ジーザス、エブリワン!キートンです。
生涯についても詳しく知りたいなあ。。
こういった疑問にお答えします。
聖書には様々な人物がいますが、その中でも特に重要な人物の1人が今回ご紹介するアブラハムです。
なぜなら、彼は神に選ばれた民族であるイスラエル人(ユダヤ人)の始祖だとされているからですね。
アメリカで最も偉大な大統領の1人だと言われるエイブラハム・リンカーンのエイブラハムという名前も、このアブラハムが由来になっていますし、
ユダヤ教やキリスト教、イスラム教の社会を中心に男性の名前としてアブラハムの名が世界中で使われています。
こんなところからも、アブラハムがいかに尊敬されているかが分かりますね。
しかし、アブラハムがどのような人物なのか知らない方もいるでしょう。
そこで、この記事ではクリスチャンの僕が、
- アブラハムとは?
- アブラハムの生涯
- アブラハムが”信仰の父”と呼ばれる理由
- アブラハムの失敗とは?
などについてご紹介したいと思います。
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目次
アブラハムとは?
アブラハムは旧約聖書の“創世記”に登場する預言者で、”信仰の父”とも呼ばれる聖書を代表する重要人物です。
ノアの息子セムの子孫にあたり、妻はサラ、息子はイサク、甥(おい)にはロトがいますね。
アブラハムはイスラエル人(ユダヤ人)の始祖とされており、人類救済のために神に選ばれた預言者として
- ユダヤ教
- キリスト教
- イスラム教
全てで尊敬されています。
アブラハムは元々メソポタミア地方に住む遊牧民でしたが、神の啓示を受けて75歳でカナンの地へと出発。
神から、
- アブラハムの子孫が増え広がること
- カナンの地をアブラハムとその子孫に与えること
などを約束されました。
ちなみに、元々の名前はアブラム(高貴な父という意味)でしたが、後に神によって
アブラハム(多くの父という意味)という名前が与えられました。
「アブラムは、ひれ伏した。神はまた彼に言われた、 4「わたしはあなたと契約を結ぶ。あなたは多くの国民の父となるであろう。 5あなたの名は、もはやアブラムとは言われず、あなたの名はアブラハムと呼ばれるであろう。わたしはあなたを多くの国民の父とするからである。」
(創世記17章3~5節)
アブラハムの生涯
まずは、聖書をもとにアブラハムの生涯を見てみましょう!
- カナンへと旅立つ
- ロトとの別れと神の約束
- ロトを救出する
- イシュマエル誕生
- 神と契約を結ぶ
- 神の予告
- ソドムのために祈る
- イサク誕生
- 神の試練
カナンへと旅立つ
「時に主はアブラムに言われた、「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。 2わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。」
(創世記12章1、2節)
アブラハムは古代世界で重要な都市であったカルデアの地ウルで、裕福な遊牧民の家に生まれました。
父親の死後、アブラハムは神からこう告げられます。
そうすれば、私はあなたを大いなる国民として祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。
あなたを祝福する者を私は祝福し、あなたを呪う者を私は呪う。
地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。
これをアブラハムは聞き入れ、妻の
このとき、アブラハムは既に75歳になっていました。(いきなりの高齢)
アブラハムたちがカナンの地に入ると、神は言われました。
もちろん、カナンには先住民がいましたが、神はこれ以降も何度もイスラエル人とこの約束を繰り返すことになります。
✅カナンの地については、カナンの地とは?その歴史を聖書からひも解いてみた【約束の地】をどうぞ
ロトとの別れと神の約束
「アブラムはロトに言った、「わたしたちは身内の者です。わたしとあなたの間にも、わたしの牧者たちとあなたの牧者たちの間にも争いがないようにしましょう。 9全地はあなたの前にあるではありませんか。どうかわたしと別れてください。あなたが左に行けばわたしは右に行きます。あなたが右に行けばわたしは左に行きましょう」。」
(創世記13章8、9節)
旅を続けていくと、
土地の広さ的に一緒に住むのが厳しいということが分かってきました。
そのせいでお互いの間に争いが起こったので、2人は思い切って別々の方向に進むことに決めます。
アブラハムは、ロトに先に土地を選ばせると、
- アブラハム➡カナンの地
- ロト ➡ヨルダンの低地(後にソドムに移住)
にそれぞれ行くことになりました。
ロトと別れた後、神はアブラハムに言われました。
そして、あなたの子孫を地のちりくらい増やしてみせよう。
神はアブラハムに、子孫にどこの地が与えられるのか、子孫はどうなるのかを具体的に示されたのです。
ロトを救出する
「アブラムは身内の者が捕虜になったのを聞き、訓練した家の子三百十八人を引き連れてダンまで追って行き、 15そのしもべたちを分けて、夜かれらを攻め、これを撃ってダマスコの北、ホバまで彼らを追った。 16そして彼はすべての財産を取り返し、また身内の者ロトとその財産および女たちと民とを取り返した。」
(創世記14章14~16節)
ところが、ヨルダン川流域の低地を選び、後にソドムへと移り住んだロトに早速不幸が訪れます。
ソドムとゴモラはエラム国という国に支配されていましたが、他の国の王と同盟を組み、反乱を起こしたのです。
その結果、ソドム側は敗北し、ソドムに住んでいたロトは巻き添えで捕らえらえ全財産も奪われてしまいました。
しかし、このことを知ったアブラハムは、エラムの王たちを追撃。
奪われた全財産やロトたちを取り戻すことができました。
この出来事の後、神は
- アブラハムに子が与えられること
- アブラハムの子孫が星の数のように増えること
を約束され、アブラハムと契約を結びました。
また、エジプトの川からユーフラテス川までの土地をアブラハムの子孫に与えることを約束されました。
イシュマエル誕生
「ハガルはアブラムに男の子を産んだ。アブラムはハガルが産んだ子の名をイシマエルと名づけた。 16ハガルがイシマエルをアブラムに産んだ時、アブラムは八十六歳であった。」
(創世記16章15、16節)
しかし、神の約束にも関わらず、アブラハムとサラの間には子供ができず、
アブラハムは85歳、サラは75歳という高齢になっていました。
しびれを切らした
当時、子供のできない女性は、夫に女奴隷を与えて跡継ぎを産ませるのが一般的でした。
ですから、アブラハムたちの行動が特殊だったわけではありません。
こうしてアブラハムとの子を身ごもったハガルでしたが、次第にサラのことを見下すようになります。
このことに怒ったサラはハガルをいじめるようになり、ハガルはついにサラの元から逃げ出してしまいました。(昼ドラか)
ところが、神の使いが砂漠の泉のほとりで
また、生まれてくる男の子にはイシュマエルという名前を付けるのだ。
イシュマエルの子孫は数えきれないほど増える。
この言葉に神のご加護を感じたハガルは、サラのもとに戻り、無事に男の子イシュマエルを生みました。
神と契約を結ぶ
「わたしはあなた及び後の代々の子孫と契約を立てて、永遠の契約とし、あなたと後の子孫との神となるであろう。 8わたしはあなたと後の子孫とにあなたの宿っているこの地、すなわちカナンの全地を永久の所有として与える。そしてわたしは彼らの神となるであろう」。」
(創世記17章7、8節)
それから年月が経ちアブラハムが99歳になった頃、再び神はアブラハムと契約を結びました。
その内容は、
- アブラハムに多くの子孫を与えること
- アブラハムが多くの国民の父となること
- アブラハムの子孫との間に契約を継続すること
- アブラハムとその子孫にカナンの地を永久に与えること
です。
また、この契約のしるしとして、全ての男子は生まれてから8日目に性器の前の皮を切り取る割礼という儀式を受けることを命じられました。
割礼の儀式は、現代のユダヤ教徒にとっても重要な儀式の1つとなっています。
(✅詳しくは、【聖書】割礼とは?どこを切るのか、何のために行われるのかなど解説を参照)
さらに、このとき神はアブラハムの妻サラが男の子を産むことを告げました。
アブラハムもサラも年老いていたため、これを聞いたアブラハムは思わず笑ってしまいましたが、1年後にこの予告は実現していくのです。
神の予告
「そのひとりが言った、「来年の春、わたしはかならずあなたの所に帰ってきましょう。その時、あなたの妻サラには男の子が生れているでしょう」。」
(創世記18章10節)
ある日、旅人の姿をした神と2人の天使がアブラハムの所にやっ
アブラハムが彼らを食事などでもてなすと、神はアブラハムに告げました。
神はまたしても、アブラハムたちに子どもが与えられると語られたのです。
しかし、これを陰で聞いていたサラは思わず、心の中で笑ってしまいました。
サラは既に89歳になっており、この歳で子供を生むことなど信じられなかったのです。
しかし、神に不可能なことなどありません。
この予告は実現することになります。
ソドムのために祈る
「アブラハムは近寄って言った、「まことにあなたは正しい者を、悪い者と一緒に滅ぼされるのですか。 24たとい、あの町に五十人の正しい者があっても、あなたはなお、その所を滅ぼし、その中にいる五十人の正しい者のためにこれをゆるされないのですか。 25正しい者と悪い者とを一緒に殺すようなことを、あなたは決してなさらないでしょう。正しい者と悪い者とを同じようにすることも、あなたは決してなさらないでしょう。全地をさばく者は公義を行うべきではありませんか」。」
(創世記18章23~25節)
その後で、さらに神はアブラハムに言われました。
私は彼らが滅ぼされるべきかどうかを見て確かめようと思う。
ソドムとゴモラの町は、悪で満ちていたんですね。
しかし、ソドムの町には、アブラハムが途中で別れた甥(おい)のロトが住んでいました。
そこでアブラハムは神に言いました。
もしその町の中に50人の正しい者がいても、あなたはその町をお赦しにはならないのでしょうか?
アブラハムは、ソドムのため、ロトたちのためにお祈りをしたのです。
その後もアブラハムは神にお祈りを続け、
最終的に町に10人正しい人がいれば滅ぼされないという約束をすることができました。
しかし、結局町には10人も正しい人がいなかったため、ソドムとゴモラの町は滅ぼされてしまうことになります。
✅詳しくは、【聖書】ソドムとゴモラのあらすじとは?何をした結果滅ぼされた?をどうぞ
イサク誕生
「サラはみごもり、神がアブラハムに告げられた時になって、年老いたアブラハムに男の子を産んだ。 3アブラハムは生れた子、サラが産んだ男の子の名をイサクと名づけた。」
(創世記21章2、3節)
さて、アブラハムが100歳、サラが90歳になった頃、
神の預言通り、ようやくアブラハムとサラの間にイサクという男の子が生まれまし
これこそ神がお与えになった本当の子供です。
ところが、イサクが生まれたことで、妻であるサラと女奴隷ハガルの仲はいっそう悪くなります。
ある日サラは、ハガルの子イシュマエルがイサクをからかっているのを見てついに我慢の限界に。
アブラハムに、ハガルとイシュマエルを追い出すように訴えます。
しかし、イシュマエルもアブラハムにとっては可愛い息子。
悩むアブラハムに、神はこう語られました。
私はイシュマエルも1つの国民の父とするから、心配しなくてもいい。
アブラハムは神の言葉を信じ、次の日、パンと水の入った革袋を持たせてハガルとイシュマエルを追放します。
結果的にイシュマエルは生き長らえて弓を射る者となり、アラブ人の先祖となりました。
✅イサクについては、【聖書人物】イサクとは?その生涯を簡単にまとめてみたをどうぞ
神の試練
「神は言われた、「あなたの子、あなたの愛するひとり子イサクを連れてモリヤの地に行き、わたしが示す山で彼を燔祭としてささげなさい」。」
(創世記22章2節)
アブラハムは、ようやく与えられた子イサクをこよなく愛していました。
しかし、そんなアブラハムに辛すぎる試練がやって来ます。
あるとき、神はアブラハムに言われました。
そして、私が命じる山の上でイサクを焼き尽くすいけにえとしてささげるのだ。
アブラハムは当然これに驚きます。
むむむ。。でも神に従おう
なんとアブラハムは、このとんでもない神の命令に従ったのです。
命じられた場所に着くとアブラハムはそこに祭壇を築き、薪(たきぎ)を並べ、イサクを縛って祭壇の薪の上に載せました。
アブラハムが刃物でイサクを切り裂こうとしたその瞬間、
あなたが神を信じる者だということはよく分かった。愛する自分の子すら惜しまずささげようとしたのだから。
そう、これは神がアブラハムの信仰を試しておられたのです。
こうして信仰を守り抜いたアブラハムは、神から改めて星の数ほどの子孫を与えることを約
アブラハムは175歳まで生きたと言われています。
アブラハムが”信仰の父”と呼ばれる理由
アブラハムは”信仰の父”と呼ばれ、現在でも多くの人に尊敬されていますがそれはなぜでしょうか?
それは、アブラハムがいつも神に従う信仰の強い人物だったからです。
実際、アブラハムは神の命令とあらば、
- 75年間も住み続けた愛する故郷を手放す
- ようやく生まれた最愛の息子イサクさえもささげようとする
というハードな行動すら惜しみませんでした。
また、聖書にはこう書かれています。
「アブラムは主を信じた。主はこれを彼の義と認められた。」
(創世記15章6節)
ここに書かれている”義”というのは、神から正しい者と認められたということです。
つまり、アブラハムの信仰の強さは神のお墨付きなんですね!
アブラハムの失敗とは?
さて、ここまで見てくるとアブラハムが完璧な人間なように思えますが、そうではありません。
実は、アブラハムはその生涯で大きな失敗を何度かしているのです。
アブラハムの代表的な失敗を見てみましょう!
- 妻を妹だと偽った
- 神の約束を待てずに子を産んだ
妻を妹だと偽った
「エジプトにはいろうとして、そこに近づいたとき、彼は妻サライに言った、「わたしはあなたが美しい女であるのを知っています。 12それでエジプトびとがあなたを見る時、これは彼の妻であると言ってわたしを殺し、あなたを生かしておくでしょう。 13どうかあなたは、わたしの妹だと言ってください。そうすればわたしはあなたのおかげで無事であり、わたしの命はあなたによって助かるでしょう」。」
(創世記12章11~13節)
これは、アブラハムたちが神から示された”カナンの地”に着いた後のこと。
大きな飢饉(ききん)が起こったため、一旦食糧のあるエジプトに滞在(たいざい)することになりました。
しかし、そのときアブラハムに大きな恐れがやってきました。
それは、サラが自分の妻だと分かると、サラを奪うために自分が殺されてしまうのではないかという恐れです。
なぜなら、サラは美人だったからですね。
そこで、アブラハムは妻のサラにこう言いました。
そうすれば、私はあなたの兄として良くしてもらえ、命も助かるかもしれない。
実際サラはアブラハムの異母妹だったので半分本当ですが、妻でもあります。
アブラハムは、神が守ってくださるということを信じることができなかったんですね。
実際、エジプトに着くとサラの美しさは評判になり、エジプト王ファラオの妻の1人として召し入れられました。
また、ファラオはアブラハムを厚くもてなし、たくさんの家畜や奴隷を与えました。
しかし、当然こんなことは神の望むことではなく、
神はファラオたちに疫病をもたらすことで、サラはアブラハムの妻だという事実を知らされたのです。
ちなみに、アブラハムは後に、これと同じ失敗をもう1度しています。
アブラハムは、ゲラルという地の王様にも同じ嘘を付いたんですね。
神の約束を待てずに子を産んだ
「アブラムの妻サライはそのつかえめエジプトの女ハガルをとって、夫アブラムに妻として与えた。これはアブラムがカナンの地に十年住んだ後であった。」
(創世記16章3節)
アブラハムは神に子が与えられることを約束されていました。
しかし、中々この約束が実現しないことに耐え切れなくなったアブラハムたちは、
自分たちの判断で勝手に子を産んでしまったのです。
具体的には、女奴隷のハガルを妻に迎えて、アブラハムの子イシュマエルを産ませたんですね。
しかし、これは神の約束を信じ切れていない不信仰な行為。
その結果、サラとハガルの関係はこじれ、ドロドロとした展開になっていきます。
まとめ:アブラハムはイスラエル人(ユダヤ人)の始祖で偉大な信仰者!
失敗こそありましたが、アブラハムはイスラエル人(ユダヤ人)の始祖であり、偉大な”信仰の父”です。
アブラハムは人格によってではなく、信仰によって偉大な人物とされたんですね。
神はアブラハムの名を大いなるものとすることを約束しましたが、実際、現在でもユダヤ人を始め、
キリスト教、イスラム教と多くの人がアブラハムを尊敬しています。
また、この後、聖書の歴史はアブラハムの子孫を中心に進んでいきます。
その中にはイエスキリストもおり、イエスキリストを通して私たちは救いを受けられるのです。
つまり、神の地上の全ての人を救おうとするご計画は、アブラハムを通して始まったということですね。
ぜひアブラハム以降の歴史もこのブログから学んでいきましょう!
キートンでした。
👇参考文献
宗教的色眼鏡なしにしいて歴史的側面から判明している事実、仮説の流派を解説して欲しい