ジーザス、エブリワン!キートンです。
新約聖書にも”ルカによる福音書”という書物があるけど、ルカが書いたの?
こういった疑問にお答えします。
聖書を読んだことのある方なら、耳にしたことがあるであろうルカという名前。
新約聖書には、”ルカによる福音書”という書物がありますからね。
しかし、じゃあルカってどんな人なのよ!と聞かれたら、答えに詰まってしまう人が多いのではないでしょうか。
なにしろ、聖書に彼についての情報はほとんど書かれていませんからね。
でも、今回はクリスチャンの僕がなんとかルカに関する情報をかき集めてみました!
いやー、中々大変でしたぜ。。!
具体的には、
- ルカとは?
- ルカの生涯などについて
- ルカによる福音書の特徴
などについてご紹介していくので、参考にしてください。
目次
ルカとは?
ルカは、新約聖書の
- ルカによる福音書
- 使徒行伝
を書いたと言われている人物です。
そのため、これらの書物は”ルカ文書”と呼ばれます。
(聖書の作者に関しては、聖書の作者は誰?誰が書いた?【書物ごとの著者のまとめ表付き】をどうぞ)
また、本業は医者だったと言われており、彼の名前は病院の名前に使われることも多いです。
日本にも、聖路加国際病院という有名な病院がありますね。
また、ルカは使徒パウロに同行し宣教旅行を共にしました。
宣教旅行というのは、つまり、キリストの教えを世界に広める旅ですね。
実際、使徒行伝の宣教旅行の記述では”私たち”という言葉が何度も出てきますし、新約聖書にもちょくちょくその名前が登場します。
「わたしたちは、除酵祭が終ったのちに、ピリピから出帆し、五日かかってトロアスに到着して、彼らと落ち合い、そこに七日間滞在した。 7週の初めの日に、わたしたちがパンをさくために集まった時、パウロは翌日出発することにしていたので、しきりに人々と語り合い、夜中まで語りつづけた。」
(使徒行伝20章6、7節)
「愛する医者ルカとデマスとが、あなたがたによろしく。」
(コロサイ人への手紙4章14節)
「わたしの同労者たち、マルコ、アリスタルコ、デマス、ルカからも、よろしく。」
(ピレモンへの手紙1章24節)
このパウロの働きによってキリスト教は世界宗教になっていくのですが、ルカも”同労者”として貢献していたのです。
また、現在の私たちがパウロの活動について詳しく知れるのも、ルカが”使徒行伝”で記述してくれたおかげですね!
ちなみに、ルカはカトリックや正教会などでは、聖人として扱われています。
ルカの生涯などについて【謎が多し】
ルカの生涯については、聖書にもほぼ書かれていないので詳しいことは分かりません。
分かっていることをまとめると、
- ユダヤ人ではない異邦人からクリスチャンになった
- 使徒パウロの宣教旅行の同行者
- 医者で教養の高い人物だった
- “ルカによる福音書”と”使徒行伝”を書いた
- アンティオキアで生まれギリシアで亡くなる
ということくらいでしょうか。
とはいえこれらの情報についても様々な意見があり、ルカは謎の多い人物といえますね。
ちなみに、医者であり歴史家であり文筆家でもあるルカは、画家としての才能も持ち合わせていたようです。
実際、ルカは処女マリアの肖像を描いたとされており、ボストン美術館には、
『聖母を描く聖ルカ』という作品が残されています。
☟その絵がこれです。
とツッコミたくなりますが、なぜか絵を描いているルカを描いた作品ばかりがたくさんあるんですよね。。
この絵画自体は、ロヒール・ファン・デル・ウェイデンという画家によって描かれたものです。
んー、ややこしい。。
ただ、この絵画を見る限り、ルカはかなりの画力を持っていたことが分かりますね!
ルカによる福音書の特徴は?
新約聖書には、イエスの生涯や教えが書かれた福音書が4つ収められています。
“ルカによる福音書”はその内の一つで、同じ福音書の
- マタイによる福音書
- マルコによる福音書
と共に”共観福音書”と呼ばれ、内容の共通点も多いです。
しかし、ルカによる福音書には他の福音書には見られない特徴がいくつかあります。
その特徴をいくつかご紹介していきましょう!
- 美しく洗練された文章
- 異邦人を対象に書かれている
- 情緒豊かな”人間”としてのイエスを描いている
- 有名なたとえ話が多い
美しく洗練された文章
ルカによる福音書は、他の福音書に比べても文章が美しくて洗練されていると言われています。
とても美しいギリシャ語で書かれており、ボキャブラリーも豊富です。
文学的にも優れており、”最も美しい福音書”などと称されることも。
また、ルカ自身が冒頭で、本書は詳しく調べて順序正しく書いたと述べています。
「テオピロ閣下よ、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、ここに、それを順序正しく書きつづって、閣下に献じることにしました。」
(ルカによる福音書1章3節)
実際、”ルカによる福音書”には、他の福音書では省略されているようなことも詳しく書かれています。
例えば、イエスや洗礼者ヨハネといった重要人物の誕生についても詳しく書かれていますね。
「すると御使が言った、「恐れるな、マリヤよ、あなたは神から恵みをいただいているのです。 31見よ、あなたはみごもって男の子を産むでしょう。その子をイエスと名づけなさい。」
(ルカによる福音書1章30、31節)
「ザカリヤはこれを見て、おじ惑い、恐怖の念に襲われた。 13そこで御使が彼に言った、「恐れるな、ザカリヤよ、あなたの祈が聞きいれられたのだ。あなたの妻エリサベツは男の子を産むであろう。その子をヨハネと名づけなさい。」
(ルカによる福音書1章12、13節)
この筋道を立てて論理的に表現する力は、ルカが医者であったこととも関係があったのかもしれません。
少なくとも、ルカが持つ高い教養が執筆に活かされているのは間違いないですね!
異邦人を対象に書かれている
ルカによる福音書は、ユダヤ人ではない異邦人に向けて書かれています。
そのため、異邦人である私たち日本人にとっても読みやすい書物となっていますね。
なぜそれが分かるかというと、ルカの福音書がテオピロという人に向けて書かれており、テオピロが異邦人だからです。
「テオピロ閣下よ、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、ここに、それを順序正しく書きつづって、閣下に献じることにしました。」
(ルカによる福音書1章3節)
テオピロはローマの高官であり、ルカと親しい人物であったとされています。
そして、ルカは福音書の中で、イエスキリストはユダヤ人・異邦人どちらにも救い主であると伝えているのです。
情緒豊かな”人間”としてのイエスを描いている
福音書によってイエスの描き方は違いますが、
ルカによる福音書では、神であり人間でもあるイエスの情緒豊かな人間的な面に焦点が当たっています。
特に、当時虐げられていた
- 取税人
- 子供
- サマリヤ人
- 女性(当時は社会的地位が低かった)
といった人たちに対するイエスの憐れみ深さがよく描写されていますね。
例えば、イエスが若い息子を蘇らせるシーンでは、その息子を亡くした母親を深く憐れまれています。
「主はこの婦人を見て深い同情を寄せられ、「泣かないでいなさい」と言われた。 14そして近寄って棺に手をかけられると、かついでいる者たちが立ち止まったので、「若者よ、さあ、起きなさい」と言われた。 15すると、死人が起き上がって物を言い出した。イエスは彼をその母にお渡しになった。」
(ルカによる福音書7章13~15節)
このように、”ルカによる福音書”ではイエスの豊かな人間味が所々で垣間見えるのです。
また、ルカ自身が医者なのもあってか、病気の癒しに関する記述も多くその様子が詳しく書かれています。
「日が暮れると、いろいろな病気になやむ者をかかえている人々が、皆それをイエスのところに連れてきたので、そのひとりびとりに手を置いて、おいやしになった。」
(ルカによる福音書4章40節)
「「わたしに何をしてほしいのか」とおたずねになると、「主よ、見えるようになることです」と答えた。 42そこでイエスは言われた、「見えるようになれ。あなたの信仰があなたを救った」。 43すると彼は、たちまち見えるようになった。」
(ルカによる福音書18章41~43節)
医者のルカは、病気の人に対して特別な同情心を持っていたのかもしれません。
有名なたとえ話が多い
福音書にはたくさんのたとえ話が書かれていますが、”ルカによる福音書”にしかないたとえ話が17もあると言われています。
中でも有名なのが、“善きサマリア人のたとえ”と“放蕩息子のたとえ”でしょう。
「ところが、あるサマリヤ人が旅をしてこの人のところを通りかかり、彼を見て気の毒に思い、 34近寄ってきてその傷にオリブ油とぶどう酒とを注いでほうたいをしてやり、自分の家畜に乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。」
(ルカによる福音書10章33、34節)
「それから幾日もたたないうちに、弟は自分のものを全部とりまとめて遠い所へ行き、そこで放蕩に身を持ちくずして財産を使い果した。 14何もかも浪費してしまったのち、その地方にひどいききんがあったので、彼は食べることにも窮しはじめた。」
(ルカによる福音書15章13、14節)
この2つは、イエスが語られたたとえ話の中でも特に有名なものですね。
(イエスのたとえ話については、【聖書】イエスのたとえ話って何がある?主なものを6つまとめてみたをどうぞ)
その両方が”ルカによる福音書”にしか書かれていないというのは、なんだか意外な気もします。
ちなみに、
- 洗礼者ヨハネの誕生についてのエピソード
- 伝統的なクリスマス物語
- イエスが12歳のときの神殿エピソード
- 取税人ザアカイのお話
などの有名で印象的なお話も、ルカによる福音書にしか書かれていないものです。
まとめ:ルカはマルチな才能を持っていた人物!
- ルカは”ルカによる福音書”と”使徒行伝”を書いた
- 医者であり歴史家であり文筆家であり絵心もあった
- パウロと伝道旅行を共にした
- 教養が高く美しく洗練された文章を書いた
いかがでしたか?
ルカは非常に豊かでマルチな才能を持っていたことが分かりましたね。
パウロと同じく教養も高く、それが新約聖書の書物にも活かされています。
ルカに興味を持った方は、ぜひ聖書を実際に読んでみてください。
特にルカによる福音書は、美しい文章や素晴らしいお話が盛りだくさんですから!!
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キートンでした。
☟参考文献