キリスト教用語集

【解説】七つの大罪の意味とは?罪が重い順にざっくりまとめてみた

ジーザス、エブリワン!キートンです。

“七つの大罪”ってどういう意味?

実際にどんな罪があるのかも詳しく教えて!

こういった疑問にお答えします。

 

今回は、主にカトリックで使われる用語“七つの大罪”についてご紹介します。

今や、同タイトルの漫画・アニメのほうが有名かもしれませんね。(僕も好きでよく読んでいます)

 

他にも、サスペンス映画の名作「セブン」では七つの大罪になぞらえて連続殺人がおこるなど、様々な作品のモチーフとなっています。(後述)

しかし、名前は知っていても、詳しい内容は知らないという方も多いのでは??

 

七つの大罪の意味を知らずにここまできてしまった。。それこそがあなたの罪!!(やかましい)

というわけで、この記事では信仰歴28年のクリスチャンである僕が、

  • 七つの大罪”とは?【罪が重い順にご紹介】
  • 七つの大罪の種類とそれぞれの意味
  • 七つの大罪をモチーフにした作品

などについて詳しく解説していきますね

キートン
キートン
どれも身近なものばかりですよ。。!

“七つの大罪”とは?【罪が重い順にご紹介】

七つの大罪は、主に西方教会(特にカトリック)で使われる用語で、

人間に罪を犯させる可能性がある欲望や感情のことを指します。

 

よく間違われがちですが、罪そのものを指すわけではないので注意しましょう。

七つの大罪は、以下の7つです。

◎七つの大罪

  1. 嫉妬(しっと)
  2. 傲慢(ごうまん)
  3. 怠惰(たいだ)
  4. 憤怒(ふんぬ)
  5. 強欲(ごうよく)
  6. 色欲(しきよく)
  7. 暴食(ぼうしょく)

ちなみに、これは上から罪の重い順番になっています。

 

ニュアンスとしては、

これらの欲望や感情に身を任せると、大きな罪を犯す危険性があるよ!

だから気をつけようね!

という感じです。

 

元々は、エジプトのキリスト教修道士エヴァグリオス・ポンティコスが著書「修行論」で提唱した

“枢要罪(すうゆうざい)”という概念が起源となります。

 

そして、6世紀後半になると、神学者グレゴリウス1世によって現在の「七つの大罪」へと改正されました。

ただし、聖書には七つの大罪という言葉は出てきません。

キートン
キートン
そのため、僕が所属しているプロテスタント教会では、そもそも七つの大罪という概念はないんですね。。!

七つの大罪の種類とそれぞれの意味を解説

では、七つの大罪にはそれぞれどのような意味があるのか、聖書のエピソードを交えながらご紹介していきましょう!

◎七つの大罪

  1. 嫉妬(しっと)
  2. 傲慢(ごうまん)
  3. 怠惰(たいだ)
  4. 憤怒(ふんぬ)
  5. 強欲(ごうよく)
  6. 色欲(しきよく)
  7. 暴食(ぼうしょく)

①嫉妬(しっと)

嫉妬は、他の人の成功や良いところをうらやましがり、失敗や不幸を願うことです。

自分に自信がない人や劣等感が強い人が陥りやすく、恋愛などでも抱きがちですよね。

 

聖書には、こうあります。

「互にいどみ合い、互にねたみ合って、虚栄に生きてはならない。」

(ガラテヤ人への手紙5章26節)

まあ、僕はいつも周りに嫉妬される側ですけどね!!

。。。嘘です、はいすみません。

 

これは聖書でいうと、創世記に登場する人類初の兄弟“カインとアベル”のお話が当てはまるでしょう。

「日がたって、カインは地の産物を持ってきて、主に供え物とした。 4アベルもまた、その群れのういごと肥えたものとを持ってきた。主はアベルとその供え物とを顧みられた。 5しかしカインとその供え物とは顧みられなかったので、カインは大いに憤って、顔を伏せた。」

(創世記4章3~5節)

兄弟のカインとアベルは、それぞれ神様に捧げ物をしますが、

弟アベルの捧げ物だけが神様に受け入れられ、兄カインの捧げ物は受け入れられませんでした。

 

これに嫉妬したカインは、ある時にアベルを呼び出し殺してしまいます。

嫉妬の感情は、人類初の殺人をもたらしてしまったのです。

恐ろしい。。!

 

このエピソードからも、ただの嫉妬が大きな罪に結びついてしまう可能性があることが分かります。

詳しくは、【聖書】”カインとアベル”のあらすじとは?人類初の殺人事件!?をどうぞ

②傲慢(ごうまん)

傲慢は、自分は他人よりも優れているとおごり高ぶってしまう状態のことです。

つまり、謙虚さをなくしてしまっている状態ですね。

 

聖書にはこうあります。

「互に思うことをひとつにし、高ぶった思いをいだかず、かえって低い者たちと交わるがよい。自分が知者だと思いあがってはならない。」

‭(‭ローマの信徒への手紙‬ ‭12:16)‬ ‭

ここでは、高ぶって傲慢になることに警鐘を鳴らしていますね。

というか、聖書には傲慢を戒める箇所がとっても多いです。

神様は特に傲慢を嫌われるんだにゃ~。

 

旧約聖書の創世記の中に“バベルの塔”という有名なお話があります。

「時に主は下って、人の子たちの建てる町と塔とを見て、 6言われた、「民は一つで、みな同じ言葉である。彼らはすでにこの事をしはじめた。彼らがしようとする事は、もはや何事もとどめ得ないであろう。 7さあ、われわれは下って行って、そこで彼らの言葉を乱し、互に言葉が通じないようにしよう」。 8こうして主が彼らをそこから全地のおもてに散らされたので、彼らは町を建てるのをやめた。 9これによってその町の名はバベルと呼ばれた。主がそこで全地の言葉を乱されたからである。」

(創世記11章5~9節)

天より高い塔を建てようと考えた人々が塔を建て始めましたが、それが神の怒りに触れ言語をバラバラにされてしまいました。

 

その結果、連携が取れなくなり塔の建設はできなくなってしまいます。

これはまさに人間の傲慢さがもたらした悲劇です。

 

この悲劇の影響で、現在も私たちは言語の壁に苦しんでいるわけですが。。

あくまでも神様によって造られたに過ぎない私たちは、もっとへりくだって謙虚になることを求められているんですね!

 

詳しくは、【聖書物語】”バベルの塔”とは?あらすじを分かりやすくご紹介しますをどうぞ

③怠惰(たいだ)

怠惰は、働きもせずにぐうたらと堕落(だらく)した生活を送ることです。

今やニートや引きこもりと呼ばれる人が日本にもたくさんおり、現代の社会問題とも結びついていますね。

他人事じゃないにゃ〜。

 

怠け者の僕も、正直耳が痛いっす。。

聖書界のブレーンであるソロモンは、聖書でこう語っています。

「怠りは人を熟睡させる、なまけ者は飢える。」

‭‭(箴言 19:15)‬

イエス・キリストが語られた有名なたとえ話に、“放蕩息子(ほうとうむすこ)”というものがあります。

これは父親から遺産を分けてもらい旅立つも、すぐに遊び呆けてお金を使い果たしてしまったどうしようもない息子のお話です。

「それから幾日もたたないうちに、弟は自分のものを全部とりまとめて遠い所へ行き、そこで放蕩に身を持ちくずして財産を使い果した。」

(ルカによる福音書15章13節)

結果的に、実家に戻った息子を父親は温かく迎え入れますが、この息子は私たち人間のことを指しています。

人間というのは、どうしようもなく怠惰な生き物なんですね。

 

このお話では”神様の憐み深さ”が描かれていますが、

だからといってそれに甘えて、ナマケモノ生活をするのは避けたいですね!

 

詳しくは、【解説】”放蕩(ほうとう)息子”のたとえとは?”神の大きな愛”がテーマ!?【5分で分かる】をどうぞ

④憤怒(ふんぬ)

憤怒は、我を忘れて怒り狂うことです。

“短期は損気”なんていいますが、怒りっぽい人は大きなトラブルを起こしやすいですよね。

 

聖書にもこう書かれています。

「愛する兄弟たちよ。このことを知っておきなさい。人はすべて、聞くに早く、語るにおそく、怒るにおそくあるべきである。」

(ヤコブの手紙1章19節)

聖書で怒りっぽい人物といえば、やはりイエス・キリストの12弟子である大ヤコブヨハネの兄弟でしょう。

 

2人とも気性の荒かったことから”雷の子”という異名が付けられるほどでした。

ではどれほど怒りっぽかったかというと、この2人はサマリア人の村に伝道に行った際に歓迎されなかったことに怒り狂い、

大ヤコブ
大ヤコブ
彼らを焼き滅ぼしてしまいましょうか。

と発言し、イエスにたしなめられたほど。

「村人は、エルサレムへむかって進んで行かれるというので、イエスを歓迎しようとはしなかった。 54弟子のヤコブとヨハネとはそれを見て言った、「主よ、いかがでしょう。彼らを焼き払ってしまうように、天から火をよび求めましょうか」。」

(ルカによる福音書9章53、54節)

イエスもよく彼らを扱えたなと思いますが、怒りが罪に繋がりやすいというのはイメージしやすいのではないでしょうか。

 

イエスの12弟子については、【完全版】イエスの12使徒(弟子)って誰がいるの?超個性派集団!?をどうぞ

⑤強欲(ごうよく)

強欲は、自分の身の丈以上の大きな欲望を持つことです。

人間の欲望は尽きることがなく、それは時に身を滅ぼします。

 

聖書にはこうあります。

「人が誘惑に陥るのは、それぞれ、欲に引かれ、さそわれるからである。 15欲がはらんで罪を生み、罪が熟して死を生み出す。」

(ヤコブの手紙1章14、15節)

ここでは欲望は罪を生むと書いてあり、まさに七つの大罪の定義そのものですね。

 

初の人類であるアダムとエバはまさに、巨大な欲望に負けてしまった好例です。

「女がその木を見ると、それは食べるに良く、目には美しく、賢くなるには好ましいと思われたから、その実を取って食べ、また共にいた夫にも与えたので、彼も食べた。」

(創世記3章6節)

エバはヘビの姿をしたサタン(悪魔)から、

ヘビ
ヘビ
これを食べれば神様のようになれるよ!

と誘惑され、欲望を強く刺激されました。

 

その結果、神様から禁じられていた果実に手を出し、エデンの園から追い出されてしまったのです。

神様のようになろうとするなど、まさに自分の身の丈を大きく上回る欲望の極み。

 

そう考えると、人類の罪は強欲から始まったと言っても過言ではありませんね

詳しくは、【聖書物語】人間の始まり!?”アダムとエバ(イヴ)”の内容を解説をどうぞ

⑥色欲(しきよく)

色欲は、他人に対して良くない性的な欲望を持つことです。

浮気や不倫なんかがまさに代表的なものですよね。

 

テレビを見ていると、芸能人が不倫したみたいなニュースが連日報道されています。

それくらい色欲というのは世の中にはびこっていて、私たちにとって身近なものなんです。

世の中の性が乱れている。。

 

聖書のモーセの十戒には、こう記されています。

「あなたは姦淫してはならない。」

(出エジプト記20章14節)

姦淫(かんいん)とはつまり不倫のこと。

こんなに大昔から、聖書は私たちに色欲の危なさを知らせてくれていたのです。

 

イスラエルの英雄として名高いダビデ王は、様々な偉業を成し遂げましたが、その生涯で大きな失敗を犯しました。

それが“バト・シェバ事件”です。

「そこでダビデは使者をつかわして、その女を連れてきた。女は彼の所にきて、彼はその女と寝た。(女は身の汚れを清めていたのである。)こうして女はその家に帰った。 5女は妊娠したので、人をつかわしてダビデに告げて言った、「わたしは子をはらみました」。」

(サムエル記下11章4、5節)

ある日、ダビデは水浴びをしていたバトシェバに恋をしてしまいます。

しかし、バトシェバには既にウリヤという兵士の夫がいました。

 

ところが、ダビデの色欲は既に燃え上がってしまっていました。

何とダビデはバトシェバと性的関係を持っただけでなく、夫のウリアを戦場に送り出し殺してしまったのです。

やらかしたな。。!

 

これはダビデの生涯における最大の失敗でした。

あんな偉大な人物でさえ、色欲には勝てなかったんですね。

 

色欲は人を狂わせ、罪を犯させる魔力を持っているのです!

ダビデについては、【聖書人物】ダビデ王とは?巨人を倒したイスラエルの英雄!?をどうぞ

⑦暴食(ぼうしょく)

暴食は、必要以上に食べ物を食いちらかすことです。

これは正直、七つの大罪の中でも最も罪につながるとは考えにくいものではないでしょうか。

 

だって、

うわー、お腹がはち切れるまでご飯食べちゃったよ。。神様ごめんなさい。。!

って普通はならないですよね?

 

まあ、太ってしまうことへの罪悪感はあるかもしれませんが。。

しかし、聖書にはこう書かれています。

酒にふけり、肉をたしなむ者と交わってはならない。 21酒にふける者と、肉をたしなむ者とは貧しくなり、眠りをむさぼる者は、ぼろを身にまとうようになる。

(箴言23章20-21節)

なんと暴食をする者は貧しくなるから関係を持つな、とまで書かれているのです。

暴食がなぜいけないのかというと、自分を制御できなくなるからでしょう。

 

確かに、食の乱れとメンタルの乱れには少なからず関係がありそうですよね。

預言者のダニエルは、自分が仕える王様から毎日お肉とお酒を与えられていましたが、それを拒否しました。

「ダニエルは王の食物と、王の飲む酒とをもって、自分を汚すまいと、心に思い定めたので、自分を汚させることのないように、宦官の長に求めた。」

(ダニエル書1章8節)

なぜなら、それらが神の前に正しい食べ物ではなく、体が汚れてしまうと考えたからです。

立派な信仰ね〜!

 

そして、なんと野菜と水だけで誰よりも健康的に過ごすことができました。

これはまさに、自分を制御し食の欲望を遠ざけている素晴らしい例ですよね!

 

暴食に負けて自分を制御できなくなれば、欲望に呑み込まれていき罪を犯すことにも繫がってしまいます。

自制心を持って、マナーよく食事をしていきたいですね!

 

ダニエルについては、“ダニエル”ってどんな人?聖書1のパーフェクトヒューマン!?【3分で分かる】をどうぞ

それぞれの罪は悪魔の性質を表している!?

悪魔崇拝や黒魔術の世界では、七つの大罪それぞれに対応する悪魔がいると考えられています。

つまりは、それぞれの罪が悪魔の性質を表しているわけです。

 

具体的には、

◎七つの大罪と悪魔の対応表

  • 傲慢(ごうまん) ➡︎ルシファー
  • 嫉妬(しっと)  ➡︎レヴィアタン
  • 憤怒(ふんぬ)  ➡︎サタン
  • 怠惰(たいだ)  ➡︎ベルフェゴール
  • 強欲(ごうよく) ➡︎マモン
  • 暴食(ぼうしょく)➡︎ベルゼバブ
  • 色欲(しきよく) ➡︎アスモデウス

です。

こちらも深掘りしていきましょう。

傲慢の悪魔”ルシファー”

ルシファーは元々、天使たちを束ねる立派な大天使長だったという伝承があります。

その姿は天使の中でもとりわけ美しく、まさにトップクラスの存在だったのです。

 

しかし、ある時、ルシファーは神に対して突然反逆を起こしてしまいます。

「12黎明の子、明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった。もろもろの国を倒した者よ、あなたは切られて地に倒れてしまった。 13あなたはさきに心のうちに言った、『わたしは天にのぼり、わたしの王座を高く神の星の上におき、北の果なる集会の山に座し、 14雲のいただきにのぼり、いと高き者のようになろう』。 15しかしあなたは陰府に落され、穴の奥底に入れられる。」

(イザヤ書14章12~15節)

これこそが、ルシファーが犯した傲慢の罪でした。

なんてことを。。

 

地位が高く姿も美しいがゆえの、高ぶりだったのでしょうか。

ルシファーが反逆した理由は、

  • 自分が神になろうとした
  • 神の人間への愛に嫉妬した

などいくつかの説があります。

 

しかし、結果的にルシファーは天の軍に敗れ、天から放り出されてしまうのです。

「この巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、地に投げ落され、その使たちも、もろともに投げ落された。」

(ヨハネの黙示録12章9節)

こうして、ルシファーは傲慢な悪魔となってしまいました。

嫉妬(しっと)の悪魔”レヴィアタン”

レヴィアタンは旧約聖書に登場する海の怪物であり、別名“リヴァイアサン”です。

神による天地創造の5日目に造られたと言われており、”最強の生物”とも称されます。

「神は海の大いなる獣と、水に群がるすべての動く生き物とを、種類にしたがって創造し、また翼のあるすべての鳥を、種類にしたがって創造された。」

(創世記1章21節)

キートン
キートン
小説やゲームなどでもおなじみですね!

ただし、悪魔と見なされるようになったのは中世以降で、大嘘つきで人(特に女性)に取り付くとされます。

 

では、なぜ嫉妬と結び付けられているかというと、

レヴィアタンがしばしば嫉妬のシンボルである”蛇”として描かれていたからです。

 

ただし、その姿は統一されておらず、魚やワニなどで描かれる場合もあります。

憤怒(ふんぬ)の悪魔”サタン”

サタンはキリスト教界の超有名人であり、代表的な悪の存在です。

元は上記の天使ルシファーでしたが、天から放り出された後は悪に染まり、地獄の長になったと言われています。

 

悪霊たちを従える、悪の親玉ですね。

ただ、なぜサタンが憤怒の悪魔とされているのかは不明です。

 

天から放り出されて激怒したからですかね?(完全な逆ギレ)

サタンについては、【悪魔】”サタン”って何者?キリスト教における悪の大ボス!?で詳しく書いています。

怠惰(たいだ)の悪魔”ベルフェゴール”

(画像はイメージです)

ベルフェゴールは、人間の結婚生活をのぞき見ると言われる悪魔。

本人が怠け者の性格なため、怠惰の悪魔とされています。

何だか親近感がわくにゃ〜。

 

前身は、モアブ人が崇拝する神“バアル・ペオル”なんだとか。

旧約聖書の”民数記”には、イスラエルの民がこのバアルを崇拝したことで神の怒りを買ったことが記されています。

「イスラエルはシッテムにとどまっていたが、民はモアブの娘たちと、みだらな事をし始めた。 2その娘たちが神々に犠牲をささげる時に民を招くと、民は一緒にそれを食べ、娘たちの神々を拝んだ。 3イスラエルはこうしてペオルのバアルにつきしたがったので、主はイスラエルにむかって怒りを発せられた。」

(民数記25章1~3節)

結果的に、それによって24000人以上の人々が疫病によって命を奪われました。

この災害は、“ペオルの事件”と呼ばれます。

強欲(ごうよく)の悪魔”マモン”

マモンは元々新約聖書で“富”を意味する言葉でしたが、中世以降擬人化されていきました。

ではなぜ擬人化されて悪魔扱いになったのかというと、イエス・キリストが語られた以下の箇所が根拠となっています。

「あなたがたは、神と富とに兼ね仕えることはできない。」

‭‭(マタイによる福音書‬ ‭6:24‬)

ここから、富、つまりマモンは悪魔の名前だと言われるようになっていったのです。

 

ちなみに、マモンは人間の体と鳥の双頭を持った黒い姿で描かれることが多いですね。

また、金銀財宝が大好きな悪魔であり、人間にも富への欲望を抱かせるのが特徴です。

キートン
キートン
お金の誘惑ってすごいですからね。。!

暴食(ぼうしょく)の悪魔”ベルゼバブ”

ベルゼバブは別名“蝿の王”とも呼ばれる悪魔で、巨大な蝿の姿で描かれることが多いです。

前身はペリシテ人たちが信仰していた神”バアル・ゼブル”であると言われています。

 

悪魔の中でも、かなり有名ですよね。

よく聞く名前だにゃ~。

 

旧約聖書の列王記では“バアル・ゼブブ”として、新約聖書のマタイやマルコでは“ベルゼブル”として名前が出てきます。

しかし、パリサイ人たちは、これを聞いて言った、「この人が悪霊を追い出しているのは、まったく悪霊のかしらベルゼブルによるのだ」。

(マタイによる福音書12章24節)

暴食の悪魔となっているのは、蝿がゴミや死体に群がり暴食をつかさどる生物とされているから。

 

争いをもたらしたり、暴君を滅ぼしたりすることで人間を堕落させるのが得意技です。

色欲の悪魔”アスモデウス”

アスモデウスは、旧約聖書の外典“トビト記”に登場する悪魔です

その記述によると、アスモデウスはサラという美少女に取り憑き、彼女の結婚相手をベッドの上で絞め殺してしまったそうな。

 

その犯行を何度も繰り返したことから、色欲の悪魔とされていったのです。

アスモデウスは、このように新婚夫婦の初夜をめちゃくちゃにするのを得意としています。

最低だ。。!

 

ちなみに、アスモデウスは、

  • 牛と人と羊の3つの頭
  • ガチョウの足
  • 毒蛇の尻尾

を持ったとんでもない姿で描かれます(上の画像参照)が、これにも理由があります。

これらは全て、旧約聖書に書かれている“性的にみだらな動物”とされている動物たちなのです。

「鳥のうち、次のものは、あなたがたに忌むべきものとして、食べてはならない。それらは忌むべきものである。すなわち、はげわし、ひげはげわし、みさご、 14とび、はやぶさの類、 15もろもろのからすの類、 16だちょう、よたか、かもめ、たかの類、 17ふくろう、う、みみずく、 18むらさきばん、ペリカン、はげたか、 19こうのとり、さぎの類、やつがしら、こうもり。 20また羽があって四つの足で歩くすべての這うものは、あなたがたに忌むべきものである。」

(レビ記11章13~20節)

まあ、現在のキリスト教でこれらの食べ物は禁じられていませんが。。

 

アスモデウスが色欲であることを表現したかったのでしょうね!

新しい七つの大罪がある!?

実は、2008年に全く新しい”七つの大罪”がローマ教皇庁によって発表されました。

それが、以下の通りです。

◎新・七つの大罪

  1. 遺伝子改造
  2. 人体実験
  3. 環境汚染
  4. 社会的不公正
  5. 貧困
  6. 過度な裕福さ
  7. 麻薬中毒
中身が壮大になってるにゃ〜。

何というか、より具体的かつ現代的な内容ですよね。

 

ただ、旧・七つの大罪のほうが共感しやすく、身近な罪のような気がします。

人体実験とか麻薬とか、普通の人はやらないですしね!

 

新しくされた理由としては、

“以前の七つの大罪は個人主義的な面があるから、別の種類の罪を提示したかった”んだとか。

 

だから、中身がまったく違うんですね。

七つの大罪をモチーフにした作品

冒頭でもちらっと述べましたが、最後に七つの大罪をモチーフにした作品をいくつかご紹介しておきますね。

  • 七つの大罪
  • セブン

七つの大罪

2020年まで『週刊少年マガジン』に掲載されていたファンタジー系バトル漫画。

2020年現在までで、累計発行部数は3700万部を超える人気を誇っています。

 

タイトルからも分かる通り、もろに七つの大罪の影響を受けており、

もはや本来の七つの大罪の知名度を超えているのではないかというほど勢いがある作品ですね。

まさかの元祖超え。。!

 

本作で登場する七つの大罪というのは、主人公を含む伝説の騎士団のことで、

  1. 憤怒の罪➡メリオダス
  2. 嫉妬の罪➡ディアンヌ
  3. 強欲の罪➡バン
  4. 怠惰の罪➡キング
  5. 色欲の罪➡ゴウセル
  6. 暴食の罪➡マーリン
  7. 傲慢の罪➡エスカノール

という感じで、それぞれの罪になぞらえたメンバーで構成されています。

そして、彼らを中心にストーリーが展開していくんですね!

 

また、七つの大罪以外にも、主人公たちの宿敵グループの名前が“十戒”だったりと、本作にはキリスト教用語がちらほら出てきます。

まあ、本作の内容にキリスト教的要素はないですが。

 

ちなみに、僕も全巻読破しており、王道の少年漫画という感じで楽しめます!

セブン

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ワーナーホームビデオ

1995年に公開されたアメリカ映画。

4週連続で全米興行成績1位に輝くなど、人気も知名度も高い名作です。

 

本作は、連続猟奇殺人事件を描いたミステリー作品なのですが、その殺人が七つの大罪になぞらえて行われていきます。

例えば、

  • 第一の殺人(暴食)➡肥満体の男
  • 第二の殺人(強欲)➡弁護士の男
  • 第三の殺人(怠惰)➡廃人の男(一命をとりとめる)
  • 第四の殺人(色欲)➡娼婦
  • 第五の殺人  (高慢) ➡美人モデル

というように罪の内容に沿って、次々と人が殺されていくのです。

 

何だかこの内容を聞いただけでも面白そうですよね!

ちなみに、僕も随分前に本作を見ましたが、テーマもさることながら終盤にかけての展開も非常によくできています。

 

主人公も、ブラット・ピットとモーガン・フリーマンという豪華ペアであり、

普通に名作なのでお時間があればぜひご覧あれ!

キートン
キートン
ただし、バッドエンドです。。

まとめ:七つの大罪は身近に潜んでいる!

 

◎七つの大罪

  1. 嫉妬(しっと)
  2. 傲慢(ごうまん)
  3. 怠惰(たいだ)
  4. 憤怒(ふんぬ)
  5. 強欲(ごうよく)
  6. 色欲(しきよく)
  7. 暴食(ぼうしょく)

いかがでしたか?

七つの大罪、どれも心当たりがあるようなものばかりでしたね。

 

七つの大罪は案外私たちの身近に転がっています。

罪の底なし沼にはまらないように気を付けていきたいですね。

 

ところで、皆さんは、特にどの罪に1番心当たりがありますか?

僕は働くのが嫌いなので、

 

怠惰ですかね。(軽い引きこもり気味)

キートンでした。

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  2. ケンタ より:

    サイト主にお聞きしたいことがあります
    七つの大罪よりも一番重い罪だと私が考える「同族殺し」もしくは「殺し(自己の殺しを含む)」が無いのはなぜだと思われますか
    キリスト教をはじめとする一神教は自分の信じる神以外を悪と考え、異教徒として弾圧し殺しましたよね(十字軍など) 宗教を使った他国支配ですが、これを指摘する方はいないのでしょうか?

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