ジーザス、エブリワン!キートンです。
理由を詳しく知りたいなあ。。
こういった疑問にお答えします。
ユダヤ人は迫害されていた、という話を皆さんは聞いたことはないでしょうか?
ユダヤ人とは、ユダヤ教徒あるいはユダヤ人の母を持つ人たちのことです。
特にナチスドイツによって行われたユダヤ人大虐殺(ホロコースト)は有名で、その悲惨さはご存じの方も多いかと思います。
実際、人類の歴史上でユダヤ人ほど憎まれた人たちはいなかったと言っても過言ではありません。
その証拠に、ユダヤ人は今まで住んできたほぼ全ての国で迫害を受け、国から追放されてきました。
ユダヤ人の歴史が書かれた旧約聖書にも、“出エジプト記”にユダヤ人が奴隷として働かされている様子が描かれています。
「エジプトびとはイスラエルの人々をきびしく使い、 14つらい務をもってその生活を苦しめた。すなわち、しっくいこね、れんが作り、および田畑のあらゆる務に当らせたが、そのすべての労役はきびしかった。 15またエジプトの王は、ヘブルの女のために取上げをする助産婦でひとりは名をシフラといい、他のひとりは名をプアという者にさとして、 16言った、「ヘブルの女のために助産をするとき、産み台の上を見て、もし男の子ならばそれを殺し、女の子ならば生かしておきなさい」。」
(出エジプト記1章13~16節)
(※イスラエル人もへブル人も、現在のユダヤ人のことを指しています。
【疑問】ヘブライ人、イスラエル人、ユダヤ人の違いとは?も参照)
しかし、ではなぜ彼らは歴史上でこれほど迫害・差別されてきたのでしょうか?
もちろん、ユダヤ人迫害の歴史は長く、様々な要素が絡み合っているため理由を1つに絞ることはできませんが、いくつか主な理由はあります。
そこでこの記事では、クリスチャンの僕がユダヤ人が迫害・差別された主な理由をご紹介します!
目次
【歴史】ユダヤ人が嫌われたわけは?迫害・差別された5つの理由
ユダヤ人が迫害・差別された主な理由は、以下の5つです。
- 理由①唯一の神しか認めないから
- 理由②独自の律法があるから
- 理由③選民思想があるから
- 理由④質の高い生活をしていたから
- 理由⑤イエスを救い主と認めずに殺したから
それぞれ詳しく見ていきましょう!
理由①唯一の神しか認めないから
ユダヤ人が信仰するユダヤ教は一神教であり、唯一の神しか認めません。
彼らの経典である旧約聖書にも、神は唯一であるということが繰り返し書かれています。
「イスラエルよ聞け。われわれの神、主は唯一の主である。 5あなたは心をつくし、精神をつくし、力をつくして、あなたの神、主を愛さなければならない。」
(申命記6章4、5節)
そして、それはつまり他の宗教の神を否定するということです。
実際、ユダヤ教では偶像崇拝が厳格に禁止されています。
こちらも、旧約聖書の十戒に明確に書かれていますね。
「あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない。 4あなたは自分のために、刻んだ像を造ってはならない。上は天にあるもの、下は地にあるもの、また地の下の水のなかにあるものの、どんな形をも造ってはならない。 5それにひれ伏してはならない。それに仕えてはならない。」
(出エジプト記20章3~5節)
古代世界では、様々な民族が自分たちの神々を信仰していましたが、他の民族の神のことも認めて尊重していました。
ところが、ユダヤ人だけは他の民族の神は信じるに足らないと主張したのです。
このことが、他の宗教や民族の人たちの反発を買うことになりました。
例えば、実際に今までの歴史を見てみると、
- ローマ人の神々やローマ皇帝への信仰を拒否したことで迫害を受ける
- イエスが神であることを認めずキリスト教徒の憎しみを買う
- ムハンマドの神性を認めずイスラム教徒の憎しみを買う
といったことが過去にあったのです。
これは例えるなら、自分が大好きなアイドルを真っ向から否定され、
私が好きなアイドルのみが真のアイドルである!!
と吐き捨てられるようなものですからね。
他の宗教の人たちからすれば、許しがたいことでしょう。
理由②独自の律法があるから
ユダヤ教には守るべき厳格な律法というものがあり、そのルールに従ってユダヤ人たちは生活をしています。
律法は神から与えられたものであり、特に有名なのがモーセの十戒ですね。
「ときに主はモーセに言われた、「山に登り、わたしの所にきて、そこにいなさい。彼らを教えるために、わたしが律法と戒めとを書きしるした石の板をあなたに授けるであろう」。」
(出エジプト記24章12節)
その結果、ユダヤ人は非ユダヤ人とは異なった行動や食事方法をとることになりました。
例えば、食事1つとっても、カシュルートと呼ばれる厳格な食物規定があり、
- 豚肉
- 乳製品と肉が入った料理(シチューなど)
- イカ・タコ・エビ・カニ・牡蠣(かき)
- 貝類全般
などを食べることができません。
また、1週間に1度ある安息日を守ることにも厳格であり、この日には、
- 働くこと
- 調理をすること
- 旅をすること
などを一切禁じられ、家族や同じユダヤ人たちと祈ったり学んだりしたりして過ごします。
なにもユダヤ人は、仙人のごとく社会から離れて生活したわけではありません。
むしろ、自分たちの生活スタイルを守りながら、社会の中で暮らそうとしました。
しかし、こうした独自の律法に基づく生活スタイルが、彼らを孤立させていってしまったのです。
また、律法を守ることで救われるとするユダヤ人の考えは、キリストを信じれば救われると考えるキリスト教徒の反感を買いました。
理由③選民思想があるから
ユダヤ人には、自分たちは神に選ばれた民であるという選民思想があります。
ユダヤ教ではその理由を、ユダヤ人はこの世を完成させるという使命を与えられているからとしています。
救われるのもユダヤ人だけとしており、こうした考え方が他の宗教や民族から嫌われるのはもはや言うまでもありません。
しかし、実際に聖書にもこのように書かれています。
「それで、もしあなたがたが、まことにわたしの声に聞き従い、わたしの契約を守るならば、あなたがたはすべての民にまさって、わたしの宝となるであろう。全地はわたしの所有だからである。 6あなたがたはわたしに対して祭司の国となり、また聖なる民となるであろう』。これがあなたのイスラエルの人々に語るべき言葉である」。」
(出エジプト記19章5、6節)
「主があなたがたを愛し、あなたがたを選ばれたのは、あなたがたがどの国民よりも数が多かったからではない。あなたがたはよろずの民のうち、もっとも数の少ないものであった。」
(申命記7章7節)
この聖句を見ても分かる通り、ユダヤ人は優秀だから神から選ばれたわけではありません。
しかし、反ユダヤの人たちはこの思想を
と解釈しました。
しかも、この後に詳しく語りますが、彼らは生活の質も高かったため、余計に恨みや嫉妬を買うようになったのです。
ただ、現代のユダヤ人の間では、選民思想への信仰は弱まってきているようです。
理由④質の高い生活をしていたから
ユダヤ人=お金持ちというイメージをお持ちの方は多いかと思いますが、
実際、彼らの生活の質は非ユダヤ人と比べても高いものでした。
例えば、彼らは非ユダヤ人に比べて、
- 常に良い教育を受けている
- 犯罪率が低い
- アルコール中毒者が少ない
- 崩壊している家庭が少ない
といった特徴があります。
そして、これらの生活の基盤になっていたのもやはりユダヤ教でした。
例えば、アルコール中毒者が少ないのは、旧約聖書やユダヤ教の教えに酔っぱらってはならないとあるからです。
「しかし、これらもまた酒のゆえによろめき、濃き酒のゆえによろける。祭司と預言者とは濃き酒のゆえによろめき、酒のゆえに心みだれ、濃き酒のゆえによろける。彼らは幻を見るときに誤り、さばきを行うときにつまづく。」
(イザヤ書28章7節)
彼らは、ユダヤ教の教えを熱心に守ることで、結果的に質の高い生活を手にすることになったのです。
また、中世の時代に土地を持つことが許されなかったユダヤ人は、土地がなくてもできる奴隷貿易や金融業などで大成功。
現在のイメージ通り、世界でも有数のお金持ちになっていきました。
しかし、良い暮らしをしている人を妬(ねた)んでしまうのは、人の常。
彼らは質の高い生活をしているがゆえに、ますます非ユダヤ人からの嫉妬の対象となっていったのです。
理由⑤イエスを救い主と認めずに殺したから
これは主にキリスト教徒から迫害された理由ですが、
キリスト教徒の間で、ユダヤ人はイエスを救い主と認めず死に追いやった奴らとされており、
- キリスト殺し
- 神殺し
などと言われてきました。
実際、新約聖書を見ると、”イエスを十字架に架けろ”と言ったのはユダヤ人であり、その責任も受け入れているのが分かります。
「ピラトは言った、「それではキリストといわれるイエスは、どうしたらよいか」。彼らはいっせいに「十字架につけよ」と言った。 23しかし、ピラトは言った、「あの人は、いったい、どんな悪事をしたのか」。すると彼らはいっそう激しく叫んで、「十字架につけよ」と言った。 24ピラトは手のつけようがなく、かえって暴動になりそうなのを見て、水を取り、群衆の前で手を洗って言った、「この人の血について、わたしには責任がない。おまえたちが自分で始末をするがよい」。 25すると、民衆全体が答えて言った、「その血の責任は、われわれとわれわれの子孫の上にかかってもよい」。」
(マタイによる福音書27章22~25節)
イエスを救い主だと信じるキリスト教からすれば、これは許し難い事実です。
そのため、ユダヤ人は主にキリスト教が浸透していたヨーロッパなどで激しい迫害・差別を受けることになりました。
しかも、当時のヨーロッパでのキリスト教は、政治などにまで浸透していたため、
ユダヤ人は法律や社会制度レベルでの迫害を受けていたのです。
例えば、1237年のウィーン憲章には、
はるか昔に、イエスをはりつけにした罰としてユダヤ人に永久的隷従を課す。
(引用:1237年ウィーン憲章より抜粋)
と記されています。
特にひどかったのは、十字軍のときです。
十字軍は、救世主を殺したとする憎きユダヤ人たちをあらゆる場所で虐殺し、時にはキリスト教に改宗させようともしました。
しかし、ユダヤ人たちの多くはそれを拒み、自殺していったのです。
この十字軍をきっかけに、中世におけるユダヤ人迫害はますます悪化していきます。
イエスキリストについては、【完全版】イエス・キリストとはどんな人?その生涯を簡単にまとめてみたをどうぞ
十字軍については、【残酷】十字軍遠征とは?わかりやすく歴史や影響まで解説しますをどうぞ
まとめ:ユダヤ人が迫害・差別された理由はいくつもある!
◎ユダヤ人が迫害・差別された主な理由
- 理由①唯一の神しか認めないから
- 理由②独自の律法があるから
- 理由③選民思想があるから
- 理由④質の高い生活をしていたから
- 理由⑤イエスを救い主と認めずに殺したから
ユダヤ人の迫害・差別の理由を見てきましたが、政治的に利用された、陰謀論が多いなど他にも理由はまだまだあるでしょう。
ただ、1つ気づくのは、ユダヤ人の迫害・差別の大きな原因に彼らが信仰しているユダヤ教があるということです。
彼らは純粋にユダヤ教の教えを守ろうとしただけかもしれませんが、それが結果的に多くの迫害や差別を招いてしまいました。
実際、過去の歴史でもユダヤ人がアイデンティティを捨てて、多数派の宗教や民族を受け入れた場合、
迫害を逃れられたことが多かったようです。
現在でもユダヤ人に関する陰謀論やお金持ちへの嫉妬なども多く、迫害は完全には終わってはいません。
ですから、迫害を終わらせるという意味でも、僕はこんなことを考えてしまいます。
ユダヤ人の皆さん、キリスト教に改宗してくれないかなあ。。(本音)
キートンでした。
👇参考文献