ジーザス、エブリワン!キートンです。
あらすじや読みどころなんかを知りたいなあ。。
こういった疑問にお答えします。
今回は、皆さんに1冊の本をご紹介したいと思います。
その本の名は、三浦綾子さんによって書かれた『塩狩峠』。
クリスチャンなら、多くの方が知っている作品ですね!
僕もこの作品には何度もお世話になり、何度も涙のダムが決壊させられました。(言い方)
ただ、全くこの作品について知らない方や、タイトルは知っているけど内容は知らないという方もいるでしょう。
そこでこの記事では、塩狩峠を何度も読んだことのあるクリスチャンの僕が、
- 塩狩峠のあらすじ
- 【ネタバレあり】塩狩峠の感想・読みどころ
についてご紹介していきます!
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目次
塩狩峠のあらすじ
主人公である永野信夫は、明治10年の2月に東京の本郷で生まれました。
永野の祖母はかなりのキリスト教嫌いで、クリスチャンである永野の母親を家から追い出してしまうほどでした。
しかし、これは当時普通のことで、クリスチャンになると実の息子でも縁を切られてしまうような時代だったのです。
キリスト教は世間の人たちに蔑(さげす)まれ、とても嫌われていたんですね。
そんな祖母に育てられた影響か、永野自身も、
と断言するくらいキリスト教のことを嫌っていました。
父や母、妹が祈っていても、教会に行っても決して参加しようとはしません。
しかし、妹の夫から聖書をもらった永野は、やがて聖書を読み始めます。
そして、路上で伝道師がキリストについて熱く説教しているのを見て、ついにクリスチャンになることを決意。
クリスマスに洗礼を受けました。
いつしか、永野は職場でも教会でも絶大な好意と信頼を寄せられる人物になり、なくてはならない存在になっていきました。
ところが、あるとき恐ろしい事件が起こります。
結納のために札幌に向かっていた永野の乗った列車が、
塩狩峠の頂上に差し掛かった際に、客車が離れて暴走し始めたのです。
※結納(ゆいのう)
➡婚約を正式なものとするための、日本の伝統的な儀式のこと。
当然、車内は突然のトラブルに恐怖で満ち、パニック状態です。
鉄道職員だった永野は、デッキにあるハンドルブレーキに飛びつきますが、速度は緩まったものの客車は完全には止まりません。
そんな絶対絶命の状況で、永野がとった驚きの行動とは。。?
【ネタバレあり】塩狩峠の感想・読みどころ
それでは、ここからは塩狩峠の感想・読みどころをご紹介します。
- 読みどころ①感動間違いなしのラストシーン
- 読みどころ②周りに良い影響を与える主人公の生き様
以下ネタバレがあるので、未読の方はご注意ください!
読みどころ①感動間違いなしのラストシーン
塩狩峠のハイライトといえば、やはり感動のラストシーンでしょう。
主人公の永野は、ブレーキでは客車を止められないと見るや、なんと自分の体を下敷きにして客車を止めるのです。
つまり、永野は自分の命を犠牲にして、乗客の命を救ったということになります。
まさに、キリスト教の自己犠牲的な愛を実践したということですね。
こんなお話を聞くと、
もうそういうの見飽きたわー。
と思うかもしれませんが、なんとこれ実話なんです。
こんなフィクションのような感動的な出来事が実際に起こったんです!
“事実は小説より奇なり”とは、まさにこのことですね。
僕は最初この本をうっかり電車の中で読んでしまい、涙を抑えるのが大変でした。
知ってました?思いっきり泣きたいのに泣けないってほんと拷問ですよ??(知らんわ)
ちなみに、その後も、今回は絶対に泣かないぞ!と決意するもあっけなく敗北するというパターンを繰り返しています。
ただ、このラストシーンが感動するのは、それまでに描かれている永野の生い立ちや人柄があるからこそだと思います。
具体的には、
- 大のキリスト教嫌いから、クリスチャンに大転換していくプロセス。
- 周りの誰からも尊敬されて愛された人柄。
- 聖書を学び、それを実行に移していく姿。
などがその前に描かれているからこそ、ラストシーンがとてつもない感動に変わるのです。
ラストシーンだけだったら、
くらいの感動で終わっていたでしょう。
ですので、早くラストシーンに行きたい気持ちを抑えて、きちんと最初から読んで下さい!
当たり前ですが、全部合わせて塩狩峠という1つの作品なので!
本を読み終える頃には、あなたの涙は枯れ果てていることでしょう。(何の予言だ)
読みどころ②周りに良い影響を与える主人公の生き様
本書は、どうしても最後の列車のシーンに目が行きがちですが、
僕がもう1つ感動を覚えるのは、主人公永野信夫の生き様です。
この主人公は、長野政雄(まさお)という実在の人物がモデルになっているのですが、
塩狩峠のエピソードだけでなく、彼の人柄や生き様は普段からとにかく素晴らしかったようなのです。
その一例を挙げると。。
- 自身は非常に質素な生活をするも、教会には多額の献金をする。(その額は、お金持ちの実業家クリスチャンより多かった)
- 信仰熱心で、教会の各集会の全てに出席。
- 自費で各地に伝道し、”鉄道キリスト教青年会”というものを組織。
- 職場でも優秀でどの上司からも絶大な信頼を得る。
- 問題のある職員は彼の所に回され、彼の配下になると全て解決しよく働くようになる。
などなどたくさんの聖人エピソードが書かれています。
ええと、何なんでしょうか、この非の打ち所がない人物は。。(引き気味)
また、杉浦仁という人物は、長野さんのことをこう評しています。
一個の人間像において、長野氏のようにあらゆる美徳を兼ね備えた人物は、絶無と言っても過言ではありません。
どんな悪意を持ってしても、長野氏の一つの欠点を指摘することはむずかしいと思います。
上司、同僚、下僚、友人。。彼を知る限りの人から尊敬され、愛され、親しまれた事実は、そのことを雄弁に物語っています。
(”塩狩峠”より引用)
まさに絶賛の嵐ですね。褒めちぎりです。
普通なら、
フィクションだフィクション!あるいは美化してるんだよ!!
と思いたくなるところですが、塩狩峠の事件が大きな説得力を持たせているのです。
人はピンチの時にその本性が出るといいますが、絶体絶命の中で迷わず自らの身を犠牲にできたこの長野さんは、
これらのエピソードのように、本当に素晴らしい人格を持っていたんだろうなと思わざるを得ません。
まあ立派すぎて、現実味が湧かないのは間違いないですけどね!!
クリスチャンは、イエスが語られたようにこの罪だらけの世の中で、地の塩・世の光として生きる必要があります。
「あなたがたは、地の塩である。もし塩のききめがなくなったら、何によってその味が取りもどされようか。もはや、なんの役にも立たず、ただ外に捨てられて、人々にふみつけられるだけである。 」
(マタイによる福音書5章13節)
「あなたがたは、世の光である。山の上にある町は隠れることができない。 15また、あかりをつけて、それを枡の下におく者はいない。むしろ燭台の上において、家の中のすべてのものを照させるのである。 16そのように、あなたがたの光を人々の前に輝かし、そして、人々があなたがたのよいおこないを見て、天にいますあなたがたの父をあがめるようにしなさい。」
(マタイによる福音書5章14~16節)
つまり、立派な生き方をすることで、この世を清め、神の栄光を表す必要があるということです。
そして、長野さんはまさにこの生き方をした模範のような人物だと思います。
彼はその素晴らしい生き様を通して、多くの人々に良い影響を与えました。
彼を見て、キリスト教に対する悪い印象が変わった人も少なくなかったでしょう。
キリスト教が嫌われ、迫害されていた時代に、長野さんは周りを照らす太陽のような存在だったのではないでしょうか。
実際、彼が自らを犠牲にして亡くなった後、
そのことに感動した何10名もの人がキリストを信じて洗礼を受けたそうです。
僕は、長野さんという1人の人物がもたらした、多大な影響力に感動せざるを得ません!
人はキリストの力によってこれほどまでに、周りの人間に良い影響を与えることができるのです。
地の塩・世の光については、地の塩・世の光とは?わかりやすくクリスチャンが解説【聖書】をどうぞ
まとめ:塩狩峠は感動の実話!
本書のテーマは、一言で言うと犠牲です。
イエスキリストは、私たち人間の罪のために自らを犠牲にして十字架に架けられました。
そのイエスは、このように語られています。
「人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない」
(ヨハネによる福音書15章13節)
イエスは十字架に架かることで人間への愛を示されましたが、長野さんは線路に飛び込むことで愛を示しました。
僕は塩狩峠の長野さんの死を通して、改めてイエスの私たちへの愛を感じることができましたね。
改めて長野さんの死に敬意を表したいと思います。
ぜひ皆さんも本書を手に取って、読んでみてください!
また、本作は映画もあるので、気になる方はそちらもチェックしてみてくださいね!
本作を読む際の注意点としては、涙が爆発するかもしれないので、
絶対に人目につくところでは読まないように。(実体験より)
キートンでした。
👇参考文献