キリスト教用語集

【聖書】契約の箱とは?本物は現在どこにある?【失われたアーク】

ジーザス、エブリワン!キートンです。

旧約聖書には”契約の箱”という箱が出てくるけど、これってどんな箱?

今でもどこかに存在しているの??

こういった疑問にお答えします。

お弁当箱、筆箱、玉手箱、パンドラの箱。

 

世の中には様々な箱が存在しますが、「史上最も神聖な箱は?」と聞かれたら答えは1つです。

それは、旧約聖書に登場する契約の箱ですね。

 

契約の箱は、映画”インディ・ジョーンズ”シリーズ の傑作『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』でもモチーフにされており、

その存在を知っている方は少なくないでしょう。

本作では、主人公インディが失われたアーク=契約の箱を探すのですが、実際、契約の箱は現在どこにあるのでしょうか?

また、そもそも契約の箱とはどのような箱なのでしょうか??

 

そこでこの記事では、クリスチャンの僕が、

  • 契約の箱とは?
  • 契約の箱の本物は現在どこにある?【不明です】
  • 聖書から見る契約の箱の歴史

について分かりやすく解説します!

キートン
キートン
この記事を読めば、契約の箱の正体や場所についてざっくり分かりますよ!

 

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契約の箱とは?

契約の箱とは?

契約の箱とは、旧約聖書に登場するモーセの十戒が刻まれた石板が入った木製の箱のことです。

契約の箱と呼ばれるのは、十戒が神とイスラエル人の間で結ばれた契約にもとづく掟(おきて)だからですね。

  • 証の箱(あかしのはこ)
  • 掟の箱(おきてのはこ)
  • 聖櫃(せいひつ)
  • 約櫃(やくひつ)

などとも呼ばれます。

 

契約の箱は神の存在の象徴であり、預言者モーセの時代に、

イスラエル人が荒野で旅をしていたときに神の指示によって作られました。

 

その役割は重要で、歴史の様々な出来事を通してイスラエル人たちを導き、力と勇気を与えてきたのです。

キートン
キートン
特にジェリコの壁のエピソードが有名ですね!(後述)

また、神との交流の場としても重要であり、契約の箱は神聖なものとして大切に保管されました。

 

旧約聖書の“出エジプト記”によると、その大きさは、

  • 縦2.5アンマ(112.5cm)
  • 横1.5アンマ(67.5cm)
  • 高さ1.5アンマ(67.5cm)

であり、アカシアという木で作られていますね。

彼らはアカシヤ材で箱を造らなければならない。長さは二キュビト半、幅は一キュビト半、高さは一キュビト半。

(出エジプト記25章10節)

外側と内側は純金で覆われており、箱の4隅の脚には担ぎ棒を通す金の環が付いています。

そのため、契約の箱は担いで移動できるようになっていました。

 

また、契約の箱のふたには、翼を広げて向かい合う2体の天使ケルビムが彫(ほ)られていますね。

モーセの時代には、契約の箱には

  • マナが入った金の壺
  • アロンの杖
  • 十戒が刻まれた石板

が入っていましたが、ソロモン王の時代には、十戒が刻まれた石板のみになったとされてます。

契約の箱の本物は現在どこにある?【不明です】

契約の箱の本物は現在どこにある?【不明です】

聖書にはっきりとその存在が書かれている契約の箱ですが、現在はどこにあるのでしょうか?

結論から言うと、現在契約の箱がどこにあるかは不明です。

 

なぜなら、聖書には『歴代志下』の以下の記述を最後に、契約の箱の行方に関することが書かれていないからですね。

「また主の聖なる者となってすべてのイスラエルびとを教えるレビびとに言った、「あなたがたはイスラエルの王ダビデの子ソロモンの建てた宮に、聖なる箱を置きなさい。再びこれを肩にになうに及ばない。あなたがたの神、主およびその民イスラエルに仕えなさい。」

(歴代志下35章3節)

歴史における様々な混乱の中で、紛失しまったのだと思われます。

キートン
キートン
ここから契約の箱は、”失われた聖櫃”なんて呼ばれることも。。!

 

そのため、現在でも契約の箱がどこにあるのかについて様々な議論があり、明確な証拠や情報はありません。

例えば、契約の箱の場所については以下のような説がありますね。

  • 預言者エレミヤがネボ山に隠した
  • ヴァチカンの地下に隠されている
  • エチオピアに持ち去られた

ただ、これらも推測に過ぎないので、契約の箱がどこにあるのか、本物の箱が現存しているのかについては謎のままです。

聖書から見る契約の箱の歴史

それでは聖書の記述を参考に、時系列順に契約の箱の歴史を振り返っていきましょう!

  • 契約の箱の完成
  • 契約の箱による神の奇跡
  • ペリシテ人に契約の箱が奪われる
  • ダビデ王によってエルサレムへ
  • ソロモンの神殿に置かれる
キートン
キートン
もしかしたら、契約の箱の場所に関するヒントが隠れているかも。。!

契約の箱の完成

契約の箱の完成

あなたは贖罪所を箱の上に置き、箱の中にはわたしが授けるあかしの板を納めなければならない。 22その所でわたしはあなたに会い、贖罪所の上から、あかしの箱の上にある二つのケルビムの間から、イスラエルの人々のために、わたしが命じようとするもろもろの事を、あなたに語るであろう。」

(出エジプト記25章21、22節)

出エジプト後、モーセは神からアカシヤ材で箱を作るように命じられました。

その際に神はモーセに、

  • 具体的なサイズ
  • 内側にも外側にも純金を張り、周囲に金の縁飾りをつけること
  • 金の環を4つ作り、箱の下の4隅につけること
  • 十戒を記した石板を箱に納めること

などを細かく指示されたのです。

 

こうして、神の指示に従って契約の箱は完成していきました。

契約の箱には、モーセがシナイ山で神から授かった十戒の石版が入れられ、聖所(テント)の最も内側の場所である至聖所に置かれました。

至聖所:聖所の中でも最も神聖な場所であり、神の存在が特に感じられる場所のこと。

一般の人々は入ることができず、年に1度大祭司のみが入ることが許されました。

また、イスラエル人たちが神の命令で旅立つときは、契約の箱は常に彼らの先頭にありました。

契約の箱による神の奇跡

契約の箱による神の奇跡

「ちょうど刈り入れの季節を迎えたヨルダン川は、岸いっぱいに水をたたえていました。イスラエルの民が川を渡ろうと出発し、箱をかつぐ祭司たちが足を入れた時、 16突然、はるか川上のツァレタン付近の町アダムで水はせき止められ、盛り上がり始めたのです。また、その地点より川下の水は塩の海(死海)に流れ込み、ついに川床がむき出しになりました。こうして人々はみな、エリコの町に向かって渡ったのです。」

(ヨシュア記3章15、16節)

モーセの死後、ヨシュアがイスラエル人の新しい指導者となりますが、この頃に契約の箱を通して様々な奇跡が起こっています。

例えば、以下のような奇跡です。

  • 契約の箱を担いだ祭司たちが先頭に立ってヨルダン川を渡ると、川の水が分かれた。
  • 祭司に契約の箱を担がせて角笛を吹いて歩かせると、7日目にはジェリコの壁が崩れた。

こうして、契約の箱などを通して神の力を受けたヨシュアたちは、カナンの地を次々と征服することができました。

(✅ジェリコの壁のエピソードは、【聖書】ジェリコ(エリコ)の壁の意味とは?ストーリーもご紹介!をどうぞ)

 

ヨシュアはカナンの地をほぼ占領した後、契約の箱をシロという場所に置いています。

キートン
キートン
契約の箱は、士師サムエルの時代までシロに置かれることになりますね!

ペリシテ人に契約の箱が奪われる

ペリシテ人に契約の箱が奪われる

ペリシテびとは神の箱をぶんどって、エベネゼルからアシドドに運んできた。 2そしてペリシテびとはその神の箱を取ってダゴンの宮に運びこみ、ダゴンのかたわらに置いた。」

(サムエル記上5章1、2節)

ところが、士師サムエルの時代、イスラエル人は宿敵であるペリシテ人との戦いの際に契約の箱を奪われてしまいます。

とんでもない大失態!という感じですが、契約の箱を奪ったペリシテ人には町の住民に疫病が広がるといった災いが降り注ぐように。

 

これはたまらんとなったペリシテ人は、最終的にイスラエル人に契約の箱を丁重に送り返しました。

その後、契約の箱はダビデによってエルサレムに移されるまで、キルヤト・エアリムという場所に置かれることになります。

ダビデ王によってエルサレムへ

ダビデ王によってエルサレムへ

アビナダブの子たち、ウザとアヒオとが神の箱を載せた新しい車を指揮し、ウザは神の箱のかたわらに沿い、アヒオは箱の前に進んだ。

(サムエル記下6章4節)

イスラエル王国の初代王様サウルの死後、ダビデがイスラエルを統一し、2代目の王様となりました。

ダビデは都をエルサレムに定めましたが、その際にキルヤト・エアリムに向かい、契約の箱もエルサレムに移しました。

 

一方で、箱を運ぶ際に、揺れた契約の箱を押さえようとして手で触れた男が神に打たれて死んでしまうという悲劇も起こっています。

(✅ダビデについては、【聖書人物】ダビデ王とは?その生涯をわかりやすくまとめてみたをどうぞ)

ソロモンの神殿に置かれる

ソロモンの神殿に置かれる

祭司たちは主の契約の箱をその場所にかつぎ入れた。すなわち宮の本殿である至聖所のうちのケルビムの翼の下に置いた。

(列王記上8章6節)

ダビデの後、新しい王様となったのは賢者ソロモンであり、このときイスラエルは全盛期を迎えます。

ソロモンの功績の1つはエルサレム神殿と宮殿を建てたことですが、契約の箱はエルサレム神殿内の至聖所に置かれました。

 

ただ、契約の箱について聖書に書かれているのはここまでです。

ソロモンの死後、イスラエルは北のイスラエル王国と南のユダ王国に分裂。

 

その後、どちらの国も、

  • 北のイスラエル王国

前722年にアッシリア帝国に滅ぼされる

  • 南のユダ王国

➡前586年に新バビロニア王国に滅ぼされる(バビロン捕囚)

という感じで滅ぼされてしまいました。

南のユダ王国が滅ぼされた際にエルサレム神殿は破壊され、それ以降、契約の箱の行方は分からなくなってしまうのです。

(✅ソロモン王については、【聖書人物】ソロモン王とは?その生涯をわかりやすく解説してみたをどうぞ)

まとめ:契約の箱が現在どこにあるかは不明

契約の箱は神の存在の象徴であり、当時のイスラエル人にとって非常に神聖で大切なものでした。

それだけに現在どこにあるのか気になるところですが、結論、契約の箱が現在どこにあるのかは分かりません。

 

発見されたら、非常にビッグなニュースになるでしょうね。

結局のところあれですね、契約の箱の場所については、

神のみぞ知るということです。(締めかた雑か)

 

キートンでした。

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👇参考文献

ABOUT ME
キートン
月間15万PVを達成! 信仰生活28年のプロテスタントクリスチャンで、愛称は"キートン"(本名:辻 勇輝)。 キリスト教の面白さを伝えるために、分かりやす~く情報を発信中。 所属教会は”ひばりが丘バイブルチャーチ”です。 趣味は、曲作り、映画鑑賞、読書、筋トレ、散歩など。

POSTED COMMENT

  1. アダムの子 より:

     キートンさん、以前酷いことをあなたのブログに書いた者です。光のアダマスとかいうニックネームにしていたと思います。私はキリストを真実だとやっと認識して、私の主、救い主だと信じることになりました。お赦しください。

    • キートン より:

      アダムの子さん、コメントありがとうございます!

      僕自身過去に何を言われたのか鮮明には覚えていませんし、お気になさらないでください。それに僕としては、アダムの子さんがキリストと出会われたという喜びの方がはるかに大きいです。ぜひ今後もキリストと共に歩み、神の子として素晴らしい人生をお送りください。主の祝福がアダムの子さんの上に豊かに注がれますように。。!

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