聖書人物シリーズ

【聖書】ギデオンってどんな人?小心者からヒーローになった!?

ジーザス、エブリワン!キートンです。

旧約聖書に登場する”ギデオン”ってどんな人?

その生涯などについて詳しく教えて!

こういった疑問にお答えします。

 

今回は、イスラエルの危機を救った士師の1人“ギデオン”をご紹介します。

士師の中では、“サムソン”に次ぐくらいの知名度がありますね。

 

しかし、実は彼、元々は至って普通の人物でした。

そんなギデオンがどのようにして、国を救う英雄になったのでしょうか?

 

もちろん、何らかの事故で死んで、勇者に転生したわけではありません。(ファンタジーアニメか)

そこで、この記事では、クリスチャンの僕が、

  • ギデオンとはどのような人物か
  • ギデオンの生涯

などをご紹介します!

“ギデオン”とは?

ギデオンは、旧約聖書の”士師記”に登場する人物で、イスラエル人の士師です。

士師というのは、イスラエルの危機を救うために神様が用いられた人々のこと。

 

ギデオンはそのうちの1人ということですね。

普通の人だったギデオンは結果的に、神様の力を借りて、見事にイスラエルを危機から救うことができました。

ギデオンの生涯

それでは、聖書に書かれているギデオンの生涯を見てみましょう!

神の御使い、ギデオンの前に現れる

「11さて主の使がきて、アビエゼルびとヨアシに属するオフラにあるテレビンの木の下に座した。時にヨアシの子ギデオンはミデアンびとの目を避けるために酒ぶねの中で麦を打っていたが、 12主の使は彼に現れて言った、「大勇士よ、主はあなたと共におられます」。」

(士師記6章11、12節)

これはイスラエルが、ミディアン人という民族の脅威にさらされていた時代。

イスラエルの人々は、農作物や家畜もミディアン人に奪われて困り果てていました。

 

しかも、それがなんと7年間も続いていたのです。

これは、イスラエル人たちが神様に従わず、悪を行っていたからでした。

 

イスラエルの人々は彼らを恐れ、山々の洞窟などに隠れて過ごしていました。

やがて、彼らは弱りはて、ついに神様に助けを求めるようになります。

 

さて、その頃、ギデオンは酒ぶねの中で小麦を打っていました。

すると、神の御使いがギデオンの前に現れて言いました。

御使い
御使い
勇者よ、神様があなたと共におられます。

ギデオンは答えました。

ギデオン
ギデオン
神様が共におられるのなら、なぜこのような事態になっているんでしょうか。

今や、イスラエルはミディアン人の手に渡されてしまいました。

きっと神様は私たちをお見捨てになったのです!

すると、今度は神様がお答えになりました。

神様
神様
あなたの力なら、イスラエルをミディアン人の手から救い出せるだろう。

そのために、私はあなたを遣(つか)わしたのだ。

ギデオンは答えました。

ギデオン
ギデオン
どうしてそんなことができましょう!

私の家族はマナセ一族の中でも最も貧弱ですし、私だって家族の中で1番年下です。

主はお答えになりました。

神様
神様
私があなたと共にいる。

だから、あなたは1人の人間を倒すように容易くミディアン人を倒すことができるだろう。

ギデオンは答えました。

ギデオン
ギデオン
それならば、そのしるしを私に見せてください!

今から供え物を持ってくるので、少し待っていてください。

ギデオンはそう言うと、

  • 小ヤギを1匹
  • 酵母なしのパンを1つ
  • 肉の入った籠(かご)
  • 肉汁の入った壺(つぼ)

を持ってきました。

 

すると、神の御使いが、

御使い
御使い
肉とパンをここにある岩の上に置き、その上に肉汁を注ぎなさい。

と言ったので、ギデオンはその通りにしました。

 

そして、神の御使いが持っていた杖で岩の上の肉とパンに触れました。

すると、どうでしょう。

 

なんと岩から火が燃えあがり、肉とパンを焼き尽くしてしまったのです。

それを見てギデオンは、ようやくその人が神の御使いであることを確信しました。

ギデオン、偶像を破壊する

「25その夜、主はギデオンに言われた、「あなたの父の雄牛と七歳の第二の雄牛とを取り、あなたの父のもっているバアルの祭壇を打ちこわし、そのかたわらにあるアシラ像を切り倒し、 26あなたの神、主のために、このとりでの頂に、石を並べて祭壇を築き、第二の雄牛を取り、あなたが切り倒したアシラの木をもって燔祭をささげなさい」。」

(士師記6章25、26節)

その夜、神様はギデオンに言われました。

神様
神様
あなたの父の若い雄牛を1頭連れ出して、※バアルの祭壇を壊し、そのそばにあるアシェラ像を切り倒しなさい。

そして、この砦の頂上に祭壇を作って、切り倒したアシェラ像を薪(まき)にして、連れてきた若い雄牛を焼き尽くす捧げ物として捧げなさい。

ギデオンは、召使いを10人選ぶと神様の言われた通りにしました。

 

ただし、イスラエルの人々の目を恐れて夜中に行いました。

朝になり、人々が目を覚ますと、壊されているバアルの祭壇やアシェラの像を発見します。

 

すると、人々はぶち切れて言いました。

イスラエルの人々
イスラエルの人々
一体、誰がこんなことをしたんだ!!

人々がその犯人を探し回ると、それがギデオンの仕業だということが分かりました。

イスラエルの人々はギデオンの父ヨアシュに言いました。

イスラエルの人々
イスラエルの人々
息子を出せ!殺してやる!!

ヨアシュは答えました。

ヨアシュ
ヨアシュ
あなたたちは、バアルをかばうのか。バアルをかばって争う者は殺される。

それに、もし本当にバアルが神ならば、バアル自らがギデオンに罰を下すはずだ。

※バアル、アシェラ➡真の神様ではない異国の神様。

これらの神様を拝むことは偶像崇拝にあたり罪になるが、当時のイスラエル人たちは偶像崇拝を行っていた。

 

偶像崇拝の詳細は、“偶像崇拝”の意味とは?目に見える神を拝むこと!?【3分で分かる】をどうぞ

ギデオン、再び神にしるしを求める

「36ギデオンは神に言った、「あなたがかつて言われたように、わたしの手によってイスラエルを救おうとされるならば、 37わたしは羊の毛一頭分を打ち場に置きますから、露がその羊の毛の上にだけあって、地がすべてかわいているようにしてください。これによってわたしは、あなたがかつて言われたように、わたしの手によってイスラエルをお救いになることを知るでしょう」。」

(士師記6章36、37節)

ある日、ついにミディアン人がアマレク人や東方の民族らと共に、川を越えてやって来ました。

ギデオンは神に言いました。

ギデオン
ギデオン
神様、もし本当に私がイスラエルを救えるというなら、

羊1匹分の毛を麦打ち場に置きますから、羊の毛だけを濡らして土は乾いた状態にしてください。

ギデオンは、再び神様にしるしを求めたのです。

すると、翌朝ギデオンの要求通り、羊の毛だけが濡れ、土は乾いていました。

 

しかし、ギデオンはまだ確信がなかったのか、さらにしるしを求めて言いました。

ギデオン
ギデオン
神様、怒らずにもう1度私のお願いを聞いてください。

今度は、羊の毛は乾いて、土は一面濡れた状態にしてください。

すると、その夜ギデオンの要求通り、羊の毛だけが乾き、土は一面露で濡れていました。

 

こうしてギデオンは、自分がイスラエルを救えるという確信を持つことができました。

神による民の選別

「7主はギデオンに言われた、「わたしは水をなめた三百人の者をもって、あなたがたを救い、ミデアンびとをあなたの手にわたそう。残りの民はおのおのその家に帰らせなさい」。」

(士師記7章7節)

次の日の朝、ギデオンと彼が率いる民たちは早く起きて、エン・ハロドという場所のほとりに陣を敷きました。

一方で、ミディアン人たちの陣は、その北側のモレという丘のふもとにありました。

 

神様はギデオンに言われました。

神様
神様
あなたの率いる民は数が多すぎる。

もし、今のままミディアン人たちと戦って勝利すれば、彼らは私の力ではなく自分たちの力で勝ったと勘違いするだろう。

だから、戦いを恐れている者は、すぐに帰らせるのだ。

なんとただでさえ、敵の軍隊は13万を超えていて圧倒的に不利なのにも関わらず、神様はさらに人数を減らせというのです。

 

ギデオンが人々に呼びかけると、2万2千人もの民は帰り、1万人だけが残りました。(結構帰ったなおい)

神様はギデオンに言われました。

神様
神様
まだ民が多すぎる。彼らを連れて、水辺に下りなさい。

そこで民たちに水を飲ませ、膝をついて犬のように舌で水を舐める者は帰らせなさい。

神様はこれによって、水を飲む間も油断をしない兵士を残そうとしたのです。

 

膝をついて犬のように水を飲めば、突然敵が襲ってきたときに不意打ちに遭うかもしれませんからね。

結果を見てみると、きちんと手で水をすくって注意深く飲んだ者はたったの300人しかいませんでした。(少なすぎぃ!)

 

神様はギデオンに言われました。

神様
神様
この300人で、私はあなたたちをミディアン人たちの手から救おう。

ミディアン人が見た夢

「13ギデオンがそこへ行ったとき、ある人がその仲間に夢を語っていた。その人は言った、「わたしは夢を見た。大麦のパン一つがミデアンの陣中にころがってきて、天幕に達し、それを打ち倒し、くつがえしたので、天幕は倒れ伏した」。」

(士師記7章13節)

その夜、神様はギデオンに言われました。

神様
神様
起きて、敵陣のところへ下っていきなさい。私は彼らをあなたの手に渡そう。

もし下るのが恐いなら、従者のプラを連れていき、敵陣でミディアン人たちが話していることを聞きなさい。

そうすれば、あなたは力を得て敵陣に下ることができるだろう。

ギデオンが従者のプラを連れて敵陣に行くと、ミディアン人たちは平野で横たわって寝ていました。

 

すると、そこにいた前線の1人が仲間に自分が見た夢の話をしていました。

ミディアン人
ミディアン人
あのさー、実は俺、こんな夢を見たんだよ。

大麦の丸いパンがミディアン陣営に転がり込んできてさ、天幕(テント)を倒してしまうっていう夢!

変わった夢だよな~。

仲間は答えました。

仲間
仲間
何と言うことだ。。それはきっと、ヨアシュの子ギデオンの剣だよ!

神様は、我々ミディアン人たちをギデオンの手に渡されたのだ。。

ギデオンはこの話を聞いて、勝利への確信を得て、力が湧き上がってきました。

戦闘開始

「22三百人のものがラッパを吹くと、主は敵軍をしてみな互に同志打ちさせられたので、敵軍はゼレラの方、ベテシッタおよびアベルメホラの境、タバテの近くまで逃げ去った。」

(士師記7章22節)

ギデオンはイスラエルの陣地に戻ると、300人を3つの小隊に分け、全員に角笛と空の水がめを持たせました。

そして、水がめの中にたいまつを入れさせると、イスラエルの人々に言いました。

ギデオン
ギデオン
私が敵陣の端に着いたら、今から言う通りにしなさい。

私と私が率いる者が角笛を吹いたら、あなたたちも敵の陣営を囲みながら角笛を吹き、”主のために、ギデオンのために!”と叫ぶのだ。

ギデオンと彼が率いる100人は深夜に敵陣に着くと、角笛を吹き、水がめを砕きました。

 

すると、他の小隊もそれに応じて角笛を吹き、同じように水がめを砕いて松明を手に取ると、

兵士たち
兵士たち
主のために、ギデオンのために剣を!

と叫び、敵陣を取り囲みました。

 

すると、これに意表を突かれた敵陣の人々はびっくり仰天。

立ち上がって叫び声を上げたかと思うと、逃げ出してしまいました。

 

そして、300人が再び角笛を吹くと、今度は敵の陣営は同士討ちをし始めました。(どういう状況)

これはチャンスと見て、ギデオンたちはミディアン人たちを追撃。

 

あっという間にやっつけてしまいました。

その後、逃げ出したミディアンの王様であるゼバとツァルムナも捕らえて殺し、イスラエルは完全な勝利を収めたのです。

 

こうして、イスラエルの人々はミディアン人を征服し、ギデオンが生きている40年もの間平穏な日々が続きました。

ギデオンは戦いの勝利後、罪を犯した!?

さて、こうして一躍イスラエルを救った英雄になったギデオンですが、実はこのお話には続きがあります。

ミディアン人たちとの戦いに勝利したギデオンは、イスラエルの人々から

イスラエルの人々
イスラエルの人々
ぜひ、王様になってください!!

と頼まれるのです。

 

しかし、ギデオンはこれを

ギデオン
ギデオン
国を治めるのは私ではなく神様だ。神様こそ王なのだ!

とこれを断ります。

「23ギデオンは彼らに言った、「わたしはあなたがたを治めることはいたしません。またわたしの子もあなたがたを治めてはなりません。主があなたがたを治められます」。」

(士師記8章23節)

ここまではいいですよね。

 

しかし、その代わりにギデオンはイスラエルの人々に、

ギデオン
ギデオン
敵から奪った金の耳輪を集めて、私に渡して欲しい。

と要求し、他にも飾り物や王の衣服なども集めました。

 

そして、ギデオンはそれらを使って”エフォド”を作り、町に置いてしまったのです。

エフォドとは、”祭司が着る服”のことを指しますが、これがいけませんでした。

 

イスラエルの人々は、エフォドを拝めばギデオンの勝利の力が得られると考え、

偶像崇拝をするようになってしまったのです。

「ギデオンはそれをもって一つのエポデを作り、それを自分の町オフラに置いた。イスラエルは皆それを慕って姦淫(かんいん)をおこなった。それはギデオンとその家にとって、わなとなった。」

(士師記8章27節)

以前の状態に逆戻りだにゃ〜。

ギデオンがどのような意図でエフォドを町に置いたのかは、聖書には書かれていません。

 

しかし、もしかしたら、自分の功績を形に残して人々に見せつけたいというギデオンの欲望があったのかもしれませんね。

いずれにせよ、これがイスラエルの人々を再び神から引き離す原因になってしまったのは確かです。

 

何とも後味の悪い終わり方ですね。。

なぜギデオンは神様にしるしを求めた!?

ギデオンは、神様に合計3回もしるし、つまり奇跡を見せて欲しいと頼んでいます。

何だかあまりにもしつこいようにも見えますよね?

 

では、なぜギデオンはこんなに何度もしるしを求めたでしょうか。

それは、自分が本当にイスラエルを救えるのか、そしてそれが神様の望みなのかを確信したかったからです。

「ギデオンは神に言った、「あなたがかつて言われたように、わたしの手によってイスラエルを救おうとされるならば、 37わたしは羊の毛一頭分を打ち場に置きますから、露がその羊の毛の上にだけあって、地がすべてかわいているようにしてください。これによってわたしは、あなたがかつて言われたように、わたしの手によってイスラエルをお救いになることを知るでしょう」。 」

(士師記6章36、37節)

考えても見てください。

ギデオンは元々何の変哲もない普通の若者で、彼の家族も一族の中で目立たない地味な存在でした。

 

そんな彼に、神様や御使いが現れて、

神様
神様
あなたはイスラエルを救うだろう。

とか急に言われても、すぐに信じろというほうが難しいでしょう。

 

それこそ、映画や漫画などでしか見ないようなシチュエーションです。

ですから、確信を得るためにギデオンが何度もしるしを求めたのも無理はないのかもしれませんね。

 

まあ、それにしても多い気はしますが。。

慎重な性格が出てるわね〜!

まとめ:ギデオンは凡人の希望の星!

聖書ではたった3章分のお話ですが、何とも濃密なストーリーでしたね。

ギデオンの人間性もよく分かります。

 

僕は個人的に、このギデオンという人物が好きなんですよね。

なぜなら、慎重で臆病な性格が自分とそっくりだから。

 

そんなギデオンでも神様から大きく用いられている姿は、すごく励みになるんです!

皆さんも、自分の弱さを神様に用いていただきましょう。

 

キートンでした。

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