クリスチャンジョーク

【ドラえもん】もし、ジャイアンがある日突然クリスチャンになっていたら

ある日、のび太が外を歩いていると、前からジャイアンがやって来るのが見えます。

のび太はドキッとしました。

のび太
のび太
や、やばい。。ジャイアンだ。。また、いじめられるに違いない。どうしよう。。?

 

のび太はジャイアンに気づかれないように、別の道を通ろうかと考えました。

しかし、よく見ると、いつもとジャイアンの様子が違います。

 

血と暴力に飢えたどう猛な野獣フェイスではなく、慈愛と柔和さに満ち溢れた気品ある顔付き。

 

我が物顔で町内を闊歩(かっぽ)するズンズン歩きではなく、

ワルツを踊るかのように軽やかに足音を刻むジェントルマンのような歩き方。

 

そして、幾人もの子供達を己の欲望のままにもてあそび、

恐怖と絶望の淵へと追いやってきた悪魔の右手には、確かな力強さで聖書が握り締められていました。

 

そのたたずまいは、さながらキリスト教徒の迫害者から神に仕える使徒へと生まれ変わったパウロのようであり、

そこにかつてのガキ大将の面影など微塵も感じられません。

 

その神聖なるオーラのせいか、トレードマークの団子鼻や、だらしくなく突き出たお腹さえもチャーミングでラブリーものに見えるのでした。

 

のび太が混乱していると、ジャイアンがのび太に気づき、とっても嬉しそうな顔で声をかけてきました。

ジャイアン
ジャイアン
ハレルヤ!のび太兄弟!今日は喜びに満ちた素晴らしい日だね。

実は俺さ、今までの罪を悔い改めてクリスチャンになることにしたんだ。

ほら、俺って今までのび太たちに随分と酷いことばっかりしてきただろ?

恐喝に蹂躙(じゅうりん)、誘拐に監禁、一方的な破壊と殺戮(さつりく)。

ただの犯罪者でした。

 

ジャイアンの罪の意識が強すぎて、日常の軽い悪事がとんでもない凶悪犯罪へとド派手に誇張(こちょう)されていたのです。

警察に伝えたら、最低でも長期間の懲役(ちょうえき)はまぬがれないでしょう。

 

のび太の戸惑いをよそに、ジャイアンはしゃべり続けます。

ジャイアン
ジャイアン
だから、のび太に今までのことを一言謝りたくてな。

俺は深く反省しているんだ。もちろん、すぐに受け入れてもらえるなんて虫のいいことは考えちゃいないさ。

俺は今まで大きな勘違いしていた。うぬぼれてた。

俺は”ガキ大将”なんかじゃない。”罪大将”だよ。

だが、どうかキリストの愛の精神で、赦してはもらえないだろうか?

この通りだ、頼む!のび太兄弟、どうか憐れみを!この罪深き子羊に慈悲深き憐れみを!

キリストおおおお!!のび太・キリストおおおおお!!!

 

いつの間にか、のび太は“救い主”になっていました。

ジャイアンはあまりの罪悪感で、頭がおかしくなっていたのです。

 

のび太は、鼻水と涙でぐしゃぐしゃになった顔を、自分のズボンに押し付けているジャイアンをそっと離すと言いました。

のび太
のび太
べ、別にいいよ。。僕のほうも悪いところあったしさ!ほら、仕返しとかしてたし。

今までのことはお互い様ってことで、もう忘れようよ、ジャイアン!

 

のび太がジャイアンの肩にぽんと手を置くと、ジャイアンは天の神の御顔を仰ぐようにのび太を見上げ、ガラガラの声で叫びました。

ジャイアン
ジャイアン
じ、ジーザスのび太!本当か!?

君は何と憐れみ深い神の器なんだ!!ありがとうー!!心の友よ〜!

あ、今の心の友っていうのは決して、社交辞令的で薄っぺらい表面的な友人の意味ではなくて、俺たちは同じ神様を父に持つ1つの家族なんだよっていう意味の深い永遠の繋がりを示すものだからそこのところよろしく頼む

 

重過ぎました。

今までいじめられ続けてきたのび太にとって、ジャイアンの”心の友”になることはあまりにもハードルが高かったのです。

 

のび太が絶望に打ちひしがれていると、ジャイアンはおもむろに、大きなカバンをのび太の前に置きました。

のび太が中を見てみると、ジャイアンが今までのび太から奪ってきた漫画やゲーム、おもちゃに加えて、

子供に人気の商品や最新のグッズまでが、たっぷり詰め込まれています。

 

ジャイアンはのび太ににっこりと微笑みかけると言いました。

ジャイアン
ジャイアン
これ、今までのおわびの印だよ。どうか受けとってくれないか?

そして、一言小さな声で付け加えました。

ジャイアン
ジャイアン
。。。俺のものはお前のもの。お前のものはお前のもの。。だろ?

 

ただのナイスガイでした。

長年、のび太を苦しめ続けていた理不尽で高圧的な”ジャイアニズム”は、何とも素敵な形でついに終わりを告げたのです。

 

のび太が感動に震えていると、ジャイアンはさらに1枚のチケットをのび太に手渡しました。

ジャイアン
ジャイアン
それとな、今度、いつもの空き地でゴスペルのリサイタルをやるんだ。

これからは心を入れ替えて、神様への想いを思いっきり歌っていこうと思ってさ!良かったら、のび太も来てくれよ!

俺の歌を聞いた人が、1人でも多く神様を信じて天国に行ってくれたらいいな〜。。なんてな!ははっ!

 

のび太は、笑えませんでした。

ジャイアンの悪魔のような歌声を聞いて、別の意味で天に召される人間が出るかもしれないからです。

 

どうやら自分の罪には気づいても、自分の“音痴さ”という名の凶器にはまだ気づいていないようでした。

クリスチャンではないのび太も、この時ばかりは、リサイタルに来る人々の無事と平安を祈るしかありませんでした。

 

のび太が曖昧な返事をしていると、ジャイアンはのび太に言いました。

ジャイアン
ジャイアン
じゃあ、他の町の愛しき兄弟たちにも悔い改めにいかないといけないから、俺、そろそろ行くな。

今日は本当にありがとう!敬愛なるドラえもん兄弟にもよろしく伝えておいてくれ。

今度、どら焼きの捧げものを持っていくってな。

のび太兄弟の上に、主の豊かな祝福があらんことを!アーメン。

 

ぎこちない手つきで十字を切った後、足早に去っていくやけに立派なその後ろ姿を、のび太は茫然と見つめました。

ジャイアンのあまりの変化に、頭がついてきません。

 

すると、遠ざかるジャイアンの口から、いつも聞きなれた、しかし、ちょっぴり何かが違うおなじみのあの歌が聞こえてきました。

ジャイアン
ジャイアン
私めはジャイアン〜!神が大将〜♪

〜完〜

【ドラえもん】もし、ドラえもんがクリスチャンだったらある日、のび太がいつものごとく、ジャイアンとスネ夫にいじめられてワンワン泣きながら帰ってきました。 そして、ドラえもんに泣きついて...
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キートン
月間15万PVを達成! プロテスタントクリスチャンで、愛称は"キートン"(本名:辻 勇輝)。 キリスト教の面白さを伝えるために、分かりやす~く情報を発信中。 所属教会は”ひばりが丘バイブルチャーチ”です。 趣味は、曲作り、映画鑑賞、読書、筋トレ、散歩など。

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