ジーザス、エブリワン!キートンです。
なぜイエスキリストを裏切ったんだろう。。?
こういった疑問にお答えします。
あなたは、“裏切者”という言葉を聞いて誰を思い浮かべますか?
はい、確かに彼らは有名な裏切者ですね。
しかし、キリスト教の世界にも裏切者の代名詞ともいえる人物がいます。
その人物とは、イスカリオテのユダ。
彼は、イエスキリストを裏切った人物として世界的に知られています。
実際、欧米語の辞書にもユダの名は裏切り者の代名詞として記されており、裏切り者の知名度ランキングでは断トツでしょう。
しかし、そもそもユダはなぜイエスを裏切ったのでしょうか?
どうやらユダはイメージに反して、”THE 裏切者”というような人間ではなかったようなのです。
そこでこの記事では、クリスチャンの僕が、
- イスカリオテのユダとは?
- イスカリオテのユダはなぜ裏切った?【諸説あり】
- イスカリオテのユダの生涯
- 外典には、”ユダの福音書”が存在する!?
について解説します!
目次
イスカリオテのユダとは?
イスカリオテのユダはイエスの12弟子の1人で、他の弟子のユダ(タダイ)とは別人です。
弟子たちの中で唯一のガリラヤ以外の出身者ですね。
イエスを裏切ったことで裏切り者の代名詞になっていますが、彼の人物像は意外にも真面目な常識人だったと言われています。
何しろ、皆のお金を預かるという重要な役割である会計係を任されていたくらいですから。
「彼がこう言ったのは、貧しい人たちに対する思いやりがあったからではなく、自分が盗人であり、財布を預かっていて、その中身をごまかしていたからであった。」
(ヨハネによる福音書12章6節)
相当信頼されていなければ、会計係は任されないでしょう。
実際、イエスが裏切り者の存在を語られたとき、他の弟子たちはユダだけはありえないと思っていたそうです。
ユダが会計で不正をしていたことに弟子たちが気づいたのも、ユダが自殺した後だったんだとか。
実は、ユダに限らず、ブルータスとか明智光秀といった歴史的裏切り者たちには有能な常識人が多かったりするんですよね。
そんな彼らがなぜ裏切りに走るのかは本当に不思議ですが。。
イスカリオテのユダはなぜ裏切った?【諸説あり】
ユダと言えば裏切りですが、そもそもユダはなぜイエスを裏切ったのでしょうか?
しかし、結論から言うと、ユダの裏切りの理由はいまだにはっきりとは分かっていません。
なぜなら、聖書に書かれていないからです。
ただし、いくつかの説はあり、
- 説①お金が欲しかったから
- 説②ローマ打倒の期待を裏切られたから
- 説③ローマを倒すためにあえてイエスを追い込んだ
などが挙げられます。
説①お金が欲しかったから
1つ目の説は、単純にお金が欲しかったからという理由ですね。
確かに、ユダはイエスたちの財布の中身をごまかしていたと聖書に書かれており、その強欲さが垣間見えます。
「弟子のひとりで、イエスを裏切ろうとしていたイスカリオテのユダが言った、 5「なぜこの香油を三百デナリに売って、貧しい人たちに、施さなかったのか」。 6彼がこう言ったのは、貧しい人たちに対する思いやりがあったからではなく、自分が盗人であり、財布を預かっていて、その中身をごまかしていたからであった。」
(ヨハネによる福音書12章4~6節)
では、ユダがイエスを売る代わりに得た報酬はいくらかというと、銀貨30枚です。
これは当時の奴隷1人分に相当する金額であり、決して大きな金額とは言えません。
ですので、いくらユダがお金に汚かったとしても、
という感じは否めないですね。。
一生遊んで暮らせるだけのお金をもらえるならまだ分かりますが!
それに、ユダが本当にお金目当てなら、もっと値上げ交渉をしててもおかしくないと思うんですよ。
お前たちが捕らえたがっていたあのイエスだぞ!?
という感じで。
説②ローマ打倒の期待を裏切られたから
当時、ユダヤ人はローマ帝国に支配されており、ユダヤ人たちはそのことに反発を抱いていました。
そんなときに現れたのがイエスであり、この人物こそローマの支配から解放してくれる待望のメシア(救い主)だと多くの人が期待したのです。
ユダもその1人であり、その期待を裏切られたから裏切ったという説ですね。
ユダはイエスに、ローマからの解放をリードする指導者としてのメシア像を思い描いていました。
しかし、イエスはローマ人打倒のためではなく、人類を罪から救うために来られたメシアだたのです。
実際、イエスはローマと戦うどころか、自分はいずれ殺されて3日目に復活するなどと言い始めました。
そのことにユダは失望し、裏切ったのではないかということですね。
説③ローマを倒すためにあえてイエスを追い込んだ
これは②の説とも関連していますが、ローマを倒すためにイエスをあえて追い込んだという説です。
どういうことかというと、ユダはこう考えました。
そうだ!イエス様を売れば、イエス様もローマ人との戦いを始めざるを得ないんじゃないか??
と。
つまり、ユダに本当に裏切る気持ちはなく、イエスが死ぬとも考えていなかったということです。
イエスのことだから、捕まっても何とかするだろうと。
しかし、その後イエスは罪に定められて、死んでしまいました。
だからこそ、予想外の展開にユダは後悔し、自殺したと考えることはできるかもしれません。
イスカリオテのユダの生涯
それでは、ユダの悲しき人生を見ていきましょう。。
- イエスの弟子になる
- べタニアのマリアを批判する
- 裏切りを企む
- 最後の晩餐
- ユダの裏切り
- ユダの自殺
イエスの弟子になる
「十二使徒の名は、次のとおりである。まずペテロと呼ばれたシモンとその兄弟アンデレ、それからゼベダイの子ヤコブとその兄弟ヨハネ、ピリポとバルトロマイ、トマスと取税人マタイ、アルパヨの子ヤコブとタダイ、熱心党のシモンとイスカリオテのユダ。このユダはイエスを裏切った者である。」
(マタイによる福音書10章2~4節)
ユダはイエスの弟子の1人ですが、どのような経緯で弟子になったかは聖書に書かれていません。
上記のように、いきなり12弟子として名前が出てきますね。
べタニアのマリアを批判する
「弟子のひとりで、イエスを裏切ろうとしていたイスカリオテのユダが言った、 5「なぜこの香油を三百デナリに売って、貧しい人たちに、施さなかったのか」。 6彼がこう言ったのは、貧しい人たちに対する思いやりがあったからではなく、自分が盗人であり、財布を預かっていて、その中身をごまかしていたからであった。」
(ヨハネによる福音書12章4~6節)
弟子入り後、イエス一行の会計係を任されていたユダですが、彼の悪い部分が垣間見えるエピソードが聖書には書かれています。
これは、イエスが十字架に架かられる少し前のこと。
イエスは弟子たちと、ある兄妹の家に立ち寄り、食事をしておられました。
すると、べタニアのマリアが高価なナルドの香油を持ってきてイエスの足に塗り、自分の髪でその足をぬぐい始めたのです。
これを見たユダは、べタニアのマリアを批判して言いました。
この香油を売れば、そのお金で貧しい人々のためにできることがあっただろうに!
しかし、一見もっともらしいこの意見は、ユダの本心ではありませんでした。
なぜなら、ユダは会計係をしていながら、預かったお金をごまかし不正を行っていたからです。
お金にがめついユダには、べタニアのマリアの信仰による行動は全く理解できませんでした。
すると、イエスはユダを諭し、こう言われました。
彼女は私の埋葬の準備をしてくれているのだから。
✅べタニアのマリアについては、聖書に登場する「マリア」まとめ!全部で何人いるの!?【それぞれ解説】をどうぞ
裏切りを企む
「時に、十二弟子のひとりイスカリオテのユダという者が、祭司長たちのところに行って 15言った、「彼をあなたがたに引き渡せば、いくらくださいますか」。すると、彼らは銀貨三十枚を彼に支払った。 16その時から、ユダはイエスを引きわたそうと、機会をねらっていた。」
(マタイによる福音書26章14~16節)
この出来事の後、ユダはついに裏切りを企て、それを実行に移し始めます。
ユダは、イエスを殺す機会を伺っていたユダヤ教の祭司長たちのところに行き、こう言ったのです。
こうして、ユダは祭司長たちから銀貨30枚を受け取ってしまいました。
このときから、ユダはイエスを引き渡す機会を狙っていたのです。
✅ユダヤ教の人たちについては、【まとめ】イエス・キリストと敵対したユダヤ教の主な宗派とは?をどうぞ
最後の晩餐
「イエスを裏切ったユダが答えて言った、「先生、まさか、わたしではないでしょう」。イエスは言われた、「いや、あなただ」。」
(マタイによる福音書26章25節)
その後、イエスと弟子たちは最後の晩餐のときを持つことになりました。
すると、食事中にイエスは弟子たちに突然このようなことを言われました。
この突然の予告に、弟子たちはびっくり仰天。
弟子たちが、自分のことですか?とイエスに問いかける中でユダも言いました。
イエスは言われました。
イエスは、ユダの裏切りのことも全てご存じだったのです。
✅最後の晩餐については、【徹底解説】”最後の晩餐(ばんさん)”の意味とは?ただのディナーじゃない!?【3分で分かる】をどうぞ
ユダの裏切り
「イエスを裏切った者が、あらかじめ彼らに、「わたしの接吻する者が、その人だ。その人をつかまえろ」と合図をしておいた。 49彼はすぐイエスに近寄り、「先生、いかがですか」と言って、イエスに接吻した。」
(マタイによる福音書26章48、49節)
最後の晩餐の後、イエスがゲッセマネでの祈りを終えると、ユダが祭司長たちや群衆を引き連れてやってきました。
ユダがイエスに
と言って口づけをすると、これを合図に人々はイエスを捕らえました。
しかし、イエスはこのことが起こるのをご存じだったため、全く抵抗をされませんでした。
こうして、ユダの裏切りは実行されてしまったのです。
しかも、他の弟子たちはイエスを見捨てて逃げ出してしまいました。(おい)
ユダの自殺
「そのとき、イエスを裏切ったユダは、イエスが罪に定められたのを見て後悔し、銀貨三十枚を祭司長、長老たちに返して 4言った、「わたしは罪のない人の血を売るようなことをして、罪を犯しました」。しかし彼らは言った、「それは、われわれの知ったことか。自分で始末するがよい」。 5そこで、彼は銀貨を聖所に投げ込んで出て行き、首をつって死んだ。」
(マタイによる福音書27章3~5節)
しかし、裏切りの後にユダはイエスが死刑判決を受けたことを知ると、強い後悔の念が押し寄せてきました。
そして、祭司長たちのところに行くとこう言いました。
この銀貨30枚はあなたたちにお返しします。
しかし、祭司長たちは答えました。
お前の問題だろう。
これを聞いたユダは絶望し、銀貨を神殿に投げ込むと首を吊って死んでしまいました。
イエスの弟子としてはあまりも寂しい最期ですね。
外典には、”ユダの福音書”が存在する!?
あなたは、“ユダの福音書”という書物があるのを知っていますか?
新約聖書には、
- マタイによる福音書
- マルコによる福音書
- ルカによる福音書
- ヨハネによる福音書
という4つの福音書がありますが、ユダの福音書は外典扱いなので正典には含まれていません。
このユダの福音書には、ユダの裏切りについて中々衝撃的なことが書かれています。
なんと、ユダはイエスを裏切ったのではなく、イエスの命令に従っただけだというのです。
むしろ、ユダはどの弟子たちよりもイエスに信頼され、重要な役割を任されていたと。
もしこれが本当なら、ユダは裏切り者どころかとんでもない偉人だということになりますね。
ユダの福音書の終わりのほうでは、イエスがユダにこのような言葉をかけます。
「お前は、真の私を包むこの肉体を犠牲とし、すべての弟子たちを超える存在になるだろう」
ただ、ユダの福音書は、グノーシス主義という異端の文書であるとされているため、正典には入りませんでした。
もしこれが正典となっていたら、今までの常識が覆(くつがえ)るところでしたね。
さて、ユダの裏切りの真相やいかに。。
まとめ:ユダがなぜイエスを裏切ったのかは永遠の謎!
ユダがイエスを裏切った動機に関しては、キリスト教を代表する永遠の謎の1つです。
聖書に書かれていない以上、今後も判明することはないでしょうね。
まあでも、ユダが裏切っていなかったとしても、イエスが十字架に架かられるという運命は変わらなかったはずです。
ユダが自分の意志でイエスを裏切ってしまったという事実は、なんだか切ないですよね。。
せめて、神様の救いを受けていて欲しいなと思いますが。
キートンでした。
👇参考文献