ジーザス、エブリワン!キートンです。
漫画界ではタブーになっているって聞いたことあるけど本当?
こういった疑問にお答えします。
皆さんは、ダビデの星というマークを知っていますか?
名前は知らなくとも、きっと一度は見たことがあるのではないでしょうか?
はい、それは地上の星ですね。(くだらない)
ダビデの星というのは、ユダヤ人たちのシンボルとなっているしるしのことです。
キリスト教のシンボルといえば十字架ですが、そのユダヤ教バージョンといった感じでしょうか。
しかし、ダビデの星には様々な歴史があり、そのためにセンシティブな扱いがされることも少なくありません。
実際、漫画界ではタブー視されているなんて話も。。(後述)
そこでこの記事では、クリスチャンの僕が、
- ダビデの星とは?
- ダビデの星は漫画界ではタブーなのはなぜ?
という内容で解説していきたいと思います!
ダビデの星とは?
ダビデの星とは、ユダヤ教やユダヤ人のシンボルとなるしるしのことで、
二つの正三角形を逆に重ねた星型のマークであり、六芒星(ヘキサグラム)の形をしています。
このしるしは名前の通り、旧約聖書に登場するダビデ王が由来となっていますが、その関連は不明です。
イスラエルの国旗にも、このダビデの星が描かれていますね。
☟イスラエルの国旗
ユダヤ人の間で六芒星がユダヤのシンボルとなったのは、中世の頃からだと言われており、
19世紀からはシオニズム運動(ユダヤ人国家建設運動)のシンボルとしても使われ始めました。
ただし、その由来や起源については諸説あり、確かなことは分かっていません。
ダビデの星の他にも、伝統的なユダヤ人のシンボルとしてメノーラーというものがあります。
☟こんなやつ
メノーラーとは、旧約聖書の“出エジプト記”にも登場するユダヤ教の儀式で使われる燭台のことです。
この燭台には7つの枝がついているため、”7枝の燭台”とも呼ばれます。
☟聖書に書かれているメノーラーの記述。
「また純金の燭台を造らなければならない。燭台は打物造りとし、その台、幹、萼、節、花を一つに連ならせなければならない。 32また六つの枝をそのわきから出させ、燭台の三つの枝をこの側から、燭台の三つの枝をかの側から出させなければならない。 33あめんどうの花の形をした三つの萼が、それぞれ節と花をもって一つの枝にあり、また、あめんどうの花の形をした三つの萼が、それぞれ節と花をもってほかの枝にあるようにし、燭台から出る六つの枝を、みなそのようにしなければならない。 34また、燭台の幹には、あめんどうの花の形をした四つの萼を付け、その萼にはそれぞれ節と花をもたせなさい。 35すなわち二つの枝の下に一つの節を取り付け、次の二つの枝の下に一つの節を取り付け、更に次の二つの枝の下に一つの節を取り付け、燭台の幹から出る六つの枝に、みなそのようにしなければならない。 36それらの節と枝を一つに連ね、ことごとく純金の打物造りにしなければならない。」
(出エジプト記25章31~36節)
むしろこちらのシンボルのほうが、ダビデの星よりも長い歴史や伝統がありますね。
ダビデの星は、漫画界ではタブーなのはなぜ?
このように、ユダヤ人やユダヤ教のシンボルとして使われるダビデの星ですが、かなりセンシティブなマークでもあります。
なぜなら、ダビデの星は第二次世界大戦におけるユダヤ人差別を思い出させてしまうからです。
どういうことかというと、第二次世界大戦時にナチスドイツはユダヤ人迫害の際に、
ユダヤ人に”黄色の星型紋様”をつけることを義務づけて差別していました。
そのため”黄色のダビデの星”は、
ユダヤ人にとってはナチスドイツによる大虐殺であるホロコーストの象徴なのです。
実際、2019年のアメリカでの反ワクチン運動で”黄色のダビデの星”が使われ、物議をかもしました。
The anti-vaccine crowd has evidently decided their persecution can only be expressed in Holocaust metaphors. At a rally in Texas yesterday anti-vax media personality Del Bigtree pinned a yellow star on himself mid-speech. pic.twitter.com/m672NNiEzY
— Anna Merlan (@annamerlan) March 29, 2019
☟そのときのニュース記事
米国、アンチワクチン運動に「黄色のダビデの星」着用でアウシュビッツ博物館が非難・ネット大炎上
と思うかもしれませんが、特にダビデの星をセンシティブに扱っているのが漫画業界なのです。
実は、漫画業界ではダビデの星はダブー視されて使用が避けられているということをご存知でしょうか?
実際、その裏付けになるような出来事がいくつか起こっています。
例えば、2018年に「ジャンプルーキー!」という漫画投稿サイトで、作中に六芒星を描いた『ユリバラ』という作品が削除されました。
しかし、六芒星を別の模様に修正すると、作品の公開が再開されたのです。
☟著者であるアオノハルさんの実際のtweetがこちら
ジャンプルーキーで非公開になった人へ
漫画の中に「六芒星」が描かれていないかチェックしてみてください以前投稿した作品ではそこが利用規約に抵触したのか
非公開となりましたが修正したら公開再開されました無事掲載された漫画「ユリバラ」↓にて公開中ですhttps://t.co/fpo4O9PsMj pic.twitter.com/ILFGXxx3Y7
— アオノハル (@aono_haru_manga) December 6, 2018
この削除理由は運営側から明らかにされていませんが、前述した漫画業界のタブーのせいなのではないかと言われています。
しかも、同じような経験をした漫画投稿者が他にも少なからずいるみたいですからね。
また、2021年には人気漫画『進撃の巨人』の“マーレの腕章”というグッズが販売中止になるという出来事も起きています。
このグッズは本作で”悪魔”の種族を区別する腕章として出てくるのですが、
これが”ダビデの星”を想起させるとして批判の声が上がったのです。
☟実際のグッズ。言われてみると確かに似てますね。。
記事読んだけど、この腕章、ナチ党がユダヤ人につけさせた「ダビデの星」みたいだな。
しかし進撃ってそんな第二次世界大戦みたいな話だったの? 巨人という怖いヤバい共通の怪物に頑張って立ち向かう人類愛と誠の話じゃなかったの? https://t.co/16JBnGRo3L pic.twitter.com/QHFTLxp8bb— スナツキン【プロフカード必読】 (@SnaS66on6) November 15, 2021
☟ニュース記事
ナチス「ダビデの星」を想起 「配慮を欠いた」進撃の巨人グッズ販売中止
以前はここまでの規制はなかったみたいですが、近年では漫画が世界に普及している影響で厳しくなってきているようです。
まとめ:ダビデの星はユダヤ教のシンボルでセンシティブなマーク!
◎この記事のまとめ
- ダビデの星は、六芒星(ヘキサグラム)の形をしたユダヤ教やユダヤ人のシンボルマーク
- 旧約聖書に登場するダビデ王が名前の由来だが関連は不明
- ナチスドイツの差別を想起させるためセンシティブな扱いをされることも(特に漫画業界)
ただの星型のように見える”ダビデの星”。
しかし、そこには良いものも悪いものも含めて様々な歴史があるということが分かりましたね。
こういう歴史を知らないでいると、思わぬタブーに触れてしまうこともあるので教養って大切ですね。。
これから漫画家を目指そうとしている方は、気を付けてくださいね!
キートンでした。