ジーザス、エブリワン!キートンです。
そもそも堕天使ルシファーって何者?
こういった疑問にお答えします。
あなたは、ルシファーという堕天使の名前を聞いたことはありますか?
アニメや漫画、ゲームなど様々なメディアでその名が使われているので、名前は聞いたことがある方は多いかもしれません。
ルシファーとか堕天使とか聞くと、ファンタジー好きならそれだけでうずうずしますよね。
堕天使ルシファーとは、キリスト教の伝承において天から追放された天使のことです。
ルシファーの物語は、キリスト教だけでなく、多くの宗教や神話、文学作品にも影響を与えていますが、
ルシファーがなぜ堕天してしまったのかご存知でしょうか?
実は堕天使ルシファーのイメージやその名前の由来については、聖書が大きく関係しているのですが、これを知らずにいる方も多いです。
そこでこの記事では、クリスチャンの僕が、
- ルシファーが堕天した理由は?3つの説を解説
- 堕天使ルシファーの正体は?
- 堕天使ルシファーは今後どうなる?神の救済はある?
について分かりやすく解説します。
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目次
ルシファーが堕天した理由は?3つの説を解説
天使は神が造られたものですが、どうしてルシファーは神に反逆して堕天使になってしまったのでしょうか?
ルシファーが堕天した理由については、いくつかの説があります。
主な3つの説をそれぞれ見ていきましょう!
- 高慢になったから
- 神の知識が欲しかったから
- 人間に嫉妬したから
① 高慢になったから
最も一般的な説の一つは、ルシファーは高慢になって神に反逆したというものです。
キリスト教の伝承によるとルシファーは元々、神が創造した天使の中でも最も美しく最も力強い全天使の長でした。
しかし、彼は自分の美しさと力に酔いしれ、自分自身を神以上の存在だと考えるようになります。
“神のようになりたい”という傲慢さが神への反逆につながり、最終的には天国からの追放、つまり堕天へと繋がったという説ですね。
この説の根拠とされる聖書箇所は、以下のようなものがあります。
「黎明の子、明けの明星よ、あなたは天から落ちてしまった。もろもろの国を倒した者よ、あなたは切られて地に倒れてしまった。 13あなたはさきに心のうちに言った、『わたしは天にのぼり、わたしの王座を高く神の星の上におき、北の果なる集会の山に座し、 14雲のいただきにのぼり、いと高き者のようになろう』。 15しかしあなたは陰府に落され、穴の奥底に入れられる。」
(イザヤ書14:12-15)
“黎明の子、明けの明星”というのは元々、かつて古代メソポタミア地域に実在した古代都市バビロンの王のことを指しています。
聖書では、バビロンは悪や罪、神に対する反逆の象徴として出てきますね。
この聖句では、バビロン王が神のようになろうとしたため、バビロンは滅びたということが書かれていますが、
後にこの”バビロンの王”が、堕天使ルシファーを象徴的に表していると解釈されるようになりました。
ちなみに、ここで出てくる“明けの明星(みょうじょう)”のラテン語が”ルシファー”になります。
ラテン語のルシファーは、キリスト教以前から”明けの明星”である金星を指すものとして使われてきました。
つまり、元々ルシファーは、堕天使を指す言葉ではなかったということです。
しかし、初期キリスト教の教父たちや後世の神学者によって、ルシファー=堕天使だと解釈されるようになったわけですね。
また、以下の聖句もこの説の根拠としてよく引用されます。
「「人の子よ、ツロの王のために悲しみの歌をのべて、これに言え。主なる神はこう言われる、あなたは知恵に満ち、美のきわみである完全な印である。 13あなたは神の園エデンにあって、もろもろの宝石が、あなたをおおっていた。すなわち赤めのう、黄玉、青玉、貴かんらん石、緑柱石、縞めのう、サファイヤ、ざくろ石、エメラルド。そしてあなたの象眼も彫刻も金でなされた。これらはあなたの造られた日に、あなたのために備えられた。(中略) 17あなたは自分の美しさのために心高ぶり、その輝きのために自分の知恵を汚したゆえに、わたしはあなたを地に投げうち、王たちの前に置いて見せ物とした。」
(エゼキエル書28:12-17)
この聖句はツロという国の王に対する神の言葉ですが、ルシファーが堕天する前の様子と重ねて語られた預言だとされています。
商業で栄え、あらゆる宝石で着飾っていたツロの王が傲慢になっていき、神によって衰退させられる。
これはまさに、自分の力と美しさゆえに傲慢になって神に退けられた堕天使ルシファーの姿ですね。
つまり、ルシファーが高慢になって神に反逆したという説の根拠は、
聖書に直接的に書かれているというよりは、聖句が象徴的に解釈されているということです。
② 神の知識が欲しかったから
別の解釈では、ルシファーの堕天は、神の知識を求めたことから始まったとされています。
つまり、ルシファーは権力や地位を求めたのではなく、全知全能である神と同等の知識や理解を得ようとして神に反逆したというんですね。
まあこれも、広い意味で高慢になった結果と言えますが。
この説は、聖書の記述というより、聖書をもとにした神学的な解釈や聖書以外の文献などによって生まれたものです。
例えば、ジョン・ミルトンによって書かれた“失楽園”では、
ルシファーは自由意志によって神に挑戦し、より大きな知識と力を求める存在として描かれています。
この説を見ると、アダムとイブが神に背いて”善悪を知る木”の実を食べてしまったのと、近いものを感じますね。
✅アダムとイブについては、アダムとイブ(エバ)のあらすじを簡単に解説【人間の始まり】をどうぞ
③ 人間に嫉妬したから
人間への嫉妬がルシファーを堕天させたという説もあります。
神は人間を自分に似せた特別な存在として大きな愛を持って造られましたが、そのことにルシファーが嫉妬したというのです。
「神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された。」
(創世記1:27)
神は人間を特別視し、天使たちに人間に仕えるよう求めましたが、ルシファーはこれを受け入れられませんでした。
なぜなら、ルシファーは、自分が天使の中で最も美しく力強い存在なのに、神が人間を特別扱いすることに我慢ならなかったからです。
その結果、神の怒りを買い、天から追放されたというんですね。
以上のように、ルシファーが堕天した理由についてはどれも聖書に直接は書かれておらず、
キリスト教の伝統や聖書以外の文献などによって作られてきたものだと言えます。
✅神が人間を造られたシーンについては、【聖書】天地創造とは?わかりやすくクリスチャンが内容を解説も参照
堕天使ルシファーの正体は?
堕天使ルシファーと聞くと、謎に包まれたミステリアスな存在に思えるかもしれませんが、その正体は何なのでしょうか。
以下で暴いていきましょう!
- キリスト教ではサタン(悪魔)
- 文化やメディアでの扱い
キリスト教ではサタン(悪魔)
キリスト教(特にカトリックやプロテスタント)の伝統において、堕天使ルシファーとはサタン(悪魔)のことを指します。
サタンは神に敵対する霊的存在であり、人間を誘惑をしたりだましたりして、神から遠ざけようとする悪のボスのような存在ですね。
まさに罪と悪の象徴であり、聖書にも度々登場します。
例えば、神が造られた最初の人間アダムとイブを誘惑し、人類と神の関係を壊したのもヘビの姿をしたサタンです。
「へびは女に言った、「あなたがたは決して死ぬことはないでしょう。 5それを食べると、あなたがたの目が開け、神のように善悪を知る者となることを、神は知っておられるのです」。」
(創世記3:4,5)
しかも、サタンは決して空想上の生物ではなく、実際に今も存在してこの世で私たち人間を神から引き離そうと働いているのです。
「身を慎み、目をさましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたけるししのように、食いつくすべきものを求めて歩き回っている。」
(ペテロの第一の手紙5:8)
✅サタンについては、【聖書】悪魔(サタン)とは?その正体をクリスチャンが解説しますをどうぞ
文化やメディアでの扱い
一方で、文化やメディアでは、ルシファーのイメージはもっとバラエティ豊富です。
時には神話的な存在として、時にはエンターテイメントのキャラクターとして、また時には魅力的な悪のカリスマとして扱われます。
より具体的に言うなら、以下のような例がありますね。
- 映画やテレビ
➔テレビドラマ『ルシファー』は、ルシファーが地獄を抜け出してロサンゼルスで刑事として働く姿を描いている。この作品ではルシファーは魅力的で複雑なキャラクターとして描かれている。
- 音楽
➔ロックやヘヴィメタルの音楽には、ルシファーに関する歌詞が含まれていることも。彼の名前は反逆や欲望の象徴として用いられている。
- ファッションやアート
➔ルシファーはゴシックファッションやダークアートのモチーフとしても人気。彼のイメージは不気味さや神秘性を表現するために使われている。
ただし、このような文化やメディアによって作り上げられたルシファーのイメージを鵜呑みにするのは危険です。
なぜなら、ルシファーが魅力的なキャラクターとして描かれることも少なくないからですね。
ルシファーの正体はサタンであり、聖書に描かれている姿こそ真実です。
つまり、神の敵対者であり、人間を罪や滅びに導くただただ恐ろしい悪の存在だということ。
「悪魔の策略に対抗して立ちうるために、神の武具で身を固めなさい。 12わたしたちの戦いは、血肉に対するものではなく、もろもろの支配と、権威と、やみの世の主権者、また天上にいる悪の霊に対する戦いである。」
(エペソ人への手紙6:11,12)
ダークヒーローや悪のカリスマみたいな、カッコいいもんじゃないんです!
堕天使ルシファーは今後どうなる?神の救済はある?
では、堕天使ルシファーは今後どうなるのでしょうか?
また、ルシファーに神の憐れみによる救いのチャンスは与えられるのでしょうか?
以下で詳しく見ていきましょう!
- 堕天使ルシファーの末路
- 救済があるという解釈も
堕天使ルシファーの末路
結論から言うと、堕天使ルシファーは最終的に神の裁きによって、永遠の罰を受ける運命にあるとされています。
もっと簡単に言うと、地獄に落ちるということですね。
なぜなら、新約聖書の“ヨハネの黙示録”にこのように書かれているからです。
「そして、彼らを惑わした悪魔は、火と硫黄との池に投げ込まれた。そこには、獣もにせ預言者もいて、彼らは世々限りなく日夜、苦しめられるのである。」
(ヨハネの黙示録20:10)
つまり、ルシファーは神と神の民に対して最後の反乱を起こすも、その戦いで敗れ、火と硫黄の池に投げ込まれる運命なのです。
そして、永遠の滅びの中で苦しむことになります。
善である神が勝利し、悪であるサタンは敗北して滅びる。
これが聖書が語る結末です。
だからこそ、今サタンは必死で人間たちを堕落させ、自分と同じく神の敵対者にしようとしているんですね。
ちなみに、サタンが滅びた後は、罪も死もない“新しい天と新しい地”(新天新地)が現れ、
そこで神と神の民が永遠に共に住むと聖書にあります。
「わたしはまた、新しい天と新しい地とを見た。先の天と地とは消え去り、海もなくなってしまった。 2また、聖なる都、新しいエルサレムが、夫のために着飾った花嫁のように用意をととのえて、神のもとを出て、天から下って来るのを見た。 3また、御座から大きな声が叫ぶのを聞いた、「見よ、神の幕屋が人と共にあり、神が人と共に住み、人は神の民となり、神自ら人と共にいまして、 4人の目から涙を全くぬぐいとって下さる。もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。先のものが、すでに過ぎ去ったからである」。」
(ヨハネの黙示録21:1-4)
✅新しい天と新しい地については【聖書】天国ってどんなところ?種類や行き方まで全て教えます!をどうぞ
救済があるという解釈も
では、堕天使ルシファーの救済に関してはどうでしょうか?
人間はキリストを信じることで救われると聖書にありますが、ルシファーはどうなのでしょう?
聖書に詳しくは書かれていませんが、
伝統的なキリスト教の解釈では、ルシファーに対する神の救済の可能性は認められていません。
なにしろ、先ほど見た黙示録では、”永遠の罰”を受けると書かれていますからね。
ルシファーは救いを受けず、地獄で昼も夜も世々限りなく苦しむことになります。
ただし、中には、神の愛と憐れみ深さを強調して、ルシファーを含むすべての存在が最終的には救済される可能性があると考える人もいますね。
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ルシファーが堕天した理由は諸説あり!
ルシファーが堕天した理由には複数の説がありますが、伝統的には”高慢になって神に反逆した”という説が一般的です。
堕天使ルシファーの正体は悪魔(サタン)であり、実在して今も働いています。
しかし、恐れる必要はありません。
なぜなら、サタンは既にイエスキリストの十字架での死と復活によって敗北しているから。
「そういうわけだから、神に従いなさい。そして、悪魔に立ちむかいなさい。そうすれば、彼はあなたがたから逃げ去るであろう。」
(ヤコブの手紙4:7)
そして、やがて神の裁きによって地獄に落とされる運命なのです。
ですから、決してサタンを美化したり恐れたりせず、イエスキリストを信じていきましょう!
キートンでした。
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