ジーザス、エブリワン!キートンです。
その歴史などについても知りたいなあ。。
こういった疑問にお答えします。
聖書には、到底覚えきれないくらい様々な地名が出てきます。
ベエルシェバ、ゲッセマネ、アンティオキア、ニネヴェ。。
いや、もうカタカナが苦手な人なら、気が狂うレベルですね!!把握できん!!
ただ、本当に重要な地名というのは決して多くはありません。
そんな数少ない重要な地の1つが、カナンです。
この土地がなぜそれほど重要なのかというと、神様がイスラエル人(ユダヤ人)に与えると約束された地だからですね。
そして、イスラエル人(ユダヤ人)はこのカナンの地を中心に、その歴史を築いていくのです。
そこでこの記事では、クリスチャンの僕が、
- カナンの地とは?
- 聖書から見るカナンの地の歴史
という内容で解説していきたいと思います!
目次
カナンの地とは?
カナンの地とは、神様がイスラエル人(ユダヤ人)に与えると約束された土地のことで、
- 約束の地
- 乳と蜜(みつ)の流れる地
とも呼ばれます。
現在で言うと、パレスチナ地方に当たりますね。
カナンという名称は、フェニキア人が自分たちを”ケナアニ (カナン) “と呼んでいたことに由来すると言われています。
ちなみに、この約束は、信仰の父アブラハムが最初に神様から受け取り、その約束は
というように子から子へと受け継がれていきました。
聖書から見るカナンの地の歴史
では、カナンの地はどのような歴史を経てきたのでしょうか?
聖書の記述を中心に見ていきましょう!
神からアブラハムへの約束
「時に主はアブラムに言われた、「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。 2わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。 3あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地のすべてのやからは、あなたによって祝福される」。 4アブラムは主が言われたようにいで立った。ロトも彼と共に行った。アブラムはハランを出たとき七十五歳であった。 5アブラムは妻サライと、弟の子ロトと、集めたすべての財産と、ハランで獲た人々とを携えてカナンに行こうとしていで立ち、カナンの地にきた。」
(創世記12章5節)
前述したように、最初に神様からカナンの地の約束を受け取ったのはアブラハムです。
あるときアブラハムは、神様にこのように語られました。
私はあなたを大いなる国民とし、祝福する。
この言葉を聞いたアブラハムは、妻サラと甥(おい)のロトを連れて、
メソポタミアのウルを離れてカナンの地を目指し始めたのです。
やがてアブラハムがカナンの地に着くと、神様は言われました。
私はそれらの地を全て永久にあなたとあなたの子孫に与える。
私はあなたの子孫を地のちりのように、数えきれないほど多くするだろう。
また、アブラハムが99歳になる頃にも、神様はアブラハムに言われました。
私はあなたとあなたの子孫とにこのカナンの全地を永遠に与える。
そして、私は彼らの神となるだろう。
これらの神様の言葉は実現し、後にアブラハムの子孫はどんどん増え広がっていくのです。
カナンの地の約束も子孫へと引き継がれ、アブラハムは“信仰の父”と呼ばれるようになっていきます。
詳しくは、【信仰の父】”アブラハム”とは?その生涯を分かりやすくご紹介!をどうぞ
ヤコブの夢
「そして主は彼のそばに立って言われた、「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが伏している地を、あなたと子孫とに与えよう。 14あなたの子孫は地のちりのように多くなって、西、東、北、南にひろがり、地の諸族はあなたと子孫とによって祝福をうけるであろう。 15わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう」。 16ヤコブは眠りからさめて言った、「まことに主がこの所におられるのに、わたしは知らなかった」。」
さて、神様からカナンの地を与えると約束されたアブラハムでしたが、同様の約束はアブラハムの孫であるヤコブにも与えられました。
これは、ヤコブが大ゲンカ中の兄エサウから逃れるために、叔父(おじ)のラバンの家に向かっている途中のこと。
(兄エサウとの大ゲンカについては、【聖書】”エサウとヤコブ”のお話とは?壮絶な兄弟ゲンカ開始!?を参照)
ヤコブはカナン地方のルズという場所で一夜を明かすことにしました。
すると、ヤコブは地上から天にまで達する長いはしごの上を神の使いたちが上り下りしているという不思議な夢を見ます。
そして、神様がヤコブの近くに立って言われました。
私はあなたが今いる地を、あなたと子孫とに与えよう。
あなたの子孫は地のちりのように多くなって増え広がり、世界中の国はあなたと子孫とによって祝福をうけるだろう。
あなたがどこへ行くときも私は共にいてあなたを守り、無事にこの地に連れ帰る。
アブラハムが与えられた約束とそっくりですね!
このように、アブラハムから始まった約束は子から子へとしっかりと受け継がれていったのです。
目が覚めたヤコブはその場所の名前をべテル、つまり”神の家”と名付けました。
詳しくは、【聖書物語】ヤコブの夢(梯子)のお話とは?どんなメッセージがある?をどうぞ
エジプトに売られたヨセフ
「このようにしてヨセフは父の家族と共にエジプトに住んだ。そしてヨセフは百十年生きながらえた。」
(創世記50章22節)
さて、ここまでアブラハムの息子イサク、孫のヤコブときて、彼らは神の約束の地であるカナンの地に住み続けました。
ところが、この流れが変わるのが、ヤコブの息子の1人であるヨセフのときです。
ヨセフには10人の兄がいましたが、その中でもヨセフは父ヤコブに特別に可愛がられていました。
しかし、そのせいでヨセフは兄たちに妬(ねた)まれ、エジプトに奴隷として売られてしまいます。(むごい)
それでもヨセフには神様が共におられたため、エジプトで大出世を果たし、王様に次ぐ宰相(さいしょう)の位にまで上り詰めました。
さて、その頃、ヤコブ一家がいるカナンの地では深刻な飢饉(ききん)の状態にありました。
飢饉(ききん)
➡農作物が実らず、食物が不足して人々が飢え苦しむこと。
そこで、エジプト王はヨセフに言いました。
つまり、エジプト王は飢饉の中にいるヤコブたちをエジプトで養おうとしたのです。
エジプトには、飢饉に備えてたくさんの食糧が蓄えてありましたからね。
こうして、父ヤコブは家族と共にヨセフのいるエジプトに移り住むことになりました。
詳しくは、【聖書】”ヨセフ物語”のあらすじとは?簡単にまとめてみたをどうぞ
モーセの出エジプト
「わたしは下って、彼らをエジプトびとの手から救い出し、これをかの地から導き上って、良い広い地、乳と蜜の流れる地、すなわちカナンびと、ヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとのおる所に至らせようとしている。 9いまイスラエルの人々の叫びがわたしに届いた。わたしはまたエジプトびとが彼らをしえたげる、そのしえたげを見た。 10さあ、わたしは、あなたをパロにつかわして、わたしの民、イスラエルの人々をエジプトから導き出させよう」。」
(出エジプト記3章8~10節)
こうしてエジプトに移り住んだヤコブたちでしたが、次第にヤコブの家族はその数を増やし、
エジプト内でおびただしい数になっていきました。
さて、このことに恐れを抱いたのがエジプト王のファラオです。
この頃のエジプト王はヨセフを知らず、ヤコブの家族のようなイスラエル人が増えて力を持つことを恐れました。
そのため、ファラオはイスラエル人に重労働を課し、奴隷化することにしました。
こうして、イスラエル人たちはおよそ400年もの間エジプトの奴隷となっていくのです。
しかし、イスラエル人たちはある人物によって、奴隷生活から助け出されていくことになります。
その人物とは、預言者のモーセです。
モーセはあるとき、神様に言われました。
私は、エジプトにいる私の民(イスラエル人)の苦しみの叫びを聞いた。
私は彼らをエジプト人の手から救い出し、乳と蜜の流れる地(カナンの地)へと導こう。
こうして出エジプトの使命を与えられたモーセは、兄のアロンと共にエジプト王のファラオを説得しようとします。
しかし、頑として意見を聞き入れないファラオに対して、
モーセは神の災いを下すことでファラオにイスラエル人解放を許可させることに成功するのです。
その後、心変わりをしたファラオたちが追ってきますが、モーセは海をパッカーンと割ってこの危機を乗り切ります。
そして、モーセ率いるイスラエル人たちはカナンの地を目指していくのです。
ところが、イスラエル人たちやモーセ自身が神様に対して罪を犯したため、彼らは40年間も荒野をさまよい、
モーセはカナンの地にたどり着く前に亡くなってしまいました。
詳しくは、
【聖書人物】”モーセ”とはどんな人?海を割った偉大な預言者!?
をどうぞ
ヨシュアのカナンの地占領
「主のしもべモーセが死んだ後、主はモーセの従者、ヌンの子ヨシュアに言われた、 2「わたしのしもべモーセは死んだ。それゆえ、今あなたと、このすべての民とは、共に立って、このヨルダンを渡り、わたしがイスラエルの人々に与える地に行きなさい。 3あなたがたが、足の裏で踏む所はみな、わたしがモーセに約束したように、あなたがたに与えるであろう。 4あなたがたの領域は、荒野からレバノンに及び、また大川ユフラテからヘテびとの全地にわたり、日の入る方の大海に達するであろう。」
(ヨシュア記1章1~4節)
さて、モーセの後を継いで新しい指導者になったのが、ヨシュアです。
ヨシュアは、モーセと同様に神様からカナンの地を与えることを約束されます。
そこでヨシュアはヨルダン川を渡ってカナンの地に入ると、戦いに勝ちまくり、各地を次々と占領していきました。
こうして、アブラハムのときの約束はようやく成就し、イスラエル人にカナンの地が与えられたのです。
その後、ヨシュアはくじ引きによって、カナンの地をイスラエルの12部族(レビ族を除く)に分配しました。
詳しくは、【聖書】ヨシュアってどんな人?イエスと同じ名前の天才指導者?をどうぞ
不信仰な士師の時代
「しかるにイスラエルの人々はカナンびと、ヘテびと、アモリびと、ペリジびと、ヒビびと、エブスびとのうちに住んで、 6彼らの娘を妻にめとり、また自分たちの娘を彼らのむすこに与えて、彼らの神々に仕えた。 7こうしてイスラエルの人々は主の前に悪を行い、自分たちの神、主を忘れて、バアルおよびアシラに仕えた。」
(士師記3章5~7節)
さて、ヨシュアによってついにカナンの地を得たイスラエル人たちですが、まだ完全にカナンを占領したわけではありませんでした。
なぜなら、王たちは倒しても、カナン各地の住民たちは残っていたからです。
ですから、ヨシュアの死後も、イスラエル人たちはカナンの地のために戦い続ける必要がありました。
ところが、ヨシュアという偉大な指導者を失ったイスラエルは、
- 神の命令に背いて、滅ぼすべき他の住民と共存しようとする
- 住民たちの神を拝み、偶像礼拝をする
といった神の目に悪とされる不信仰な行動をし始めたのです。
その結果、神の怒りによってイスラエルは他民族から襲われる羽目になります。
そんな中で彼らを救うために現れたのが、士師と呼ばれる指導者たちでした。
士師によって他民族を撃退して一時的に平和が訪れますが、その後、イスラエル人たちは再び不信仰に陥ります。
つまり、士師の時代は、
- イスラエル人が、偶像礼拝をし不信仰になる。
- 神様がそれを正すために、外敵民族を送られる。
- イスラエル人が神様に助けを求める。
- 神様が助けに応え、イスラエルを救うために士師を送られる。
- 敵対民族を倒して平和が訪れ、イスラエルの人々は心を改め神様をたたえる。
- 士師が死ぬと、再び偶像礼拝を始め不信仰になる。
という流れの繰り返しなのです。
いや、懲りなさすぎぃ!!
詳しくは、【聖書】士師とはどんな人?その意味や主な人物まで分かりやすく解説をどうぞ
古代イスラエル王国の誕生と分裂
「そしてダビデは主が自分を堅く立ててイスラエルの王とされたこと、主がその民イスラエルのためにその王国を興されたことを悟った。 13ダビデはヘブロンからきて後、さらにエルサレムで妻とそばめを入れたので、むすこと娘がまたダビデに生れた。」
(サムエル記下5章12、13節)
偉大な指導者がおらず不安定な時代を通ってきたイスラエル人たちですが、やがて王制が導入されます。
これはイスラエル人たちが人間の王様を求めたからです。
その結果、初代の王様としてサウルが任命され、古代イスラエル王国がカナンの地に建国されました。
その後も、
と有名な王様が続き、イスラエル王国は繫栄していきます。
ダビデ王のときにはカナン人が所有していた地域を征服し、その中の都市エルサレムが首都に定められます。
こうして、ダビデはカナン全体の統治を実現したのです。
そして、ソロモン王のときにイスラエル王国は全盛期を迎え、エルサレムに神殿が建てられました。
ところが、ソロモン王の死後、イスラエルは
- 北イスラエル王国
- 南ユダ王国
の2つに分裂。
その後、北イスラエル王国は前722年にアッシリアに、南ユダ王国は前586年に新バビロニアによってそれぞれ滅ぼされてしまいます。
その際に、南ユダ王国の人たちはバビロンに連行され、捕虜とされてしまいました。(バビロン捕囚)
ただ、前538年にユダヤ人はバビロン捕囚から解放され、カナンの地のエルサレムに戻ることができました。
バビロン捕囚については、【聖書】バビロン捕囚とは?わかりやすくその歴史をまとめてみたをどうぞ
ローマ帝国の支配と抵抗
しかし、カナンの地の状況は安定しません。
前63年になると、ローマの将軍ポンペイウスに征服され、カナンの地はローマ帝国の支配を受けるようになります。
そして、紀元6年からは、カナンの地(パレスチナ)はローマ帝国の属州(古代ローマの本国以外の植民地)となりました。
しかし、ユダヤ人たちのローマに対する不満は日に日に増していき、ついにローマに対して反乱を起こします。
これを”ユダヤ戦争”といい、2度に渡って起こりましたがどちらもローマによって鎮圧。
ユダヤ人は地中海各地に離散(ディアスポラ)していくことになってしまいました。
こうして、第2次ユダヤ戦争が終わる135年に、ユダヤ人の国家は完全に崩壊してしまったのです。
イスラエルの建国
様々な国に散り散りになってしまったユダヤ人たちは、ここから苦難の歴史を歩み始めます。
イエスキリストを処刑したのがユダヤ人ということもあり、あらゆる場所で激しい迫害を受けることになるからです。
(詳しくは、ユダヤ人が迫害・差別された理由は?5つご紹介します【歴史】を参照)
ところが、1948年にとんでもない出来事が起こりました。
それは、イスラエルの建国です。
なんとユダヤ人たちは流浪の民として生きながら、1800年以上も民族としてのアイデンティティを保ち続けたのです。
そして、これだけ途方もない期間が空いたにも関わらず、イスラエルという国は復活を遂げてしまいました。
これは歴史上類を見ない驚異的なことであり、まさに奇跡と言っていい出来事でしょう!
とはいえ、その後も他民族とのパレスチナ(カナンの地)を巡る争いは絶えず、現在も問題は解決していません。
まとめ:ユダヤ人にとってカナンの地は超重要な場所!
聖書をもとにカナンの地の歴史を見てきましたが、随分と長い歴史があったんですね!
そして、この歴史を知ると、現代も続く”パレスチナ問題”の理解にも繋がってきます。
まとめると、ユダヤ人にとってカナンの地(パレスチナ)とは、
ユダヤ人発祥の地であり神に与えられた永遠の希望の地なのです。
思い入れが半端ないんです!!だからこそ、争ってでも得たい場所なのです!!
パレスチナ問題に関しては今回は触れませんでしたが、興味ある方はぜひ調べてみてくださいね!
キートンでした。
☟参考文献
コメント失礼いたします。
拙いコメントで恐縮ですが、お書きします。
いつも真心を込めた聖書講座、心より感謝申し上げます。
本文でおっしゃったように、
到底覚えきれないくらい様々な地名が出てきます。
なんていうか、
旧約聖書は、時代が長くて複雑なので詳しく知らなければ
理解しにくいと思っております。
私はいつも聖書の歴史について難しく感じていましたが、
辻さんが聖書の歴史について、
重要な核心をおっしゃいました。!
それで、この本文を読んで、聖書の観点から見る、
カナンの地の歴史について
少しですが、理解するようになりました! (笑)
感謝です 。☆
あ, 私も今日この本文を見て, 創世記を読んでみました。
この聖書の御言葉が記憶に残ります。
[そして主しゅは彼かれのそばに立たって言いわれた、
「わたしはあなたの父ちちアブラハムの神かみ、イサクの神かみ、主しゅである。
あなたが伏ふしている地ちを、あなたと子孫しそんとに与あたえよう-創世記28:13-]
‘神様がヤコブに約束なさった土地は何の土地か。。’
を黙想しました。
その地はカナンの地のことでした!
ハレルヤ!!! \(^∀^)メ(^∀^)ノ
* 私はいつも聖書の歴史を知ることは
重要だと思っております。
* そして、聖書の歴史を知ってこそ、
通読が上手にできると思っております。
それであなたのブログが特別だと確信しております!
特に、
あなたのブログは、神様をまだ知らない人々や
神様をまだ信じない人々が聖書について理解できるように
助ける特別な★鍵★だと思っております!
それでは、これで失礼いたします!
お忙しいかと存じますが、ご自愛ください。
ボベさん、コメントありがとうございます!
本当に聖書には地名やら人名やらがやたらと多くて、把握するのが大変ですよね。。でも、少しでも僕の記事がボベさんのお役に立てたのなら嬉しく思います。
励ましの言葉もいただけて、心から感謝です。僕もまだまだ勉強中の身ですが、今後も共に聖書を楽しく学んでいきましょう!
もちろんです!!
私には光栄です。
一緒に、神様にデボーションしながら、
面白く、聖書のお勉強しましょう!
(∩^o^)⊃━☆゚.*・。
信仰の道を一人で歩むではなく、一緒に支えあい、
励ましあいながら信仰の道を歩んで行きましょう!
(๑•̀ㅂ•́)و✧
今日も、お疲れ様でした。