ジーザス、エブリワン!キートンです。
日本ではキリスト教が広まらない理由があるの??
こういった疑問にお答えします。
あなたは、日本にはキリスト教徒が少ないという話を聞いたことはないでしょうか?
実際、日本人の99%はキリスト教を信じていません。
でも、これって何だか不思議だと思いませんか?
何しろ、
など、日本にキリスト教の”文化”はかなりなじんでいるのですから。
しかも、世界的に見たら、キリスト教は世界最大の宗教であり、約24.5億人(全人口の約32.9%)がクリスチャンです。
では、なぜこれほど日本にはキリスト教が広まらないのでしょうか?
実は、日本にキリスト教が広まらない理由は、様々な要因が絡み合っているのですが、これを知らない方も多いです。
そこでこの記事では、クリスチャンの僕が、
- キリスト教が日本に広まらない5つの理由とは
- 日本のキリスト教人口と割合
- 日本のキリスト教の歴史
について分かりやすく解説します。
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目次
日本にキリスト教が広まらない5つの理由とは?【クリスチャンが考察】
様々な意見があるとは思いますが、キリスト教が日本に広まらない理由について5つ挙げてみたいと思います。
- “多神教”が根付いているから
- 日本人にピンとこない教えや概念が多いから
- 植民地化された経験がないから
- 新興宗教のネガティブイメージがあるから
- 熱心なクリスチャンが少ないから
参考にしてみてください!
①”多神教”が根付いているから
一つ目の理由は、日本には多神教が根付いているからです。
日本は伝統的に多神教の国であり、主に神道や仏教などが広く信仰されています。
特に、神道では”山の神”、”火の神”など自然界のあらゆるものに神が宿るという考えがあり、
“八百万(やおよろず)の神”という表現もあるくらいですから、いかに多くの神が信じられているかが分かりますね。
例えば、日本で信じられている神には、以下のようなものがあります。
- 天照大神(あまてらすおおみかみ):太陽を司る最高神で、神道の中心的存在。
- 恵比寿(えびす):商売繁盛や漁業の神様として親しまれている。
- 釈迦如来(しゃかにょらい):仏教の開祖であり、人間として悟りを開いた存在。
- 地蔵菩薩(じぞうぼさつ):子供や旅人を守る菩薩で、いわゆるお地蔵様。
一方で、キリスト教は唯一の神を信じる一神教であり、聖書にはこう書かれています。
「イスラエルよ聞け。われわれの神、主は唯一の主である。」
(申命記6章4節)
だからこそ、多神教の日本ではキリスト教は受け入れられにくい、という考えですね。
実際、同じく一神教であるユダヤ教やイスラム教の日本での信徒数は、キリスト教よりもさらに数が少ないです。
キリスト教の神に関しても、日本人にとっては、数ある神の中の1人くらいにしか受け止められないのかもしれません。
✅ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の違いについては、【徹底比較】ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の違い10選まとめをどうぞ
②日本人にピンとこない教えや概念が多いから
2つ目の理由は、1つ目の理由と関連していますが、日本人にとってキリスト教の教えや概念がなじみにくいからです。
なぜなら、キリスト教の教えや価値観は、日本の伝統や文化とは異なる部分が多いからですね。
例えば、キリスト教では、“契約”という概念が非常に重要であり、教えや信仰のベースとなっています。
旧約聖書や新約聖書の”約”というのも、”神と人間との契約”を表しており、神の契約を守ることで人は救われるのです。
「一同が食事をしているとき、イエスはパンを取り、祝福してこれをさき、弟子たちに与えて言われた、「取って食べよ、これはわたしのからだである」。 27また杯を取り、感謝して彼らに与えて言われた、「みな、この杯から飲め。 28これは、罪のゆるしを得させるようにと、多くの人のために流すわたしの契約の血である。」
(マタイによる福音書26:26-28)
しかし、”契約社会”と呼ばれるアメリカなどと比べても、日本人にとって契約は形式的なことが多く、
とか言われても、いまいちピンときません。
また、キリスト教(主にプロテスタント)には、
キリストを信じるだけで救われるという教えがありますが、こちらも日本人にはあまりなじめないかもしれません。
なぜなら、日本では、自分の努力や行動によって救いや幸せを得ようとする考え方が根強いからです。
他にも、1つ目でご紹介した唯一の神を信じる教えや、聖書という1つの教典に従う生き方など
多くの日本人にピンとこなさそうものが結構あります。
こうして見ると、キリスト教と日本人には相性が悪い部分もあるのかもしれません。
✅キリスト教の主な教えについては、【一覧】キリスト教の有名な教えを7つのジャンルでまとめてみたをどうぞ
③植民地化された経験がないから
また、日本が植民地化された経験がないというのも1つの理由でしょう。
歴史的に見ると、多くの国々でキリスト教が広まった背景には、西洋諸国による植民地化があります。
実際、19世紀に欧米諸国によってアジアやアフリカ、アメリカ大陸の多くの地域が植民地化されていきました。
こうした植民地化の中でキリスト教が伝えられ、その地に根付いていったのです。
しかし、日本は植民地化されたことのない世界でも珍しい国の一つであり、
その結果、独自の文化や宗教観を持ち続けることになりました。
強いて言えば、第二次世界大戦後に連合国に占領されたことはありますが、
これは戦後の日本を民主的な国家として再建させるのが目的であり、植民地化とは違いますね。
④新興宗教のネガティブイメージがあるから
4つ目の理由は、一部の新興宗教のネガティブイメージがあるからです。
新興宗教とは、伝統的な宗教と比べると、比較的最近に成立した宗教のこと。
キリスト教の新興宗教の中には、
キリスト教の主流派からは異端とみなされる団体(エホバの証人、統一教会など)も多く、その活動が問題になることがあります。
例えば、
- 強引な勧誘活動
- マインドコントロール
- 高額の献金を強制
- 二世信者問題
などですね。
こうした新興宗教の問題は、ニュースで取り上げられたり人々の間で話題になったりすることも多く、
それがキリスト教全体のイメージになってしまうこともあります。
実際に、僕もたまに「キリスト教って輸血禁止なんでしょ?」とか普通に聞かれることがあります。(これはエホバの証人の教え)
こうして、キリスト教全体に対するマイナスは誤解や偏見が生まれていくと、キリスト教は避けられるようになるんですね。
⑤熱心なクリスチャンが少ないから
ここまで、外的な要因ばかり挙げてきましたが、日本でキリスト教が広がりにくい理由には、
私たちクリスチャン側の問題もあるかもしれません。
つまり、強い信仰を持った熱心なクリスチャンが少ないのではないかということですね。
クリスチャン自身が表面的な信仰しかなく、堕落した生活を送っている人ばかりなら、当然キリスト教は広がっていきません。
なぜなら、クリスチャン自体に力がないですし、キリストのことを熱心に伝える人もいなくなってしまうからです。
日本のクリスチャンが弱くなる原因は、例えば、
- 信仰生活が表面的・形式的になっているから
- 日本にクリスチャンが少ないことで、萎縮してしまっているから
- クリスチャンでない周りの人に生き方を合わせてしまうから
- 日本自体が宗教に消極的で、キリストのことを伝えにくいから
などが考えられます。
実際、日本では学校や職場の周りの人にクリスチャンだと伝えるだけでも、苦労する人も少なくありません。
初期のキリスト教は、聖霊に満たされた力強いクリスチャンたち(イエスの12弟子やパウロなど)によって広まっていきました。
同じように、日本のクリスチャンも聖霊に満たされ、力強くキリストのことを伝える必要があるではないでしょうか。
偉そうに語ってきましたが、これらは全て自分にも向けて言っています。
僕自身もまだまだ未熟ですが、自分なりに発信し、キリスト教や聖書について多くの方に知ってもらえればなあと思いますね!
日本のキリスト教人口と割合
日本宣教リサーチ(JMR)の「JMR調査レポート(2018年版)」によると、
2017年度の日本のキリスト教信者数は約105万人で、全人口の0.83%です。
宗派ごとに見てみると、
- カトリック:44万人(全人口の0.35%)
- プロテスタント:60万人(0.47%)
- 正教会:1万人(0.01%)
という感じになります。
(✅各宗派については【解説】キリスト教の3つの宗派とは?わかりやすくまとめてみたをどうぞ)
ついでに、信者数の多いキリスト教系の教団上位15位と、キリスト教系信者数の多い都道府県上位10位を以下にまとめておきますね。
◎信者数の多いキリスト教系教団上位15位
- カトリック教会: 44万8,893人
- 日本基督教団: 11万1,090人
- 日本聖公会: 4万7,886人
- 日本バプテスト連盟: 3万3,729人
- 日本福音ルーテル教会: 2万1,858人
- セブンスデー・アドベンチスト教団: 1万4,932人
- イエス之御霊教会教団: 1万4,580人
- 日本同盟基督教団: 1万2,349人
- 日本アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団: 1万2,248人
- イムマヌエル綜合伝道団: 1万1,201人
- 日本キリスト教会: 1万945人
- 日本キリスト改革派教会: 9792人
- 日本正教会: 9485人
- 日本イエス・キリスト教団: 7565人
- 日本ホーリネス教団: 7319人
※プロテスタントはいくつかの教派に分かれているため、”プロテスタント教会”という項目はありません。
◎キリスト教系信者数が多い都道府県上位10位
- 東京: 86万9,443人
- 神奈川: 30万3,530人
- 大阪: 7万6,654人
- 長崎: 6万4,174人
- 兵庫: 5万9,007人
- 福岡: 4万6,791人
- 愛知: 4万6,200人
- 北海道: 4万5,655人
- 埼玉: 3万8,999人
- 千葉: 3万6,209人
日本のキリスト教の歴史
最後に、日本におけるキリスト教の歴史についても、ざっくりと振り返っておきましょう。
- キリスト教の伝来
- 迫害時代
- 開国と宣教活動の再開
✅日本でのキリスト教弾圧の歴史については、【キリシタン狩り】日本のキリスト教弾圧の歴史とは?簡単にまとめてみたをどうぞ
キリスト教の伝来
キリスト教が日本に伝来したのは、1549年のこと。
教科書に落書きされまくることでおなじみのフランシスコ・ザビエルというイエズス会の宣教師が、
当時の日本に初めて足を踏み入れました。
彼はポルトガル人で、アジアへのキリスト教伝道のために多くの国を訪れた後、鹿児島に上陸したのです。
言葉や文化の違いに苦しみながらも、2年3ヶ月もの間宣教活動を行ない、結果的に700名ほどが洗礼を受け、キリスト教徒になりました。
ザビエル来日からの約100年間で、イエズス会だけでも150名近くの宣教師が日本にやって来たと言われています。
迫害時代
しかし、最初は比較的好意的に受け入れられたキリスト教ですが、豊臣秀吉の頃になると迫害が始まります。
なぜなら、秀吉は、キリスト教が社会の安定や自分の権力を脅かす可能性があると考えたからです。
1587年に”バテレン追放令”が出されてキリスト教の布教活動が禁止されると、
1597年には”26聖人の殉教”があり、長崎で26人のキリスト教徒が処刑されました。
徳川幕府の成立後、キリスト教に対する規制はさらに厳しくなります。
1612年にはキリスト教の禁止令が出され、全国的なキリスト教迫害が開始されました。
1637年に島原の乱が起こり、キリスト教徒を中心とする農民が反乱を起こしますが、江戸幕府によって鎮圧。
この事件の後、キリスト教に対する迫害は一層強くなってしまいました。
例えば、幕府は以下のようなキリスト教対策を行っています。
- キリスト教徒かを確かめるために、イエスキリストの絵を踏ませる(踏み絵)
- キリスト教徒を訴え出た者には、多額の賞金を出す(訴人褒賞制)
- 5人組を組ませてお互いにキリスト教徒の監視をさせる
ただ、この頃、迫害を逃れるために、“隠れキリシタン”と呼ばれる多くのキリスト教徒が現れるようになりました。
彼らは迫害が続いた約250年間もの間、信仰をこっそりと持ち続けたのです。
開国と宣教活動の再開
さて、長い間続いたキリスト教迫害ですが、鎖国の解禁によってようやくキリスト教の禁止が解除されます。
鎖国を終わらせたのは、黒船でおなじみのペリーさんで、1853年に浦賀に来航し、日本に開国を求めたのです。
キリスト教解禁後、外国の宣教師たちが再び日本に入国し始め、キリスト教の宣教活動が再開されました。
とはいえ、宣教師たちは、ただ単にキリスト教を伝えただけではありません。
学校や病院の建設にも力を入れ、日本の近代化に貢献したのです。
特に教育分野では、多くのキリスト教系の学校が設立され、日本の教育制度や学問に大きな影響を与えています。
しかし、現在でも、日本でのキリスト教徒の数は少ないままです。
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まとめ:日本でキリスト教が広まらない要因は様々!
◎キリスト教が日本に広まらない5つの理由
- “多神教”が根付いているから
- 日本人にピンとこない教えや概念が多いから
- 植民地化された経験がないから
- 新興宗教のネガティブイメージがあるから
- 熱心なクリスチャンが少ないから
日本でキリスト教が広まらない理由は、様々な要因が絡まり合っているため、一概に「これが理由だ!」と言えるほど単純ではありません。
今後、キリスト教が日本でどうなっていくのかについても、神のみぞ知ることです。
ただ、お隣の韓国では、20世紀後半にキリスト教徒の数が急速に増加し、
今や世界有数のキリスト教徒人口を持つ国の一つとなっています。
ですから、日本にも突然そのときが来てもおかしくはありません。
僕も引き続き、こうして聖書やキリスト教について皆さんに分かりやすくお伝えしていくつもりなので、今後もよろしくお願いします!
キートンでした。
👇参考文献
まず第一に多神教が長く根付き、それに基づいた価値観で生きてきた日本人にとって、他の神を認めない一神教は根本的に相性が悪いのだと思います。
そして、中世において秀吉や家康などによってキリスト教が「迫害」された理由は、キリスト教(カトリック)が侵略戦争・植民地化の道具として使われていると彼らが理解した事にあります。生前キリスト教に理解があったとされる信長も彼に彼が長生きして同じ事態に直面したら、秀吉と家康と同じ態度…いや、おそらくより苛烈な処置に転じたでしょう。
彼らの賢明な政策と日本人自体のレベルの高さもあって日本や植民地化を免れたのですね。クリスチャンとしての立場は違うでしょうが、僕個人としてはそれは日本にとって幸いであったと思います。