロテスタントが様々な宗派に分かれているのは、ここに理由があります。
自由すぎて、宗派増えすぎな気もしますが!
多過ぎてもう把握できましぇーん!(錯乱)
プロテスタントの主な宗派については、【まとめ】プロテスタントの宗派って?主なものを信徒がまとめてみたをどうぞ
⑧聖職者の呼び方
◎聖職者の呼び方
- カトリック ➡神父
- プロテスタント➡牧師
知名度の差か、教会=神父と思っている方もいるかもしれませんが、これは間違い!
カトリック教会にいるのが神父、プロテスタント教会にいるのが牧師です。
全教会に神父さんがいるわけではないのです。
では、そもそも牧師とか神父ってどういう立場の人なのかというと、簡単に言えば教会の人々を導く先生のような存在ですね。
ただし、牧師と神父はただ呼び方が違うだけでなく他にも違いがあります。
その違いは以下の通り。
◎牧師と神父の6つの違い
- 牧師はプロテスタント、神父はカトリックや正教会
- 牧師は職名、神父は呼び名
- 牧師は他の信徒と同じ立場(教職者)、神父は上の立場(聖職者)
- 牧師は結婚できる、神父は結婚できない
- 牧師は男女どちらでも可、神父は男性のみ
- 牧師は服装の決まりなし、神父には服装の決まりあり
特に牧師は家庭を持つ一方で、神父は独身というのは一般的なイメージ的とも合致しているかもしれませんね。
詳しくは、【徹底比較】神父と牧師の違いって?6つご紹介します!【実は結構違うよ】をどうぞ
⑨手で十字を切る?
◎手で十字を切る?
- カトリック ➡切る
- プロテスタント➡切らないのが一般的
映画なんかでよく見かける、十字を切るシーン。
サッカー選手がゴールを決めたときにすることもあり、皆さんも見たことがあるのではないでしょうか。
ですが、これもキリスト教の全てが行うわけではありません。
カトリックには十字を切る習慣がありますが、プロテスタントにはないのが一般的です。
これは主に信仰の表明として行われるもので、イエスキリストの十字架を表しています。
主に使われる場面は、
- 聖堂に入るとき
- 祈祷(きとう)のとき
- 司教・司祭が信徒を祝福するとき
などです。
ちなみに、十字を切る順番も決まっていて、
- 額
- 胸
- 左肩
- 右肩
となっています。
ただし、プロテスタントでもルター派など、十字を切る習慣がある教会もありますね!
⑩マリアの扱い
◎マリアの扱い
- カトリック ➡“聖母”として崇敬される
- プロテスタント➡イエス・キリストの母親
マリアといえば、イエスキリストを産んだ人物として有名ですが、
カトリックではマリアを”聖母”と呼び信仰を持ちます。
神の子を産んだ神の母なのだから、マリア自身にも罪がないとされているくらいです。
カトリックの教会に、マリア像が置かれているのはこのためですね。
カトリックでは、マリアは地上生活を終えた後は、霊も体も天国に上げられたと信じられています。(聖母マリアの被昇天)
このように、カトリックにおいて、聖母マリアは聖人の中でも最も偉大で最も尊敬される人物なのです。
しかし、これについてもプロテスタントからは、
と批判されることがありますね。
ただカトリックいわく、これは拝んでいるわけではなく崇敬なんだそうです。
一方で、プロテスタントにとってマリアは、イエスの母親以上の存在ではありません。
そのため、聖母という呼び方も基本的にはしないですね。
もちろん、人として尊敬はしますが!
プロテスタントにとって、信仰の対象は神様(イエスキリスト)のみなのです!
マリアについては、【イエスの母】”聖母マリア”とは?その生涯をご紹介します!をどうぞ
⑪修道院・修道会
◎修道院・修道会
- カトリック ➡あり
- プロテスタント➡ないのが一般的
修道士(ブラザー)や修道女(シスター)が住み込むことでおなじみの、修道院やその組織である修道会。
これらは、カトリックにはありますが、プロテスタントには基本的にありません。
だから、イケメンブラザーや美人シスターをプロテスタントに期待しちゃダメですよ!
ちなみに、ブラザーやシスターは、
修道院に住み込むことで俗世間から離れて、神様に全てを捧げる生活を送ります。
☟修道院の雰囲気は、こんな感じ
仏教でいう”出家僧”ですね。
いやー、ストイックですな!
⑫救いの条件
◎救いの条件
- カトリック ➡信仰と善い行い
- プロテスタント➡信仰のみ
カトリックは、善行を重視しており、救いには信仰に加えて善い行いが必要と説きます。
また、サクラメントも重視しており、救いは教会を通じてのみ得られると考えますね。
一方で、プロテスタントは信仰を重視しており、
善行や努力によってではなくキリストへの信仰さえあれば救われると説きます。
これはマルティン・ルターの信仰義認説に基づいていますね。
聖書にもこうあります。
「8あなたがたの救われたのは、実に、恵みにより、信仰によるのである。それは、あなたがた自身から出たものではなく、神の賜物である。 9決して行いによるのではない。それは、だれも誇ることがないためなのである。」
(エペソ人への手紙2章8、9節)
✅救いについては、【キリスト教用語】”福音(ふくいん)”の意味とは?キリストの良い知らせ!?をどうぞ
カトリックとプロテスタントの共通点
カトリックとプロテスタントには、上記のような違いもありますが、
同じキリスト教ですから共通点もいくつかあります。
ざっとまとめてみると、こんな感じ。
特にイエスをキリスト(救い主)と信じるというのは、絶対に外せない共通点ですね。
ここを抜かしてしまったら、もはやキリスト教ではなくなってしまいますから!
また、三位一体の教えも重要で、この教えを否定すると異端とみなされてしまうほど。
実際、エホバの証人などはカトリックやプロテスタントから異端扱いされていますね。
まとめ:カトリックとプロテスタントには、様々な違いがある!
宗派 | ローマ・カトリック | プロテスタント |
①人口 | 約12億人 | 約5億人 |
②歴史 | 1世紀頃~ | 16世紀~ |
③教会の外観 | 豪華 | 質素 |
④儀式 | 7つの秘跡 | 洗礼と聖餐のみ |
⑤聖人信仰 | あり | なし |
⑥聖書以外の外典 | あり | なし |
⑦組織体制 | 教皇がトップのピラミッド型体制 | 統一の組織なし |
⑧聖職者の呼び方 | 神父 | 牧師 |
⑨手で十字を切る? | 切る | 切らないのが一般的 |
⑩マリアの扱い | “聖母”として崇敬される | イエス・キリストの母親 |
⑪修道院・修道会 | あり | なし |
⑫救いの条件 | 善行重視 | 信仰重視 |
カトリックとプロテスタント、同じキリスト教でもこんなに色々な違いがあったんですね!
ですから、これからは、ちゃんと区別できるようにしておいてください!
ただ、
教会の見た目で判別されるのはちょっと複雑です。(プロテスタントの本音)
キートンでした。
👇参考文献