ジーザス、エブリワン!キートンです。
黙示録の内容が”チェルノブイリ原発事故”と関係があるって話は本当?
こういった疑問にお答えします。
聖書には様々な植物が登場しますが、独特の存在感を放っているものがあります。
それが“苦よもぎ”です。
苦よもぎは、登場回数はそれほど多くないのですが、1度見たら忘れられないインパクトがありますね。
過去に”チェルノブイリ原発事故”で、この苦よもぎというワードが注目されたというのもありますが!(後述)
皆さんは、苦よもぎと聞いてどのような印象を持つでしょうか?
苦いものが好きな方は歓喜するかもしれませんが(しないか)、なんとなく
と思った方は、良いフィーリングをお持ちです!
なぜなら、聖書において苦よもぎは基本的に、ネガティブな意味合いで使われるからですね。
そこでこの記事では、クリスチャンの僕が、
- 苦よもぎとはどんな植物?
- 黙示録の苦よもぎは”チェルノブイリ原発事故”を指している?【誤解です】
という内容について解説していきます!
聖書の主な植物については、【雑学】聖書に出てくる主な花や植物をクリスチャンが9つまとめてみたをどうぞ
苦よもぎとはどんな植物?
苦よもぎは、ヨーロッパ原産のキク科の多年草で、日本にも江戸時代末期にやって来ました。
葉っぱがよもぎに似ており、ハーブの中で最も苦いことからこの名が付いたんだとか。
苦よもぎの用途は幅広く、
- 防虫剤
- 健胃薬
- 駆虫薬
- 清涼飲料水、リキュール、ハーブ酒などの香り付け
などで使われ、食品添加物として認可されています。
苦よもぎを用いたリキュールとしては、フランスやスイスなどのヨーロッパで作られているアブサンが有名です。
アブサンは、ゴッホやピカソ、モネといった大物芸術家たちが好んで飲んでいたとされ、作品の題材にもなりました。
珍しいお酒とか 好きでさ 今日はアブサンを飲むぞい pic.twitter.com/4Cnnnrh7LP
— わたし (@CanopusE32MNM) November 2, 2022
一方で、アブサンに含まれるツジョンは、大量に摂取すると麻酔作用や嘔吐、幻覚、錯乱などの症状が起こるとされています。
実際、ツジョンは、麻薬として有名な大麻(マリファナ)の有効成分であるTHCに似た化学構造を持っているそうです。
まあ、上の写真を見ても色合いとかが、どことなく中毒性強そうですもんね。。
アルコール度数も、なんと平均約70%という高さです。
そのため、20世紀初頭に、スイスやドイツ、アメリカなどで製造や販売が禁止されたこともありました。
ゴッホもアブサン中毒であり、これが自殺の原因になったという説もあるみたいですね。
苦よもぎは聖書にも何度か登場しますが、主に苦しみや神の裁きの象徴として使われることが多いです。
例えば、
「それゆえ、あなたがたのうちに、きょう、その心にわれわれの神、主を離れてそれらの国民の神々に行って仕える男や女、氏族や部族があってはならない。またあなたがたのうちに、毒草や、にがよもぎを生ずる根があってはならない。」
(申命記29章18節)
という箇所では、苦よもぎを用いてモーセがイスラエル人たちに、神に背いて偶像崇拝をすることを戒めていますし、
「彼らは強情に自分の心に従い、また先祖の教えたようにバアルに従った。 15それゆえ万軍の主、イスラエルの神はこう言われる、見よ、わたしはこの民に、にがよもぎを食べさせ、毒の水を飲ませ、 16彼らも、その先祖たちも知らなかった国びとのうちに彼らを散らし、また彼らを滅ぼし尽すまで、そのうしろに、つるぎをつかわす」。」
(エレミヤ書9章14~16節)
という箇所では、イスラエル人が罪を犯したがゆえに”苦よもぎ”という名の苦しい経験を味わうことになることが語られています。
他にも、預言者エレミヤが自分が味わった神による苦しみを
「わたしはすべての民の物笑いとなり、ひねもす彼らの歌となった。 15彼はわたしを苦い物で飽かせ、にがよもぎをわたしに飲ませられた。」
(哀歌3章14、15節)
と表現するなど、”苦よもぎ”という名前から分かるように、
どれもネガティブな意味合いで使われているのが分かりますね。
黙示録の苦よもぎは”チェルノブイリ原発事故”を指している?【誤解です】
上記では、旧約聖書に出てくる苦よもぎについて紹介しましたが、新約聖書でも1箇所だけ苦よもぎが出てきます。
それが新約聖書の“ヨハネの黙示録”に書かれている以下の箇所ですね。
「第三の御使が、ラッパを吹き鳴らした。すると、たいまつのように燃えている大きな星が、空から落ちてきた。そしてそれは、川の三分の一とその水源との上に落ちた。 11この星の名は「苦よもぎ」と言い、水の三分の一が「苦よもぎ」のように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ。」
(ヨハネの黙示録8章10、11節)
黙示録といえば、難解で解釈が難しいことで有名ですが、この箇所にフォーカスが当たるきっかけとなる事件が起こりました。
それが、1986年4月26日に起きた“チェルノブイリ原子力発電所事故”です。
※チェルノブイリ原子力発電所事故
➡旧ソ連(現ウクライナ)で起こった史上最悪の原発事故の1つ。
4号炉が実験中に制御不能に陥り、急激な出力上昇をもたらす暴走事故が発生し爆発、大量の放射性物質をまき散らしました。
正確な犠牲者数は不明ですが、原発事故史上最悪の人的被害をもたらしたと言われています。
この事件の後、とあるロシア人作家が語った内容がニューヨーク・タイムズの記事になりました。
その内容とは、上記の聖書箇所に出てくる苦よもぎはウクライナ語でチェルノブイリなんだというものでした。
その結果、主に英語圏のクリスチャンの間で、
つまり、この聖書箇所の苦よもぎもチェルノブイリのことで、これはチェルノブイリの事故のことを指し示しているのだ!
という都市伝説が生まれ、大きな話題になります。
一見それっぽく聞こえますが、実際はキリスト教の神学において、そのような解釈がなされることはありません。
それに、チェルノブイリは直訳すると”黒い草(茎)”となり、そもそも苦よもぎは別の植物だと言われています。
以上のことから、この解釈は明らかに間違っていることが分かりますね。
ちなみに、ヨハネの黙示録には将来実際に起こるとされている、
- 七つの封印
- 七つのラッパ
- 七つの鉢
という神の裁きが描かれており、上記の聖書箇所は七つのラッパの裁きの1つです。
実際、大きな星が落ちることで水が苦くなり、多くの人が死んだとかなり不吉なことが書かれていますね。
いずれにせよ、聖書の預言を安易に実際の出来事と結びつけないように注意しないといけません!
まとめ:苦よもぎは苦しみや神の裁きの象徴!
聖書に登場する植物は、比喩として象徴的に使われることが多いです。
そして、苦よもぎは主に、苦しみや神の裁きの象徴として出てくることが分かりました。
まあ、ただのよもぎならまだしも、”苦い”という字が入っている時点で、
何となくネガティブな内容を示したいんだろうなというのは察しがつきますよね。
今回は深くは説明しませんでしたが、”苦よもぎ”が含まれている聖書箇所も、
前後の文脈を見てどのように使われているのかチェックしてみてください!
いやー、それにしてもこの記事を書いていたら、何度もよもぎよもぎって出てくるから、
だんごを食べたくなってきちゃいましたよ。(食いしん坊か)
キートンでした。