ジーザス、エブリワン!キートンです。
詳しく知りたいなあ。。
こういった疑問にお答えします。
アロエ、いなご豆、小麦、オリーブ、ぶどうなどなど。
聖書には様々な花や植物が登場します。
その数は、およそ120種類ほどと言われていますね。
しかし、それらは単に自然の描写として出てくるだけではありません。
重要なたとえ話や何かの象徴として用いられたりしていることも少なくないんですね。
そこで今回は、クリスチャンの僕が聖書から厳選して9つの花や植物を聖書箇所と共にご紹介していきます!
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目次
聖書に出てくる主な花や植物を9つまとめてみた【キリスト教】
今回ご紹介する花や植物は、以下の9つです。(あいうえお順になっています)
- いちじく
- いばら
- 大麦・小麦
- オリーブ
- からし種
- とうごま
- 苦よもぎ
- ぶどう
- レバノン杉
1つずつ見ていきましょう!
①いちじく
いちじくは、聖書で最初に具体名が書かれている植物です。
具体的には、エデンの園でアダムとイブが禁断の果実を食べた後に、
罪の芽生えによって裸でいることが急に恥ずかしくなり、いちじくの葉を腰に巻いています。
「すると、ふたりの目が開け、自分たちの裸であることがわかったので、いちじくの葉をつづり合わせて、腰に巻いた。」
(創世記3章7節)
いちじくより先に禁断の果実が出てきていますが、具体的にこれが何の植物なのかは書かれていません。
また、他の旧約聖書の記述を見ると、いちじくが医療で使われていたことが分かります。
例えば、南ユダ王国のヒゼキヤ王は、死にかかっていた状態からいちじくの治療により、3日で病気が治り、寿命が15年のびました。
「そしてイザヤは言った、「干しいちじくのひとかたまりを持ってきて、それを腫物につけさせなさい。そうすれば直るでしょう」。」
(列王記下20章7節)
実際、いちじくが病気の馬の治療に使われたり、日本でも古くから民間薬として使われたりしたこともあったようです。
また、聖書のヒゼキヤ王の記述をヒントに、抗がん剤として使われたりもしたんだとか。
いや、いちじく万能過ぎる。。
②いばら
いばらは、トゲのある低木類の総称で、いばらという植物があるわけではありません。
イスラエルには、約70種類のトゲのある植物があり、その内約20種類が聖書に出てきます。
イスラエルで見られるトゲのある植物の中には、
- マリアアザミ
- 聖地アザミ
- キリストイバラ
といったキリスト教にちなんだ名前のものもあるみたいですね。
いやー、これは面白い!
いばらと言えば、イエスが十字架に架けられた際にローマ兵にいばらの冠を被せられたのが有名です。
「それから総督の兵士たちは、イエスを官邸に連れて行って、全部隊をイエスのまわりに集めた。 28そしてその上着をぬがせて、赤い外套を着せ、 29また、いばらで冠を編んでその頭にかぶらせ、右の手には葦の棒を持たせ、それからその前にひざまずき、嘲弄して、「ユダヤ人の王、ばんざい」と言った。」
(マタイによる福音書27章27~29節)
旧約聖書でも、以下のようにちらほらといばらが出てきますね。
「それゆえ、わたしはいばらで彼女の道をふさぎ、かきをたてて、彼女にはその道がわからないようにする。」
(ホセア書2章6節)
「そして彼は、その町の長老たちを捕え、野のいばらと、おどろとを取り、それをもってスコテの人々を懲らし、 17またペヌエルのやぐらを打ちこわして町の人々を殺した。」
(士師記8章16、17節)
③大麦・小麦
大麦や小麦はイスラエルを代表する作物であり、人類にとって最も重要な作物の1つです。
現代の私たちにとっても、パンやビールなど大麦や小麦のない生活なんて考えられないですよね!
まあ、僕は小麦食べられないんですけどね。ふっ。(👈小麦アレルギー)
麦とまとめられることもありますが、聖書では両者がはっきりと区別されていることも多いです。
「そこは谷にも山にもわき出る水の流れ、泉、および淵のある地、 8小麦、大麦、ぶどう、いちじく及びざくろのある地、油のオリブの木、および蜜のある地、 9あなたが食べる食物に欠けることなく、なんの乏しいこともない地である。」
(申命記8章7~9節)
価値に関しても、大麦と小麦では明確な違いがあるようですね。
「エリシャは言った、「主の言葉を聞きなさい。主はこう仰せられる、『あすの今ごろサマリヤの門で、麦粉一セアを一シケルで売り、大麦二セアを一シケルで売るようになるであろう』」。」
(列王記下7章1節)
「すると、わたしは四つの生き物の間から出て来ると思われる声が、こう言うのを聞いた、「小麦一ますは一デナリ。大麦三ますも一デナリ。オリブ油とぶどう酒とを、そこなうな」。」
(ヨハネの黙示録6章6節)
聖書の中で麦に関する描写は多く、旧約聖書のルツ記では、ルツが大麦の落ち穂を拾うシーンが描かれていますし、
「こうして彼女は夕暮まで畑で落ち穂を拾った。そして拾った穂を打つと、大麦は一エパほどあった。」
(ルツ記2章17節)
イエスも説教の中で、たとえとして麦を用いられています。
「すると、イエスは答えて言われた、「人の子が栄光を受ける時がきた。 24よくよくあなたがたに言っておく。一粒の麦が地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。しかし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる。
(ヨハネによる福音書12章23、24節)
「イエスは答えて言われた、「良い種をまく者は、人の子である。 38畑は世界である。良い種と言うのは御国の子たちで、毒麦は悪い者の子たちである。 39それをまいた敵は悪魔である。収穫とは世の終りのことで、刈る者は御使たちである。 40だから、毒麦が集められて火で焼かれるように、世の終りにもそのとおりになるであろう。」
(マタイによる福音書13章37~40節)
④オリーブ
オリーブは、平和と繁栄のシンボルとしてよく知られています。
それを象徴するのが、ノアの方舟のお話ですね。
ノアは、鳩がオリーブの若葉をくわえて帰ってきたことで、大洪水の終わりを知ったのです。
「それから七日待って再びはとを箱舟から放った。 11はとは夕方になって彼のもとに帰ってきた。見ると、そのくちばしには、オリブの若葉があった。ノアは地から水がひいたのを知った。」
(創世記8章10、11節)
現在でも、オリーブと鳩を描いた絵が、平和と繁栄のシンボルとしてたくさん使われていますよね。
(【雑学】鳩が平和の象徴なのはなぜ?旧約聖書のノアの方舟が由来?も参照)
また、オリーブはイスラエル人の生活にも強い繋がりがあり、聖書の中でも、
- 儀式
- 食用
- 灯火用
- 化粧品
- 薬
と様々な用途で使われ、大切にされています。
「あなたはまたイスラエルの人々に命じて、オリブをつぶして採った純粋の油を、ともし火のために持ってこさせ、絶えずともし火をともさなければならない。」
(出エジプト記27章20節)
「ところが、あるサマリヤ人が旅をしてこの人のところを通りかかり、彼を見て気の毒に思い、 34近寄ってきてその傷にオリブ油とぶどう酒とを注いでほうたいをしてやり、自分の家畜に乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。」
(ルカによる福音書10章33、34節)
さらに、イエスが十字架に架けられる直前で祈られたのは、オリーブ山のふもとにあるゲッセマネの園でした。
「彼らは、さんびを歌った後、オリブ山へ出かけて行った。(中略)36それから、イエスは彼らと一緒に、ゲツセマネという所へ行かれた。そして弟子たちに言われた、「わたしが向こうへ行って祈っている間、ここにすわっていなさい」。
(マタイによる福音書26章30~36節)
ゲッセマネとは”油しぼり器”という意味で、ここでオリーブの油がとられていたんですね。
⑤からし種
からし種がどんな植物かには諸説ありますが、一般的には洋辛子の原料であるクロガラシのことだと言われています。
クロガラシは中東でよく見られ、イスラエル人たちにとっても身近な植物でした。
そのため、イエスのたとえ話の中で何度かからし種が用いられています。
例えば、イエスは神の国を分かりやすく説明するために、たとえとしてからし種を使われました。
「そこで言われた、「神の国は何に似ているか。またそれを何にたとえようか。 19一粒のからし種のようなものである。ある人がそれを取って庭にまくと、育って木となり、空の鳥もその枝に宿るようになる」。」
(ルカによる福音書13章18、19節)
また、小さな信仰でも大きなことができるようになることを示す場面でも、からし種を使われています。
「そこで主が言われた、「もし、からし種一粒ほどの信仰があるなら、この桑の木に、『抜け出して海に植われ』と言ったとしても、その言葉どおりになるであろう。」
(ルカによる福音書17章6節)
実際、からし種は草の種子の中で最も小さいものの1つであるにも関わらず、
やがて鳥が巣を作れるほど大きい木に成長すると言われていますね。
⑥とうごま
とうごまはヒマともいい、ヒマの種子からとれるヒマシ油は、
- 石けん
- 化粧品
- 衣料品
などを作る際に使われる重要な工業原料です。
中近東でもなじみのある植物ですね。
とうごまはヨナ書にしか登場しませんが、インパクトのあるお話なので印象に残っている方も多いでしょう。
「時に主なる神は、ヨナを暑さの苦痛から救うために、とうごまを備えて、それを育て、ヨナの頭の上に日陰を設けた。ヨナはこのとうごまを非常に喜んだ。 7ところが神は翌日の夜明けに虫を備えて、そのとうごまをかませられたので、それは枯れた。」
(ヨナ書4章6、7節)
神様はヨナの暑さを和らげるためにとうごまを生やされますが、次の日にはそれを枯らしてしまいます。
激怒するヨナでしたが、これは神様がニネベという悪に満ちた町を滅ぼさずにゆるした理由を語るためでした。
(詳しくは、【聖書】ヨナってどんな人?魚に飲み込まれた預言者!?をどうぞ)
ちなみに、文語訳聖書では、とうごまの部分は瓢(ひょうたんのこと)となっています。
⑦苦よもぎ
苦よもぎは地中海沿岸で生まれ育つ植物で、聖書では主に苦しみや神の裁きの象徴として使われています。
まあ、苦いという字が入っている時点で、何となくマイナスなニュアンスは感じますけどね。。
例えば、旧約聖書では、以下のように使われています。
「またあなたがたのうちに、毒草や、にがよもぎを生ずる根があってはならない。」
(申命記29章18節)
「しかしついには、彼女はにがよもぎのように苦く、もろ刃のつるぎのように鋭くなる。」
(箴言5章4節)
また、新約聖書では“ヨハネの黙示録”において、苦よもぎが出てきますね。
「第三の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃えている大きな星が、空から落ちてきた。そしてそれは、川の三分の一とその水源との上に落ちた。 11この星の名は「苦よもぎ」と言い、水の三分の一が「苦よもぎ」のように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ。」
(ヨハネの黙示録8章10、11節)
ところで、苦よもぎはロシア語でチェルノブイリといいますが、この名前どこかで聞いたことはないでしょうか?
そうです、1986年にソ連で起きた原子力発電所の事故が起きたのが、チェルノブイリという場所なんです。
ヨハネの黙示録は、この世の終末について書かれていると言われています。
そのため、黙示録の苦よもぎがこの事故のことを表しているのではないかと、話題になりました。
(詳しくは、【聖書】苦よもぎとは?チェルノブイリ原発事故との関係は?を参照)
ちなみに、イエスが十字架に架けられた際に飲まされかけたぶどう酒は、苦よもぎ入りだったと言われています。
「そして、ゴルゴタ、すなわち、されこうべの場、という所にきたとき、 34彼らはにがみをまぜたぶどう酒を飲ませようとしたが、イエスはそれをなめただけで、飲もうとされなかった。」
(マタイによる福音書27章33、34節)
なぜなら、苦よもぎには神経薬となる成分があり、痛みや苦しみを和らげる効果があるからですね。
しかし、イエスは私たち人間の罪を完全にゆるすためにあえてそれを拒否し、死の苦しみをまともに受けられたのです。
イエスについては、【完全版】イエス・キリストとはどんな人?その生涯を簡単にまとめてみたをどうぞ
⑧ぶどう
ぶどうは、キリスト教のシンボルとも言えるほど重要な植物であり、聖書にも数多く登場します。
例えば、最初にぶどうが登場するのは、ノアがぶどう畑を作るシーンです。
「さてノアは農夫となり、ぶどう畑をつくり始めたが、 21彼はぶどう酒を飲んで酔い、天幕の中で裸になっていた。」
(創世記9章20、21節)
しかし、その後ノアはぶどう酒を飲んで酔っ払い、息子たちに裸を見られるというまさかの失敗をしています。
いやー、これは恥ずかしい。。!
ぶどうは食べ物としてのイメージ強いですが、このようにぶどう酒として使われることが多かったようですね。
ぶどう酒といえば、イエスは最後の晩餐で弟子たちと共にパンとぶどう酒を食されました。
「また杯を取り、感謝して彼らに与えられると、一同はその杯から飲んだ。 24イエスはまた言われた、「これは、多くの人のために流すわたしの契約の血である。 25あなたがたによく言っておく。神の国で新しく飲むその日までは、わたしは決して二度と、ぶどうの実から造ったものを飲むことをしない」。」
(マルコによる福音書14章23~25節)
ここから聖餐式が生まれ、現在でもぶどう酒(あるいはぶどうジュース)を飲むこの式が教会で行われています。
また、イエスはご自身のたとえ話の中でもぶどうを用いられました。
例えば、神の国に関するたとえ話である”ぶどう園と農夫のたとえ”を語られたり、
「そこでイエスは譬で彼らに語り出された、「ある人がぶどう園を造り、垣をめぐらし、また酒ぶねの穴を掘り、やぐらを立て、それを農夫たちに貸して、旅に出かけた。」
(マルコによる福音書12章1節)
イエスご自身と弟子たちの関係を、ぶどうの木になぞらえたりしています。
「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。もし人がわたしにつながっており、またわたしがその人とつながっておれば、その人は実を豊かに結ぶようになる。わたしから離れては、あなたがたは何一つできないからである。」
(ヨハネによる福音書15章5節)
この他にもぶどうに関する記述は数多く、その数は300以上(!)にも及ぶと言われていますね。
ここからもぶどうはキリスト教のシンボルであり、聖書時代の人々にとってなじみのある植物だったということが分かります。
⑨レバノン杉
レバノン杉は、レバノンやシリアなどで採れる杉で、
古代エジプトやメソポタミア時代から良質な木材として建材や船材に利用されていました。
聖書においても、約70回ほども登場する重要な植物ですね。
かの有名なソロモンの神殿にも、このレバノン杉が使われました。
「ところが今わが神、主はわたしに四方の太平を賜わって、敵もなく、災もなくなったので、 5主が父ダビデに『おまえに代って、おまえの位に、わたしがつかせるおまえの子、その人がわが名のために宮を建てるであろう』と言われたように、わが神、主の名のために宮を建てようと思います。 6それゆえ、あなたは命令を下して、レバノンの香柏をわたしのために切り出させてください。」
(列王記上5章4~6節)
また、旧約聖書の”エゼキエル書”では、レバノン杉が絶賛されています。
「「人の子よ、エジプトの王パロと、その民衆とに言え、あなたはその大いなること、だれに似ているか。 3見よ、わたしはあなたをレバノンの香柏のようにする。麗しき枝と森の陰があり、たけが高く、その頂は雲の中にある。 (中略) 8神の園の香柏も、これと競うことはできない。もみの木もその枝葉に及ばない。けやきもその枝と比べられない。神の園のすべての木も、その麗しきこと、これに比すべきものはない。」
(エゼキエル書31章)
ここまで絶賛されると、レバノン杉で造った家に住んでみたくなりますね。。!
ただ、現在は伐採などの影響でその数を減らし、レバノンなどのごく一部の地域でしか残されていません。
。。。あれ、僕の夢一瞬で壊されてない!?
まとめ:聖書にはたくさんの植物や花が登場する!
◎聖書に出てくる主な花や植物
- いちじく
- いばら
- 大麦・小麦
- オリーブ
- からし種
- とうごま
- 苦よもぎ
- ぶどう
- レバノン杉
このように、聖書にはたくさんの花や植物が出てきますが、ただの自然描写だけでなく、
たとえ話や象徴として使われることも多いことが分かりますね。
つまり、当時の人たちになじみのある植物を用いることで、よりお話を分かりやすくしているわけです。
まあ、今の私たちからすればピンと来ない植物も多いですけどね。。
他にもたくさんの植物が聖書には出てきますので、ぜひ探してみてください!
それでは、
僕はちょっくらレバノンに行ってきます!(諦めない男)
キートンでした。
👇参考文献