ジーザス、エブリワン!キートンです。
キリスト教みたいにクリスマスはないだろうし。。それぞれ教えて!
こういった疑問にお答えします。
ユダヤ教には、様々なお祭りがあります。
例えば、
- ハヌカ(光の祭り)
- プリム(エステル記の祭り)
- ティシャ・ベアヴ(神殿崩壊日)
など。
しかし、ユダヤ教のお祭りの中でも、特に重要と言われている3つのお祭りがあります。
これらは全て、聖書にも記されているお祭りですね。
そこで今回は、クリスチャンの僕がユダヤ教の三大祭りについてご紹介していきたいと思います!
目次
ユダヤ教とは?
ユダヤ教は、唯一神ヤハウェを信じるユダヤ人の宗教です。
前13世紀頃に、預言者モーセがシナイ山で神と契約を結んだことで成立したと言われています。
「さて、モーセが神のもとに登ると、主は山から彼を呼んで言われた、「このように、ヤコブの家に言い、イスラエルの人々に告げなさい、 4『あなたがたは、わたしがエジプトびとにした事と、あなたがたを鷲の翼に載せてわたしの所にこさせたことを見た。 5それで、もしあなたがたが、まことにわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るならば、あなたがたはすべての民にまさって、わたしの宝となるであろう。」
(出エジプト記19章3~5節)
神から与えられた律法を守ることを重視するのが大きな特徴で、キリスト教にも大きな影響を与えていますね。
ちなみに、ユダヤ教の人たちはキリスト教とは違い、イエスのことを救い主だとは信じていないため、
新約聖書は認めず、旧約聖書しか認めていません。
【聖書】ユダヤ教の三大祭りとは?それぞれ詳しく解説します
ユダヤ教の三大祭りは、以下の通りです。
- 過越(すぎこ)しの祭り(ペサハ)
- 七週(しちしゅう)の祭り(シャブオット)
- 仮庵(かりいお)の祭り(スコット)
それぞれ詳しく見ていきましょう!
①過越(すぎこ)しの祭り(ペサハ)
過越(すぎこ)しの祭り(ペサハ)は、
預言者のモーセが奴隷状態にあったユダヤ人たちをエジプトから連れ出したことを記念するお祭りです。
いわゆる“出エジプト”のことで、春に8日間(イスラエルでは7日間)にかけてお祝いされます。
(出エジプト記については、【要約】”出エジプト記”とは?あらすじを簡単にまとめてみたを参照)
過越しの祭りは、ユダヤの祭りの中でも特に重要なもので、
ほぼ全てのユダヤ人がこのお祭りを厳守しているんだとか!
この期間中には、
- “出エジプト”に関連する書物を読む(ハガダー)
- 最初の夜にお祝いの食事を食べる(セーデル)
- マッツァー(種なしパン)などを食べる
- 4杯のぶどう酒を飲む
といったことが行われますね。
4杯のぶどう酒はお酒好きには最高ですが、お酒が弱い人には中々の拷問ですな。。!
過ぎ越し祭の食事、出エジプトで砂漠を放浪してた民族の辛苦を思い起こすものだから祭り料理が質素https://t.co/LGDvIpIOPd
パン種を含まないフラットブレッドのマッツァー(作るのに手間かからない気がするけど意外と品切れしてるらしい) pic.twitter.com/hM4lqwC0Ao— ゆきまさかずよし (@Kyukimasa) March 22, 2020
また、イスラエルでは、過越しの祭りの時期に、
- 官庁
- 学校
- 会社
などが1週間ほど休みになるそうですよ。
なぜなら、過越しの祭りの期間中は、いかなる仕事もしてはならないと定められているからです。
いや、どれだけ重視されとるねん!
日本もやってくれ!!(休みたいだけ)
では、過越しの祭りという名前はどこから来たのでしょうか。
それは、神様がエジプトに10の災いを下したことが関係しています。
その災いとは、以下の通りです。
- ナイル川の水が血に変わる
- カエルを放つ
- ブヨを放つ
- アブを放つ
- 家畜に疫病(えきびょう)を流行らせる
- 腫(は)れ物を生じさせる
- ヒョウを降らせる
- イナゴを放つ
- 暗闇でエジプトを覆(おお)う
- 初子(ういご)を皆殺しにする
ひいいい、どれも恐ろしい。。!
神様がなぜこんな災いを下されたのかというと、エジプト王ファラオにユダヤ人解放を認めさせるためです。
しかし、ファラオは頑固で、中々ユダヤ人たちを解放しようとはしません。
そして、最終的に神様が下されたのが、エジプト中の初子(長子)を皆殺しにするという災いでした。
ところが、神様の命令によって、子羊の血を戸口に塗ったユダヤ人の家だけは過ぎ越し、初子は死にませんでした。
「その血はあなたがたのおる家々で、あなたがたのために、しるしとなり、わたしはその血を見て、あなたがたの所を過ぎ越すであろう。わたしがエジプトの国を撃つ時、災が臨んで、あなたがたを滅ぼすことはないであろう。 14この日はあなたがたに記念となり、あなたがたは主の祭としてこれを守り、代々、永久の定めとしてこれを守らなければならない。」
(出エジプト記12章13、14節)
ここから、過越しの祭りという名前が付いたんですね。
この災いによって長子を失ったファラオは、ユダヤ人たちを解放することをついに許可するのです。
これが出エジプトですね。
ちなみに、イエスが弟子たちと共に食事をした最後の晩餐は、過越しの祭りの夜の食事”セーデル”でした。
「イエスは彼らに言われた、「わたしは苦しみを受ける前に、あなたがたとこの過越の食事をしようと、切に望んでいた。 16あなたがたに言って置くが、神の国で過越が成就する時までは、わたしは二度と、この過越の食事をすることはない」。」
(ルカによる福音書22章15、16節)
そして、この食事が元になって、聖餐式が行われるようになるのです。
最後の晩餐については、【徹底解説】”最後の晩餐(ばんさん)”の意味とは?ただのディナーじゃない!?【3分で分かる】をどうぞ
②七週の祭り(シャブオット)
Happy Shavuot&Pentecost week! 初穂の祭り、七週の祭り、ペンテコステ週おめでとう。 pic.twitter.com/zq95DgdnJl
— Yuko Ozawa (@08065070869) May 27, 2015
七週の祭りは、シナイ山で預言者モーセが神から十戒を受け取ったことを記念するお祭りです。
小麦の初収穫を刈り入れることから”刈り入れの祭り”とも言われ、現在では、
自然の恵みに感謝をする収穫祭という意味合いが強いですね。
「あなたは七週の祭、すなわち小麦刈りの初穂の祭を行わなければならない。また年の終りに取り入れの祭を行わなければならない。」
(出エジプト記34章22節)
新約聖書では“ペンテコステ”という名前で出てきます。
ペンテコステは、イエスの弟子たちの上に聖霊が降り、教会が誕生した大切な日ですが、
この日が七週の祭りのときだったのです。
「五旬節の日がきて、みんなの者が一緒に集まっていると、 2突然、激しい風が吹いてきたような音が天から起ってきて、一同がすわっていた家いっぱいに響きわたった。 3また、舌のようなものが、炎のように分れて現れ、ひとりびとりの上にとどまった。 4すると、一同は聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、いろいろの他国の言葉で語り出した。」
(使徒行伝2章1~4節)
ペンテコステは、キリスト教の三大祭りにも含まれているので、ユダヤ教とキリスト教どちらにおいても大切なお祭りと言えますね!
では、なぜ七週の祭りというかというと、
“※初穂の祭り”から数えて7週間後(50日目)に行われるからです。
※初穂の祭り
➡過越の祭り後、一番近い安息日の翌日に祝われるユダヤの祭りのこと。
ペンテコステ(50日目の意味)という呼び名も、ここから来ています。
七週の祭りの日には、労働が禁止され、
- シナゴーグ(礼拝堂)で、旧約聖書の“ルツ記”の巻き物を朗読する
- “タナハ”と呼ばれるユダヤ教の聖書を学ぶ
- 肉を使わず、乳製品の食事をとる
といったことが行われます。
ちなみに、ルツ記を読むのは、
ルツ記の物語がちょうど大麦と小麦の収穫の時期である七週の祭りの時期だったからですね。
「ナオミは嫁ルツに言った、「娘よ、その人のところで働く女たちと一緒に出かけるのはけっこうです。そうすればほかの畑で人にいじめられるのを免れるでしょう」。 23それで彼女はボアズのところで働く女たちのそばについていて穂を拾い、大麦刈と小麦刈の終るまでそうした。こうして彼女はしゅうとめと一緒に暮した。」
(ルツ記22章23節)
ルツ記がまた涙ちょちょぎれるすんばらしいお話なんで、
詳しくは【聖書物語】”ルツ記”のあらすじって?嫁と姑の感動物語!?をどうぞ
③仮庵(かりいお)の祭り(スコット)
ユダヤ教三大祭の一つ、スコット(仮庵の祭り)がはじまりました!紀元前13世紀のヘブライ人のエジプト脱出の際、砂漠の暑さから逃れるため仮設小屋(=仮庵)を建てて住んだことが由来。砂漠で過ごした40年間を記憶するために、人々は今でも仮庵を建てて、その中で食事をしたり、時には眠ったりします。 pic.twitter.com/yLkvKAexPT
— イスラエル大使館 Israel in Japan (@IsraelinJapan) September 24, 2018
仮庵の祭りは、
ユダヤ人たちがエジプトを脱出した後に、40年間荒野でテント暮らしをしたことをお祝いするお祭りです。
聖書にも、このように書かれています。
「あなたがたは七日の間、仮庵に住み、イスラエルで生れた者はみな仮庵に住まなければならない。 43これはわたしがイスラエルの人々をエジプトの国から導き出したとき、彼らを仮庵に住まわせた事を、あなたがたの代々の子孫に知らせるためである。わたしはあなたがたの神、主である』」。」
(レビ記23章42、43節)
そのため、この日には、仮設の家(仮庵)を建てて住むことになっており、その材料は、
- 美しい木の実
- なつめやしの葉
- 茂り合った木の大枝
- 川縁の柳
となっています。
「初めの日に、美しい木の実と、なつめやしの枝と、茂った木の枝と、谷のはこやなぎの枝を取って、七日の間あなたがたの神、主の前に楽しまなければならない。」
(レビ記23章40節)
ただ、現在では、
- 美しい木の実 ➡シトロン
- なつめやしの葉 ➡ルラブ
- 茂り合った木の大枝➡ミルトス
- 川縁の柳 ➡アラバア
といった植物が代わりの材料として使われているようですね。
仮庵の祭り自体は、7日間に渡って行われますが、
8日目には“シムハット・トーラー(律法歓喜祭)”という最も盛り上がるお祭りがあります。
このお祭りは、トーラー (旧約聖書の最初の5書)を1年かけて読み終えたことをお祝いする日です。
このお祭りの盛り上がりはすごく、トーラーの巻物をかついだりして、とにかく喜びに溢れて歌って踊りまくります!
☟こんな感じ
めちゃ楽しそうですね!
いやー、参加してみたい!
まとめ:ユダヤ教にはたくさんのお祭りがある!
◎ユダヤ教の三大祭り
- 過越(すぎこ)しの祭り(ペサハ)
- 七週(しちしゅう)の祭り(シャブオット)
- 仮庵(かりいお)の祭り(スコット)
以上、ユダヤ教の三大祭りをご紹介しました。
ただ、最初にも言いましたが、ユダヤ教のお祭りは他にもまだまだあります。
気になる方は、ぜひ調べてみてくださいね!
あー、なんだか無性にお祭りをしたくなってきましたよ!!
キートンでした。
はじめまして!
タナハはトラー(モーセ五書)、ネビイーム(預言書)、ケトゥビーム(諸書)のことで旧約聖書と全く同じだという認識ですが、違うのでしょうか?
キムラさん、コメントありがとうございます!
そうですね、基本的には同じですが、厳密に言えば各書の配列順序や区分の仕方が違います。例えば、キムラさんがおっしゃる通りタナハでは「律法」「預言者」「諸書」に区分されますが、旧約聖書では「律法」「歴史書」「詩歌書」「預言書」で分けられていて書物の順番も異なっています。そもそも、キリスト教の旧約聖書は、ヘブライ語で書かれたユダヤ教の聖典をギリシア語に翻訳した「七十人訳聖書」が元になっていて、微妙に内容も違うのです。
お忙しい中、分かりやすい丁寧な回答ありがとうございました。